魔法少女と魔術使い
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第三話

 

 

 

 

 

 

「はぁ」

 

「いきなりため息をつくなよ」

 

「そうは言ってもねぇ」

 

「お前がそんな風になるなんて、なんかあったのか?」

 

「あったというか現在進行形であるというか……」

 

憂鬱そうにため息をつくボクとそんなボクを心配する鈴木君。

そんなボク達のクラスに新しいクラスメイトが出来ました。

 

というよりそのクラスメイトっていうのが憂鬱の原因なんだけどね…。

はぁ〜

 

「本当に大丈夫か…?」

 

「鈴木君、フラグってホントに存在するんだね…」

 

「よく分からないけどお前は疲れてるんだと思うぞ」

 

鈴木君、本当に君の優しさは僕にとって数少ない癒しだよ。

他にボクにとっての癒しなんて………イリヤの笑顔とかかな?

 

そんなボクが向ける視線の先にはイリヤと同じ魔法少女になっていた女の子がいた。

 

 

***

 

 

昨日、ライダーとの戦いが終わった後に話しかけてきた人達がいた。

 

一人は頭の軽そうな金髪のくるくるパーマの女の人。

もう一人は空気からでも分かるくらいクールな少女。

 

どうやらこの女の人もステッキに見限られ捨てられたしい。

そうして新しくマスターに選らんだのが少女らしい。

女性はどうやら凛さんと同じくらい、少女の方はボク達と同じくらいの年齢らしい。

 

結局大して重要な話をしていたわけでもなさそうなので僕は気配を消して先に帰らせてもらおうとした。がイリヤに捕まってしまい最後までそこにいることになった。

話は聞いてないけど。

 

「とにかく!イレギュラーはありましたが…しかし勝つのはわたくしですわ。覚悟しておくことですわね遠坂凛!」

 

なんか凛さんに指をさしながら高笑いしながら去っていくルヴィアさん(名前を凛さんが言っていた)。

 

「今回カード手に入れたのボクなんだけど…」

 

「無駄よ、あの高笑いの前ではすべての声はアイツには届かない」

 

「なんか宝具みたいな笑い声ですね…」

 

そんなボクの言葉はルヴィアさんには届かない。

しかしそれより気になることがある。

 

「イリヤ」

 

「なに、アル?」

 

「ボクの勘なんだけど」

 

「偶然だね、たぶん私も同じ勘が働いてると思う」

 

「「多分あの子転校生として再登場してくる」」

 

翌日その間は見事に当たった。

…できれば外れてほしかった。

 

ボクの平穏が羽をつけて飛んでいく夢を見たよ(泣)…

 

 

***

 

 

もう一つのステッキ(たしか「サファイア」だったと思う)と契約している彼女の名前は「美遊・エーデンフェルト」というらしい。

どうでもいいけどこのクラス、ボクを含めて外国人ぽい名前が多くないかな?

もう三人もいると思うけど…。

 

 

そしてどうやら彼女はすごかった。

 

 

なにがって?

説明するよ…。

 

 

算数

 

「――――図より外接半径と線分OBの比はcos(π/n)。内設半径は――――」

 

とこのような大多数の小学生は分からないような方法で問題を解く。

下手したら高校生レベルなんじゃないかな、この子の学力。

 

「この問題はそんなに難しく考えなくてもいいの」

 

「?」

 

「いやそんな不思議そうな顔されても…」

 

大丈夫ですよ、先生。

ボクもあなたと同じ気持ちを持ってると思います。

 

「もっとゆとりを!心にゆとりを!円周率はおよそ3よ!文句あんのかコラァーッ!!」

 

だから騒がないでください…。

 

 

図工

 

「自由に描けとのことでしたので」

 

「自由すぎるわ!」

 

そんな理由でピカソのような絵を描いていた。

そんななか先生がまともに突っ込みを入れていることにボクは感心していた。

 

「…ねぇアル」

 

「なにイリヤ?」

 

「なにを描いてるの?」

 

「なにって…あんな絵が許されるんだったらモナリザ風の絵だって許されそうだなって思って」

 

「モデルは?」

 

「えっ?イリヤだけど」

 

「へぇ〜」

 

ちょっと嬉しそうなイリヤがそこにはいた。

それとラブコメすんなって言う突込みを先生にされた。

……なぜ?

 

 

家庭科

 

「いやあの、あなたたちは何を作っているのですか?」

 

「なにって…」

 

「それは…」

 

「「フライパンで作れる料理を力の限りつくりました」」

 

「なぜフライパン一個でこんな手の込んだ料理がー!?しかもウメェェーッ!?なんちゅうもんを食わせてくれるんのかーッ!?」

 

「先生この頃疲れてそうだったものですから精のつくものをと思い…」

 

「先生、少しうるさいです」

 

「アル君良い子過ぎるッ!そしてミユさんは辛辣!」

 

(((この二人、完璧超人か…!?)))←クラスメイト一同

 

もう三時間目に至って僕は悟った。

もうこの波に乗った方が疲労は少ないと…

こうなったら全力全開で迎え撃つ!!

 

それからは熾烈をきわめた。

 

 

国語

 

「何を書いたの!?」

 

「今の政治に対する問題点と独自の観点を」

 

「ボクはこの地域における十年前の出来事とそれに付属される色々です」

 

「自由に作文を書かせたらこれっ!?」

 

 

 

理科

 

「リンの元素記号は…わかりません」

 

「リンの元素記号はPだよ」

 

「この二人なんで元素記号当てゲームしてるの!?」

 

 

体育

 

「運動能力では負けません」

 

「そういうのは勝った後に言ってほしいな」

 

「(人数余ってこの二人に挟まれるなんて…この頃ついてなさすぎるッ!)」

 

「アル君6秒5!?ミユさん6秒9!?イリヤさんは7秒2!」

 

 

まさかここまで追いつかれるとは思わなかったよ。

まぁ本気だしてないけどね。

でもボクの勝ちだ。

だけどイリヤには悪いことしちゃったかなぁ。

 

 

そんな感じで激闘の一日は終わっていった。

 

 

 

帰りは当番の仕事があったためイリヤには先に帰ってもらった。

かなり落ち込んでいるようだったが多分大丈夫だろう。

 

家についてソファーに飛び込む。

さすがにいろいろと疲れた。

 

「つっかれたーーー!」

 

「お、どうしたんだ。何か嬉しそうじゃないか」

 

「あ、士郎さんおかえりなさい。実は今日、すごい子が転校してきたんだよ」

 

「へぇ、それでなんでそんなに疲れてるんだ?」

 

「色々とやってきたからね」

 

「そうか」

 

あっはっはっはっはと笑いあうボク達。

 

「ねぇ、現実逃避は良くないと思うけど」

 

そんなボク達を現実に戻すリズさんの言葉

 

「せっかく現実逃避に成功してたのに…」

 

「家に帰って一番にあんなもの見せられたらなぁ」

 

ともにため息をつく士郎さんとボク。

そして僕て値の視線の先にはなぜか豪邸が建ってました。

 

 

後でイリヤに聞いた話によるとミユさんはその豪邸に住んでいるらしい。

格差社会ェ…!

 

 

***

 

 

学校にミユさんが引っ越してきたその夜またイリヤ達はカードを集めに行った。

ミユさんが一緒にいるからということで今夜は行くのをやめておいた。

 

結果完敗してきた。

 

どうやら相手は魔法少女にとって相性最悪のキャスターだったらしい。

まぁ負けても命が危険にさらされてないだけマシかな。

 

翌日

 

なぜかイリヤの特訓に巻き込まれました。

 

「なんでボクが…?」

 

『まぁまぁ、少しでもイリヤさんがけがをする確率を減らせると思えば軽いもんでしょう』

 

今日はせっかく届いたアニメのDVDを見たかったのに。

でも連れてこられてしまったものは仕方ない、気分を入れ替えて鍛えるとしますか。

 

「で、今日はなんの練習をするの?」

 

『ではまず飛行をマスターしましょう。今回は空中戦になりそうですから』

 

そう言われて空に浮かび上がるイリヤ。

 

「話を聞く限りキャスターってめんどくさい相手みたいだね」

 

「うん、なんせ空一面に魔法陣が浮かんでるんだよ。ルビーの障壁も越えられるんだもん」

 

「まぁキャスターって言うくらいなんだから魔術を使うのは当然じゃないかな」

 

「はぁ、それでも憂鬱だよ。こっちよりもうまく空を飛ぶんだし」

 

「なら何か魔術弾以外に強力な飛び道具とか使ったら?」

 

「そんなものどこに…あっとそうだ。凛さんからこれ預かってきたんだけど、試しに使ってみない?」

 

そう言ってイリヤが取り出したのは…見えない。

それより空を飛ばれてるとボクなんにも見れないんだけど。

何とかあそこに行けないかな。

「現実を切り取る剣」を利用して…むりだな。

あそこまでは行けてもすぐに落ちてしまう。

何かいい方法はないものか。

 

『あらカードですか、いいですよー』

 

「アーチャーっていうくらいだから弓だよね。どんな必殺の武器が……」

 

そうか!飛べないならほかの方法で空に上がればいいんだ!

そうと決まればさっそく準備を…!

 

よし準備完了!

イリヤの方も何かに成功したらしくでっかい弓を出していた。

こっちも成功するかな。

 

「よーし、さっそく試し打ちを・・・・・・・・・・」

 

「どうしたの?」

 

『どうやら矢がないようです』

 

「弓だけってことか…」

 

つ、使えねー…

あ、そうだ!

 

「イリヤこれ使ってみてよ!」

 

「な、何この黒いの」

 

『というよりどうやってあるさんは空を飛んでるんですか〜』

 

「え?そ、そういえばどうして?」

 

「足元見てよ」

 

そうなふうに言ったら二人の視線がボクの足元に集まる。

…そこには黒い物体がうねうね動いていた。

 

「きゃあぁぁぁぁぁーーーーー!な、何それ!?」

 

『ぶっちゃけとてつもなく不気味ですね』

 

「そうかな?中々うまくいったと思うけど」

 

「それよりも何それ!!」

 

「なにって…イリヤに渡した矢と同じ砂鉄の塊だよ」

 

魔術刻印によって電気を操ることの出来るボクは砂鉄を集め足場にすることで空を駆け上がってきたのだ!

このアイディアのテーマはこれだ!

浮かぶことが出来ないなら歩いていけばいいじゃない!!(byアルカナ・バーン)

 

『でも機動力で負けませんか?」

 

「別にいいよ。そういう相手は地面に叩き落としてから潰すから」

 

『(この人なら問題なくできそうだから困りますね〜)おっと時間切れみたいですね』

 

「ええ〜せっかく弓を試したかったのに〜」

 

「まぁまた今度にしとけば?」

 

「むぅ〜〜」

 

『他の練習をしましょうか』

 

文句を言いたげなイリヤをまとめるルビー。

時々今の状況はこいつだということを忘れそうになるが、決して忘れないようにしよう。

 

 

***

 

 

その後ミユさんが落ちてきて、空を飛ぶため方法をイリヤに聞き、家に帰りみんなでアニメを見た。

その後流れ解散ということになり、ミユさんは向かいの家に帰って行った。

……改めてみると本当にでかいな、あの家。

 

 

そして舞台は夜へ移る。

 

 

がボクは行くことが出来なかった。

というより行くのが遅れてしまった。

 

日頃の疲れというか、昼に魔術を使った影響かとても眠く寝過ごしてしまったようだ。

イリヤも起こしてくれればいいのに…。

まぁ特訓もしてたし大丈夫かな。

 

しかしそんな思いは時間が過ぎていくごとに消えていった。

何か大変なことになるという予想、いや直感が働いた。

ボクは急いで準備をして戦いの場へ急ぐ。

 

「確かイリヤは橋の下で戦うって…!」

 

ここか…!

 

急いで「現実を切り取る剣」を取出し空間を「認識」して「切り取る」。

そしてできた空間の亀裂に飛び込む。

 

そこでボクが見た光景とは

 

 

セイバーのサーヴァントと思われる黒騎士。

 

血だらけで膝をつく凛さんとルヴィアさん。

 

思わぬ強敵に必死に思考を回してるミユさん。

 

そして

 

戦意を喪失させて怖がっているイリヤ。

 

 

そのイリヤの姿を見た瞬間頭から思考というものが消し飛びサーヴァントとの距離を「切り取り」接近する。

そして「現実を切り取る剣」をサーヴァントに向けて下段から切りかかる。

 

 

 

 

こうしてボクと黒セイバーの戦いは始まった。

 

 

 

説明
少年アルカナは死んだ。大切な少女を守り、約束を守り死んでいった。しかし気が付くと死んだ場所ではない全く違う場所にいた!しかも近くには死んだはずの恩人たちの姿が!どうやらここは似ているが全く違う世界らしい。そしてなんやかんやでホームステイした家では守りり抜いたはずの少女がいた!そんな平和な時間を過ごしていたが戦いの時は迫っていた!これはとある魔法(奴隷?)少女と魔術使いの少年の物語。TINAMIにも投稿しています。アニメ化が近いということで思わず書いてしまった小説です。主人公は映画版Fate/stay nightから来ています。
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映画Fate 転生 オリ主 プリズマイリヤ 

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