結局、そのまま再開し、昼飯を抜き(一刀のみ)、昼のお茶の時間が近づいてきたころ、山のようにあった書簡がようやく片付いた。

「終わったみたいね、じゃあ、行きましょうか？」

「もうちょっと休ませて･･････」

　根を詰めすぎ、一刀は机に体を預けぐったりといていた。

「本郷、まだいるか？」

「冥琳？あぁ、まだいるよ」

　扉を開け、冥琳が入って来た瞬間、二人の時間が止まった。

「どうだ？にあっているか？いつぞや北郷がデザインした服を私の大きさにあつらえなおしたのだが･･･････どうした二人とも？」

　そこにいたのは、黒を基調として一刀がデザインしたゴスロリの服であった。

「め、冥琳その恰好･････もしかして、本気で一刀に･･･」

「どうだ？似合っているのか？」

「あぁ････似合っているよ･･････なんて言うか、似合いすぎ？」

　必死に視線を外そうとしているが、その眼は冥琳に釘付けになっていた。

「冥琳！そんな服着て、一刀の気をひこうなんて、卑怯よ！」

「それはちがうな、雪蓮、私には雪蓮のような強引なことができないのでな、なら、私に北郷を引き付ければいい、そう思っただけだ、私は軍師だからな」

「もういい！一刀！行くわよ！」

　視線が外せないままの一刀を引いて行こうとしたが、その手はしっかりと冥琳に握られていた。

「警邏に行くのだろう？ならば、私も行こう」

「そ、その恰好でか？」

「むろんそうだが、何か問題でも？か・ず・と」

　瞬間湯沸かし器ではないが、一刀の顔は一瞬にして真っ赤になった。

「冥琳はダメ！今日は警邏が終わったら、一緒に遊ぶんだから！」

「おや･･････勘違いしているな、私は警邏について行くと言ったのだ、間違わないでほしい、そのあとに一刀と本でも買いに行こうかと思っていたが」

　再び最初のような状況に戻ってしまった。

「･･･････わかったわ、じゃあ、行きましょう」

　意外なことに、三人で警邏に行こうと言い出したのは雪蓮であった。

「雪蓮、ホントにいいのか？」

「ホントはいやだけど、冥琳があそこまでしているんだから･･････」