カーニバル 16話目
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 ウオッカは、オリンズの視線が気になったようで

「な、なによ、私の指なんか見て」

 

「ねぇねぇ、その指輪かわいいね」

キラキラした目で指輪を見ている。

 

 ウオッカも、まんざらでもなく

「べッ別に……もっと、かわいい指輪も持っているし」

 

「ええぇー、ホントに?」

 

 二人は近づいて、あれやこれやとガールズトークを

始めた。

 きっと争いごとなんて、ひょんなことから解決する

んだ。この二人のやりとりを見ていて、ボクは思う。

 

 ただ、その逆も然り。

 

 離れて様子を見ていたブラッドさんが何かに気付く。

「おい!君、ガリズの偵察兵に見られているぞ」

 

 木の陰で見ていた偵察兵は、駆け足でガリズ方面へ

向かっていった。

 

 ウオッカは青ざめた顔をしている。

 

「どうしたの?」オリンズは心配そうに聞く。

 

 両手で顔を覆い

「私の国は規律が、とても厳しいの、たぶん、さっきの

貴女とのやりとりが裏切り行為に見られたと思う」

 

「でも、これくらいなら注意くらいで済むんじゃない?」

ボクは、あまりに落胆している姿をみかねて聞いた。 

 

 ウオッカは首を左右に振る。

 

 すると黙ってみていたガリズの騎士がウオッカの元へ

歩み寄る。

「これくらい?いやいや、敵国の者と仲良く話すなどの

裏切りは重罪だ。国に帰っても命の保障はない」

 

 ほっぺを、これでもかと膨らませたオリンズが

「だったら、わたしが守るよ」

 

 ガリズの騎士は、目を丸くして、数秒後

フフっと笑う。

「ウオッカ、オレは一旦退く。お前はここに残れ」

 

説明
剣と魔法のファンタジー小説です。
続きものです。
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創作 ファンタジー 小説 魔法 オリジナル 長編 

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