リリカルDブレイバーズ 第四話
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リリカルDブレイバーズ

 

第四話 謎の少女との戦い

 

 

目の前にある、非常識で、信じ難い光景に大輔とブイモンは呆然としていた

 

デジタルワールドで数々の修羅場を潜り抜けてきた彼らにとって非常識な出来事はデジモン関連以外無いと思っていた

 

しかし、それは目の前にいる空に浮かぶ金髪の少女の登場によって覆された

 

それはそうだろう・・・常識的に考えて人間が空に浮かべられるはずが無いのだから

 

大輔はとりあえず確認としてブイモンに質問を投げた

 

 

大輔「なあ、ブイモン・・・あの子、デジモンじゃないよな?」

 

 

何故大輔がそんなことを聞いたかというと、彼が今まで見てきたデジモンの進化世代・・・特に『完全体』や『究極体』の中には見た目が人間に近い、または人間に化けられるデジモンがいたからだ

 

自身の仲間である『八神ヒカリ』のパートナーデジモン『テイルモン』の完全体『エンジェウーモン』(天使ではあるが)や、かつての敵であった『アルケニモン』等がそれに該当する

 

おまけに翼や噴射機が無くても空を浮いたり、飛んだりできるデジモンなんて幾らでもいる

 

 

ブイモン「うん、違うと思うよ・・・あの子からはデジモンの気配は感じられないし、多分人間だよ」

 

大輔「そうか・・・じゃあ・・・何で人間の女の子が空に浮いてんだよ−−−−−−!?」

 

ブイモン「そんなの俺が分かるわけないじゃん!!って言うか、俺の方が聞きたいよ−−−−−−!!」

 

 

そんなやり取りをしている大輔とブイモンに対して、少女は光の球体のようなものを自身の周りに展開し始めた

 

それを見た二人は驚きつつも、次の行動を移せるように構えたその時、

 

 

???????『フォトンランサー!!』

 

????「撃ち抜け、ファイア!!」

 

 

少女と電子音みたいな声からの号令と共に光の球体から先程飛んできた光の槍が大輔とブイモンに目掛けて放たれた

 

 

大輔「あれってさっき飛んできたヤツか!?」

 

ブイモン「だ、大輔、来るよ!!」

 

大輔「くそっ!!」

 

 

二人はそれぞれ横に跳ぶことで飛んできた光の槍を回避できたが、大輔とブイモンは互いに離れてしまい、分散されてしまったのだ

 

それを確認した少女は大輔の方へ凄まじいスピードで向かい始めた

 

 

????「バルディッシュ!!」

 

バルディッシュ『サイズフォーム!!』

 

 

またもや響く電子音の声と共に少女は手に携えている『バルディッシュ』と呼ばれた斧のような武器を変形させ、死神の鎌のような光刃を展開した

 

 

大輔「な、何っ!?」

 

????「はああああああ!!」

 

 

武器が変形したことに驚く大輔を尻目に、少女はその光刃を大輔に振り下ろした

 

 

大輔「うおおっ!?」

 

 

大輔をそれを何とか間一髪で躱すが、それで少女の攻撃が終わるわけが無かった

 

少女は再度大輔に目掛けて光刃を振るい始めるのに対して、大輔は紙一重で何とか躱していくが、誰の目から見ても大輔の方が圧倒的に不利である

 

光刃による斬撃をくらうのも時間の問題だ

 

 

ブイモン「大輔!!」

 

 

それを見たブイモンは自身のパートナーを助ける為に大輔のもとへ向かおうとするが、

 

 

???「フェイトの邪魔はさせないよ!!」

 

ブイモン「っ!?」

 

 

ブイモンの前に新たな人影が現れ、その人影は彼に対して拳を繰り出してきた

 

ブイモンはその攻撃を後ろに跳ぶことで何とか回避する

 

そして攻撃を仕掛けてきた人物と対峙すると、その人物の風貌に驚く

 

その人物は金髪の少女同様変わった服装に身を包み、犬のような耳と尻尾を生やした女性だった

 

 

????「アルフ!!」

 

アルフ「フェイト!!この『使い魔』は私が抑えとくからさっさとケリを付けちゃいなよ!!」

 

フェイト「うん、ありがとう」

 

 

『フェイト』と呼ばれた少女は『アルフ』と呼ばれる女性に礼を言い、大輔への攻撃を続行する

 

窮地に立たされている大輔を一刻も早く助けに行きたいブイモンだが、目の前にいるアルフがそれを妨害する

 

その妨害を退ける為にアルフに対して攻撃を仕掛けていくが、自身の小柄な体格やリーチの差もあり、ことごとく躱されてしまう

 

次第にブイモンは段々焦りを募らせていく

 

焦っているブイモンを見たアルフはニヤリと余裕の笑みを浮かべながら、不敵な発言を言い放つ。

 

 

アルフ「私のご主人様があんたの主人をぶっ倒すまで黙って見てなあ!!」

 

ブイモン「ふざけるなあ!!そんなことさせるかあ!!」

 

 

そんなブイモンとアルフの攻防が繰り広げられている一方で、大輔は何とかフェイトの斬撃を躱していくが、

 

 

大輔「(くそっ!!流石にこのままじゃあ埒が明かねえ!!・・・・・・こうなったら、一か八か『アレ』をやってみるか!!)」

 

 

このままでは埒が明かないと感じた大輔はこの状況を打破すべく、ある覚悟を決める

 

大輔は少女から一旦距離を離すべく、後方へ思いっきりバックステップで跳んだ

 

そして無事後方へ着地した大輔は、

 

 

大輔「うおおおおおおおお!!」

 

フェイト「えっ!?」

 

 

逃げるのではなく、まるで迎え撃つかのようにフェイトに向かって前進してきた

 

そんな大輔の行動にフェイトは一瞬驚くも、すぐ冷静になり先程の光の球体を展開して光の槍−−『フォトンランサー』を大輔に向かって放つが、

 

 

大輔「くっ!?うおおおおおおおお!!」

 

 

大輔は飛んでくるフォトンランサーが当たったり、掠ったりしているのにも関わらず、怯むどころか真っ直ぐにフェイトに向かって前進して来る

 

それを見たフェイトは大輔の気迫に恐怖を感じ、攻撃が段々単調的なものへと変わっていく

 

大輔は着実にフェイトのもとへと近づいて来る

 

対するフェイトはまだ完全に大輔への恐怖が拭えていないが、何とか迎撃する為にバルディッシュの光刃を大輔に向かって上段から振り下ろした

 

しかし、

 

 

大輔「(来た!!)」

 

 

フェイトのその攻撃こそが大輔の狙いだった

 

大輔は両手を構える、そして・・・

 

パッシィィン!!

 

 

フェイト「えっ!?」

 

大輔「よっしゃあ、成功だぜ!!伊織のじいさん直伝『真剣白刃取り』!!」

 

 

振り下ろされる光刃を何と真剣白刃取りで受け止めたのだ

 

何故大輔が真剣白刃取りが出来るのかというと、仲間である『火田伊織』の祖父であり、彼の剣道の師範である『火田主税』から護身術として教わっていたからである

 

教える側である主税はデジモンの事に関わる自身の孫や大輔達の身の危険を感じての好意だったのか、それはもう熱心かつ厳しく、地獄のような指導だったという

 

ちなみにその指導を受けさせられたのは大輔や伊織等の現代組だけでなく、大輔のサッカー部の先輩で憧れの存在である『八神太一』等先代組を含めた男性陣全員だった

 

そして、伊織以外の男性陣はその時死にそうな顔で口を揃えてこう言った

 

 

『伊織(君)の(お)じいさん・・・『鬼』だ(よ)(です)・・・』

 

 

・・・伊織以外の男性陣にとっては何とも悲しく、辛い思い出である・・・

 

 

大輔「(伊織のじいさんの指導・・・辛い思い出しか無かったけど、今回ばかりは感謝しないといけないなあ・・・)」

 

 

大輔は真剣白刃取りで光刃を受け止めた状態のまま、心の中で主税に感謝をした

 

一方自身の攻撃を意外な形で受け止められてしまったフェイトは先程の恐怖が吹き飛び、逆に驚いてそのまま呆然としてしまう

 

それは大輔とフェイトの攻防を見ていたアルフも同様だった。

 

 

アルフ「な、何なんだい、アイツは!?フェイトの攻撃を、しかも魔力刃を素手で受け止めるなんて!?」

 

 

先程余裕の表情を見せていたアルフは大輔の行動に大変驚いただけで無く、激しく動揺していた

 

完全に無防備な状態になったアルフの隙を対峙していたブイモンが見逃すはずも無く、チャンスとばかりにアルフに攻撃を仕掛ける

 

 

ブイモン「ホッピングキック!!」

 

 

ブイモンはアルフの右足の脛に向かって思いっきり両足を使ったジャンプキックをくらわせる

 

 

アルフ「っ!?痛ぁああああああ!?」

 

 

『弁慶の泣き所』とも言われる脛を激しく蹴られたアルフはあまりの痛みに耐え切れず、右足の脛を抑えながらうずくまってしまう

 

しかし、ブイモンの攻撃はそれだけで終わらなかった

 

 

ブイモン「ブンブンパンチ!!」

 

アルフ「痛い、痛い、痛い!!やめろ〜〜〜〜〜〜!!」

 

 

今度は両手をぐるぐる回しての連続パンチをアルフの頭にくらわせる

 

たださえ右足の脛の痛みがまだ引いていないのに、頭を連続で叩かれたら流石のアルフも堪ったものではない

 

そしてブイモンはアルフから一旦距離を空け、止めとばかりに自身の必殺技をアルフに向かって繰り出す

 

 

ブイモン「ブイモンヘッド!!」

 

ゴオォォォォォォォォォォン!!

 

アルフ「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

フェイト「っ!?アルフ!?」

 

 

突如聞こえたアルフの悲鳴によりフェイトは呆然状態から解放され、声がした方向へ視線を向けた

 

そこには・・・・・・

 

 

アルフ「はう〜・・・・・・ガクッ(バタン!)」

 

 

ブイモンの必殺技である強烈な頭突きを頭にくらったのか、体をフラフラさせ、そのまま仰向けに倒れて気絶したアルフがいた

 

中くらいの木を簡単になぎ倒す程の打撃を自身の頭にくらったのだ

 

恐らく立っていられない程の脳震盪が起きたのだろう・・・何とも哀れな女(?)である・・・

 

アルフが倒されたことに驚いたフェイトはまたもや呆然としてしまう・・・完全な無防備状態である

 

 

 

大輔「(今だ!!)おりゃああああああ!!」

 

フェイト「えっ!?きゃあ!?」

 

 

そんなフェイトの隙を大輔が見逃すはずが無く、好機とばかりに両手で挟んでいたバルディッシュの光刃を思いっきり廃ビルの屋上の床に突き刺した

 

あまりに突然のことだったのでフェイトは反応できず、少しバランスを崩してしまう

 

しかし、大輔の行動はそれだけで終わらなかった

 

 

大輔「でりゃああああああ!!」

 

フェイト「!?」

 

 

なんと廃ビルの屋上の床に突き刺さっていたバルディッシュを遠くの方へ思いっきり蹴り飛ばしたのだ

 

蹴り飛ばされたバルディッシュの方に視線を向けていたフェイトの隙を突き、大輔は前転で空中に浮かんでいる彼女の下を通り、前転から起き上がるとそのままブイモンと合流すべく全速力で駆け出す

 

 

フェイト「くっ!!フォトンランサー!!」

 

大輔「くっ!!・・・うおおおおお!!」

 

 

フェイトはバルディッシュを回収しに向かいながらも再びフォトンランサーを展開し、大輔に向けて放つ

 

光の槍の猛攻に襲われながらも、大輔は立ち止まらず一気にブイモンのもとへ向かう

 

そして、

 

 

ブイモン「大輔〜!!」

 

大輔「ブイモン〜!!」

 

 

ようやく二人は合流したのだった

 

 

ブイモン「大輔、大丈夫か!?ごめん、俺が大輔の傍から離れてなかったら、大輔をこんな目に遭わせなかったのに・・・」

 

大輔「気にすんなって!それよりもあの娘を何とかしようぜ!!」

 

ブイモン「うん!!」

 

 

大輔とブイモンがフェイトの方へ視線を向けると、フェイトはバルディッシュを回収し終えていた

 

そしてフェイトはバルディッシュの柄を握り締め、こちらを見据える・・・どうやらまだ戦闘を続ける気らしい・・・

 

大輔達としてはこの少女に襲われる覚えが全く無いのでどういうことか聞きたいのだが、目の前にいる少女は必死なのか話ができる状態ではないのも確かだ

 

それを感じたブイモンは隣にいるパートナーにある要求をした

 

 

ブイモン「・・・大輔」

 

大輔「ん、何だ?」

 

ブイモン「俺を『進化』させてくれ」

 

大輔「!?お前・・・」

 

ブイモン「あの娘を止めるには力ずくで止めるしか無いよ」

 

大輔「そりゃそうだけど・・・変な能力を持っているとはいえ、相手はあくまで『人間』なんだぜ」

 

ブイモン「わかってる・・・でも、あの娘に半端な力は多分通用しない・・・こっちも少し本気でいかないと二人ともやられる」

 

大輔「・・・わかった・・・ただし、あの娘が死なないようにはしろよ!」

 

ブイモン「ああ、任せとけ!!」

 

 

ブイモンの元気の良い返事を聞いた大輔は自身の『デジヴァイス』である青と白の『D-3』を取り出し、それを上へと掲げながら大きく叫ぶ

 

 

大輔「デジメンタルアーップ!!」

 

 

大輔の叫びに呼応するかのようにD-3の中央のディスプレイと、ブイモン自身が光り出したのを合図にブイモンの『進化』が始まる

 

 

ブイモン「ブイモン、アーマー進化!!」

 

 

ブイモンのそんな声が響いた瞬間、炎が現れブイモンを包み込む

 

その炎はやがて人の形へと変化し、炎のベールに包まれていた『存在』の姿を現す

 

それは大輔が太一から受け継いだ『勇気』の象徴である『勇気のデジメンタル』によってブイモンが『アーマー進化』した・・・

 

 

フレイドラモン「燃え上がる勇気!フレイドラモン!!」

 

 

炎の力を操る竜人型の『アーマー体』デジモン『フレイドラモン』であった

 

 

フェイト「か、変わった!?」

 

 

フェイトはブイモンが変化した姿に驚きを隠せなかった

 

 

大輔「行け!!フレイドラモン!!」

 

フレイドラモン「おう!!」

 

 

大輔の号令と共にフレイドラモンがフェイトに向かって駆け出す

 

そして、先制攻撃とばかりに自身の得意技をフェイトに繰り出す

 

 

フレイドラモン「ナックルファイア!!」

 

 

右腕に装着されているガントレットから火炎弾をフェイトに向かって飛ばす

 

フェイトは飛んできた火炎弾を避けるが、フレイドラモンの猛攻は終わらない

 

 

フレイドラモン「ナックルファイア!!おりゃあああああああ!!」

 

 

フレイドラモンは先程の技を今度は連続で放つ

 

 

フェイト「くっ!!バルディッシュ!!」

 

バルディッシュ『ディフェンサー!!』

 

 

フェイトは自身に当たりそうな攻撃だけを左手に展開した障壁のようなもので防御しながら火炎弾の雨を回避する

 

それを凌ぎ終えたフェイトは反撃とばかりに再びフォトンランサーを展開し、フレイドラモンに向かって放つ

 

 

フェイト「撃ち抜け、ファイア!!」

 

 

その号令と共に放たれた光の槍は真っ直ぐにフレイドラモンへと向かう

 

対するフレイドラモンは冷静に両腕のガントレットを構え、

 

 

フレイドラモン「クローエクスプレス!!」

 

 

指先に付いている刃で光の槍を弾き、切り裂く

 

 

フェイト「くっ・・・それなら!!」

 

バルディッシュ『サイズフォーム!!』

 

 

フェイトはバルディッシュを変形させ、先程大輔を襲った光刃を再び展開する

 

それを見たフレイドラモンは接近戦を仕掛けて来るかと思ったが、その予想は大きく外れる

 

 

フェイト「アークセイバー!!」

 

フレイドラモン「!?」

 

 

なんとフェイトはバルディッシュの光刃を飛ばしてきたのだ

 

飛ばされた光刃は回転しながらフレイドラモンに迫る

 

 

フレイドラモン「くっ!!」

 

 

フレイドラモンは迫り来る光刃を横に避けることで回避したが、

 

 

フレイドラモン「何っ!?」

 

 

通過した光刃はまるでブーメランのように戻ってきて、再度フレイドラモンを付け狙う

 

弾速はそれほど速くは無いのだが、どこまでも追い掛けるかのごとく付いて来る

 

 

フレイドラモン「くそっ!!」

 

 

追尾して来る光刃を躱していくフレイドラモンだったが、段々と退路が断たれていく

 

そこへ、

 

 

フェイト「そこぉ!!」

 

フレイドラモン「!?」

 

 

フェイトが接近戦を仕掛けて来て、再び展開したバルディッシュの光刃をフレイドラモンに振り下ろす

 

 

フレイドラモン「ぐっ!?」

 

 

フレイドラモンは何とか右腕のガントレットの刃でフェイトの斬撃を受け止めるが、完全に硬直状態になってしまう

 

そんなフレイドラモンのもとに光刃が飛来してきた・・・このままでは直撃する

 

フレイドラモンは空いている左腕のガントレットに炎を最大限まで集束する

 

そして、

 

 

フレイドラモン「ナックルファイア!!」

 

 

光刃に向かって最大パワーのナックルファイアを放つ

 

飛来する光刃は強力な火炎弾によって相殺され、消滅する

 

それを確認したフレイドラモンはフェイトの斬撃を受け止めている右腕のガントレットに炎を集束し、フェイトに向かって放つ

 

 

フレイドラモン「ナックルファイア!!」

 

フェイト「!?」

 

バルディッシュ『ディフェンサー!!』

 

ドオォォォォォン!!

 

フェイト「きゃあああ!!」

 

 

フェイトに火炎弾による爆発が襲い掛かり、彼女は後方へ吹き飛ばされる

 

バルディッシュが咄嗟に展開した障壁によりダメージは大きくなかったものの、服やマント等が少し焦げていた

 

完全に体勢を崩したフェイトにフレイドラモンは自身の必殺技を放つ

 

 

フレイドラモン「ファイアロケット!!」

 

 

全身に炎を纏い、フレイドラモンはフェイトに向かって突撃する

 

 

フェイト「!?ば、バルディッシュ!!」

 

バルディッシュ『ディフェンサー!!』

 

 

それを見たフェイトは回避も迎撃も間に合わないと感じ、障壁を展開して防御に専念する

 

そして、

 

 

フレイドラモン「うおおおおおおおお!!」

 

フェイト「ぐっ!!あうぅぅ!!」

 

 

フレイドラモンの炎の突進とフェイトの障壁が激突する

 

しかし、その拮抗もすぐに優劣を現し始める

 

人間のフェイトより何倍もパワーがあるデジモンのフレイドラモンの方が優勢だった

 

徐々にフレイドラモンに押されていくフェイトは気力でその攻撃を堪えようとしていた

 

自身が完全に不利であるのに、それでも諦めないフェイトの頑張りにはフレイドラモン、そして大輔も内心感心していた

 

だが、その頑張りが何故か悲しく感じる

 

理由はわからないが、この娘と戦うのに対して段々心が痛くなってくる

 

フレイドラモンはちらりと自身の戦いを見守る大輔に視線を向けた

 

その視線に対して、大輔はフレイドラモンにこう言い放つ

 

 

大輔「フレイドラモン・・・終わらせてやれ」

 

 

そのメッセージを受け取ったフレイドラモンは頷き、纏う炎をさらに大きくさせる

 

炎が大きくなったことでファイアロケットの威力が上がり、フェイトの障壁に亀裂が走り始める

 

さらにフレイドラモンは両腕のガントレットに炎を集束し、

 

 

フレイドラモン「ナックルファイア!!うおおおおおおおお!!」

 

フェイト「ぐっ!!くぅっ!!あうぅぅ!!」

 

 

障壁に向かってナックルファイアの連続攻撃をぶつける

 

障壁の亀裂は次第に大きくなり、それに比例してフェイトの体に走る衝撃が大きくなる

 

フェイトの体力も、気力も限界に近づいていた

 

そして、ついに

 

パリィィィィィィン!!

 

 

フレイドラモン「でりゃああああああ!!」

 

フェイト「きゃあああああああああ!!」

 

 

障壁が破壊されたフェイトはフレイドラモンによって大きく吹き飛ばされ、廃ビルの屋上の床に叩き付けられる

 

そして、そのままフェイトは仰向けのまま倒れて動かなくなった

 

 

フレイドラモン「!?(しまった、やりすぎたか!?)」

 

 

それを見たフレイドラモンは内心焦ったが、

 

 

大輔「大丈夫、気絶しているだけだ!!」

 

 

フェイトのもとへ駆けつけ、容体を確認した大輔の言葉によって、フレイドラモンは少女が無事であったことと、目の前の危機を乗り越えたことに安堵の溜息を吐く

 

だが、それと同時に何故この少女と、ブイモンの頭突きをくらって気絶した女性は自分達を襲ってきたのかという疑問が生まれる

 

どちらにせよ、大輔とフレイドラモンもといブイモンは彼女達が目覚めるまでその場に居座るしかなかった・・・

 

 

 

一方その頃、大輔達のいる廃ビルから大きく離れた場所の上空に大きな赤いクワガタのような生物、否デジモンがいた

 

その昆虫型の『成熟期』デジモン−−−『クワガーモン』はまるで何かを探すかのように飛び回っていた

 

そして何かを感じたのか、ある方角へ向かい始める

 

その方角は・・・大輔達のいる廃ビルがある方角だった

 

このクワガーモンの登場が大輔とブイモンに新たな危機をもたらすことになるのだった・・・

 

 

To Be Continue・・・

 

 

説明
今回は大輔&ブイモンVSフェイトのお話です。

※『リリカルDブレイバーズ』シリーズを読んでいる方に一つお願いがあります。コメント欄に感想やアドバイス等のコメントを一ついただけないでしょうか。私自身小説を書いている身としてはまだまだ未熟なので、ここを改善した方がいい等のコメントをいただけるとありがたいです。ご協力よろしくお願いします。

※1/6 プロローグのあらすじと、第一話と第二話のあとがきを変更致しました。
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