IS x アギト 目覚める魂 27: 真実
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治療を終えた翌日。二人は壁に体重を預けながらも立ち上がった。一夏は腕をつっている。

 

「何とかなったな。」

 

「ギリギリでセカンドシフトしてくれて助かりました。」

 

二人が話した事は殆どでっち上げだったが、セカンドシフトした事は真実だった。アーマーリングだったネロはデウス・エクス・ルーチェに変わり、待機状態もメタリックな腕時計に変わったのだ。

 

「でも、あの光は一体・・・・?」

 

「あれが、福音を本当に暴走させた奴の正体だ。気配を感じただろう?」

 

「あれはアンノウンだったんですか?」

 

「ああ。闇の力に仕える上級アンノウンだ。津上さんにも聞いたが、あの人が初めて変身して戦ったのがあいつだったらしい。それもどんどん強くなって三回目の戦いでようやく倒したと。彼が乗っていたフェリーの上客を何人か殺したのも奴の仕業だ、本人の自覚無しでソイツの体を操る事が出来る。あのレベルの強さの奴が他にまだ二体いるんだ。気をつけろ。」

 

「三体も、上級アンノウンが・・・・また、来ますかね?」

 

「ああ。来るだろうな。奴らはしつこい。簡単に止まりはしないだろうな。」

 

アギト達にとっては迷惑極まりない話である。二人は傷む体に鞭打ちながらも立ち上がり、救出したパイロットの様子を見に行った。布団が空と言う事は既に起きているらしい。これ以上探しても傷に響くだけと思い、二人は部屋に引き返したが、その帰り際にバッタリと彼女に会った。

 

「あら、貴方達が私を助けてくれた生徒さん?」

 

「結果的には失敗に終わったが、まあそうだ。大した怪我じゃなくて何より、と言いたい所だが、ちょっと聞きたい。福音は何故暴走した?何らかのウィルスプログラムか?それとも何か別の物か?」

 

「両方よ。」

 

「両方?」

 

「ええ。まず起こったのがあの子の暴走、そして次に起こった異変が、私。私の体が意志に反して勝手に操られてるみたいで・・・・」

 

(やっぱりか・・・・『闇』の使徒だ。)

 

「なるほど。まあ、何にせよ無事で良かった。」

 

「何とぼけてるの?貴方がアレに変身したのは知ってるのよ?もう一人の白いナイトさんと一緒に。でも、助けてくれた御礼に秘密にしといてあげるわ。」

 

「そうしてくれると助かる。」

 

「委員会に俺達の正体がバレたら色々都合が悪いんで・・・・・」

 

「それもそうね。分かったわ。」

 

二人は部屋に戻って再び布団の上で横になった。

 

「疲れたなあ・・・・・トリニティーフォームがあそこまで疲れる物だとは思わなかった。しかも・・・・」

 

「はい。」

 

「「めっちゃ腹減った・・・」」

 

「アイスフレアがあそこまで体力使うとは思わなかったな・・・・使い所気を付けないと・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人の傷は短時間で癒え、膨大な量の食事をとってからバスに乗った。頻りに何が起こったかしつこく聞かれたが、二人は何も言わなかった。箝口令も敷かれている為、無理も無かったが。二人は最前列の席に座ると、シートを倒して眠り始めた。大いびきをかきながらだ。

 

(一夏・・・・・まさか、お前が奴なのか・・・・・?お前が、アギトなのか・・・?あんな姿になって、私の知らない所で今まで戦っていたと言うのか?それは・・・・私がやるべき事だ。お前はもう、戦わなくていい。ISの事で、もう一杯だろう?せめて、私にも何かさせてくれないか?)

 

「先生?」

 

山田先生が千冬の顔を覗き込む。

 

「いや、何でも無い。全く暢気に眠りおって、馬鹿者が。」

 

「でも、なんだかんだ言っても先生も織斑君の事が心配なんですよね?一人っ子の私が行っても説得力無いかもしれませんけど。先輩はお姉さんですし。」

 

「ん、まあ、その、なんだ・・・・私も弟を死なせてしまったとあっては寝覚めが悪いからな。あの事件以来は出来るだけ目の届く所に置いておきたいと思っている。もう、あんな事は・・・・いや、山田君には話しておいた方が良いか。」

 

そして千冬は語った。今まで見聞きした事を全て。自分の過去、その時に得た力、アギト、アンノウン、その未知なる能力。

 

「そうですか・・・・そんな事が。」

 

「この事は他言無用だぞ。私も、弟を実験台にされたくはないのでな。」

 

「分かりました。」

 

学園に到着するまでバスの中の空気は終始張りつめていた。

説明
二十七話です。少し短めです、すいません。
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アギト インフィニット・ストラトス 仮面ライダー 

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