真・金姫†無双 #1
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#1

 

 

「…………あれ?」

 

ふいに覚醒した俺は、瞼を開いて最初の視界に違和感を覚えた。

 

「なんだ、ここ……?」

 

その違和感を解消する為に、記憶を辿る。いつも通りに学校へ行き、テスト前の商売を完遂する。放課後のサッカー部助っ人前に畑に行って、作業をして……。

 

「……そうだった」

 

蔵で鏡を見つけたと思ったら、それが光り始めたのだ。そして意識が途切れて――。

 

「あ、目が覚めましたか?」

「……え?」

 

思考の海から俺を呼び戻したのは、女性の声。身体を起こしてそちらに目を向ければ、茶色がかった髪の、妙齢の女性が入って来たところだった。

 

「この子が見つけたんです。いきなり凄い光と音がしたかと思うと、貴方が倒れていた、って」

「この、子?」

 

言われて初めて気が付いた。女性の背に隠れるように、小さな影。その影も自身を指された事に、ほんの少しだけ顔をのぞかせて、こちらを見せた。女性によく似ている。姉妹か?

 

「世話になったみたいだな、ありがとう。えぇと……」

「ほら、亞莎、自己紹介しなさい」

「はやっ!?あの、その…呂蒙、です……うぅぅ…」

 

姉に促され、名乗った名は呂蒙。こらまた珍しい名前だ。あれ?姉さんは別の名前で呼んでなかった?

 

「俺は北郷一刀だ、ありがとう、呂蒙」

「えと、姓が北で名が郷…字が一刀さん、ですか?」

「へ?」

 

何かがずれていた。

 

 

 

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呂蒙の家で過ごすこと数週間。なんとか違和感を出さないように振る舞いつつ、情報収集を重ねる。得た情報は、信じ難い事だらけだった。正直ドッキリを疑う程で、あの広いフランチェスカにこんな場所を作ってもおかしくはないとも思えるが、そもそも俺をこれだけ長い時間授業にも出さず拘束する意味がない。逆説的に、信じなければならないという状態に陥った。

 

「あの、ここってどう読むんですか、一刀さん?」

「えーと、これはだな――」

 

そうした状況のなか、俺は邑の人たちともとうに打ち解けていた。農作業を手伝ったり、漁に行ったり、山菜を採ったり――。

 

「一刀さんは凄いです……」

「呂蒙だって頑張ってるだろ?独学でそれなら、俺なんてすぐに追い抜かれてしまうさ」

「そ、そんな事ないです!」

 

そして、呂蒙ともよく過ごしている。彼女は向上心が強く、姉と共に武の鍛錬をし、姉が居ない時は、こうして勉強をしていた。将来役人にでもなるのだろうか。

 

「――今日はこんなところかな」

「はい……で、では!」

「あぁ、分かってるよ」

 

余談ではあるが、俺はいま、邑人たちと同じような服装をしている。俺がこの地に来た時のフランチェスカの制服では目立ちすぎると、姉さんが気を利かせて用意してくれたのだ。

ちなみに姉さんは、俺が、最近街で噂になっている『天の御遣い』とやらではないかと言っているが、俺はそんな大それた人間ではない。別世界と言えば確かに異常な状況ではあるが、山を砕く事も河を堰き止める事も出来やしない。あるのは、だいぶ進んだ知識だけだ。

 

ま、その知識を使って呂蒙に色々と教える事が出来る事は喜ばしいのだが。

 

 

 

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さらに時は流れる。

 

「――――お姉ちゃん、ちゃんと寝てないと駄目だよ」

「ごほっ、ごほっ…すみません、亞莎」

 

姉さんが体調を崩し、それがなかなか改善の兆しを見せない、そうした頃だった。

 

「亞莎…」

「なに、お姉ちゃん?」

「一刀さんは、いま何処に?」

「邑の人たちと一緒に、狩りに……」

「そう、ですか……」

 

その時に行われた会話を、俺は聞いていない。

 

「亞莎、聞きなさい……」

「え?」

「もし、私に何かあった、その時は――――」

 

ただ、姉さんと呂蒙の願いに沿った動きを、俺はとる事になる。

 

「姉さん、ちょっと俺、出かけてきます」

「……え?」

 

 

 

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あとがき

 

 

と言う訳で、亞莎たんがメインヒロインのようです。

 

 

頑張って欲しいですね。

 

 

とりあえず、これ以降は1日1話を目標にちまちま上げていこうかと思います。

 

 

オチなんてまったく決めてないので、どんな流れになるかわかんないんだぜ。

 

 

そして、ギャグの要素が皆無……

 

 

どうしよう……(´;ω:`)

 

 

そんなこんなでまた次回。

 

 

バイバイ。

 

 

 

説明
今日2つ目。

休みだったという事で、リハビリも兼ねて。

どぞ。
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コメント
>>きたさん様 モブ子ちゃんですorz(一郎太)
亞沙タンか、期待度高くなってきた! ところでお姉さんのお名前は?(きたさん)
>>あるるかん様 さて、その辺りは状況によりけりかと。どちらにしろ、亞莎たんには幸せになって欲しいものです(一郎太)
>>デーモン赤ペン様 なんか犬以外にも変な人がいる!?まぁ、ゆっくりお待ちいただけたらば(一郎太)
>>狭乃 狼様 長江だし、いつだかにも書いた通り南西だし、呉だとあの娘だけ……だよね、チョコ色の髪って?そして予想を裏切る一郎太(一郎太)
>>きまお様 変なのがいるのはいつもの事だぜ。そして予想を書かれたらそうならないように全力を注ぐのが一郎太だぜ(一郎太)
>>summon様 どういたしまして!(一郎太)
>>叡渡様 矛盾やおかしいところなんて、『外史だから』という魔法の言葉がなんとかしてくれるんだぜ?(一郎太)
>>不知火様 あざっす!シリアルなんて書いた事ないんだぜ?(一郎太)
>>D8様 ゆっくり待って(ry(一郎太)
>>一丸様 お姉さんなんて、3話で登場の途切れるちょいキャラなんだぜ?(一郎太)
>>欠陥製品様 このロリコンがぁ!(一郎太)
>>ロンリー浪人様 たぶんだけど、一刀君がどうこうより状況がギャグ寄りになってくと思われ(一郎太)
>>劉邦様 『苦労人』ポジションでござりまする(一郎太)
>>ヒトヤ犬 そりゃぁ……言わせんな、恥ずかしい。まぁ、文脈から判断しやがれぃ(一郎太)
>>本郷 刃様 呉√だとだいたい予想出来ちゃうので、当然予想外√でござりまする(一郎太)
>>アルヤ様 5,6話目あたりでぶっ飛ばす予定……だぜ(一郎太)
>>envrem様 これから増やしていくんだよー(一郎太)
>>アサシン様 そう言いたいけど、これまでの傾向を考えると色んな方面に手を出しそうだなw(一郎太)
ギャグだと亞沙ちゃんがいずれ朱里のみたいに毒を吐く日が来てしまうのだろうか。 まぁ、それはそれで新鮮だからいいかもww(あるるかん)
亞沙キタァーッ!テンション、フォルティッシモォ! ホォウ! いやすいません、亞沙ってすごく、グッ、とくるかわいさがあるもんだから。続きが楽しみだ。(デーモン赤ペン)
なるほろ、亞莎だったか、チョコ色の髪の子って。気がつかなかったや、テヘw 知識に加えて武力もチートな一刀・・・目ぇ、確実に付けられるな・・・戦狂姫さまに(えww(狭乃 狼)
おい、常日頃フヒーヒとかしゃべる危険人物(危険犬?)が混じっているぞ!皆で排除せよ!・・・その後頑張り屋さんだけ士官した後、その知識の源泉が一刀という事を聞いた柱石さんやらフリーダム小覇王さんに目をつけられるのかな?(きまお)
亜莎がメインヒロインですか!ありがとうございます!!!(summon)
ギャグだろうとシリアスだろうとシリアルだろうと、ボクは一郎太先生の作品が好きなのでモーマンターイ! とりま、毎日読めるとはボク得(神余 雛)
亞莎がメインヒロインとは・・・・!続きをニヤケながら待機してます。(D8)
やっぱり、亞莎だったのか・・・さて、メインヒロインが亞莎なのか・・・お姉さんもいい味出しそうなのに・・・・お姉さん生存ルートを所望する!!wwえ〜〜〜ギャグは・・・・・・・・・・・・・・・・これからということでwwではでは、続き楽しみに待ってます。(一丸)
亞莎がヒロインか…画面の前でニヤニヤしながら待機してます(^3^)/(欠陥製品)
ギャグはなしでもいいかと。金儲けに走る一刀そのものがギャグっちゃギャグだしwww(ロンリー浪人)
問題なのは亞莎が「ボケ」になるのか、「ツッコミ」になるのかが重要事項だな!? (´ヘ`;)(劉邦柾棟)
りょもう「で、では!」一刀「あぁ、分かってる」 ・・・このやり取りの後いったい何が始まるんです?(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
亞莎がメインヒロインですか・・・呉ルートになるのか、はたまたいつも通りに予想外ルートになるのか?(本郷 刃)
ギャグだからオチなんてとんでもなくぶっ飛んでない限り問題ないんだぜ(アルヤ)
亞莎がメインヒロインなんて、なんて俺得!! 続きがとっても気になりますよ。 ・・・ギャグがないのは気にしないで(笑)(happy envrem)
呂蒙ルート!?(アサシン)
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