魔法少女リリカルなのは DevilStrikerS ー変動ー |
「くっ、数が多い!」
『でも、私達がやらないと…!』
「そうやな。シャマルとザフィーラが後ろで逃した悪魔を抑えてくれてはいても二人にも限界がある…だから私達が一体でも出来るだけ悪魔を倒すんや!!」
『はいです!!』
だが、いかにはやての広域魔法でも、全ての悪魔を倒すことはできない。
悪魔達に数で押され、いよいよ追い込まれてきたのだった。
「「「はやて!!(ちゃん、主)」」」
なのは達隊長陣が駆け付けた。
なのは達の合流に驚くはやてとリイン。
「みんな!?どうしてここに!?」
「ダンテさんが私達を行かせてくれたの」
なのはの一言にまた驚く二人。
『ふえ!?ちょっと待ってください!!』
「ちょ、それはないやろ。だってダンテさんは死んだって言うてなかった?」
まさかの人物に信じられない二人。
『誰が死んだって?』
するとダンテが不機嫌そうに言った。
「えっ!?今のって…」
「そう、伝説の魔剣士スパーダの息子でバルダとギルバーの父の…ダンテさんだよ」
『「えええええ!!?」』
『本当にあのダンテさん何ですか!?』
『ああ。そんなに驚くことか?』
はやて達の反応に呆れ気味のダンテ。
『「すみません…」』
『まあいい。とりあえず戦況を報告するぞ。まず、ファントムは倒した。んで、今は嬢ちゃん達がギガビートに苦戦していたからそいつの殲滅をしている。以上だ』
「え!?もう倒したんですか!?」
自分達がてこずった相手を簡単に倒したダンテの実力に驚くなのは達。
『まあな。それよりも早く雑魚共を片づけた方がいいぜ』
そう言って、ダンテは念話を切った。
「そうやな。ほんならみんな!気合い入れていくよ!!」
「「「了解!!」」」
数十分後、ようやく援軍が到着し、今は武装局員が下級悪魔達を殲滅している。
なのは達は武装局員と共に悪魔の殲滅をしている時に念話が入った。
『割り込み失礼します。ティアナです。ギガビートの殲滅、完了しました』
念話の主はティアナだった。
『ああ、ご苦労さんや。ところで、今ダンテさんと一緒におる?』
『はい。しかし驚きましたよ。死んだと思われてた人が生きてたし…何より、その人の実力が凄かったです。ギガビートを一撃で倒してましたもの』
『それにあたし達がてこずったファントムを簡単に倒すしな』
ダンテの圧倒的な強さにもはや呆れる一同。
「とりあえず私達は私達で頑張ろ!あ、そや。合流する地点そっちに今送るから後で合流しよか」
『「はい!!」』
はやての言葉により、ひとまず解散となった。
はやてに合流地点の場所を送ってもらい、そこに向かうティアナ達。
「にしても凄かったですね!ダンテさんの戦い方!!」
「やっぱり本物は違いますね!!」
合流地点に向かいながら、ダンテの戦い方について語り合うスバルとエリオ。
「本当に出鱈目な強さですね…ダンテさん」
キャロもただ驚くばかりだった。
「ま、俺はお前さん等とはキャリアが違うからな。それに…その年で中級悪魔に対等以上、遂には一体倒しちまうんだから恐れ入るぜ」
それに対し、ダンテはスバル達のチームワークの良さに感心していた。
そんな時、
「ダンテさん」
「ん?」
「どうしてそんなに強いんですか?」
ティアナがこんな質問をした。するとダンテはティアナをしげしげと見て、こう言った。
「お前さんは似ているな…アイツに」
「…それってバージルさんの事ですか」
「…!」
予想外の言葉に目を見開くダンテ。だが理由はすぐにわかった。
「ごめんなさい。あなたの事…バルダのリベリオンを通して知ったんです」
気まずげに言うスバル。ダンテは苦笑いしながら
「はは、あのバカ息子め…今度お仕置きだな」
今ここにいない息子の一人に愚痴る。
「まあ同情してくれなくていい。それこそ、俺や兄貴に対する侮辱だ。…いいな?」
と、自嘲気に言いながら釘を刺すダンテ。
「「「はい」」」
分かってくれたらしく、頷くフォワード達。
「っと、話がそれたな。俺が何故強いかだって?そんなの決まっている…[護るもの]の為さ」
「護るものの為…ですか?」
「ああ。人は皆、大抵何かを護るために戦っている。お前さん達だってそうだろ?仲間を護りたい、家族を護りたい、己を護りたい、理由はいくらでもある。そして俺が護りたいのは……親父や兄貴から受け継いだ[魂]と、俺の唯一大切な家族だ」
「バルダやギルバーですね」
ティアナの呟きに頷くダンテ。
「そうだ。本来こんな戦いをせずに、ただ平凡に幸せに暮らしていくはずだった子たちだ。だが悪魔という存在が、二人の運命を歪ませた…」
「「「…………」」」
ダンテの言葉を黙って聞くフォワード達。
「こんな戦いの運命には関わらせたくはなかった…」
それはダンテの後悔……
父親としての後悔だった。
「しかし、それに関わっちまった。これも運命か…」
自嘲気に言うが
「ま、その運命のおかげでバルダやギルバー…俺が、お前さん達に会えた。それでいい」
と、開き直った。
するとフォワード陣は思った。
―――ああ、やっぱり親子なんだと―――
何故ならバルダも以前、そのような事を言っていたからである。
―――村のみんなや父さん母さんが死んじゃったのは悲しいけど、そのおかげでアンタ達に出会えた…それもまた、何かの運命なんだよ―――
「おっ。さっきの姉ちゃん達だ。どうやら合流地点とやらに着いたみたいだな」
「おーい!皆ー!無事かー!?」
気がつけば、合流地点に到着していたらしい。
はやて達がこちらに手を振っているのが見えた。
「(さて、そろそろ行くとするか…)」
遥か空高く聳え立つテメンニグルを見ながら、ダンテはそう考えた。
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三十九話目です。 | ||
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