超次元ゲイムネプテューヌmk2 OG Re:master 第十一話 |
「ん、んぅ……」
妙な寝苦しさか、それとも他の何かか。ネプギアはゆっくりと閉じられていた瞼を開く。むくりと上体を起こして傍らに避けていた十字型の髪留めをまさぐって元の位置にセットする。グイと伸びをすると段々と自分の脳が覚醒していくことを感じながら、朝日の差し込むカーテンの方に視線を向ける。淡い色のカーテンから燦々と振り込む日光を見て今日は昨日と違い、爽やかな晴天であるということが分かった。
たった三日だが、すっかり見慣れてしまった部屋を一瞥してから両足を床に降ろす。
淡く日光を纏う彼女の桃色の頭髪と白く透き通った肌が、彼女の小柄な身体を絶妙にマッチしていて、見る者全てを魅了するように軽く靡く。
未だぼやける瞳を擦ってクリアにしていく。そして部屋の時計の方に視線を移せばまだ時針は7の位置を示していた。早すぎたかと思うが、同室の少年はいつもこの時間帯には起床しているという。まあ早く起きたところで損なことはないのでまあいいかとネプギアは自分の着替えに手を伸ばす。
「あれ……?」
そういえば、とネプギアは思う。スカーフを結び直してからふと部屋の中央部に配置されているソファに目をやった。
そこにはまだすうすうと寝息を立てているキラの姿があったからだ。
彼にしては珍しい、とは思うのだがしかし昨日は散々走り回ったこともある。やはり疲れているんだろうかと疑問に思いながらネプギアはひょこひょこと彼に歩み寄る。
この年の少年にしてはだいぶ幼さを残したような無邪気とも思える寝顔がネプギアの心臓をドキリと跳ね上げた。
彼の顔の位置に合わせるようにネプギアはストンと腰を下ろした。
ごろん、と狭いソファの上で寝返りを打つ彼の寝顔は比較的安らかなモノである。そういえば、最近は自分のことで随分と骨を折ってくれていたなとネプギアは申し訳ない気持ちになると同時に、この少年に対する深い感謝の情が浮かび上がる。
それなら、せめてもう少しだけ眠らせてあげようとネプギアはふっと微笑を浮かべた。
「ん……」
彼の手が、ネプギアの長い髪を捕らえた。
もしかして起きているのではないかと、ネプギアは少しだけ不安な気持ちになる。
でも、それでもいいと。せめてこの瞬間だけでも彼のことをたった独り占めに出来るのなら、と。
せめて彼が気付かない程度に、ネプギアは顔を接近させる。まさしく、息がかかるほどの距離とも言えるだろう。端整な顔立ちがネプギアの瞳に映し出される。これが本当に少年だというのだろうか、と疑問を抱くほどに美しい。
動悸が激しくなる、とネプギアは思う。心臓の音がうるさい、とも。
彼の姿を直視できない、しかし今、彼の姿を捉えていなければもう何もかもを後悔してしまう、とも感じられる。
そこで今まで緩く紡がれていた彼の唇が僅かに開く。
「ぁ……」
「ん?」
寝言だろうか。
ネプギアは首を傾げて、次の言葉を待つ。
「ネプ――」
そこまで、そこまで言った。
キラはもぞもぞと頭部を動かしてその身体を丸めて、また安らかな寝息を立てた。
「キラ……」
名前を、呼ぶ。愛おしげに。
そっと伸びかけの長い髪の上から彼の額をそっとなぞる。心なしか彼の表情が揺らいだような気がしないでもなかったがネプギアはそれでも彼をなで続けた。
彼女の唇は、そっと――。
*
『この盗人め!』
『待て!』
『……クソ、忌々しい小僧め!』
知らない大人達が叫んでいる。
それが自分に向けられている言葉だと言うことは、幼かったキラにも十分に理解できていた。
物心の付く頃には、既にそんなことしか言われなくなっていた。
けれど、そんなことはどうでもよかった。
生きるから、しないといけないんだと。しなければ生きられないんだ、と。
いや、そんな思いもなかったのかもしれない。
彼はずっと小さい頃からそうだった。だから自分が悪い、なんて思いも抱かなかったのかもしれない。
ただ、自分のために――自分のためだけにやったことなのだ。
他人というシステムが彼の中には存在していなかったのだ。
彼らはただ、自分が生きるための標的でしかない。それ以外の感情なんて持ち合わせるはずもなかった。
世界は自分だけのモノで、自分しか世界がなかった。それ以外はすべて踏み台なのだ。自分が生きるための――。
死にかけた。
死ぬと思った。
世界の中で、自分しか生きることのないと思っていた世界で死ぬと。
自分が踏み台と罵り、何の感情も抱かなかった存在に対して、怖い、と。殺される、と思った。
死にたくなかった。
世界に希望なんてなかった。自分が存在する価値なんてないと思っていた。
だけど、死にたくなかった。死ぬのは怖いから。苦しいから。
『ぶっ殺してやる!』
『おう、やっちまえ!!』
『そんなヤツが死んだところで喜ぶヤツがいても悲しむヤツがいるか!!』
いやだ。
死にたくない。
終わりたくない。
怖い。怖い。
『ころさないで……』
掠れた声で答えた。
だけど、聞いて貰えなかった。周りの大人達は誰一人、自分の言葉なんて聞いてくれなかった。
死にたくないよ。
誰か助けてよ。
少年が初めて他人に助けを求めたかも知れなかった。
誰でもいい、この苦しみしかない世界から救ってくれるのなら誰でもよかった。
いやだ、助けないで。
誰も、俺を助けないで。
俺は世界にいちゃいけないんだ。だから、助けないで。
助けて。
誰か俺を助けて。
こんな苦しい世界から助けて。もうこんな世界いやだ。
矛盾が、叫ぶ。
助けて欲しいのか、それともこのまま終わりたいのか分からない。彼自身も自分の心が分からない。
死にたくないはずなのに、終わりを望む自分がいることに少年は恐怖した。
今、目の前に迫っている死の恐怖よりも、だ。
だから、手を伸ばした。
誰でもいい。だから――
*
キラはゆっくりと瞼を開いた。
目の前にあったのは少女の顔だった。美しい彼女の顔がほとんど零距離と言ってもいいほどに、いやまさに零距離で接近していた。
一瞬、何が起こっているのかが理解できなかった。
しかし次の瞬間、全てを理解したときにキラの全身に電流が走ったような刺激が鳴り響いた。
「ッ――」
声が出せない。
それは、ただ単に絶句しているワケじゃない。物理的に声が出せない状態になっていたからだ。
「むっ……」
息を吸うことさえも忘れるほどに、けれど少女の方はそんなキラのことには気付いていない様子で必死に『彼の唇を求めていた』。
「ん……」
少女は瞳を閉じたまま、乱暴に彼に食らいついている。それに対して、もう何もかも分からない、『分かりたくない』というように少年は動けないでいた。
いや、動いてしまえばこの時間も何もかもが雲散霧消してしまうように思えたからだった。彼もまた、必死に彼女を求めた結果――とも言えるだろう。
キラは全身の力が抜かれていってしまうように感じられた。けれど、自分の内の中に沸々と暖かな力のようなモノが注ぎ込まれているようにも感じる。そんなごく曖昧な感情の中で、まだ幸せの中に浸っていようと、求めていた。
「ん、ちゅ……っ」
「!?」
『踏み入られる』。
嫌な感じ。まるで胸を抉られるような鋭い衝撃にキラはビクリと大きく身体が震えた。
流石に、ネプギアの方もそれに気付いたのかスッと迅速に身体を強張らせてキラから距離をとった。
「――、き……ら?」
「ッ」
キラは熱く火照った顔を覆うように腕を添えている。申し訳なさと恥ずかしさとが入り交じって何も思考できなくなる。泣きそうになって、自分が何を言いたいのかも分からないほどに彼の感情はあまりに高ぶっていた。
「ねぷ、ぎあ……なんで……」
答えを、聞きたくないと。
きっと、その答えを聞いてしまえばこの関係は崩れてしまうのではないかと分かってしまった。しかし、それでもキラはそれを聞かずにはいられなかった。
真実を知りたい、と。
ネプギアは、先程から表情を崩さない。いや、崩したままでいた。だからそれが変わることはない。
彼女の小さな唇が、震えながら開かれる。
「それは――ッ」
まるで躊躇するように、ネプギアはふっと目を閉じる。
瞳に涙を溜めて、狼狽するようにネプギアはチラと不安げな視線をキラに向けた。
「だって、私――」
☆ ☆ ☆
プラネタワーの中に応接室の一室。
そこには神妙な面持ちのキラ、ネプギア、アイエフ、コンパ、イストワールの5人の姿があった。
役職柄、なかなか時間の取れなかったイストワールが扉を開けて入室してきた直後だった。
「申し訳ありません。遅れてしまいました」
「いえ、やはりお忙しいんですね」
それに対してアイエフとコンパは端の方で苦笑しきっていたがやはり端なのでキラの視界にそれは映らなかった。
イストワールはキラとネプギアの腰掛けているソファの向かいに腰掛けてこほんと咳払いを一つしてから口火を切った。
「まず……シェアの向上の話、でしたね?」
「はい」
「……女神に対するシェアというのは基本的にモンスターを討伐するクエストをこなしていれば自然と上昇するモノです。依頼者が困っていればそれ相応に上昇するしくみとなっているんです」
キラは首肯する。
つまりやり方は今までと大して変わらないということだが、しかしイストワールの言った『基本的』という言葉が妙に引っかかった。
「イストワール様、『基本的』というのはいったいどういうことでしょうか?」
「クエストをしなくても上げる方法がある、ってことじゃないのかな」
ネプギアの言葉にイストワールは頷く。
「はい。シェアとは女神様に対する信仰力、ですから人々が女神様を信仰すればシェアは上昇します……けれど、今の情勢ではそれは難しいでしょう」
イストワールはそっと目を伏せる。
彼女の意図は言わずとも理解できた。最早、世界の大半の人間が犯罪組織を信仰するような世界。今更、女神を信仰させることなど無理難題である。
「ですが、まだ手はあります」
「……?」
その言葉にネプギアの表情が変わったような気がした。
それを横目にキラはふっと口を開く。
「どういうことでしょうか……?」
「女神様を助けるために、『あの方々』に力を貸してもらうのです」
「あの、方々……?」
ネプギアの問いにイストワールは首肯する。
「はい……。世界のバランスを保つために存在する『ゲイムキャラ』と呼ばれる者達です」
「『ゲイムキャラ』……?」
「彼女たちの居場所は各都市の教祖達が把握しています。プラネテューヌのゲイムキャラは……バーチャフォレストの奥地に存在する遺跡です」
バーチャフォレストの奥地。
キラは記憶をまさぐる。確か境界の規定でそこには一般人は踏み入ることが出来ないと言われていたがまさかそんな理由があったなんてとキラは思う。
「普段、ゲイムキャラ達は表に現れることはなく、謂わば休眠状態となっています」
「それって……大丈夫なんですか?」
ネプギアが冷や汗を垂らしながらイストワールに問い掛ける。
休眠状態と言うことは訪ねても起きていない可能性の方が高いので無駄足じゃないのかなと思う。
「ですが、ゲイムキャラ達は女神達の身に異変が起こった場合に女神の変わりにその地を守護する役割があるのです」
「……つまり、女神様がいない場合の応急処置ってことですか?」
「言い方は悪いですが、つまりはそういうことです」
イストワールは頷く。
しかし、結局のところでキラは素朴な疑問を抱く。
「けど、そのゲイムキャラ達と会ってどうするんですか? そんなことより一刻も早くシェアを上昇させる方が先決でしょう?」
「ゲイムキャラ達にはシェアの向上を促す力が与えられています。それに、彼女たちの力があれば少なからず女神達を救う手だてにも成り得ます。会ってみる価値は十分にあると思いますよ?」
『なるほど……』とアイエフが感心して手を顎にやってうんうんと二、三度頷く。
「とにかく、ゲイムキャラに会えばいいのね? それならすぐにでも出発しましょう。日が落ちてからじゃ危険だわ」
アイエフはすぐにでも駆け出していってしまいそうに身体を揺らしているが、イストワールの方は首を横に振っている。
「いいえ。今はまだゲイムキャラが目覚めている可能性が低いです。一度、私の方で呼びかけてみますから反応があり次第、皆さんが出発してください」
アイエフは渋々といった感じで頷いた。しかしながらキラとしては少しでも時間的余裕が出来たのでほっと胸をなで下ろす。
色々と落ち着きたいこともあるのでキラはまずとネプギアに視線を移す。
「……」
「……!」
バチリと目が合う。しかし、ネプギアはカァと赤面して顔を背ける。
けれど、キラはそれを無視して少し荒くネプギアの手首を掴み、部屋の扉に手を掛ける。
「あ、どこに行くですか?」
「少し話があるので席を外します」
キラはそれだけ言って早々に部屋を出た。アイエフとコンパは互いに見合って首を捻ったのだが。
*
周りには結構な数の職員の姿が見える。
しかし、誰もキラとネプギアの姿に目を留めることなく目まぐるしく動き回っていた。
少し人目のない場所でネプギアの手を離してキラは彼女と向かい合う形となる。
「……あのさ、ネプギア」
「……なに?」
ネプギアとて、キラの言いたいことは理解していたつもりであった。けれど聞かずにはいられなかったのだろう。
もじもじと両手の人差し指を突いて離れてを繰り返してそっと目線を外す。
「……どうして、あんなことを?」
「……」
それは、今朝のキスのことだろう。
ネプギアは一度、きゅっと口を噤んでからそっと開いた。
「後悔、したくないって思ったから……」
「後悔……?」
「そう」
ネプギアはゆっくりと首肯する。
彼女の暗い表情がより一層に映えてしまう。
「後悔したって、きっといい事なんてないと思うから……もう、自分の心に嘘はつきたくないって思ったんだ」
キラはそこで何かを言おうとしたがぐっと堪えた。彼の瞳に映る彼女の姿があまりに悲しそうで何かを発することを阻害したからだ。
「ネプギア……」
「迷惑、だよね……ごめんね」
ネプギアはそっとその場を立ち去る。
彼女のあまりに悲し過ぎる背中にキラはもう何を発することも憚られた。
今はただ、彼の胸の周りを覆っているもやもやとした感情を握りしめることしか、できなかった――。
☆ ☆ ☆
バーチャフォレスト最深部。
話では汚染区域の指定がされており、一般人の侵入は許される場所ではない。
――『汚染』。
モンスターに起こる現象であり、現在で有力なのは犯罪神への信仰の影響とされている。
犯罪神への信仰がモンスターに影響し、モンスターのステータスを跳ね上げ、凶暴な姿にしてしまう。それがいわゆる『汚染』とされている。故の汚染区域だ。
ふと辺りを見てみれば、確かに姿形はどこにでもいるモンスターの姿だ。しかし、それらが纏う色は漆黒に近い禍々しいモノであり、普段なら集団を組んで行動しているモンスター達もどういうわけか自らの仲間たちを襲い、共食いの光景すらも見えた。
「……ヒドイですね」
キラは口元を押さえてそう言った。モンスターの死臭が鼻孔を突く。
アイエフも眉根を寄せてその光景を遠目から眺めていた。
「今回ばかりはモンスターさんに同情しちゃうです。これも犯罪神の影響なんですね……」
コンパは悲しそうにそう呟いた。
キラとしても同感で、それに答えるように頷く。
「初めてみました……『汚染』ってこんなに酷いんですね」
「いつまでも突っ立ってる時間はないわよ。早くゲイムキャラに会わないとどうなるか分からないわ」
アイエフの先導で残る3人も彼女の後を追う。
そんな彼女たちが去って数分後。
その場所には一つの影があった。
「へへッ、マジック様直々の命令だ。絶対に失敗できネェぜ……」
少女は不敵に笑みを零し、堪えるような笑いを辺りに振りまいていた……。
*
「いい? ここのモンスターとは絶対に戦っちゃダメよ。汚染したモンスターは元のモンスターとは段違いだからね」
アイエフは背後を進む三人にそう注意した。
しかし、そんなことを言われなくても三人は十分に理解していた。
周りを見るだけですでにここのモンスター達の恐ろしさ、彼らの放つ殺気とも言うのだろうか。そんなものがビリビリと肌を刺すように感じられたからだ。
しかし、どうも見た限り汚染したモンスターというのは凶暴性が上昇し、理性を失った存在のようにも思える。それが、キラがモンスター達を見て素直に感じた意見だった。
「……けど、それはそれとして凄い場所ですよね、ここ」
キラは周囲を見回してそう漏らした。
まるで空中庭園のようにあちらこちらに道が延びており、まさかプラネテューヌでもこんな技術はないだろうと、いったいこの遺跡はどんな人々がどんな技術を駆使して建造したのかと疑問を抱く。
「そうね……。今までたくさんの学者が研究していたようだけど結局は分からず終いになって……」
「今はモンスターの巣窟、ですね」
コンパの言葉にアイエフはこくりと頷いた。
「最下層まで落ちたら一溜まりもないですね、きっと……」
ネプギアは遥か下方を見下ろしてそう声を発した。
アイエフはそんな彼女に呆れたような視線を送る。
「そうよ、だからあんまり乗り出さない方がいいわ」
と、手で指示を出す。ネプギアはぶるっと肩を震わせてから覗くのをやめた。
――が、そこでネプギアは一つ階下にいた危険種モンスター・ウルフ(汚染)とバッチリと目が合ってしまう。
「あ」
「へ?」
ウルフはその巨体を風のように動かしてトントンとあちこちを乗り継いで4人の前に降り立った。
「「「……」」」
三人がネプギアに『やってくれたな……』みたいな視線を送る。
「しっ、仕方ないもん!」
両手をブンブンと振って抗議するネプギアを横目に三人はいち早く武器を構える。
「ともかく、説教は後回し! まずはコイツをやるわよ!」
アイエフは言うが早いか、ウルフに向かって走り右手のカタールを横薙ぎしてから回しハイキックを叩き込む。
危険種のしかも汚染状態となると手が付けられない。せめて逃げる時間が稼げればと思い、キラも刀を構えて振りかぶる。
『ギャォォォオオオオオオッ!!!』
ウルフの右前足から鋭い薙ぎが繰り出される。
間一髪でそれを避けてキラは更に一閃、左前足に斬撃を叩き込む。
しかし、次の瞬間にウルフは身体を回転させて左後ろ足で跳躍したアイエフを狙う。
「ッ――!」
「アイエフさんッ!!」
キラが庇うように跳んでアイエフの前に立ちはだかる。
しかし、それで勢いが止まるはずもなく二人の身体は遥か遠く、足場を抜けてそのまま落下していく。
「ッ、キラ、アイエフさん!!!」
ネプギアは咄嗟に手を伸ばす。それに呼応するようにキラも右手を伸ばすが届くことなく二人は遥か下方に姿を消した。
「ッ、キラぁ――――――――――――――ッ!!!!」
ネプギアは叫んだ。
しかし、答えは返ってくることなく、その言葉は宙に消えていく。
ウルフは、与えた傷が功を為したのかぐらりと身体を揺らしてズシンと地面に伏した。
けれど、ネプギアにとってそんなことはさしたる問題ではない。
ネプギアは言葉を失ったまま、ただただ下方を見つめることしかできなかった。
静寂だけが、辺りを支配していた。
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そろそろブルーな気分になる時期です。 ……学校関連ですけど。 |
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チータ「結局、具体的な理由は解ってないんだよね〜」デバッカ「汚染の事か」チ「汚染って言うけどさ、何に汚染されたんだかわかんねーんだよな…」デ「ゲイムギョウ界の謎の一つだな…」(ヒノ) | ||
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