なんか神の不手際で転生するらしい
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「乙」

 

「いやあ・・・流石にあの時はちょっと冷や汗をかいたね。まさか、意趣返しでシュランゲフォルムをああいう風に使ってくるなんて・・・・」

 

「にしてはやけにうれしそうじゃないか」

 

「そりゃ〜あのバカ達とは違って楽しかったからね。」

 

「ま、そりゃそうだろうな。」

 

「それに君もやけに機嫌がよさそうだけど?」

 

「なんだかんだ言って興味があるからな・・・コイツ等の実力には」

 

「だろうね・・・僕も興味あるもん」

 

「じゃあ行ってくる」

 

「いってら〜」

 

 

 

そう言って俺はドーム内に入った

 

 

 

Side:フェイト

 

 

 

私はシグナム達の試合が終わったのでドーム内に入ろうとした。途中でシグナムとすれ違いになった

 

 

 

「麻井と戦うのか?」

 

「うん、そうだよ」

 

「なら気を付けておけ、以前の誕生日会の時の準備に榊原から聞いたが『奴は俺よりも強い』だそうだ。」

 

「・・・・わかった」

 

 

 

刃もだけど伸も強いことは分かっている。でも、だからこそ知りたい彼の強さを・・・

 

 

 

「ゴメンね、待たせた?」

 

「別に」

 

「じゃあ始めようか」

 

 

 

Side:三人称

 

 

 

伸とフェイトの戦いは意外にもフェイトが有利に戦いを進めていた。フェイトの攻撃を伸が避けている・・・その行為をずっと続けているだけだった。

 

 

 

「なんや伸君防戦一方だね」

 

「このままフェイトちゃんが勝っちゃうのかな?」

 

「甘いなあ・・・皆」

 

『え?』

 

「彼・・・普通の魔導師とは決定的に違うところがあるんだけどそれが何かわかる?」

 

「・・・・・あれ?そういえば彼のデバイスはどこに行ったの?」

 

 

 

よく見てみると伸は、バリアジャケットは来ているのだが((武器|デバイス))が無い。最初は籠手のようなものを装備しているのかと思ったのだがそれすら装備していないのだ。

 

 

 

「そう、彼は僕のような無限の銃剣製のような例外を除けば魔導師が必ず持っているはずの武器が無いんだ・・・・」

 

「あれ?でも前に私を助けてくれたときは黒い刀を持っていたよ?」

 

「ふぇ!?すずかちゃん。それどういうこと?」

 

「あ・・・え、えっと・・・」

 

「もう彼が魔導師であることはばれているから話していいよ」

 

「そ、そうだね・・・・実は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「そうだったんだ」

 

「でもなんで伸君はあの武器を・・・」

 

「まあそれは見ていればわかるよ(さてどっちがでるかな?)」

 

 

 

と、ここでフェイトの攻撃が止まった。

 

 

 

「・・・・・」

 

「どうした?」

 

「いつまでそうやって避けているんですか?いい加減攻撃してきたらどうなの?」

 

「おや?もう準備体操はよいのか?」

 

「ふざけているの?」

 

「そういうつもりではないのだが・・・・まあいいだろう。じゃあ・・・」

 

『伸、ここは私が』

 

「何?」

 

『ようやく調整も終わりましたし、試運転にはちょうどいいかと・・・・』

 

「それもそうだな・・・・それじゃあ今回はお休みなゼイオン」

 

『認識した』

 

「じゃあセットアップするが・・・・」

 

「なんですか?」

 

「色は当然黒で」

 

『ええーいやです!!』

 

「でも俺黒のほうがいいし・・・」

 

『なら白にしますよ!!』

 

「それはダメだ!アレはどちらかというと茜雫向けだろ!」

 

『ではノーマルで』

 

「チ・・・致し方あるまい・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セイバー、セットアップ

 

 

 

 

 

 

『セットアップ!』

 

 

 

セイバーと呼ばれたデバイスのやけに気合の入った声と共に別のバリアジャケットが展開される。その姿はあのバカが着ていたバリアジャケットにさらに線などの模様が複雑に刻まれたものだった。

 

 

 

「そ、そのバリアジャケットは・・・・」

 

「動揺するな」

 

「!?」

 

「意識を張り巡らせ一瞬たりとも気を緩めるな。如何に外見は奴と似ていてもここにいるのは・・・・」

 

 

 

そう言いながら伸は一瞬でフェイトに近づき自分以外には見えない何かで攻撃した。傍から見れば何か特殊な拳法か何かをしたように見えるだろう。だがソレが振るわれた場所は今いるフェイトには絶対に拳が届かない距離のはずだった。

 

 

 

「本物の騎士王だ」

 

「ク!?」

 

 

 

フェイトは咄嗟に自信が今出せる最高スピードで大げさに伸の攻撃を避けた。そして伸の攻撃が『ヒュン』と、何かが空を切った。

だが、それに対して伸は何の感慨も持たずに言い放った。

 

 

 

「よく躱したな・・・・・まあ、そうでなければ面白くもないのだが・・・・」

 

 

 

そう言いつつ伸は再び手に持つ『何か』をフェイトに振るう。

 

 

 

(もし・・・彼の持っているであろう武器が王鬼のものと一緒なら・・・)

 

 

 

フェイトはそれに対しバルディッシュで迎え撃った。『ガキン』という音が木霊する。それは確かにバルディッシュが伸の持つ何かを受け止めた音だ。

 

 

 

「!?・・・・ほう、受け止めるとは・・・」

 

「今の伸の姿は王鬼と同じだからね」

 

「それは少し違う」

 

「・・・・?」

 

 

 

 

 

 

一方伸とフェイトの戦いを見ていたなのは達は何が起きているのかわからず軽い混乱状態になっていた。

 

 

 

「ちょっと!なんで伸がアイツと同じ格好してるの?」

 

 

 

アリシアのその問いに答えたのは刃だった。

 

 

 

「へぇ〜アイツ・・・アレの調整もう終わらせたのか。」

 

「知っているの?」

 

「うん・・・・ほら何時だったかあのバカがアイツに戦いを挑んだことがあっただろ?その時にな・・・・」

 

 

 

回想開始

 

 

 

「あ〜、時間を無駄にした気分だ・・・・さて、おい(ボソ)」

 

『あなたは・・・』

 

『久しいな』

 

『あなたは・・・確か3と呼ばれていましたね』

 

『うむ、今はゼイオンだがな。そういうお前は騎士王になったのか』

 

『ええ、英霊の座にいたのですが神を名乗る者から「サーヴァント以外で現世にちょっと別世界行ってみない?他の別世界もあるよ〜」と、言われたので興味深かったのですし・・・・真の意味でマスターの剣になれると聞いた時は嬉しかったのですが(まさか英霊の座ごとここに来させられるとは思いもしませんでしたが)・・・まさかこのような下劣な者のデバイスとやらになるとは・・・・これなら切嗣のほうがまだマシでした・・・』

 

「そこで物は相談なのだがセイバー」

 

『なんでしょうか?ゼイオンのマスター』

 

「お前・・・俺のデバイスになる気は無いか?」

 

『嬉しい相談ですがお断りします。』

 

「ほう・・・何故だ?」

 

『私はこのなりでも騎士です。騎士たる者マスターに尽くすのが当然。裏切りなどもってのほかです。』

 

「これはおかしいことを言うものだな」

 

『何?』

 

「騎士とはそもそも一度決めた主に時に剣となり時に盾となり尽くし助ける者のことだ。騎士王とてそれは変わるまい」

 

『ええ、生前の私は国に仕えました。いうなれば国が主でした。だからこそ国の剣、国の盾となり国を救済し続けました。』

 

「では聞くがそれはお前の意思か?」

 

『当然です。私はあの日、あの剣を抜いてから王となり国に仕えることを決めたのです。もちろん、それなりの葛藤はありましたが・・・・それが』

 

「なら今はどうだ?この状況・・・お前は望んでそこの奴に仕えたのか?」

 

『それは・・・・』

 

「確かに一度忠義を決めたのなら不忠をすればそれは裏切りだ。だがな、その忠義が自らの意思を無視した強制ならば・・・押しつけならばそれに忠義を尽くす必要はないだろう。騎士とて感情がある。ちゃんと仕えたい存在がいるからこその騎士だ。だからこそ争いにもなったのだろう?そのかけがえのない何かを失わないために・・・それ故に主従の絆・・・信頼が生まれてくる。俺とゼイオンのようにな。俺達だって最初からこうだったわけじゃない。まだ二桁にもなっていない年月しか過ごしていないがそれでも俺達は互いを信頼し合うだけの絆を持ち合わせている。八神と守護騎士に至っては半年・・・・いや一ヵ月足らずで守護騎士が真に守りたいと思うほどの絆を作り上げた。それと今のこの状況は果たして同じと言えるのか?」

 

『・・・・・・』

 

「勘違いするな。別にお前が本心でそこの奴に仕えたいというのならこの話は無しにする。一度忠義を決めた騎士を引き抜けると思うほど俺は自惚れているつもりもないのでな。あくまでお前の意思を俺は尊重する。もちろん、俺に仕えてくれるのが何より好ましいがお前が真に忠誠を誓いたい人物を探したいというのならその手伝いもしよう。当然、それなりの手間賃はいただくがな・・・・そうだな、その場合はそれまでの間は俺に力を貸してもらおうか・・・無論その後に俺に忠誠を誓いたいと願うのならそれも受け入れよう・・・この場合は客将になるのかな?」

 

『いえ・・・その必要はありません』

 

「ん?」

 

『礼を言います、どうやら私は騎士について少々思い違いをしていたみたいです。それに気付かせてくれた貴方こそ私の主に・・・マスターにふさわしい。』

 

「では!?」

 

『はい、このセイバー・・・あなた忠誠を誓い貴方の剣になることをここに約束します。』

 

「契約成立だな。」

 

『ですが・・・どうするのです?』

 

「?」

 

『このまま私を持って行っても面倒事しか起きませんよ?』

 

「それなら問題ない。後日性能が全く同じものとすりかえればいい。」

 

『ああ、確かに彼ならそれをしても気づきませんね。実際体育の時間の時は私を外していますしそれに、彼が私と話したのは出会った時の最初の日だけですから。』

 

『セイバー・・・お前は使える主を間違えたな・・・』

 

『とっくにわかっています。』

 

「じゃあ・・・お前と同じ性能のデバイスを(神が)作るまでは我慢してくれ」

 

『わかりました。それから、貴方のことはどう呼べば・・・』

 

「好きに呼べばいい」

 

『では、伸と呼ばせていただきます。』

 

「了解した。」

 

 

 

回想終了※因みにここに書かれたことは事実ですが刃はなのは達には捏造設定を言っています。因みに設定は現代ではすでに失われた技術(解析?管理局程度の解析で私のことが分かるわけがありません。そもそも私は英霊です。格が違います)により過去にいたとある超古代時代(平たく言うとヤマトタケルやスサノオくらいの時代)にいた当時騎士王と呼ばれたベルカの騎士の人格とその力を投射したデバイスという設定です。Byセイバー

 

 

 

「あの時彼のデバイスを拾ったのにはそういう理由があったのですか・・・・」

 

「確かに騎士としてならあの馬鹿より麻井のほうが数万倍尽くしたいと考えるな。しかし、『騎士王』か・・・・ますます闘ってみたくなったぞ。」

 

「つーかよ、デバイスに見限られるって・・・・」

 

「前代未聞ですぅ・・・」

 

「いいんじゃないのですか?少なくともアイツが使うより彼が使うほうがあのデバイスも報われるでしょうし」

 

「うむ!ユーリの言うとおりだ!!」

 

「信頼関係は大事だよ!!」

 

「しかし・・・・・アイツの武器はなんなんだ?奴はあんなのはしていなかったが」

 

「アレは((風王結界|インビジブル・エア))か・・・」

 

「風王結界?」

 

「ああ、詳しいことを言うと面倒臭いから省くけど。簡単に言うと風を用いて武器を見えなくさせているんだよ」

 

「風でどうやって見えなくさせるんだ?」

 

「(KYが・・・・)面倒臭いな・・・幾重にも重なる空気の層が屈折率を変えることで覆った物を透明化させているんだよ(まあ、あくまで視覚に訴える機能だから伸の写輪眼のような特定のレアスキルや幻術耐性が強い魔導師相手じゃあまり意味無いんだけどね)」

 

『そうなんだ〜』

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・違う?」

 

 

 

フェイトは彼が否定したことを疑問に思った。

 

 

 

「ああ、このデバイスは少々特別製でな最初からバリアジャケットの基礎部分がすでに組み込まれている。男なら男用の女なら女用でな。」

 

「じゃあ・・・」

 

「こういう風になってしまうのだよ。変わるのは模様ぐらいだ。(まあ、その内全部統一するけどな。服装で今どれを使っているのかわかるなんて短所放っておけねぇし・・・神の奴め・・・・いや、あのバカがそう頼んだんだろうな・・・余計なことを)」

 

 

 

内心愚痴りながら目の前の相手を睨む伸。そして―――

 

 

 

「さて、話はここまでだ。いくぞ」

 

 

 

そして、再び見えない剣を用いて剣戟を放つ。しかしわかりきっていることだがフェイトは伸が持つ武器がなんなのかわからない。少なくとも剣の類としかわからず間合いがどれくらいなのかも理解しきれていない。白兵戦において伸が圧倒し、フェイトが防戦一方になってしまっているのは一目瞭然だった。

 

 

 

「なんでテスタロッサは砲撃魔法を撃たないのだ?主はやてや高町ほどではないにしろ強力なものを持っているというのに」

 

「使わないんじゃない・・・・使えないんだ」

 

「どういう意味だ?」

 

「おそらくフェイトの頭の中ではいまだにアレが焼き付いているんだと思うの・・・・エディアの砲撃をことごとく弾き返したアレを・・・・」

 

 

 

その問いに答えたのは刃ではなく高町だった。

 

 

 

「でも今は出してないじゃない。」

 

「いや、もしかしたら今使ってる風王結界でどこかに隠しているのかもしれない。おそらくフェイトもそう考えているんだろうね。アイツは抜け目がないからな」

 

「言われてみればそうですね」

 

「だとするならフェイトが行えるのは近接戦闘しかない。どちらでも不利なら自身の得意な距離で戦うしかない。」

 

「でも、フェイトがこのままとは思えないよ。だって僕のオリジナルだし!」

 

「そうだよね。フェイトちゃんがこの程度でやられるわけがないよ!」

 

 

 

一方フェイトもただ防戦一方というわけでもなかった。

 

 

 

(確かにすごい剣技だけど・・・純粋な速さなら私の方が上・・・大分剣の長さも把握できた)

 

 

 

そして次の攻撃の時フェイトの姿が消えた。おそらく常人ならそう見えただろう。そして――――

 

 

 

 

ガキィィィン!!

 

 

 

 

伸の武器とフェイトの武器が再びぶつかり合った

 

 

 

「嘘!?」

 

 

 

フェイトは一瞬で伸の後ろを取ったが伸は後ろを向かず、そのまま腕を動かすだけでフェイトのハーケンフォームを受け止めていた。それはもう、無意識による反射の域にまで行った行為だった。

 

 

 

(私の最速が・・・)

 

「一瞬にして俺の背後に周り、剰えフォームチェンジすらそこまで速いとは恐れ入るが・・・・」

 

 

 

一呼吸おいて行った

 

 

 

「こと、反射神経における瞬発力は俺の方が上みたいだな。」

 

 

 

実際、彼は修練の門によるほぼ無限ともいえる時空間の中での修行と鍛錬と別の次元世界での戦いより瞬時に危機察知能力を極限にまで高めることができるからそれを可能としているのも一因しているが、それ以外にも伸にはもう一つの絶対的な要素があった。それは写輪眼の存在・・・写輪眼の動体視力は並じゃない。それはもはや軽い未来予知の域にまで達している。複雑な動きならまだわからないが、直線的な動きならいくらでも対処できてしまうのだ。最も伸は目に特殊な細工をして外観からは通常の写輪眼は見えないようにしているが・・・

 

 

 

「ク!!」

 

 

 

伸からすればフェイトの最大の武器と言える高機動戦闘はあまり脅威ではない。なぜなら伸も最初に天鎖斬月を造りだしそれを自分なりに極めようとした時に知ったのだ。高速・高機動戦闘において一番重要なのはスピードではない、そのスピードを維持したままいかに戦えるか。馬鹿みたいにスピードがあるだけでは意味が無い。車のレースなんかはその代表と言えるだろう。レース場のカーブに至ってはいかにスピードを落とさずに曲がり切れるかつまり無駄なく曲がり切れるかということが操縦者に求められるのだ。

戦闘に関しても同じいかに無駄なく攻撃出来、いかに無駄なくそのスピードを発揮できるのか、その一点に尽きるのだ。攻撃するたびに急ブレーキをかけるのに神経を研ぎ澄ませてしまっては本末転倒だ。ゆえに伸は、天鎖斬月の高機動戦術を極めるためにどのような状況でもほぼ無駄のない行動をするようになおかつパターン化しない動きをする訓練をしていた。無駄が無いということはその動作も限られてしまう・・・なので伸は完璧に無駄のない動きをせずあえて一工程無駄な行動を起こすことでパターン化させなかった。一工程増えるだけでパターンが数百通りは増え相手に自分の行動が読まれにくくなるからだ。

それに比べてフェイトの場合スピードは確かに素様じいが悪く言うとそれだけだ。そのスピードを完璧に使いこなしていない。故に無駄な動きが多すぎる。いくらデバイスの補助があれ、無駄のない動きに関しては完全にその魔導師の腕次第なのだ。つまりその早すぎるスピードが逆に仇となりフェイトの戦闘力を大幅に落としている。なので、仮に伸の背後をとってもフェイトが伸にとって余裕で対処できるスピードにまで落としてしまうため余裕で受け切れてしまう(それでも並みの魔導師よりはるかに早いが)。どちらが優位になるかは一目瞭然だった。しかも――――

 

 

 

「フ!」

 

(どんどん速くなってる!?)

 

 

 

伸は風王結界の風の力を用いてスピードを少しずつ速くしている。このままではいずれフェイトにすら認識できない攻撃もでてくるかもしれない。そのとき伸の攻撃がフェイトのバリアジャケットのマントの部分の一部を斬り裂いた。

その焦燥がフェイトの判断を見誤ってしまうことになった。

 

 

 

(いったん離れないと・・・)

 

 

 

そしてフェイトは距離を取り・・・・

 

 

 

「プラズマスマッシャー!」

 

 

 

左手から雷を帯びた砲撃魔法を伸に放った。それに対し伸は不敵に笑い

 

 

 

「((風王鉄槌|ストライク・エア))!!」

 

 

 

剣に纏わせていた風を解放し暴風をプラズマランサーにぶつけた。あたりに衝撃が響く。

 

 

 

「く・・・・ぅぅ」

 

 

 

そしてその余波が収まる。

 

 

 

(なんとか耐えきった・・・遠距離の砲撃がこの程度なら・・・このままいけば)

 

「・・・・ついに距離を取ったな?近接戦闘のままならまだわからなかっただろうに・・・・」

 

「!?」

 

 

 

爆風が晴れて伸の姿が見える。そこには

 

 

 

「きれい・・・」

 

 

 

誰かがそう言ったのか・・・・光り輝く・・・・まさしく聖剣と呼ぶにふさわしい黄金の聖剣を持つ伸の姿があった。

 

 

 

Side:伸

 

 

「榊原」

 

「ん?」

 

「何故麻井は短期間でセイバーをあそこまで扱える?いくらデバイスとの相性がいいとはいえ一か月程度であそこまで扱うのは不可能だろう?」

 

「・・・・・誰にも言わないって約束できる?」

 

「ああ」

 

「それはね・・・・」

 

 

 

ついにコイツを使わせてしまったな。俺はまだ風王結界をそこまで扱い切れていない。透明化は完璧にできたがそれを解除するのにまだ戸惑ってしまうからな。この辺はどうにもならないものだな。最速の解除方法は風王鉄槌を使わなければならんしかもそれにも普通に解除するよりかは速いというだけではっきり言って遅い。そしてその間に奴の攻撃を受けかねん。天鎖斬月を片手に持てれば話は別だがあいにくとそれは今できない。何せ天鎖斬月を出せるのはゼイオンだけだからだ。まあ高が一か月程度で全て極められるわけないからな。

 

 

 

『いえ、それでもその剣をあの短期間で極められたのはあなたの才です』

 

「短期間で膨大な時間を得られるからの結果だ。それにこの剣を操りきるために風王結界の修行はおざなりになったからな。まあ、肉体的な成長は止まるからと詩は取らないとはいえ高々5〜60年程度の鍛錬で極められるわけねーけどな」

 

『ええ、ですからあなたはそれを可能とするために修練の門を創ったのでしょう?それにあなたはそれでも風王鉄槌をマスターしています。あなたはまさしく努力の天才です』

 

「そちらの世界に俺を当てはめるなら間違いなく俺は『道具作成EX++』だろうな・・・・最も、ほとんど得た能力だがな・・・」

 

『ご謙遜を・・・私の元マスターが貴方と同じ能力を持っていたなら間違いなく宝の持ち腐れですよ』

 

「だろうな」

 

 

 

そう、俺の持つ特典の力は眼を除くとすべて実戦向きとは言えない。アルハザードがもたらすのは無限の知識だけ・・・・あ、今いい名前思いついた。これからは((無限の知識|アンリミデット・ノーレッジ))と呼ぼう。話を戻すが得られるのは知識だけである。確かにあそこの知識はすさまじい。断言してもいい、生き物が関わる戦車以外なら、時間が無制限ならリアルに宝具も創れるし操りかたすら乗っているから原点からその派生・・・・神造兵器の無毀なる湖光や剣が概念化する前の乖離剣すらも俺は創れるし操り方も知っているため担い手になれる。最も戦車も引っ張る生物を除けば引っ張られる兵器は創れるが・・・だが、だからといってそれで一発で無毀なる湖光や乖離剣を創り担い手になれるかと言ったらノーだ。なぜなら創ったことが無いし持ったことすらないからだ。野球で確実にホームランが打てる知識があっても、それを実際可能とするのはその人の経験や腕の他ならない。つまり知識は所詮知識であり知識だけあってもそれを生かす技量と器が無ければ意味が無い。『知っている』と『出来る』とは似て非なるものだ。そしてそれは膨大な・・・・それこそ人間が一生を生きる大半の時間を費やすことで初めて究極の一になるのだ。だからこそ時間軸が異なる修練の門を創ったともいえる。その知識を生かすには写輪眼の動作のコピー能力をフル活用しても人間の一生では短すぎる・・・

 

 

 

「と、言うわけだよ」

 

「つまりアイツには最初から眼にある特殊な力であの剣の使い方がある程度分かっていて、なおかつ時間が異なる世界で修行をしたから短期間であそこまでの実力を得たと」

 

「まあ、そんなところだね。でも、所詮知識は知識・・・・それだけでは相手を倒す武器にはなりえない・・・・それを生かすも殺すも彼次第なんだよ。」

 

 

 

そして見てみるとフェイトが惚けていた。無理もない。俺も最初この輝きを見たときは思わず見惚れてしまったものだ。最もその後、魔力が暴発して黒こげになったのは秘密だ。この光の輝きに比べれば、あのバカの輝きはエクスカリパーだ。

 

 

 

Side:三人称

 

 

「さて、見惚れるのもわからなくはないがこれで終わりにしよう」

 

「・・・・そうだね・・・バルディッシュ」

 

『ソニック&ザンバーフォーム』

 

 

 

そして今から放つこれの名は――――

 

 

 

「雷光一閃・・・・」

 

「よく目に焼き付けるがいい・・・二度目は無いかもしれんからな」

 

 

 

そう言って俺の魔力を剣に与え自身の魔力が強制的に聖属性に変換される。

 

 

 

「プラズマザンバーブレイカー!!」

 

 

 

金色の巨大砲撃が放たれた。それに合わせ真名を解放する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「((約束された勝利の剣|エクスカリバー))!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約束された勝利の剣により同じく金色に強制変換された魔力光による砲撃が放たれそれがフェイトの砲撃とぶつかりあう。拮抗は一瞬、そして光の砲撃は雷を帯びた砲撃を斬り裂きながらフェイトに直撃し勝負は決した。

 

 

 

説明
第四十六話:新しい仲間(模擬戦その2)
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コメント
宝具どうやって創ったのか。物質化した奇跡をナメすぎてないか?(狂)
メディアさんも一回主を見限ってますからね…十二分に有り得たわけで(Lapis lazuli)
デバイスに見限られるとか、乙ww(頭翅(トーマ))
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