?なんとなく 壊れている自分 the origin 2006-1?
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2006.10.5

「ジャングルの掟」

 

お兄ちゃんが 棒を遠くに投げられるようになったよ

周囲の大人達は喜ぶの

これで狩りが出来る 生きていけるね って

 

私は 棒を投げられないの

投げようとも思わないの

それで周囲の大人達は呆れるの

これで本当に 血が繋がっている兄妹なのか? って

 

私は 生きていけないのかな?

 

コンクリートジャングルに囲まれた世界で

ビルとビルの間に 無数の人が見えるの

大人達には見えないのかな?

青白い人が何十人も折り重なって 青白い息を吐いて 倒れてる あの人達が

 

私もいづれ その中の一人になるのかな?

そしたら大人達も 私に気付かなくなるのかな?

 

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2006.10.4

「静寂の中の歓喜」

 

根元から歪み 倒れた高速道路の上を 僕は歩く

歪んだ道路 壊れたビル 横倒しになった電車

空だけが酷く青く まるでそれらの建造物は 今日昨日倒れたような素振りを見せず …まるで始めからそうであったかのように… そこに佇んでいる

 

遠くから 微かに潮の匂いがする

ああ これらは多分 洪水で流されたんだと 僕は悟る

 

何もかもが壊れ それが普通であるかの光景の中に

公園だけが 何事もなかったかのように残っていた

相変わらず人影は無かったけれど

微かに 何か 聞こえる

 

ウフフフフ… アハハハハ…

 

子供達の無邪気な笑い声だけが 主がいなくなった後も その場に残り続けている

音も人も 時間も 大気すらも亡くなったかのような街で

子供達の無邪気な笑い声だけが 今もそこから響いてくる

 

ウフフフフ… アハハハハ…!!

 

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2006.10.3

「銀河鉄道の事故」

 

銀河鉄道は素晴らしいスピードで

今日も夜空を駆け回るよ

でも 今日はいつもと違って

明後日の方向に突き進んでいるよ

 

挙句 高層ビルに 横転しながら突っ込んだ

ビルはめちゃくちゃに壊れて大破

中で明日の遠足の用意をしていた男の子が亡くなったよ

可愛そうに あの子には永久に明日は来なくなったんだよ

 

そんな事故の中で それでも 一人だけ おじいちゃんが

頭が吹き飛んだにも関わらず 生きていたんだ

家族は“良かったね”と言いながら

おじいちゃんを車椅子に乗せて食事に行ったよ

バリアフリーと言いつつも 健常者以上に酷く遠回りを強いられるスロープを登りながら

おじいちゃんは 手術室での事をボンヤリと思い出してた

 

“どうやったら 彼も眠らせられるのだろうか?”

そうぼやいてメスを捨てた 若い医者の事を

 

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2006.10.1

「世界戦争」

 

目の前に落ちた剣を拾い 運命と対峙する

怒りの矛先をそいつに向け 俺は剣で切りつける

斬結ぶ 剣と剣が 火花を上げ 悲鳴をあげる

 

闘う理由? そんなものは知るか

生きて この世に生まれた時から 人は“何か”と闘わなければならない

人と 世界と 運命と

 

神はいるのか? だとしたら何故 争いを許す?

何故 全ての者に 苦労しただけの対価を与えない? 幸福にしない?

神などいない

万が一いたとしても そいつは調停者 見守る事しか出来ない

 

だから 自らの手で 手に入れなければならない 安住の地を

闘う力が無い者は 時代に流され 埋もれるしかない

 

そんな世界を恨むか?

だが 俺達はそんな腐敗した世界で生まれ ここで生きねばならない

どんな泣き叫んでも 生まれた世界だけは 変わらない

 

俺は生きる為に闘う 毎日が戦争だ

それは死ぬまで変わらない

この世界に生まれた限り 死ぬその日まで 戦いは続くんだ …永遠に…

 

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2006.9.30

「さあ君は……」

 

さあ君は息を潜め 生きる機会を探している

さあ君は身を乗り出し 生きる場所を探している

さあ君は足を進め 生きる意味を求めている

さあ君は白い息を吐き 生きる術を求めている

 

さあ 君は 今 生きて いるのか?

 

さあ君は 自分らしく 生きる機会を探している

さあ君は 自分らしく 生きる場所を探している

さあ君は 自分らしく 生きる意味を求めている

さあ君は 自分らしく 生きる術を求めている

 

さあ 君は 自分らしく 生きて いるのか?

 

今いる世界は 本当は偽物で

今いる世界は 本当は空想で

今いる世界は 本当は嘘で

今いる世界は 本当は違うんだと 感じた事は無いか?

 

人は皆 意外と 『自ら』 を よく知らない だから

 

今いる世界は 本当は偽物で

今いる世界は 本当は空想で

今いる世界は 本当は嘘で

今いる世界は 本当は違うんだと 気付く事が無いんじゃないか?

 

さあ君が 今いる世界は 本当は偽物で

さあ君が 今いる世界は 本当は空想で

さあ君が 今いる世界は 本当は嘘で

さあ君が 今いる世界は 本当は違うんだと 感じてみないか?

 

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2006.9.28

「青い瞳の少女」

 

かわいい子に会ったよ 金髪の可愛い少女

ちょっと洒落たカフェで一緒にお茶して ちょっと話もしたよ

彼女は黙って 僕の話を聞きつづけた

だから僕も 必死で話を続けていたんだ

 

…その後?

 

彼女はいなくなっちゃったよ

いや 始めからいなかったよ

 

髪の毛がずるりと落ちて 頭もゴトリと落ちて

ガラスの瞳だけが 相変わらず空を眺めていたよ

 

彼女は 始めからいなかったよ

彼女は 人間じゃなかった

彼女は 人形だった

 

人間だと思った彼女は 始めから人形だったんだよ

 

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2006.9.27

「投身自殺」

 

今 ゆっくりと 身体が地面に向かっていく

ボロボロになった身体なんか 心なんか 捨ててしまおう

 

地面に到達する前に きっと魂だけは ふわりと浮いてくれる筈だ

 

走馬灯? そんなものに映し出されるものは 何も無い

強いて言えば 闇だけが映し出されるに違いない

 

消えてしまえばいい 心も 身体も 過去も 未来も

消えてしまえばいい 自らも 他者も 世の中も 世界も

何もいらない 何も必要無い 何も欲しくない 何も手にしたくない

 

自分が 居た と言う事実

それすらも 無くなってしまえば幸いだ

 

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2006.9.26

「満月の恋心」

 

神父様 私の罪を聞いてくれますか?

 

私には好きな人がいます

叶わない恋だと知っています

でも 私は告白してみました 私の気持ちを

 

返事は分かりきっていました

聖職者は神に仕える身 人の恋に惑わされる事は出来ませんと

そうはっきり神父様は仰いました

 

仕方がないのは分かっていました

だって神父様は 神に仕える身ですから

私の恋に 答える事は出来ないと……

 

だから私は 毎日 この祭壇に向かって懺悔をします

 

満月だけが所在を知る 暗闇に埋もれた教会の祭壇

一番大きな十字架に 両手 両足を楔にかけられ

床に向かって 今も鮮血を滴らせる 神父様

 

神に仕える貴方には 一番ぴったりの姿だと 私は信じていますから

 

その神父様…神に向かって懺悔をします

恋するあまり 好きな人を傷つけてしまった

けれども私は 好きな人の側にいられて 幸せなんです

そんな私を 許して下さい 許して下さい 許して下さい 許して下さい

 

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2006.9.22

「顧みられなかった命」

 

荒廃した町

燃え上がる大地

僕には立ち尽くす事しか出来ない

 

複雑になりすぎた世界は

白にも黒にも成れず

複雑になりすぎた世界は

もはや神の手にも負えない

 

何の為に戦うのか

誰の為の戦争なのか

その問いに答えられる者は もはや誰もいない

 

ただ分かる事は

ここに荒廃した町があり

尚も戦火が止まらぬ事だけ

 

足元には黒焦げになった猫の亡骸

生前のそいつの姿なんか知らないけれど

僕は酷く大切な物を無くしたかのように

ゆっくりと抱き上げ 泣いてあげた

 

もう お前は 一人じゃないんだよ と……

 

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2006.9.20

「奴隷解放宣言」

 

生んでやったから 仕方が無いから 餌を与え

思い通りにならないからと嘆き悲しむ

 

全ては 自分が思い通りにならかった人生に対する復讐なのだ

 

だから 親は 自分の所有物である 子に対し

自分が通りたかった道を 無理矢理にでも通す

それに気付かず 自由にさせていると思い込み

全ての時間を“良い親”を演じるナルシスチックな儀式に注ぎ込む

 

いい加減 こんな繰り返しは止めようではないか

 

だから私は ここに宣言する

 

もう止めよう 奴隷制度は

もう止めよう 子を作る事は

もう止めよう 生んでやったを武器にする事は

もう止めよう 条件付きの愛情を注ぐ事は

もう止めよう 自らの人生に復讐する事は

 

もう止めよう 奴隷制度は

もう止めよう 奴隷制度は

 

全ての奴隷が解放された時 人類は滅ぶかも知れない

けれども 不幸な奴隷を無くす為なら それも仕方あるまい

 

もう止めよう もう止めよう もう止めよう

 

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2006.9.19

「名も無き抽象画展覧会」

 

白い壁 白い柱 白い天井 白い床

そんな美術館の中に掲げられた

沢山の円

僕の顔程の大きさの円が 壁に描かれている

 

縁取りだけ黒い円には「自分」とあり

真っ黒に塗りつぶされた円には「未来」とある

 

灰色に塗りつぶされた円には「世界」とあり

斑になった灰色で塗りつぶされた円には「月」とある

 

メロンの網目のような線が入った円には「教会」とあり

白黒で渦巻きの線が入った円には「自己探求」とある

 

そうして 完全にモノクロの世界となっている一室で

一箇所だけ モノクロでない世界があった

壁一面に 僕の身長よりも大きな円が

サイケデリックな絵具で塗り重ねられ

形容し難い色を作り出していた

乾かない絵具を滴らせた先に目をやると 床に小さく 隠すかのようにタイトルが記されていた

 

「助けて 助けて 私を助けて」

 

僕は覆い被さるように圧倒的な円の前に

為す術も無く 立ち尽くすしかなかった

 

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2006.9.18

「目覚め」

 

暗い森 暗い空 暗い泉…

ゆっくりと波打つ水面

 

いづれともなく落ちてきた水滴は

静寂だけの世界に音を成らす

 

もう何年も もう何年も 眠り続けている

その森の主は やっと目を覚ます

 

…その1粒の水滴の音によって…

 

 もう十分、私は眠った

 このままでも生きられない事はない。

 だが、このままでは、緑の木々も青々とした泉も見渡せない。

 光が無い事には、何も見えないから…な。

 

主は決意を固めたように ゆっくりと空を見遣る

 

そして… やがて…

 

その森に 何十年振りの 朝日が 昇る

ゆっくりと 神々しく 輝きながら

 

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2006.9.13

「非日常的日常」

 

さあ 何も考える事が出来ないのなら

何も考えずに 眠りにつこう

瞳を閉じて ゆっくりと 深い眠りに落ちていこう

 

闇の中で 思考出来ない筈の頭が

有りもしない世界を 写し出す

 

真っ暗闇の中に塔がそそり立ち

何十枚もの舞い散るカードが幾何学模様を作り出す

牢獄の中に灯る1本の蝋燭が

あまりにも細い橋の上に見知らぬ女性を映し出す

 

あまりにも細い橋の上

今にも落ちてしまいそうだと思っていたら

本当に落ちてしまった見知らぬ女性

 

酷くゆっくり酷くゆっくり

まるで飛んでいるかのように

その女性は地面に向かって下りて行く

周囲の暗さ以上に暗い地上に向かって

 

ねぇ

あなたは生きているの?

あなたは死んでいるの?

あなたはそもそも人間なの?

 

そんな疑問も待たないまま

沢山の洋服達が

落ちる彼女の周囲に集まり

その身体に纏わりつく

 

塔も橋も洋服達も女性も

みんなみんな地上の闇に呑まれて行く

不思議と怖くない闇に身を任せていたら

フと視界が明るくなった

 

朝が来たんだ 本当の朝が来たんだ

ギスギス痛む 頭を抱えながら

今日も 一日が始まる

 

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2006.9.8

「白昼夢」

 

閉ざされた 白昼夢の中

モヤの中で ぐらりと傾く地面の中

亡霊達の囁き声が聞こえて来る

 

一体何千年の日 お前達はやって来るのか

そう問いかけをするも

 

囁き声は 私には“言葉”として聞き取れない

 

なぜ お前達は やって来るのか?

 

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2006.9.7

「光」

 

突如 清らかな光が 私の前を照らし出す

私は そこに向かい 一歩 足を踏み出すの

 

私の周りは薄暗く とてもじゃないケド何も見渡せない

例え その光が 希望の光でなかったとしても

私は そこに向かい 一歩 足を踏み出すの

 

無数の道がある中で 無限の道が広がる中で

そこにだけ 清らかな光がある

私は そこに向かい 一歩 足を踏み出すしかない

 

未来を 希望を 光を 信じて……

 

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2006.9.6

「ヤサシイメイロ」

 

午後の昼下がり

暖かい日差し 温かい紅茶

ラジオから流れてきた 懐かしい曲

 

瞳を閉じて一呼吸

まぶたの下に広がる 優しい迷路

 

過去に 未来に 想いを寄せて

迷路の中を 心地よく 彷徨ってみる

 

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2006.9.3

「生きる意味」

 

さあ 賽は投げられた

生きる為の道は 君の前に広がっている

 

さあ 賽は投げられた

生きる為の意思は 君の中に満ちている

 

さあ 胸に溢れる感情を

抑える事なく 吐き出すがいい

 

さあ 他人(ひと)の意思に囚われず

さあ 自分(みずから)の意思に従うのだ

 

さあ 吐き出すがいい 今そこにある感情を

自分の感情を吐き出せるのは 他ならぬ自分だけだ

 

喜べ 怒れ 哀しめ 楽しめ

生きている限りの 全ての感情を

胸に溢れるままに 吐き出して 吐き出して 吐き出して 吐き出して 吐き出して

全てを吐き出してしまうがいい!!

 

感情を殺すな 感情を抑えるな

自分を(みずから)殺すな 自分を(みずから)抑えるな

 

それが 生きる道

それが 生きる意思

君の中に満ちている 活きる意味

 

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2006.8.31

「空」

 

見上げてごらん あの青い空を

 

清らかで 美しく

おおらかで 寛大な

あの青い空を 見上げてごらん

 

太陽が 雲が 風が

僕等を見守っている

 

寂しい時 辛い時

どうしようも無い憤りを感じた時

 

見上げてごらん あの青い空を

 

両手を開き 瞳を閉じて

あの青い空を 見上げてごらん

 

太陽と 雲と 風と

僕等が一緒になるように

深く呼吸をして 想像(イメージ)の空を渡ろう

 

見上げてごらん あの青い空を

 

一緒に

清らかで 美しく

おおらかで 寛大になろう

 

あの青い空を 見上げてごらん

太陽が 雲が 風が

生きる力を 湧けてくれる

 

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2006.8.28

「生きる意味」

 

暗闇の谷底から 這い上がった君

目指した光は 希望ではなかった

希望を掴もうとした手は 空を切り

君は再び 谷底へと落ちていく

 

なのに何故 また這い上がる

なのに何故 光を求める

なのに何故 希望を求め

なのに何故 手を伸ばす

 

ここが君の住処だ 安住の地だ

暗闇の底 安らぎの底

感情が激しく動く事もない

眠っていればいいのだ ただ静かに 安らかに

 

なのに何故 また這い上がる

なのに何故 光を求める

なのに何故 希望を求め

なのに何故 手を伸ばす

 

悩みも無ければ 苦しみも無い

怒りも無ければ 悲しみも無い

喜びなど 感激など求めずに

眠っていればいいのだ ただ静かに 安らかに

 

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2006.8.22

「クモノイト」

 

真っ暗で 歪んだ 迷いの森

歩いても歩いても 出口など見えない

出口など無いのかも知れない

それでも私は歩くしかない

 

真っ暗で 歪んだ 迷いの森

ねじれた天(そら)から 金色に光る 一筋の光

 

〜蜘蛛の糸〜

 

また 幻覚だろうか

また 握れないのだろうか

また 切れてしまうのだろうか

 

だが私は そんな糸でも 掴んでしまう

 

外に出られるとは思わない 思っていない 思ってはいけない筈なんだ

だが私は そこに微かな希望を見いだす事を 辞める事が出来ないんだ

 

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2006.8.18

「滅び」

 

さあ 見るがいい

世界が 歪みだした

空は薄暗い緑に覆われ

大地はきしみ 血の色に染まる

 

神ですら嘆き悲しみ

人は為す術も無く

世界が滅びる様子を見入る

 

大地も空も時間も生命も

全てが悲鳴を上げ

滅んでいく

 

形ある物は皆

形ある者は皆

滅びの定めからは逃れられない

 

人は救いを求め 神にすがるも

神は嘆き悲しむ事しか出来ない

神は人が思う程 万能ではないのだから

 

滅びの定めからは逃れられない

何物も 何者も…

 

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2006.8.14

「透明な存在」

 

無色透明な 私の心

自分でも分からない 見えない心

生きているのか 意思があるのか

それすら分からない 見えない心

吹き出る血の色は 確かに赤色なのに

何故 私の心は 酷く透明なのだろう

 

無色透明な 私の心

何も見えない 何も感じない

生きているのか 死んでいるのか

それすら分からない 透明な私の心

分かっている事はただ一つ

色を求め 救いを求め あがき続けている

 

何が楽しいのだろう? 何が苦しいのだろう?

周囲の人は何故 あんなにも

楽しそうに笑うのだろう? 苦しそうに泣くのだろう?

私には分からない

私に無い色が 彼等をそうさせているのだろうか?

 

誰でもいい 誰でも構わない

私が何者か教えて下さい

透明な心 透明な時間

何も感じない 何も感じられない

そんな 私 を 人間 と呼べますか?

 

手首を切れば そこに確かに流れる血液

真っ赤な血液 生きている 私

でも私は そこまでしても尚

心は無色なまま 身体は透明なまま そこに存在している

 

生きている その実感が 湧かないんだ

 

でも それを見て

彼は確かに泣いたんだ

私の事が「可愛そうだ」と 彼は確かに泣いたんだ

両目を見開き 私の瞳を見つめ

「君が可愛そうだ」 と 沢山の涙を流したんだ

 

…分からない

私の心に 何が起こったのか

でも 一つだけ分かった

彼にこれ以上 この涙を 流させてはいけない

 

無色透明な心の中に

何も無かった心の中に

その瞬間に 確かに生まれた

たった一筋の 光

 

それが何色なのか それが何の感情なのか

私自身には分からなかった

喜びなのか 怒りなのか 全く分からない感情に

心全体が震えだす

 

私の中に眠る そこにあった筈の 感情よ 色よ

怒りよ 喜びよ 悲しみよ 楽しみよ

力の限り 舞い上がれ 燃え上がれ

無色透明な私など 消し飛ばしてしまえ!!

 

身体全体が 心全体が震え上がり

気がつけば 私は沢山の涙を流していた

今 湧き上がっている感情を 表現する術が 私には無かったが

一つだけ 確かに言える事がある

 

私は 心の奥から 泣けたのだ

初めて 感情に突き動かされ 涙を流したのだ

 

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2006.8.2

「棘」

 

心の奥 刺さった一本の棘

音も無く 誰も気付かずに

心に刺さった 一本の棘

 

静かに 誰も気付かぬままに

その心を 蝕んでいく

本人すらも 気付かないうちに

その心を 蝕んでいく

気付かれぬまま 刺さったままの棘は

その心を 蝕んでいく

 

そうして誰にも気付かれぬまま

本人にも分からぬまま

心に刺さった 無数の棘

 

錆び付き 腐敗し 形すらも留めていない棘は

その心を 蝕み続けていく

 

感じるのは 訳の分からぬ「苦しみ」だけ

棘は誰にも気付かれぬまま

腐敗し 解けて 心の底に不気味に溜まる

 

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2006.7.23

「遠い場所の話じゃないよ」

 

TVで 一生懸命生きている人を見て 感動している貴方

小説で 一生懸命生きている人の話を読んで 感動している貴女

 

それは 特別な人じゃない

それは 特別な事じゃないよ

 

今 目の前にいる彼だって

今 そこで出会った彼女だって

 

それなりに 一生懸命 生きているんだよ

 

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2006.7.22

「とある雑路の中で」

 

腐敗した空の下

僕の足元で 君が横たわっている

もう動く事のない 壊れた君が

僕の足元で 横たわっている

 

壊れた肉体 壊れた精神

その中で 心臓だけが 壊れていない

そうだね 君は 壊れていたとしても

まだ 息絶えては いないんだよね

 

群衆は

立ち止まる僕の横を

横たわる君の上を

気にも止めず 〜まるで何もないかのように〜

通り過ぎていくだけだね

 

“ア イ シ テ ク ダ サ イ”

君のその思いは 群衆の胸には留らない

 

大声を張り上げていたその喉は

とうに枯れ 空気すらも飲み込めない

 

涙を流していたその瞳は

充血し もはや血の涙すら流せない

 

救いを求めたその腕は

もはや 伸ばす力すら残っていない

 

“ア イ シ テ ク ダ サ イ”

君のその思いは 群衆の胸には留らない

もはや 物言わぬ 肉の塊でしかない君を

誰も 見ようとすらしない

 

いいよ 安心して もう大丈夫

誰にも 顧みられなくなった君を

 

この僕が 救ってあげるよ

 

僕が この手で 君を救おう

 

君の胸に秘めた心臓を

僕が この手で 握り締めてあげる

 

手足が冷え切った君も 心臓だけは暖かかったよ

握り締めた僕の手の中で 震えながら

最後まで壊れなかった 君の心臓も壊れてしまった

 

いいよ 安心して もう大丈夫

これで君が望んでいた

フ ア ン ノ ナ イ セ カ イ が開かれたよ

いいよ 安心して もう大丈夫

君はどんな不安も 感じなくなったから

 

そして僕は 君がそこまでして欲しいとねだった

ヌ ク モ リ を与えてあげる

壊れた肉体 壊れた精神 壊れた心臓に

添い寝してあげるよ

永遠に…

 

群衆はそんな僕たちを 〜まるで何もないかのように〜

踏みにじって先を急ぐ

 

誰にも望まれなかった“生”よ

さようなら

 

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2006.7.11

「望めぬ願い」

暗闇の底で 花達は

太陽を求め 手を伸ばしている

 

花達に出来る事は

祈る 事と 待つ 事だけ

 

“鬱”と言う暗闇の次は

“躁”と言う名の嵐が来る

 

嵐と暗闇 暗闇と嵐

交互に襲うそれらは 止まる事を知らない

 

「このままじゃ死んでしまう」

そう思っても そう訴えても

 

花達に出来る事は

祈る 事と 待つ 事だけ

 

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2006.7.5

「ワケワカンナイ」

 

お金がある事が

物がある事が

幸せじゃないんだよ

大人達は言うの

 

でもね

昨日は

 

世の中には

貧しい人も沢山いるから

物に恵まれているお前は

幸せだと思いなさい

って

言ってたの

 

本当 大人達の言動は

訳 分からない

 

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2006.7.3

「鼓動(パルス)」

 

人は生まれて来る事を選択する事は出来ない

 

何故 生まれたのか?

何故 生きているのか?

 

生まれる事も生きていく事も

自分は望んだ訳ではないのに

自分は何故 生まれて来たのか?

自分は何故 生きているのか?

 

答えはどこにも存在せず

死んではいけないと皆は言うけど

生きていく その理由を

誰も教えてなどくれない

 

何故 生きる?

何故 生きる?

 

自分の意思とは無関係に

内にある“魂”は鼓動(パルス)を刻む

 

苦しく辛く 生きる事を思考が拒絶しても

肉体が生きている限り そいつは際限無く

 

鼓動(パルス)を刻む

鼓動(パルス)を刻む

 

悪魔の唸りと 地獄の景色を

鼓動(パルス)が自分に運んで来る

生殺しの感覚と 自我が死ぬ感覚を

鼓動(パルス)が自分に運んで来る

 

苦しく辛く 生きる事を思考が拒絶しても

肉体が生きている限り そいつは際限無く

 

地獄を見せる

地獄を見せる

 

何故 生きる?

何故 生きる?

 

生きている者全てはいずれ

死を迎え この世から 消える運命

 

ならば 自分を運んでほしい

鼓動(パルス)が見せる その景色の先へ

 

自分が選択出来なかった“生”

何故 生きる?

何故 生きていかねばならぬ?

 

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2006.6.29

「灼熱の世界」

 

私はここに残ります

仕方が無いわ 私はもう歩けないから

私の事は気にせずに あなたは先に進みなさい

彼ももう駄目よ 助からないわ

だから あなただけでも 先に進みなさい

行きなさい 逃げなさい

炎はそこまで迫っているから

 

二匹の龍が空を舞い

この街の全てを焼き尽くす

情熱と灼熱の炎が

この街の全てを焼き尽くす

炙り出された黒い蝶が

空を舞い被い尽くす

 

御覧なさい とても奇麗よ

情熱に曝され 舞い上がる蝶々達

美しい光景よ 生きる情熱を持ち 舞い踊る命達

 

悲しむ事は無いわ

世界を焼き尽くす情熱が 時に世界を変える力になる

この世界はもう駄目だわ

でも 舞い踊る命達が 新たな世界を作り出す

 

あなたはそれを見届けなさい

新たな世界が また焼き払われないように

見届けなさい 見守りなさい

私は行けないわ もう歩けないから

灼熱の情熱を失った私は もう歩けないから

 

悲しまないで 仕方が無いから

灼熱の情熱を取り戻して 私は消える道を選ぶ

でも あなたは生きて 歩いて 進んで

あなたならきっと 私よりも強く歩めるから

 

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2006.6.24

「“真実(ほんとう)”の事」

 

石作りの 薄暗い 教会の中を

彼は ゆっくりと 歩いていく

 

窓から差し込む月明りだけが

彼の歩む先を照らす

 

風の音か 人の声か

賛美の歌か 悲劇の詩か

何とも言えぬ 不思議な音が

彼の耳に こだまする

 

それを聞き入る 彼は一体何を思う

その様子を見入る 月は一体何を思う

 

“信実”を知るのは

その音を聞く“彼”だけだ

 

その“真実”を知るのは

夜空に浮かぶ“月”だけだ

 

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2006.6.7

「コワレタケシキ」

 

焼け爛れた建物は 喘ぐように

歪んだ姿を 天に伸ばす

 

焼け爛れた空は 煤にまみれ

歪んだ建物に 暗くのしかかる

 

河は涸れ 花は枯れ

誰もいない 何もいない

そんな壊れた街の中で

 

教会の鐘だけが鳴り響く

不自然に 高らかに

 

“偽善でも構わない

清らかでありたい”と。

説明
夢で見た事や思いついた文字を羅列している詩集…と言うより散文集です。以前ブログにて掲載していたものをこちらに転写しました。
下に行く程古く、上に行く程新しいものです。

無駄に量があるので時間が余りまくってる方、どうぞです(笑)
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