?なんとなく 壊れている自分 the origin 2006-3? |
2006.12.29
「干ばつ水族館」
最近の水族館は凄いね
何でも自然の状態に近づけて展示してある
この展示室もそうさ
地球の環境に合わせて 海水を満ち引きさせている
今の環境は どこかおかしくなっているからね
雪が年々降らなくなって 有り得ない大雨が降ったり
もちろん それも忠実に再現している それが売りの水族館だから
ここは 汚染された海
ここは 埋め立てられて無くなった海
ここは 海流の変化で干上がりかけている海
少なくなった海水の上で 魚達は 水場を求めてピチピチ跳ねて
既に息絶え 亡くなったものもある
そこにいるのは ほら 既に腐乱化してる
目を背けちゃいけないよ
だって これが現状なんだから
自然をそのまま見せる それが この水族館の売りだから
2006.12.28
「重要文化財?」
時は夕暮れ
この道端の隅にある 古びた建物
ただの古い建物じゃない 歴史的に意味のある重要な建物
でも 中に入ると 沢山の靴が乱雑に散らかり
棚には大量の荷物が押し込まれている
誰か住んでいる?
そんな感じでもない 単に荷物が大量に 置き去りにされている
周囲の住民は言う
建物があるんだ 有効に活用しないと
そんな理由で ここは倉庫にされているらしい
これは歴史的に有意義な建物なんだ
そう偉い人が説明しても 住民達にはピンと来ないみたい
乱雑に置かれた荷物が
乱雑に扱われた建物に 重くのしかかる
そう遠くないうちに この家は壊れてしまうに違いない
きっと 間違いなく
2006.12.26
「気休めバリアフリー」
この職場にも とうとう バリアフリーの波が来た
部署のあちこちにスロープをつけ エレベーターも管理
でも どうした事だろう
スロープの幅は狭すぎて 車椅子どころか人すら通れない
所々に凹みまである始末で
一体何の為のスロープなの?
エレベーターも 結局 人が3人乗れば満杯
しかも普通の人ばかりが乗るから
肝心の それを必要としている人は 乗れないの
おかしいわね〜 バリアフリーにしたのに…
怪訝な顔して 一階の受付嬢は エレベーターに目をやる
こんなバリアフリーじゃ 肝心の車椅子の人は来れない事に
本気で気付かないらしい
2006.12.25
「フィーバー フィーバー」
暗闇の中に浮かぶ
そのくぼ地に 棒を一本投げ込みましょう
ボーナスチャンスが始まりました と 機械的な声が響けば
地下排水口より ウォータースライダー宜しく
沢山の人が 流れ落ちてくる
フィーバー フィーバー
まだまだ続くよ
フィーバー フィーバー
余りの人の多さと臭気に 水に住む魚達は皆窒息
それでもまだまだフィーバーは続く
出玉宜しく状態の人達が 皆 排水口の奥へ 奥へと 流れていく
フィーバー フィーバー
まだまだ続くよ
フィーバー フィーバー
流れた人は どうなったのだろうね?
と言うか 私は今後 どうなるのだろうね?
自分も流されているにも関わらず 何か実感が湧かない
酷く他人事のように そんな事を考えながら 一緒に流れていく
フィーバー フィーバー
まだまだ続くよ
フィーバー フィーバー
2006.12.24
「闇に生きる」
夜は果てなく 長く長く
永遠に続くもの…
太陽は闇を隠しているにすぎず
広大な闇は 永遠に続くもの…
神はその昔 この大地に永遠に闇が続く事を悟り
全ての生命を 水で押し流すつもりだった
永遠に続く闇 その中で暮らす事は ある意味
死ぬ事より辛いのだから
だが 全て押し流した筈の生命が
何故か ここに 生き残ってしまった
全てを押し流し 広大な闇だけが残る筈だったのに
何故か ここに 生命が生き残ってしまった
哀れんだ神は 大地に太陽を残し この地を去った
せめて 闇を覆い隠す事が出来る太陽を 残して
だから人は 幸せを望みつつ
幸せになる事が出来ない
平和を望みつつ
戦火を絶やす事が出来ない
この世界を 本当に支配しているのは 闇 だから
2006.12.22
「急患専用病室」
友達が入院したらしい
遊園地の間をすり抜けて 急いでやって来たけれど
どこにも友人の姿は見当たらないの
あら知らないの?この病院には地下もあるのよ
そう言われて 看護婦に案内されて
地下に進む階段をゆっくりと歩く
「この先 急患専用」
と酷くチャチな看板を横に 沢山の個室が並ぶ場所に進む
ここには 脈拍が遅くなっている人がいる
ここには 酷く体温が上がっている人がいる
全て書かれているの 各部屋の入口に
迷路のように 狭く 曲がりくねった通路をどこまで進んだだろう?
看護婦は言うの
狭くるしい場所 この病室は 隣のベットとの間隔が8cmしか無い
それでも 病室が全然足りないの
こんな病院でも 入院出来るだけ まだマシだけれどね
そんなこんなで行き着いた先…「吐血した人」と書かれた病室
確かにそこに友人はいた
でも 友人は血なんか吐いてなかった
胃の奥底から 砂だけを吐き下していた
看護婦も私も 何も言わなかった
ただ 友人を見て もう長くはない事を悟った
そして私は来た通路を戻り始める
友人の部屋に入る事も無く 挨拶する事も無く
だって 私…
彼女の事 嫌いだったから
とにかく外に出たい
自然と早足になっていた
早くここから出よう
陽の光を浴びる為に
2006.12.21
「民家要塞」
戦いが続き 兵が疲弊していく中で受けた指令
皇帝が欲しいと言う 上等の果物を取って来いと言う
でも そんなのは方便で
本当の指令は 戦線に行き着き 戦う事
そこで僕達は民家に乗り込み
空を飛んで旅立った
一般の家に紛れ込めれば 相手に気付かれる事無く 戦線に辿り着けると思ったから
でも あっけなく見つかってしまった
酒なんか飲んでいる場合じゃないよ
着陸して戦いに赴かなくちゃ
見た感じ ここは静かな港町
そこに民家を着地させて 僕らは進んで行く
この民家はどうするだって? これは置いていくしかないだろ
仕方が無い 惜しいとも思わない これは運命なんだ…多分
部屋の片隅に打ち捨てられたベルトだけが
僕達がいた事を 象徴している
僕らが戻らなくても ここに人が確かにいた事を
そのベルトを見た誰かが 気付いてくれるだろう
2006.12.20
「ユメノナカ」
暗闇の中 無意識の中に広がる 不思議な町
忘れた頃に見る いつもの光景
広い草原 その真ん中に立つ鉄塔 赤紫色の空
険しい山道を歩けば いつかは街に行き着く
見たことが無い筈 なのに 何故かどこか知っているような風景
ずっと ずっと この景色を見ていた
忘れても忘れても 忘れる事が無かった風景
今日も無意識のどこかで この風景が広がっている
2006.12.19
「3D映画」
イスに座ってボーとしてたら
フと差し出された赤いメガネ
今から3D映画をやるんだって
そのメガネをかけたら 画面が立体的に見えるんだよ
ふーん 昔からあったわよね そんなのが
メガネをかけて天井を見やると
ロボットが戦う姿が立体的に見えてきた
きっと 一昔前 この技術が出来たての頃には
これを見た人は 大いに驚愕し 感動したに違いない
けれど悲しきかな 今の世の中じゃ3Dはそんなに珍しくないのよね
私はボーと天井の映像を見つづける
時の流れは全てを飲み込み 流していく
時の流れが 3Dの映像から 驚愕と感動を押し流した
映像だけじゃない
戦う事なら 現実の方が 遥か先を行っている
遠い未来 ありとあらゆる仮想が現実となり
何が起こっても 感動しなくなる日が来るかも知れない
そしてその事に 疑問も何も抱かない
感情と言うものが無くなる日が 来るのかも知れない
2006.12.18
「うそつき祈祷師」
薄暗い部屋の中
蛍光色だけがぼんやり光るその中で
祈祷師はこう言った
あなたの悩みを 消し去ってあげましょう
そう言って暗闇の中に 白い粉をまぶしたけれど
あら嫌だ
消える筈の悩みが 白い粉によって具体的に見えるようになっちゃった
泥人形のようなものが ギロリと 私を睨む
白い斑点に包まれながら
でも祈祷師は
これで悩みが消えましたね そう言い張るの
消えてなんかないわ
見えないの?
具体化してしまった この悩みの種が
2006.12.15
「届ける気が無い祈り」
人々は 温泉の前に集まり
神主の合図と共に お祈りを捧げる
その地下にある洞窟では 同じように
人々が水晶に 祈りを捧げる
温泉に 水晶に 感謝する祈りらしい
その脇では
もう水の中では暮らしていけないとばかりに
魚達が陸地を跳ね
眠る間も惜しいと言いながら
カエル達が右往左往
冬眠しなければ その先にあるのは 死だけなのに
ねえ 本当に感謝しなければならないのは
その温泉なの? その水晶なの?
…私には 水晶が 泣いているように 見えた
2006.12.14
「ガーディアン」
僕は守りたいものがある その為には戦わなくちゃ
闇の洞窟に潜り込み 戦いを挑んだまでは良かった
けれど 作戦は完全に失敗
相手に気付かれて もうお終いかと思った
その時 僕の二人の兄が助けに来た
まさに危機一髪の状況で
僕には考えもつかなかった方法で 敵を切り裂き 奥へと潜り込む
…いつもそうだった
僕も兄もガーディアン
でも僕は いつも兄に助けられてばかりいる
僕だって 自分の大切なものくらい 自分で守りたい
でも非力な僕には それすらも許されていない
兄には感謝している 兄がいなかったら 自分は何度 命を落したか知れないから
けれど 兄を恨んでもいる
…何か一つでも 完全にやり遂げるチャンスを 僕にくれないから
2006.12.13
「幻想の黄金郷」
さあ 君はゆっくりと その扉を開ける
成功を約束された 黄金の地へ行く為に
金ぴかに塗り固められたエレベーター
そこに足を踏み入れる
自動的に閉まるドア ゆっくりと始まる上昇
狭い空間に閉じ込められた 僕と言う人物
ぐんぐん上昇するエレベーター
スピードも徐々に増し
時速は何キロになったのだろう?
階を示す表示は既に3桁を振り切れ
自分がどこにいるのかさえも分からない
全てのボタンを押そうとも
エレベーターは止まらない
徐々に暗くなる照明
暗い部屋に不釣合いの黄金の空間
気が狂いそうだ
早く開けて欲しい 早く出して欲しい
狂気に満ちた身体は いとも簡単にドアをこじ開ける
視界に入ったのは ただ 闇に落ちていく僕の姿
簡単に手に入る成功なんて 無いんだ…
僕はそんな事に 気付かなかったんだよ… こんな状況になるまで
2006.12.11
「森の図書館」
真夜中の暗い暗い 森の中
立ち並ぶ本棚を 一つ一つ
倒して歩く私がいる
森に倒れた本棚から
一つ一つ 本が散らばる
膨大な量 山になった本を踏みしめながら
同じ作業を 私は続ける
だって ここの本は
私が生きる上で役に立つような事が
何一つ 書いていなかったから
そこから少し離れた場所で
沢山の車が
こちらに向かっているのを感じる
私には それを防ぐ知恵も力も無い
自分の非力さを 本にぶつける事しか出来ない
2006.12.7
「波間のピアノ」
広大な海に ポツリと浮かぶ
1台のグランドピアノ
天使のように白い少女が
瞳を閉じたままピアノを弾き始める
静かな旋律とは裏腹に 周囲の海が
〜まるで水面に落した水滴のように〜
壮大な津波となって広がっている
静かな音楽の中 世界中のあちらこちら 全て
波に飲み込まれ 消えていく
少女は気付いているのだろうか?
この現状に この惨状に
それとも確信的にだろうか
彼女のピアノは留まる事を知らない
波もまた 留まる事を知らず 既に消えた世界中を襲いつづける
2006.12.6
「ノンフィクション」
生きて生きて生きて生きて
生きて生きて生きて生きて
生きろ生きろ生きろ生きろ
生きろ生きろと みんなは言うけど
希望も見えない この状態で
生きていても 疲れてしまうだけ
机の上には無数の薬
届けを出さなきゃいけない書類
それらが乱雑に重なり合い
後 何度 この薬を飲めば
死は迎えに来てくれるのでしょうか?
生きて生きて生きて生きて
生きて生きて生きて生きて
生きろ生きろ生きろ生きろ
生きろ生きろと みんなは言うけど
吸い込む息は酷く冷たく 吐き出す息は酷く重い
何をやっても癒される気配は無く
ポンとコントローラーを投げ捨てて
生きる気力も 死ぬ気力も尽き果てて
今ここに“或る”それしか出来なくて
2006.12.5
「現在使われておりません」
いつも頭の中で このアナウンスが流れている
“お客様がお掛けになった電話番号は 現在使われておりません”
自分がどんなに話しても どんなリアクションをしても
相手からの返事は一つ とても事務的な声で
“お客様がお掛けになった電話番号は 現在使われておりません”
分かってはいたの 私の声が
どんな事をしても相手には届かないと言う事は
なのに 誰かと話をする度に頭によぎる
“お客様がお掛けになった電話番号は 現在使われておりません”
“お客様がお掛けになった電話番号は 現在使われておりません”
“お客様がお掛けになった電話番号は 現在使われておりません”
“お客様がお掛けになった電話番号は 現在使われておりません”
もう疲れちゃった 何をしても相手の答えはただ一つ
“お客様がお掛けになった電話番号は 現在使われておりません”
私は 何をしても無駄なのね
“お客様がお掛けになった電話番号は 現在使われておりません”
2006.12.4
「失意の雨」
灰色に立ちはだかる壁から ヘドロのような染みがにじみ出て
人の形を生成し みんな頂上を目指していく
沢山湧いたヘドロ人形達は 山道にある沢山の土産物屋には目もくれず
頂上を目指して歩み続ける
人は生まれたその瞬間から
死への道のりを歩んでいく
それは逃れられない運命だと
みんな分かっている
だから逃れようとしない
抗おうとしない
黙々と 感情を無くしたまま 人は頂上を目指す
失意の中 雨だけが降り頻る
激しく打つ雨も ヘドロ人形達を洗い流すまでには行かない
雨の中 今日も頂上では鎮魂歌(レクイエム)が流れ続ける
いづれ自分を迎える歌になる事を 勿論人形達は知っている
2006.12.2
「最悪のオヤジ」
そこで飲んだくれている親父さん
大変なんだよ お前の母親が危篤だって
そんな酒を飲みながら 鳥にかまっている場合じゃないだろ?
早く行きなよ お代は後でいいからさ
バーのカウンターに座っていた親父は
マスターに促され 黙って席を立ち上がった
そして真っ直ぐに
出口とは正反対の 店の一番奥の席に座ったんだ
私の話を聞いただろう?母親が危篤なんだぞ?
そこで飲んだくれている場合じゃないだろう?
それでも親父は黙ったまま 手にした小瓶を口に流し入れ続け
酒を飲むのを止める気配は無い
…いいんだ ここまで来れば 訃報は聞こえねぇからな…
酒をいくら飲んでも 何故か酔えない
かと言って立ち上がる気力も無く
親父は飲み続けた いくら飲んでも酔えない酒を
2006.11.29
「角の無いトナカイ」
この森には 沢山のトナカイがいる
みんなオスのトナカイだけれど
みんな角が無いんだ
分かるかい?その理由が
ここには猟師も住んでいる
昔はズドンとトナカイの首を狙ったもんさ
胴体から切り離しきれなかったトナカイの首は
草を食べても胃に入らない
取れかけた首をブラブラさせながら飢えていたんだ
猟師はそれを見かねてね
それ以来 トナカイの角を狙うようになった
鉄砲で打ち落とされた角を拾いながら
猟師は言うんだ これで子供も喜ぶ と
でも 角なんか どうするんだろうね?
トナカイ達は疑問に思っても それは口には出さないんだ
首をズドンとやられるよりは ずっとマシだからね
2006.11.28
「電車で1本8分の道のり」
この広大な砂漠から 極寒の土地まで
電車で行けば
乗り換え無しの1本 8分で行けてしまうけれど
それじゃあ面白くないから 歩いて行こうか
数十年かけてね
この岩山を超える時
君はきっと僕を裏切るだろう
君は笑ってそれを否定するけれど
人の未来は誰にも分からないからね
だから君は きっとその場所で 僕を裏切り 見捨てるだろう
そして海が見える頃
世界は徐々に色褪せて
少しずつ腐敗していくだろう
海はヘドロと化し 大地は薄黒く変色し
僕も腐って落ちていく事だろう
そうして とうとう 極寒の地には辿り着けないのさ…きっとね
電車で行けば 乗り換え無しの1本 8分の道のり
でもその道を歩いて行って
僕は途中で息絶えるだろう
それが 人生ってものじゃないのかな
2006.11.24
「蝋人形の恋」
一人の男と 一人の女
偶然出会って 恋をして
そこまでなら ねえ よくある話
男も 女も まるで蝋人形
白くドロドロした体の中に 毛細血管が張り巡らされているのが見える
恋に熱せられた体が 熱に耐え切れず 溶け出してしまったのね
手に取り合ったその場所から 男も女も 1つに同化し 溶けていく
悲しきかな 二人は出会ってはいけなかった
恋をしてはいけなかった
二人は一人になり どろどろと溶け 地面に向かって流れ出し…
そして 物言わぬ一つの塊になった
2006.11.22
「失われた大草原」
電車でのんびり気ままな一人旅
車窓から見える大草原には
縦横無尽に有刺鉄線が走ってる
以前ここで 女の子が亡くなったんだ
大金持ちのお嬢さんが
草が伸び 足場が見えないこの草原で
知らないうちに 谷底に落ちたんだ
肉親は嘆き悲しみ
その崖の手前に 有刺鉄線を設置した
それを乗り越えないように
その有刺鉄線の前にも 有刺鉄線を張ったのさ
隣に座っていた男が そんな事を教えてくれた
有刺鉄線が張り巡らされたこの場所で
二度と同じ事故は起こらないだろうとも言っていた
…訪れる者も いなくなったがな…
男はそれきり 黙ってしまった
枯れ果てて小麦色になった草を横目に
有刺鉄線だけが 今もギラギラと光っていた
2006.11.21
「駄目なサンタ」
みんなでバスに乗って移動していると
突然 サンタがやって来て
みんなにプレゼントを配るって言うの
ちょっと待ってよ
いくら何でも早すぎない?
窓の外に見えるクリスマスツリーのモニュメントだって
まだ工事中で その姿を表していないのに
…ふーん 今年は早く配る事にしたの?
別に私は構わないけどね
サンタはホイホイと楽しそうに プレゼントの包みを渡す
その数全部で14個
でも このバスには15人乗ってるのよ
嫌だ 私のは無しって訳?
サンタさんは慌てて みんなから包みを回収して
一回開けて 適当なものを分割して
もう一度全部包み直して 無理矢理15個のプレゼント用意した
私は貰ったのは リアル系フィギアの頭部だけ
ねえサンタさん プレゼントはやればいいってもんじゃないのよ?
ねえ?
2006.11.20
「波間に浮かぶ」
荒波に浮かぶ小船の上に
人は皆 乗っているのと同じ事なのだ
波の間から
深い悲しみ
深い欲望
深い怒り
深い罪が 垣間見える
人は皆 それに揺さぶられているのと同じ事なのだ
遅かれ 早かれ その波に揉まれ
いづれ深い眠りへとつく
2006.11.18
「エゴ燃料」
沢山の人が ホームセンターで
大きな缶に入ったヤドカリを買っている
これは地球に優しいエコロジーな燃料なんだよ
自然にある材料で作られた燃料なんだよ
そんな事を言いながら 人々は 大きな缶を抱えて帰っていく
大きな缶の蓋の隙間から ヤドカリの大きなハサミが見え隠れ
ちょきん ちょきんと言いながら 缶の中で必死に抵抗している
僕達は 油まみれになる為に生まれたんじゃない
一度腐敗した食べ物が 元に戻らないように
今更地球だって 元には戻らないよ
僕達は 油まみれになる為に生まれたんじゃない
こんなドロドロの中に放り込んでおいて
何が地球に優しいだ 何がエコロジーだ
結局そう言いつつ 今までと変わらない生活を送るんじゃないか
そんな抵抗も空しく そのヤドカリは 今日
部屋を暖める燃料として ストーブの中に放り込まれる
「暖かいね いや むしろ暑すぎるよね」
そんな会話が ヤドカリが聞いた最後の言葉だった
説明 | ||
夢で見た事や思いついた文字を羅列している詩集…と言うより散文集です。以前ブログにて掲載していたものをこちらに転写しました。 下に行く程古く、上に行く程新しいものです。 無駄に量があるので時間が余りまくってる方、どうぞ(笑) ◆Vol.7はこちら→ http://www.tinami.com/view/711908 ◆Vol.6はこちら→ http://www.tinami.com/view/689951 ◆Vol.5はこちら→ http://www.tinami.com/view/655382 ◆Vol.4はこちら→ http://www.tinami.com/view/572259 ◆Vol.3はこちら→ http://www.tinami.com/view/511424 ◆Vol.2はこちら→ http://www.tinami.com/view/430923 ◆Vol.1はこちら→ http://www.tinami.com/view/318073 ↓それよりもっと古い作品 ■2009→ http://www.tinami.com/view/535347 ■2008→ http://www.tinami.com/view/535336 ■2007-4→ http://www.tinami.com/view/535331 ■2007-3→ http://www.tinami.com/view/535328 ■2007-2→ http://www.tinami.com/view/535324 ■2007-1→ http://www.tinami.com/view/535322 ■2006-2→ http://www.tinami.com/view/535305 ■2006-1→ http://www.tinami.com/view/535302 |
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