IS x アギト 目覚める魂 40: アギト、G4-X0、ギルス
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一夏は簪にオープンチャンネルで連絡を入れて現状を把握していた。

 

「避難は終わったんだな?」

 

『うん・・・・専用機持ちと先生達が残って取り残された人がいないか探してるけど・・・・』

 

「そうか・・・・千冬姉・・・織斑先生は?」

 

『いるよ。』

 

『織斑。今どこにいる?』

 

別のモニターが現れ、千冬の顔が視認出来る。背景では教師達が慌ただしく動き回っているのが見えた。

 

「第三アリーナです。アンノウンをそこに引きつけてます。秋斗さんも恐らくG4-X0で戦ってます。俺もいざとなったらMildでやりますから。」

 

『・・・・・お前、傷を負ってるな?』

 

「一発喰らっただけなんでご心配無く。これ位直ぐに塞がります。ていうか針と糸で自分で縫合しました。めちゃくちゃ痛かった。」

 

『無茶をする奴だ・・・・専用機持ち達を何人か向かわせる。それまで場を繋げ。』

 

「必要無い、俺が全員片付ける。全員死ぬなよ?」

 

『ちょ、待っていち』

 

ブツン!

 

通信を一方的に切ると、変身した。ピットからフォルミカ・ペデスが群れをなして現れる。その数、千体。だが、ピットの一つから銃声と爆発音がして、十数体のアントロードが吹き飛ばされた。現れたのは・・・・

 

「秋斗さん!」

 

「待たせたな。新兵器持参で登場だ。G4-X0の新しい武装、ユグドラシルだ!」

 

ユグドラシル。北欧神話で世界樹を表すその武装の実体は、搭乗者をその一部とする武装を積んだ巨大な移動型砲台だった。それを巧みに操り、フォルミカ・ペデスを葬って行く。小型ミサイル、グレネード弾、レーザー、その他の戦闘車両や航空機に取り付けられる様な大型機銃全てを使い、やがてフォルミカ・ペデスは全滅した。

 

「すげえ・・・・・」

 

「あくまでこれは対アンノウン用の兵器だ。IS相手にこれをぶっ放せばコアが搭乗者諸共消えて無くなるぞ。・・・・・来たぞ。真打ちが。」

 

アリーナのバリアーを透過して、水のエル、地のエル、フォルミカ・エクエス、フォルミカ・レギア、そして闇の力、神である青年が降り立った。左手で胸を押さえている。

 

「さあ、貴方の持つ種を、貰いますよ。」

 

「(マズい・・・一夏は奴の力の本質を分かっちゃいない。ここで力を奪われたら・・・!)一夏、ここは下がれ!津上さんが来るまで俺が場を繋ぐ!お前まで力を奪われたらヤバい事になる!」

 

「・・・・っ!・・・じゃあ、せめてG4-Mildでも」

 

「駄目だ!良いから下がれ!翔一さんが来るまでの辛抱だ!」

 

一夏はやむなく下がり、専用機持ち達と合流する為に移動を始めた。

 

「逃がしませんよ。」

 

一夏の目の前に翼を広げたオウルロード、ウォルクリス・ウルクスが現れ、鉤爪を伸ばした。変身を解いていた為に思わず両手で顔を覆った。だが、痛みは来ない。

 

「よく頑張ったね。俺もいるから、もう大丈夫。」

 

目の前に立っていたのは、黄色い目に開いた赤いクロスホーン、それと同じ赤い体のアギト。津上翔一が変身した燃え盛る業火の戦士の姿、バーニングフォームだった。その燃え滾る拳、バーニングライダーパンチはオウルロードの顔を捉えて壁の向こう側に吹き飛ばしていたのだ。

 

「翔一、さん・・・・?」

 

「光のアギト・・・・!!!」

 

無表情だった青年の顔が怒りに歪む。彼の周りの待機がビリビリと張りつめ、地面に罅が入り始めた。そう、翔一も以前力を奪われ、取り戻そうとした時に神をその手で殴った事がある唯一人の人間なのだ。

 

「人間如きが・・・・・私の前に立ち塞がるとは・・・・!」

 

右手から放たれた波動は再び一夏の光を奪おうとするが、ドラゴンズネイルと言う装飾が追加されたアギトのオルタリングから薙刀、シャイニングカリバーが現れた。それを振り下ろして光は明後日の方向へと弾き飛ばす。

 

「翔一さん・・・・遅いです。」

 

「ごめんごめん、思ったよりも向こうで手こずってさ。三人揃った事だし、やろうか?」

 

「はい!変身!」

 

アギトを中心にその左にG4-X0、そして右にギルスが立った。対するアンノウン側は敵意剥き出し、得物を構える。数秒の静寂の後・・・・戦いの火蓋は切って落とされた。まず前衛に飛び出したのはギルスとアギトだ。後ろではユグドラシルを操作して援護射撃を行う。分厚い弾幕の所為で思う様に前に進めないのを良い事にアンノウン達と渡り合う。

 

「ウォオォオオオオオオオオオオーーーーー!!!」

 

ギルスはアイアンブリッツフォームに変わり、アイアンダスターを使ってフォルミカ・エクエスに襲いかかった。エクエスは頭上に浮かぶ発光体から鎌槍を引き抜いて振り回す。リーチはエクエスの方が上であり、フォルミカ・ペデスよりもいくらか能力は抜きん出ている為、持ち前のスピードで迂闊に近づけない。

 

「喰らえ!!」

 

アイアンダスターから雷撃を放ち、動かなくなった所で必殺のライトニングライダーキックを全力で叩き込んだ。その破壊力はフォルミカ・エクエスを地面に減り込ませ、半径数メートルはある巨大なクレーターの中で絶命させた。

 

「ウォオォオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーー!!」

 

敵を討ち取った勝利の雄叫びは待機を振るわせ、煙がその衝撃で霧散した。

 

アギトは二体の上級アンノウン、地のエルと水のエルを相手に戦っていた。アリーナに差し込む日の光がバーニングフォームの鎧を砕き、その下から銀色のボディーが現れた。光輝へ目覚めた最強のアギト、シャイニングフォームに変わった。薙刀から二本の剣に変わったシャイニングカリバーで斬り結ぶ。

 

(すげえ・・・・・翔一さん上級アンノウン二体を相手にあそこまで戦えるなんて!!俺も負けてられないな。)

 

ユグドラシルの残弾が尽きると、残っている武装を全てフル稼働させた。両肩にタイタンとギガントのミサイルポッドを背負い、両方のミサイルを一発ずつ放ってフォルミカ・レギアをバラバラに吹き飛ばし、GA-04Zジェミニで二体を一時的に捕縛した。

 

「翔一さん!下がって!」

 

「危なっ!」

 

そして間髪で残り六発のミサイル全てをロード二体にぶっ放した。直撃を受けはしたがどうにか行きており、その姿は青年と共に消え去ってしまう。空になった発射装置を地面に投げ捨てると変身を解除した。一夏も地面に倒れて空を仰ぐ。

 

「疲れた・・・・・今までで一番・・・・・

 

「同感、だな・・・・ユグドラシルが届いてなきゃ今頃どうなってたか・・・・考えただけで寒気がするぜ。学園の復旧も暫く掛かるだろうしな。」

 

確かに、アリーナの少なくとも三つはボロボロになっており、校舎自体も復興作業が必要になる。

 

「また、来るかな?」

 

「ああ。間違い無く来るだろう。」

 

「二人とも大丈夫?」

 

「はい・・・・」

 

「何とか・・・・」

 

「大変だったね。でも、必ず助けに来る。今度は氷川さんや一条さん達も連れて。」

 

「「よろしく御願いします・・・・」」

 

二人は息も絶え絶えになって声を揃える。

 

「まあ、落ち着いたら((店|アギト))に来てね。うんとサービスするから。そんじゃ。」

 

アギト、いや翔一はマシントルネイダーで空の彼方へと姿を消した。

 

「・・・・強いっすね、翔一さん。」

 

「ああ。悔しいがな。あの人は、強い。俺達が今見たよりも更に強い。どの人間よりも純粋で・・・・・人間らしい人間だ。」

 

「分かる気がします、それ。」

 

説明
御待たせしました。どうぞ。週末になったらまた投稿がいくらか出来る筈ですので。
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IS アギト 仮面ライダー インフィニット・ストラトス 

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