天馬†行空 二十五話目 Daybreak
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 陽平関を擁する漢中と長安の境を、粗末な馬車が一台、軋む音を立てながら走っている。

 

「……いくら検問を欺く為とは申せ、この状況は耐え難いですなぁ」

 

「まことに。ですがもう間も無く新たな主殿が住まう地に入ります故、僅かの辛抱ですぞ?」

 

「ホホ。いまごろ洛陽は大変な事になっておるでしょうなあ」

 

「まさしくまさしく。あの田舎娘が苦心する姿が目に見えるようですな」

 

「よしんば劉協が助けられたとしても、処分されるのは"張譲殿"だけじゃからな」

 

 狭い馬車の中に、顔一面白粉を塗りたくった宦官達――十常侍――の姿があった。

 悪路に揺れる馬車の中で顔を顰めて、頻りと悪態を吐きながらも彼等の表情は歪んだ笑みに彩られている。

 

「まあ、遠からず滅びる王朝の事など最早語るまでもない。我等は新天地にて再び栄華を極めるのじゃからな」

 

「――おや、噂をすればなんとやらですなぁ。迎えが来ているようですぞ」

 

 御者をしていた一人が、手筈通りの場所に待機している一人の少女を見て、幌の中の四人に声を掛けた。

 

「ほぅ、やっとですか。やれやれ、ようやくこの((襤褸|ぼろ))から降りられますな」

 

 やれやれと一人が溜息を吐く。

 わざと襤褸な馬車を使ったのは、よもやそんな乗り物に十常侍が乗っているとは思わせない為だった。

 

「あ! お疲れ様です皆様! 私は、主の命を受けお待ちしておりました((冷苞|れいほう))と申します!」

 

 少女は停まった馬車に近寄ると、次々に降りてくる宦官に笑顔で頭を下げる。

 身の丈は星と同程度、顎の高さで切り揃えた灰色の髪にくりくりとした暗紅色の瞳。

 少女は鎧などを身に着けず、皺一つ無い濃紺の軍服(上は半袖、下は膝より僅か上までの丈のスカート)をきっちりと着こなしている。

 

「うむ、ご苦労。して、当然、代えの足は用意しておろうな?」

 

「はい、それは勿論。主の劉焉よりくれぐれも粗相の無い様にと言い付かっております」

 

 胸を、と言うよりも出っ張った腹を突き出して尊大な物言いをする宦官に気分を害した様子も無く、冷苞は淀みなく返答した。

 

「ホホホ、結構結構。では案内いたせ」

 

 先頭の太った男は、満足そうに腹を揺らしながら笑う。

 

「はい、では私が責任を持ちまして――」

 

 静かな足取りで冷苞は、

 

「――丁重に、黄泉路へと御送り致します」

 

 太った男へと距離を詰め、腰の刀を一閃させた。

 

「な――かひゅっ?」

 

「な、なんじゃ――ぎぁああああっ!?」

 

 一人目の喉に赤い線を引いた刀は、そのまま二人目の心の臓を貫いた。

 

「こ、これはどういう了見じゃ!? 我等を何と心得ておる!」

 

「そ、そうじゃそうじゃ無礼者! それとも乱心したか小娘が!」

 

「……ぬう! よもや、謀ったか劉焉め!」

 

 立て続けに上がった血飛沫を見て、残りの三人は狼狽しながら罵声を飛ばす。

 

「………………あ〜っはっはっはっは!!!」

 

 二人目を切り捨てた冷苞は男達から浴びせられる罵声を受け、俯いて全身を震わせていたが、やにわに天を仰いで哄笑した。

 

「ぶぁああ〜〜〜か!! 劉焉様がテメエ等みてえなゴミカスを成都に迎え入れる訳ねぇえだろぉ!!」

 

 突然笑い出した少女を前に、呆気に取られる宦官達。

 ひとしきり笑った冷苞が彼等に向けた顔は、侮蔑の色が浮かんでいる。

 その表情、言動に、先程までの折り目正しい少女の印象は無い。

 ――歪んだ口元、大きく見開かれた目、血に濡れた刀をぺろりと舐めるその仕草にはどれも狂気の色が滲み出ていた。

 

「――ぺっ! ……けっ、天下の大悪党の血はどんなもんかと思ったが。ああ、臭え臭え。豚みてえな臭いがしやがる」

 

 いかにも不味そうに、舐め取った血を吐き出して冷苞は眉を顰める。

 

「ひっ、ひ、人殺しィィィィィ!!」

 

「い、嫌じゃぁああああ!!」

 

「お、おのれ! おのれ蜀の山猿めがっ! この儂に、このようなっ!」

 

 はっと我に返り、残り三人となった十常侍達はそれぞれ、悲鳴を上げ、逃げ出し、無念の声を上げた。

 

「はっ! 逃げろ逃げろ! ……逃げられるもンなら、なぁ!!!」

 

「「ひぃっ!?」」

 

「く、貴様一人では無かったのか……!」

 

 てんでばらばらに逃げ出そうとした二人の宦官は行く手に現れた鎧姿の男達を見て恐怖に引き攣った声を漏らす。

 比較的冷静な一人は、悔しそうに冷苞を睨みつけた。

 憎悪の篭ったその視線を鼻で笑い、冷苞は十常侍を包囲した部下達に向かって顎をしゃくる。

 

「ぃ、ひぃっ! た、頼む、い、命だけはたす――ぎゃぁああああああああああああああああああっ!!?」

 

「は、あは、はははは。夢、そう! これは夢じゃ、こんなことが現実に――起るぅっ!?」

 

 無言のまま頷いた兵士達は、剣を抜き放つと腰を抜かして命乞いをする者と狂ったように笑い始めた者を斬り捨てた。

 

「さあってと。後はテメエだけだな」

 

「くっ! 止せ! 近寄るな! ――この土民風情が!」

 

 ゆっくりと近寄る冷苞に、最後の一人である((孫璋|そんしょう))は腕を出鱈目に振りながら罵詈雑言を浴びせる。

 "土民"と呼ばれた瞬間、冷苞は動きを止め、冷めた目で孫璋を見遣ると、

 

「…………良いね良いねぇ。悪党は、こうでなくちゃ殺り甲斐がないってもンだ――ってなぁ!!」

 

「ぎっ!?」 

 

 片刃の剣、その背に鋸の様な刃が付いている部分で孫璋を袈裟斬りにした。

 当然、ぎざぎざの刃は孫璋の肩口に食い込んだまま止まるが、冷苞は力任せに刃を引き始める。

 

「――ぎひっ!? ひ、ぎ、ぁああああああああああああああああああああああっ!!?」

 

 刃が肉を引き裂き骨を削る不快な音と、孫璋の長く尾を引く悲鳴がその場に響き渡った。

 

 

 

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「ええっと……あっ、この竹簡で最後ですね」

 

「ふぅ〜。やっと一段落着きましたね」

 

 文机に残った最後の竹簡を取り上げて、劉協陛下はふう、と吐息を漏らして柔らかな笑みを浮かべた。

 その向かいに座る俺は勿論の事、もう一つの机で仕事をしていた董卓さんと賈駆さんも疲労が滲み出る顔を綻ばせる。

 

「皆様、お疲れ様です。お茶をお持ちしました」

 

「有り難う((董承|とうしょう))」

 

 皆が欠伸をしたり伸びをしたりしていると、涼やかな声と共に朝服姿の女性が一礼し、盆を手にやって来た。

 それぞれの席に茶碗を置くと、董承さんは来た時と同じく深く一礼すると部屋を出て行く。

 しばしの間、執務室にお茶を啜る音だけが響いた。

 

「……へぅ、すみません陛下。こんなに多くの陳情書を」

 

「良いのです董卓。寧ろ、これくらいでなければこの先、政務を満足に勤められませんから」

 

 湯気が立つ茶碗から顔を上げ、申し訳なさそうにしている董卓さんに、陛下はペロリと舌を出す(どうやら、思ったよりもお茶が熱かったらしい)と眉尻を下げる。

 

「――ねえ」

 

 陛下と董卓さんの様子を見て癒されていると、賈駆さんに声を掛けられた。

 

「何ですか?」

 

「だから敬語は……ああもう、そうじゃなくて! ……その、向こうはどんな様子なのよ?」

 

 問い返すと、賈駆さんは顔を顰めて声を荒げるが、すぐに元の調子に戻って質問が来る。

 ここのところ何度目かになる俺と賈駆さんの遣り取りを見て、董卓さんと陛下がくすくすと微かな笑い声を漏らした。

 実は、董卓さんと賈駆さんから敬語を止められているのだけれど(ちなみに陛下にも頼まれたが、流石にそれは不味いと断っている)、ちょっとした拍子につい出てしまい、その度に賈駆さんが渋面になるといった具合で。

 まあ、それが何度か続いたものだから仕舞いには賈駆さんの方が俺より先に口調を崩したのだ。

(俺も陛下を含めて三人には敬語を使わないで欲しいと頼んだのだが……陛下には『嫌、ですか?』と涙目になられ、董卓さんにも『へぅ……』と悲しそうな顔で俯かれて無理強いは出来ず。結局、賈駆さんだけが『わ、解ったわよ!』と目を逸らしながらも頷いてくれた)

 

「う〜ん……そろそろ長安に行った稟さんか風さんのどちらかから連絡が来ると思うんだけ」

「呼ばれて飛び出てー」

「うおっ!?」

 

 ぬるり、と音どころか前兆すらもなく現れる風さん……し、心臓に悪い。

 吃驚した様子の俺達に、しゅびっ、と片手で挨拶して風さんは俺の右隣の椅子に腰掛けた。

 

「ふぅ……ああ吃驚した。と、お帰り風さん。十常侍の足取りは掴めた?」

 

「掴むには掴んだのですがー」

 

「……ひょっとして、逃げられた?」

 

 歯切れの悪い返事をする風さんに相槌を打つと、賈駆さんがはっと息を飲む。

 

「いえ、それがどうも"消された"ようでー」

 

「――っ!? 劉焉ね!」

 

 それはもしかしなくても劉焉の手の者に? と俺が口にするより早く、賈駆さんが身を乗り出して風さんに確認した。

 

「十中八九は。……場所は長安と漢中の境の辺りですねー。痕跡は大方消されていましたが、近隣での目撃証言を総括して場所を絞り込んだ結果、"そこ"を見つけましたー」

 

「痕跡、ってことは……」

 

「まず間違いなくそれと判別出来ないように"消された"のでしょうねー」

 

 ……十常侍の遺体も発見出来ず、か。

 

「稟さんは?」

 

「天水まで足を伸ばしてみるって言ってましたー」

 

「馬騰と、じゃない…………そうか、向こうに劉焉の密偵が潜んでいた痕跡を見つける為ね?」

 

 訊ねる賈駆さんに頷く風さん。

 

「だけど稟ちゃん、あんまり期待して無い様子でしたから早めに切り上げて帰って来ると思うのです」

 

「そっか……そう簡単に尻尾を掴ませてはくれないな」

 

「その様子では、お兄さんの方も芳しくなかったみたいですねー」

 

 空いている茶碗にお茶を注ぎ、風さんの前に置く。

 ふぅふぅとお茶を冷ましながら訊ねる風さんに俺は頷いた。

 

 

 

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 ――あの日。

 

 そう、劉協陛下が政庁に戻った日から、一週間が飛ぶように過ぎた。

 溜まった政務(董卓さんが怠けていたのではなく、霊帝の代から未処理だったもの)と、陳情書の決裁。

 それと並行して、未だ都に潜伏している可能性がある劉焉の密偵の捜索。

 ……虎牢関で戦っている星が気になったが、上記の理由(特に二番目、まず無いとは思うが密偵が陛下や俺を狙う可能性があった)の為に都から離れる訳には行かず、陛下は勿論として俺も護衛付きで過ごしていた。

 

 張譲さんはあの後、

『顔が知れている儂が大手を振って宮中を歩く訳にはいかん。それに此度の騒乱の首謀者と目される者が牢に居らんのでは筋が通らんじゃろう』

 と言い張り、自分から進んで牢に入っている。

 今回の件では寧ろ功労者の張譲さんがそんな扱いなのは明らかにおかしいと言ったのだが、本人が頑として譲らなかったのだ。

 張譲さんをよく知る陛下は、

『爺には恐らく考えがあっての事。やらせたい様にさせましょう』

 と苦笑いしていた。

 

 また、あの日董卓さんを弾劾しようとしていた王允とその一党は"かかる危急の((秋|とき))に益体のない行動、事態の解決になんら貢献する事なし"とされ、謹慎を申し付けられている。

 董卓さんが十常侍と通じて陛下を傀儡とし、政を((恣|ほしいまま))にしようとしていた、というのが彼等清流派の意見らしい。

 劉焉が暗躍していた事情を知らない人から見ればそういった疑念はあるとは思うが、都で董卓さんが敷いた善政を見ていて、尚且つ政務にもある程度は関わっていた筈の彼等のその行動に、陛下が真顔で切れ、結果謹慎を言い付けられたのである。

 

 次に、俺や皆の行動について。

 陛下は張譲さんの仲間で、陛下の祖母に当たる方の血縁とされる董承さんのサポートで政務を行っている。董卓さんはその手伝いだ。

 賈駆さんだが、劉焉の関与等の裏事情を(勿論、董卓さんと一緒に)打ち明けた後は、劉焉への怒気を隠そうともせずに、董卓さんの手伝いと密偵の捜索の双方をこなしている。

 

 風さんは、陛下を助けた翌日には稟さんと一緒に長安まで早馬に乗って出掛けて行った。

 あの日、陛下が捕らえられていた屋敷に偽者の張譲さんしか居なかったのを知った二人は、張譲さんから部下の女の子(((胡車児|こしゃじ))さんと言う)を借りて情報収集に掛かり、夜の内に他の十常侍が都から既に逃げ出していた事を突き止めたのだ。

 かくして十常侍らしき男達が西へ向かったと情報を得た風さんと稟さんは士壱さん、胡車児さんと共に足取りを追うべく出発した。

『天水は今、馬騰殿が駐屯しています。益州へと逃れるなら、劉焉とは比較的穏やかな関係にある張魯が治める漢中を通るでしょう』

 と、稟さんは出発前に言ってたのを思い出す。

 他にも『漢中は漢王朝が国教とする儒教ではなく独自の宗教があり、中央から来た人間が漢中で捜査を行う事は難しいのでは』と稟さんは言い、続いて『最早追い付けない可能性が高そうですが可能な限り急いで長安まで行ってみます』とも言っていた。

 ……風さんの報告が、稟さんの読みの正しさを証明している。

 

 俺はと言うと、賈駆さんと同じ仕事だ。

 宮中に入り込んでいたと思しき密偵は、既に張譲さんの配下が捕捉していたらしい。

 だが、十常侍と連絡を取っていたそいつを配下の人(張譲さんは名前を教えてくれなかった)が捉えようとした直前に自害されたそうだ。

 風さんの報告にあった件と同じで、こちらの一件でも死亡した密偵は証拠を残さなかった。

 劉焉は身内からの情報漏洩にはよほど神経を尖らせているらしい。

 

 以上、洛陽で得られた情報を話し終えると、丁度二杯目のお茶を飲み干した風さんはいつも通りの眠そうな半眼のまま飴を舐めていた。

 

「証拠が無い以上、此度の一件に劉焉が関与している事は公に出来ませんね……」

 

 ふと、劉協様がぽつりと呟く。

 

「証拠が無い状態で下手に公表すると、劉焉がそれを逆手にとって周りに"反王朝"を働きかけそうですからね」

 

「一刀様、それもありますが……このままでは爺を裁かねばならなくなります」

 

 ……張譲さんを騙った偽者は、本物の張譲さんとは似ても似つかない男だった。

 

「……爺の事ですから、こうなった時の為の対策を講じていると思うのですが」

 

 陛下はそう言うと、張譲さんが居る方角へと向ける。

 

 

 

 ――そして。

 

 虎牢関へ向かった盧植さん達から、戦を終結させたとの連絡が来て安堵したのと――。

 

 張譲さんからあまりにも壮絶な決意を知らされて言葉を無くしたのは――。

 

 ――奇しくも、その日の夜の事だった。

 

 

 

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 虎牢関での戦が終わり、五日後のお昼頃。

 盧植ら官軍と霞たち董卓軍、そして連合軍は漢の都、洛陽へと到着した。

 城外に兵を留め置き、各軍を率いる代表は政庁にて待つ新帝・劉協の元へと参内する為、市中を歩いている。

 

「うわあ……。お姉ちゃん! 愛紗ー! すごいのだ! お祭りみたいなのだー!!」

 

「こら鈴々! 我々は遊びに来たのではないのだぞ!」

 

「あ、あそこで売ってる桃まん美味しそう……」

 

「後にしとこう桃香。もし寄り道して買い食いしてたなんて先生にばれたら……」

 

「!? さ、さあ行こ皆!」

 

 大通りに軒を並べる露店の多さとその多様さに歓声を上げる鈴々を愛紗が嗜め、店頭でほかほかの饅頭から湯気が立ちのぼるのを見ていた桃香が白蓮の言葉を聞いてぴんと背筋を伸ばした(尤も、忠告した白蓮も自分で言ってぶるりと背筋を震わせていたが)。

 

 

 

「……思った通り、風聞との落差が激しいわね」

(董卓の政と都の様子に関する風評の流布には麗羽だけでなく、劉焉も絡んでいた。……成る程、悪評ばかりが流される訳だ)

 

「華琳様、これはやはり……」

 

 自分を窺う桂花の目にも理解の色が浮かんでいるのを認め、華琳は活気溢れる大通りを見ながら軽く頷く。

 少し前を歩く夏侯姉妹も以前とは大違いな通りの様子に驚いており、都へ来た事の無い季衣や流琉、凪達三人も時折足を止めては通りのあちらこちらへと目を向けていた。

 

 

 

「もう! 冥琳も蓮華も心配性ねぇ、私は大丈夫だって言ってるでしょ?」

 

 蓮華と冥琳にじとりとした視線を向けられた雪蓮は、元気一杯といった感じにぐいっと胸を反らして見せる。

 

「冥琳」

 

「はい、蓮華様」

 

 蓮華に促され、半眼のまま近寄った冥琳が雪蓮の脇腹をつん、とつつくと、

 

「――っ!!!?」

 

 途端、雪蓮は顔色を変えてその場に((蹲|うずくま))った。

 

「それ見ろ」

 

「姉様、やはり戻って安静にしていて下さい!」

 

「――ったぁ〜。め、冥琳酷い……」

 

「いい薬だ。蓮華様の仰る通り、幕舎に帰って休んでいろ」

 

「そうです! 政庁へは私と冥琳が出ますから!」

 

 その様子を見た冥琳と蓮華がここぞとばかりに言い募るが、

 

「それは駄目」

 

 痛みに顔を顰めながらも雪蓮は首を縦に振らない。

 

(これくらいで寝込むようじゃ、おばさまや母様に笑われるわ)

 

 ――あの勝負の後から、身体は痛むが心は羽のように軽い。

 なおも説得、と言うよりは寧ろ説教を続ける二人をよそに雪蓮はわざと軽い足取りで走り出した。

 

 

 

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 ――洛陽、玉座の間にて。

 

「皆の者、大義である。……面を上げよ」

 

 齢十の子供とは思えないほどの、重々しく力の篭った劉協の声に、控える一同はゆっくりと顔を上げた。

 玉座には皇帝、劉協。そして傍らには皇甫嵩、朱儁、盧植と董承、士壱らが控えている。

 下座には今回の騒乱に関わった勢力の主だった面々が控えていた。

(董卓、賈駆、袁紹、袁術、張勲、孫策、曹操、夏侯惇、馬超、馬岱、公孫賛、沮授、劉備、諸葛亮、その他)

 

「ではこれより此度の一件について……先ずは事の起こりよりつまびらかにしてゆこうか」

 

 厳かに、劉宏崩御から始まる一連の事件について劉協が語りだす。

 

「……袁紹、袁術、そして董卓らの義挙により除かれた筈の十常侍らは数名が生き残り、息を潜めて機会を窺っておった」

 

 劉焉の関与、その事実をそこに含めないままに。

 

『陛下、どうか……どうか張譲殿を死なせてやって下さいませ』

 張譲が隠していたある事実を劉協が知った時――董承は目を伏せ、肩を震わせながら懇願した。

 

「朕をかどわかし、彼奴等は董卓を傀儡にして再び政を我が物とせんと謀った」

 

『――悔しいが、俺の力ではもうどうする事も出来ない……』

 事が始まった時から既に取り返しが付かなくなっていた”ある事実”を一刀達が知った時――赤毛の医師(鍼師?)は拳を強く握り締め、力なく呟いていた。

 

「だが、心ある者達によって朕は救い出された」

 

 そこで一旦言葉を切ると、劉協は居住まいを正し、

 

「皆の者には迷惑を掛けた。許せ」

 

 すっ、と董卓や袁紹達下座に並ぶ一同へと頭を下げる。

 

 

「静かに……ではこれより此度の一件の沙汰を言い渡す」

 

 場がどよめきそうになるのを手で制し、劉協は再び口を開いた。

 

「先ずは袁紹」

 

「はっ!」

 

「十常侍の陰謀を知りえぬ身ではあるが、国の大事に先頭に立って義挙を成さんとしたその心意気は万民の知るところであろう」

 

「……は、はっ! 恐れ多いお言葉を賜り、この袁紹、恐悦至極に存じます!」

 

 虎牢関での一件で処罰が下されるものと思い込んでいた麗羽は、劉協からの思いがけない言葉に返答が一拍遅れる。

 

「董卓が騒乱の張本人と目したが連合軍の大義故、朕が送りし使者の真意を取り違えたのもまた致し方ないこと。――が」

 

 恐縮する麗羽に向け、穏やかに言葉をかけていた劉協の声色が変化した。

 

「――朕の軍と争い、勅命に抗った者を捨て置いては王朝の権威に係わる。袁紹、四世三公の家柄であるお前なら、この意味、解っていような?」

 

「――はっ! 如何様な罰も御受け致します!」

 

 硬質な、抑揚の無い声が響き、麗羽は身を硬くする。

 

「沙汰を言い渡す。袁紹、そなたは引き続き渤海をよく治めよ」

 

「はっ? ……あ、ぎょ、御意っ!!」

 

 呆気に取られる麗羽を尻目に、劉協は袁術に視線を向けた。

 

「次に袁術」

 

「は、はっ!」

 

 傍らの七乃に袖を軽く引かれ、美羽は返事をする。

 

「袁紹同様、漢に仕える家柄として義挙に応じたこと。また、勅命に従い戦を止め、無駄な犠牲を出さなかったことを評価する」

 

「あ、有りぎゃた……有り難き幸せ」

 

 慌てて言い直した美羽の姿を見て、ほんの僅かに眉尻を下げる劉協。

 

「沙汰を言い渡す。そなたには寿春に加え、汝南と廬江の統治も任せる。印綬を受け取るがよい」

 

「は、ははぁーっ!」

 

 董承が盆に載せた二つの印綬を美羽は恭しく受け取る。

 

「汝南は治安が乱れておると聞く。心して任に当たるよう」

 

「ぎ、御意!」

 

 小さな手の平には余る大きさの印綬を抱えるように持ちながら、美羽は畏まった。

 

「うむ……それと袁術。そなたの配下で孫策と言う者が居るな?」

 

「は……はっ! な、七乃」

 

「――陛下。私、袁術が将で張勲と申します。お探しの者はこちらに」

 

 先程からいっぱいいっぱいな美羽は七乃に振り返る。

 七乃は綺麗な姿勢で一礼すると、美羽と一緒に横に避けてすぐ後ろに控えていた雪蓮の姿を劉協に示した。

 

「ふむ、孫策よ」

 

「はっ!」

 

「朕が遣わした使者と争ったと聞いたが、相違無いな?」

 

「恐れながら陛下、それは――」

 

「――控えよ張勲。朕は孫策に問うて居る。……答えよ孫策」

 

 何か言いかけた七乃を言葉で封じ、劉協は雪蓮から視線を外さない。

 

「はっ! 相違御座いません!」

 

「そうか。では孫策、そちには罰を与える」

 

 雪蓮の返事を聞くと、劉協は口元に笑みを浮かべた。

 

「朱儁とそなたの戦いが私闘であったことは聞き及んでおる。よって双方へ罰を下す。朱儁には既に下しておるので――」

 

 その言葉に雪蓮がちらりと朱儁を見ると、雪蓮を見る朱儁は苦笑いを浮かべている。

 

「――孫策よ、そなたには"一年"の間、禁酒を言い渡す」

 

「……は、はっ!」

(お、おばさまーっ!!?)

 

 どこか楽しげな口調で言い渡された罰の内容に、雪蓮は『なんて恐ろしい罰を……』と戦慄していた。

 

「続いては王匡――」

 

 雪蓮へ沙汰を言い渡すと、休む事無く劉協は王匡、韓馥、鮑信、張?、橋瑁らへと沙汰を下していく。

 鮑信、張?らは袁紹と同じく現状維持。韓馥、王匡、橋瑁は郡の治世に監督役を付けられる事となった。

 

「曹操」

 

「はっ!」

 

「虎牢関において、勅命に従い先の二将(鮑信、張?)らに戦を止めさせたは見事な判断である」

 

「はっ! 身に余るお言葉を戴き、恐縮に存じます!」

 

「また、そなたから洛陽の民への心遣い、有り難く受け取らせて貰うぞ」

 

「はっ!」

 

 謁見に臨むよりも前、華琳は今回の騒ぎで洛陽の民に迷惑を掛けたとして、兵糧を供出している。

 前に居た麗羽が頭を下げた姿勢のままで、華琳をきっ、と睨みつけた。

 

「沙汰を言い渡す。許昌、それから((濮陽|ぼくよう))の統治を正式に任せる。印綬を受け取るがよい」

 

「御意!」

 

 袁術とは違い、華琳は堂々とした様子で印綬を董承から受け取る。

 

「公孫賛」

 

「はっ!」

 

「朕を救った者に助力して乱を治める力と成ってくれた事、盧植より聞き及んでおる。かような臣が居てくれた事を嬉しく思うぞ」

 

「は、はっ! きょ、恐悦至極に存じますっ!」

 

 幾分柔らかな声で感謝の言葉を口にする劉協に、白蓮はひたすら恐縮していた。

 

「はは、さように硬くならずともよい。では、沙汰を言い渡す……公孫賛、そなたを幽州の牧に任ずる」

 

「は、ははっ! 謹んで御受け致します!」

 

 ここまでの沙汰とは違い、一郡どころか一州を任された白蓮に周りからの視線が集まる(誰も頭を下げたままではあるが)。

 

「次に劉備」

 

「はいっ!」

 

「公孫賛と同じく、そなたは朕を助ける力と成ってくれた。礼を言う」

 

「あ、はっ、はい! 光栄です!」

 

「うむ。沙汰を言い渡す……劉備、そなたを徐州の牧に任ずる」

 

「ぎ、御意っ!」

 

 明らかに動揺してあたふたと返事をする桃香を咎めず、劉協は白蓮の時と同様に柔らかな口調だった。

 

「劉備が徐州に移り、空いた平原郡の統治は袁紹に任せる……良いな?」

 

「はっ! この袁紹、謹んで御受け致します!」

 

 降って湧いた話に、麗羽は表情を輝かせる。

 

 

 

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「太尉((掾|えん))(属官)士壱」

 

「はっ!」

 

「朕がここに居られるはそなたとあの方のお蔭だ。改めて礼を言う」

 

(あの"方"?)

 

 その言葉を耳に留めた華琳、雪蓮、沮授、朱里の四人は頭を下げたまま、不思議そうな顔をした。

 

「私のような者に過分なお言葉を戴き、身に余る光栄」

 

「本来であればそなたは都にて朕に近侍して貰いたかったが……そうも言っておられぬようだからな」

 

 僅かに苦笑して、劉協は董承へと書簡を手渡す。

 

「士壱、それはそなたの姉に当てた勅だ。そなたが士燮への使者となり、勅命を伝えた後は士燮の命に従うように」

 

「御意に」

 

 董承から書簡を恭しく受け取ると、士壱は一礼した。

 

 

 

 

 

「さて、最後だが……董卓」

 

「はっ!」

 

「朕が不在の間、十常侍共の言い成りになる事無く、民のために政を行ったその方の胆力は素晴らしい」

 

 一転、劉協の声が重々しい響きになる。

 

「だが、奸臣より官位を受けて政務を行った事、執金吾の兵は別としても正規の官軍を自軍に組み込んで動かした事などを見過ごす訳には行かぬ」

 

「……はい」

 

「知らぬとは言え、そなたの行動が此度の騒乱の一因となり洛陽を戦禍に巻き込まんとした事実に対し……董卓、沙汰を言い渡す」

 

「はっ!」

 

「すでにそなたが返した相国の位は当然として、天水と安定、この二郡の太守の任を解く」

 

 この展開は聞かされていなかったらしく、詠は下を向いたまま驚きと怒りに唇を噛む。

 また、白蓮と桃香も内心の驚きを隠せず、下げたままの頭が僅かに動いていた。

 

「そして、董卓よ」

 

 ――まだこれ以上罰を下すと言うのか。

 

 詠が不敬罪に問われることも辞さない覚悟で反論しようと顔を上げかけたその時、

 

「そなたには武陵、長沙、桂陽、零陵、以上荊南四郡の統治を任せる」

 

 劉協の涼やかな声が詠の怒りを冷ます。

 

「本来、これら四郡は劉表が統治せねばならぬ地ではあるが未だまともな治世が行われておらぬ」

 

 月だけでなく、下座の者全てが呆然とする中、劉協は厳かな声で先を続ける。

 詠だけは、劉協が言った事の意味を察して、すでに思考をかの地へと巡らせていた。

 

「そればかりか昨今、劉表は洛陽へ伺いも立てず交州へと手を伸ばしていると聞く」

 

 月が僅かに視線を上げた先で、士壱は微かに微笑む。

 

「劉表は漢室の系譜に連なる者ではあるが、これは明らかな越権行為。しかも劉表は今回の騒乱にかこつけてそれを成そうとした」

 

 劉協の声が少しずつ大きくなる。

 

「天下の大事にこのような行為を成さんとする者に荊南の地は任せられぬ。董卓よ――」

 

「はっ!」

 

「洛陽の民に慕われたそなたにならば荊南の統治は任せられよう。もしそなたが荊南を治めるのを劉表が邪魔立て致せば、これを誅しても構わぬ!」

 

 その声の力強さと、その内容に、誰もがこの幼い帝から初めて発せられた怒りを目の当たりにして畏怖の念を抱いた。

 

「ぎ、御意!」

 

「うむ。では励むがよい、董卓」

 

 震える手で、董承から州牧の印を受け取る月に、劉協は他の者にはそれと悟られぬ程度の笑みを見せる。

 

「これにて謁見は終わりぬ。さて皆の者、朕の命を救ってくれたお方が今から城門にて民の前に姿を見せる事になっている」

 

「へ、陛下、その"お方"とは一体……?」

 

 下座に控える者全ての疑問を、麗羽が代表して劉協に問う。

 

「そのお方は、僅かな人数だけで朕を捕らえていた者達に挑み、夜空に花を咲かせて奸賊共の目を欺くと朕の前に現れた」

 

「よ、夜空に、花、ですか?」

 

 麗羽の困惑した呟きは、やはり下座の全員の声を代弁していた。

 

「信じられぬであろうが本当のことだ」と劉協は言うと、更にこう続ける。

 

「その方は、苦境にあった朕を救う為、天より遣わされた御遣いなのだよ」

 

 劉協の口から出た"天の御遣い"と言う単語に、麗羽を初めとして大半の者が愕然とする中で、ごく僅かな者達だけは面白そうに瞳を輝かせていた。

 

 

 

-7ページ-

 

 

 

 

 

「おー、星ちゃん、無事で良かったのですよ」

 

「星殿。ご無事で何よりです」

 

「風と稟こそ、無事で何より。…………ん? 一刀はどうした?」

 

 洛陽の中心、宮殿を囲む城門の前で星は風と稟に再会し互いの無事を喜び合うが、肝心な人間の姿が見え無い事に首を傾げる。

 

「「…………」」

 

「? 風? 稟? 何が――まさかっ!?」

 

 問い掛けると顔を見合わせて沈黙する二人を見て、星が気色ばむ。

 

「ああ、星ちゃん違うのです。お兄さんも無事ですよー」

 

「なんだ……ふぅ、吃驚させるな。何かあったのかと思ったぞ」

 

 慌てて少年の無事を口にした風に、星は心の底から安堵し、溜息を吐いた。

 

「いえ星殿、何か……どころではないことがあったのですが……」

 

「? 先程から歯切れが悪いな二人共。一刀に何があったのだ」

 

 何時もハッキリとものを言う稟の、困惑した話しぶりに星は眉根を寄せる。

 

「む〜……ん。そうですねー…………言葉で説明するよりも実際に見た方が早いのです」

 

「む、始まるようですよ」

 

 稟が見上げた城門の上、

 

 

 

 

 

「かず、と――?」

 

 

 

 

 

 星は、そこに白い光を見た。

 

 

 

 

 

 

-8ページ-

 

 

 

 

 

「私の名は北郷一刀! 天より遣わされてこの地を治める天子様を救いに来た者です!」

 

 第一声。

 

「ここに集まった皆さんの中には、私がお世話になった方達が沢山います!」

 

 両脚で石畳を踏みしめて、腹に力を入れ、しっかりと声を出す。

 

「皆さんも既にご存知の通り、都では董卓殿を、そして都の外では今この場に集っている諸侯の方達を謀り、都を戦渦に巻き込まんとした悪漢達を、私とその仲間があの祭りの日に捕らえました!」

 

 下から聞こえ始めたざわめき。

 

「皆さんも覚えているでしょう! 夜空に光の花が咲いたあの日のことを!」

 

 今は、聞こえてくるそれを意識の外に追い出す。

 

「そう! あの瞬間、天子様を幽閉していた悪党達の命運は尽きていたのです!!」

 

 眼下に集った洛陽に住む一人一人に響けと、俺は声を張り上げる。

 

「確かに私は天子様をお救いし、悪党達を捕らえました。だが、それは私や数人の仲間だけで成した事ではありません!!」

 

 ――次からが、本番だ――!

 

「夜空を飾ったあの花火は私が作った物ではなく、そこに居る職人の方達が何年も掛けて作り出した作品です!」

 

 ――稟さんと打ち合わせて、花火を上げてくれた職人さん達の吃驚した顔が見えた。

 

「それだけではありません! ――あの日、数年振りに祭りを復活させようと努力された皆さん!」

 

 ――酒家のおかみさんや、商店街の顔役さん、古老の方達が目を大きく見開いている。

 

「そして!! あの日、祭りに参加していた皆さん!! 私が天子様をお救い出来たのは、皆様一人一人のお力が有っての事なのです!!!」

 

 

 

 ――決める。

 

 

 

『何かしらの理由をつけて――例えば、董卓さんが都入りしただけで容易く乱れる王朝には最早天命は無い、とか――都へ兵を上げることも考えられる』

 

 

 

 ――――劉焉、お前の"大義"を、

 

 

 

「胸を張って下さい皆さん!! ――貴方達一人一人が、真の勝利者です!!!!!」

 

 

 

 俺が、"天の御遣い"が、"白き光"で灼き尽くす!!

 

 

 

 

 

 

-9ページ-

 

 

 あとがき

 

 お待たせしました! 天馬†行空 二十五話目を投稿します。

 

 と言う訳で、十常侍達の最後、都での出来事、劉協様の裁き、天の御遣いとお送りしました。

 劉協様が下した裁定にご不満の方がおられるかと思いますが、張譲の事と併せて、その真意は次回明らかになります。

 そして完全に覚悟完了した一刀。最も天下に近い場所で名乗りを上げた以上、最早後戻りは出来ません。

 

 次回、御遣いとして名乗りを上げた一刀を見た一同の反応、張譲の決意。

 ……そして、裁かれる者達。

 

 二十六話目で、またお会いしましょう。

 それでは、また。

 

 

 

 

 

説明
 お待たせしました!
 今回は洛陽に場面が移る為、一刀達の出番となります!

 真・恋姫†無双の二次創作小説で、処女作です。
 のんびりなペースで投稿しています。

 一話目からこちら、閲覧頂き有り難う御座います。 
 皆様から頂ける支援、コメントが作品の力となっております。

 ※注意
 主人公は一刀ですが、オリキャラが多めに出ます。
 また、ストーリー展開も独自のものとなっております。
 苦手な方は読むのを控えられることを強くオススメします。
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コメント
>黒乃真白さん 次回も一刀&劉協のターン! 寧ろ、次回で恐ろしい一面を見せる人の背後で”敵”、”深慮遠謀”、”暗中模索……”が流れる事になりそうなのが……。(赤糸)
ここからはずっと天の御遣いと天子のターン! ……だといいな! 一刀の背後で深紅の呂旗が流れるような事態にならないことを祈らざるをえない(黒乃真白)
>PONさん 現時点でそう思われるのは当然かと存じます。次回で幾らかの人達が動くと……また、状況(世間からの見方)が変わってくるのですが。(赤糸)
>陸奥守さん 連合諸侯にとっても意外と思える今回の沙汰。当然表向きには甘々なのですが裏に回ると……。(赤糸)
>メガネオオカミさん きゃーっ(ry 次回も(ある意味)一刀と劉協様のターンになります。お楽しみに!(赤糸)
>summonさん コメントありがとうございます! 皇帝救出の時とは違い、今回は恋姫達(ほぼ)全員の前で御遣いを名乗りました。これからが大変になりますね。次回お楽しみに!(赤糸)
なーんだ諸侯にお咎めなしどころか褒章をやる上月は降格の上都落ちとか完全敗北じゃないか。そりゃ原作よりはマシだけどさぁ…(PON)
ぶっちゃけ諸侯に対して甘いとめっちゃ不満に感じたので、早く真意が知りたいです。そして一刀はあと種馬になりさえしなければ、御使いとして完璧ですねと孤独な俺はけん制してみる。(陸奥守)
きゃーっ、一刀さんカッコいいー! ここの一刀は天の御使いの名前をうまく使い、おまけに↓summon様の言うとおり、御使いの名に恥じない活躍をしていますね!(メガネオオカミ)
劉協様を助けたときといい、この一刀さんはまさに天の御遣いという言葉がぴったり来る感じですね!次回も楽しみにしています。(summon)
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