新たなる世界の片隅に/魔法の代償編2 ENGAGEMENT!:Introduction |
「?何が?何がそうなの?何?あたしの顔になんかついてる?」
ほむらがテーブルの上のキュゥべえに思わず話しかけてしまった時、そのちょうど後ろに座っていた杏子は、急に話題を振られて意味が分からないとでも言いたげに、矢継ぎ早に問い返した。その様子はまるでキュゥべえが見えていない様にほむらには感じられ、とても申し訳ない気分になり、謝り、下を向いた。
その時、それまで無言で経緯を見ていたさやかが口を開いた。
「……なんか、結構長居しちゃったみたいだね、ほむら。わたし達、そろそろ帰ろうか?」
「ごめんなさいね、私が二人を家に招待したのに……」
「いえ。帰ろうって言い出したのはわたしですから。巴さん、佐倉さんのお相手だけで、大変そうですし」
さやかはにこやかに笑って言った。
「また、きっと遊びに来てね、美樹さん、暁美さん」
「はい、もちろんです。巴さん」
さやかは元気良く答えた。
「ごちそうさまでした、巴先輩!スコーンおいしかったです!」
ほむらの心のこもったお礼に、さやかが補足した。
「特にあのクリームがね」
「うんうん」
楽しそうに二人がやり取りをする。それをを聞いて、マミは少しほっとした顔をした。そして優しい口調で答えた。
「そう、良かったわ」
それを聞いたさやかが、ほむらに促す。
「じゃ、きりがないからそろそろ行こうか、ほむら」
「うん」
二人はドアを開け、振り向いて挨拶をしつつエレベーターホールに向かった。
巴マミは杏子の事を再度謝りつつ、ドアの外まで出て二人を見送った。そしてエレベーターの中に二人が消えるまで見送ると、ドアを閉め、ダイニングに戻った。
巴マミが部屋に戻った時、佐倉杏子はちょうどスコーンの最後のカケラを口に入れたところだった。
「二人とも帰ったわ」
そう言いながらマミは杏子の前に座った。杏子はスコーンを飲み込みながら、自分の目の前におしりを向けたままのキュゥべえに言った。
「いい加減、うざいその尻尾、どけてくんない?」
キュゥべえは振り返りもせず反論した。
『ひどいな、杏子。君がわざわざそこに座ったんじゃないか』
杏子はにやっとしつつ、
「これぐらいのブラフをかけねえと、相手さんに警戒されちまうからな。ただでさえ謎が多い状況なんだし、こちらの手の内は出来るだけ明かさない方が良いだろう?」
と答えた。キュゥべえが右横に座り直したのを横目で見たマミは、視線を杏子の方に戻すと、感心した表情を見せつつ、今一番聞きたい事――ほむらに対する杏子の心証を聞いた。
「で、どう?佐倉さん」
マミは既に呼び方をいつもの通りに戻している。杏子は自分の呼ばれ方については特に反応を示さなかった。だが、ほむらの心証については、今更聞くまでもないという口調でオーバーに答えた。
「あの眼鏡の娘だろ?ありゃ黒だ。真っ黒。どこからどう見ても魔法少女だよ」
「……でも彼女、まるで何も知らないように見えるのよ」
マミは自分が迷っている事を素直に告げる。
「指輪もネイルもどう見ても魔法少女だよ」
杏子はちょっとあきれた顔を作りつつ答える。マミはちょっと驚きのニュアンスを込めて応じる。
「あら、さすがね。あの短時間でそこまで観察するなんて」
「あいつが帰ろうとしてバッグを持った時にね……さすがに魔法文字までは読み取れなかったけど」
それに対して、キュゥべえが補足する。
『彼女の指輪に魔法文字はきちんと刻まれているよ。ただし〈まどか〉とね』
それを聞いた杏子は初めて表情を変えた。
「え?じゃあ、ほむらって言うのは偽名かよ?」
「ただ、私にはどうしてもあの子が嘘をついているようには思えないのよ。もちろん転校元の学籍登録も含めて、調べはしたのだけれど」
杏子は特に感心するでもなく、「抜かりないなあ」と呟くと、
「ま、あんたは人を見る目はあるからな。直感で嘘をついてないと思ったんなら、その時点でほぼ間違いないだろう」
と、続けた。そこまで調べる必要もないだろう?という意味だ。マミは、「まあ、念のためにね」と言うと、表情を厳しくして、
「もっと気がかりな事があったから」
と、打ち明けた。
偽名疑惑以上に気がかりな事なんてあるのだろうか?杏子はそう思った。だが、それに食いつくのも癪だから、素っ気なく聞いた。
「何が?」
『そもそも、僕達には彼女と契約した覚えが全くないのさ』
キュゥべえが補足する。さすがに、それはどう考えても異常事態だ。杏子はカッコをつける余裕をなくして問う。
「何それ?キュゥべえと契約もせずに?出来んのそれ?」
『いや、論理上はあり得ない』
キュゥべえは断言した。杏子は腕を頭の上に組み、そのまま後ろに倒れ込むと、天井を見ながら自分の結論を口にする。
「魔法少女でも魔獣でもない第三勢力の可能性あり、か……わっかんねえなあ……魔力は確かにありそうなんだが、魔法少女だって言う確実な証拠もないってのか、あの娘には。こいつはやっぱり、様子見るしかねえじゃねえの?たとえ魔法少女だとしても仲間になれるかどうかすらあやしいっつー、このご時世だしさ」
「そうね……やっぱりその方がいいわよね」
マミは自分と同意見に杏子が結局落ち着いたので、若干不安が解消したようだ。だから微笑みながら、お礼を言った。
「ありがとう、わざわざ来てくれて」
『事、人間同士の感覚については、僕達は相談相手として役不足だからね』
キュゥべえは相変わらず淡々答える。杏子は天井を見たまま少しいたずらな表情を浮かべた。
「なーに、お安い御用さ。って、まあ、最初は隣町にいるのに至急呼び出しとか、何の用だよって思ったけどな。こりゃ確かにあたしを呼ぶしかないわな」
そこまで言って、勢いよく体を起こす。
「ってことで、わざわざ来たんだし、報酬はマミのお手製夕食一食分ってとこでどう?安いもんだろ」
「はいはい」
マミは、報酬を要求されなくても杏子のご飯を用意するつもりだったので、喜んでそれに答えた。
「それにしても、マミ。あいつの隣にいた……さやかだっけ?あの娘、一緒に連れてきて、しかも、魔法少女の説明とかしちまって大丈夫だったのか?」
続けてそう聞いた杏子に、マミは困った顔をして答えた。
「それは気になってはいたのだけど……あのタイミングで暁美さんだけ連れてくるのは不自然だったし……」
その説明を聞いて、杏子はより厳しい表情を見せる。
「あいつ、多分勘が鋭いぜ。こっちから情報が出てこないとなったら、すぐさま帰りやがった……。こっちの茶番もバレてるかもな……」
マミは眉をひそめると、
「あの娘も一枚噛んでいるかも、って事?」
と聞き返す。杏子はゆっくり首を振り、
「それを見定める前に帰っちまったからな……」
と、残念そうに呟いた。
何か長い夢を見ていたような気がする。
でも、夢なんて起きてしまえばすぐ忘れる、そう言うものだと思っていた。
人生の大半をこんな風な部屋で、私は夢を見て、窓の外を眺めて過ごした。
だから夢は見慣れている。
空を飛ぶ夢、
だれかと冒険する夢、
キスする夢。
そして、
魔法少女になる夢。
そのどれもが非現実的で、どれ一つとっても叶いそうになくて、
だから一様に現実的で……。
もう私は現実と空想の区別も付かないのではと、
そんな風に思っていた。
だから。
今日もまた同じように夜が明けて、真っ白い壁に何かを思い浮かべる、
そんな今までと同じ日々がやってくるんだと思っていた。
ここを出る事が決まっていたとしても、
それが事実なのかどうかも実感できずに。
ただカレンダーに付ける印がだんだん運命の日に近づいているのだけを見て。
何かが変わるのかな、
でもきっと変わらないんだろうな、
そんな風に思っていた。
あの日までは。
新たなる世界の片隅に/魔法の代償編2 ENGAGEMENT!:Introduction
一次創作 Magica Quartet「魔法少女 まどか☆マギカ」
○幼なじみと心配性
それから数日後。
「どーなっつ!さやか、仁美ちゃん、どーなっつをね、食べに行こ!」
ほむらにしては珍しく、教室中程にある、さやかの席までやってきて、彼女と仁美を誘った。「ネットで見たの。駅前の焼きドーナッツ屋さん、今週発売の新製品が、とっても美味しそうなんだよ。ね、行こう?」
ほむらは二人の返事も待たずに続ける。当然同意してくれるものと、しばし待つ。でも、さやかは困った表情をして、ほむらに手を合わせた。
「ごめん、わたしは今日用事があるんだよ……」
絶対に喜んで行こう行こうって言ってくれると思っていたのに。ほむらはちょっと納得が行かなかった。
「えーーーーー、どうして?何?何の用事?」
「んー。風見野市民ホールにコンサートを聞きにね」
「ああ、それで上条君は今日お休みですのね」
仁美は納得したようだ。でも、ほむらには何の事なのか分からない。
「さやかさんは上条君と幼なじみですのよ」
仁美はあまり補足にならない補足をした。
「へー、さやかと上条君と幼なじみなんだ。でもそれが何の関係があるの?」
ほむらは相槌を打ちつつ、素直に疑問点をぶつけた。
「恭介はさ、バイオリン奏者なんだよ。それも結構すごいんだよ。でもさあ、なんと言うか繊細すぎるって言うか……。あいつステージに立つ日は朝から他の事考えられないんだよ。で、コンサートの日はお休み」
さやかは、そう答えると肩をすくめた。しかしどちらかと言うとその表情は嬉しそうだ。
ほむらは、まだ釈然としていなかったが、さやかがこれから行くコンサートのジャンルが、クラシックである事は分かった。
「そうなんだ。さやかがクラシックコンサートって意外だね」
ほむらはやはり素直に感想を言った。
「失敬な、こう見えてもなかなか繊細なのだよ、わたしは」
目をとじて胸を張りながら、自慢げにさやかが答えた。それを聞いた仁美はニコニコしつつ、鋭いつっこみを入れた。
「とても心配性、の間違えじゃありませんか?」
だがその言葉すらもまんざらでもない様子で、さやかは照れながら、
「えへへ……まあ、幼なじみとしてはなんか放っておけない、って言うのは確かかなあ。会場がもっと小さかった頃からずっと聞きに行ってるからさ。一緒にいてあげたいって言うかね。ま、今日も行くよって連絡しちゃったし、わたしはあいつのお守りみたいなもんだから。でも今日の会場じゃあ、あいつのいるステージからわたしが見える訳でもないと思うけどね」
としみじみと言った。二人のやりとりに自分だけ加われないのが寂しくて、ほむらはわざとらしい調子で相槌を打った。
「へぇー、なるほどぉー」
それを聞いたさやかは慌てた。慌てたので、ほむらがどういうタイプかを考えずに弁解してしまった。
「おい待てほむら、そんなんじゃないぞ、わたしは」
もちろん、ほむらはそういうつもりで発言していないから、なんでそんなに慌てているのか、本当に全然分かっていなかった。だから、きょとんとして、
「何が?何がそんなのなの?」
と聞き返した。さやかは自分で地雷をわざわざ踏みに行ってしまったと気がついた。そして、
「くっ、そうくるか……」
とぼやいたが、時既に遅し、という感じだ。仁美もほむらに便乗して、
「さすがのさやかさんも、ほむらさんには形無しですね」
と意味深に言う。
「え?それはどういう事なのさ、仁美」
「いいえ。深い意味はありませんわ」
「ずるいー!ねえ何?何の話?」
一人だけ会話に入れないほむらはむくれ気味だ。仁美は、
「ほむらさんが純粋で可愛らしい、って言う事ですわ」
と、満面の笑みを浮かべて、少し首を傾げて言った。
ほむらは、はぐらかされている気分になって――実際にはぐらかされている訳だが――さらにむくれながら、
「……何か騙されている気分……」
と拗ねた。さやかは即座に、
「騙してないない」
と否定した。そのとき、仁美がごく自然に、
「そうそう、さやかさん、風見野市民ホールまで行くのなら、そろそろ出かけないと間に合わないのではないですか?」
と聞いた。さやかは、え、開演は一九時からなんだけど……と思いつつ彼女の顔を見る。ほむらに見えないように、パチパチと目をつぶっている。それはウィンクがうまく出来ない仁美のちょっと頑張った助け船だった。
だからさやかは、ちょっとわざとらしいかなと思いつつ、時計を確認すると、
「あ!そうだよ!ヤバイ!」
と慌てて帰り支度を始めた。そして、席を立った後、振り向いて再びほむらに謝った。
「ごめんね、ほむらー、この埋め合わせはいずれ精神的に」
「なにそれ!」
相変わらずむくれているほむらを横目に、さやかはカバンを肩にかけて入り口まで行くと振り向いて、再びほむら達に手を合わせて謝るとすぐに教室のガラスの壁からは見えない位置にまで走って行った。その姿を見送りながら、ほむらはしょんぼりした声で口に指を当てながら思わず呟いた。
「……どーなっつ……」
仁美はそんなほむらを覗き込んで、
「はいはい、わたくしで良ければお付き合い致しますわ。さやかさんほど戦力にならないかもしれないですが」
と提案した。ほむらはパッと明るい表情になって
「仁美ちゃん、本当?」
と確認した。仁美はゆっくり頭を縦に振った。
「ええ、そのかわり、本当に食べたいのを厳選しましょうね」
「うん、そうする!ありがとう仁美ちゃん」
すっかり元気になったほむらは自分の席に戻って帰り支度を始めた。
その姿を本当に愛おしく感じつつ、今日は帰りが遅くなると家の者に連絡しておかなければ。そう、仁美は思った。
○どーなっつとラブストーリー
「悩んだね……」
「悩みましたね……」
「サイトで告知していた新作以外に、地区限定の試験販売があるなんて思ってなかったよ……」
「そして、それがどれも美味しそうだなんて……なんて罪なお店なのでしょう……」
「本当は全部食べたかったよね……」
「でも、わたくし達では、四個ずつが限界ですから……」
「そうだね……。でも、今目の前にあるドーナッツ、どれも特別美味しそうだね!」
「それはそれはそれは、もう、厳選致しましたから……二人で慎重に」
仁美はしみじみと言った。二人の前には延々と悩んで悩んで悩みぬいた末、二人で相談して決めた合計八個の戦利品が並んでいる。
「じゃ、行くよ……」
大げさに宣言したほむらは、真剣な顔の仁美が頷くのをしっかり確認していた。そしてあらかじめ二人で練りに練った手筈にしたがって、ドーナッツに挑み始めた。
ほむらは右手前のドーナッツに手をかけ、包装紙でくるんで二つに分ける。その片方を仁美の皿に置いた後、ほむらはやっと念願のドーナッツを?張った。そしてその瞬間、とても幸せそうな笑顔を見せて、
「仁美ちゃん、美味しいね」
と同意を求めた。仁美は自分の割り当て分からさらに少しちぎったドーナッツを口に入れて、よく味わった後、
「ええ、米粉とキャラメルを練り込んだ生地って、ちょっと心配だったのですけど、勇気を出して選んだかいがありましたわ」
と、ニコニコしながら言った。そして、
「でも、半分ずつ分担で本当に大丈夫ですか?」
と小食なほむらを気遣って確認した。ほむらは少し自信なさそうな表情をしたが、すぐに思い直して元気良く答えた。
「う、うん。誘ったの私だし。仁美ちゃんにばっかり頼らない!頑張る!」
そんなほむらが可愛らしく感じたので、後で悲しい結果にならないように、
「ふふふ。でも途中で食べられなくなると残念ですから、まずは一口ずつ、全部食べましょう」
と仁美はアドバイスをした。あ、その手があった、と思ったほむらは、パッと明るい顔をしながら、
「うん。ありがとう!」
と元気良くお礼を言った。
「いえいえ」
仁美はその素直な反応がとても嬉しくて、思わず会釈をしていた。
それから、二人は、これも美味しい、これはいまいちと、合計六種類の味を楽しんだので、ちょっと一息入れる事にした。
二人はそれぞれアイスコーヒーとアイスティーを飲みながら、最近見た動画や、おもしろかったインターネットサイトの話をしていた。
そんな時だった。仁美は、ふと、ちょっとためらう表情を見せた後、思い直して出来るだけ笑顔を作りながら聞いた。
「ほむらさん、もしも、もしもの話ですけれど。あなたの大好きなお友達が、ある男の子に恋をしていたとして、あなたもその男の子を好きになってしまったら。……あなたならどうしますか?」
突然の仁美の質問に、ほむらは戸惑いながら、
「え?……私、恋愛の経験、ないから……」
と、寂しそうに言った。だが仁美は
「もしも、ですのよ」
と、念を押した上で、ほむらの答えを待った。彼女は少し考えた後、大好きで、よく読んでいた恋愛小説の内容を思い出しながら、ちょっと真面目な顔をして言った。
「どうかな……私、そんな経験はした事ないけど、そんな事がもし起きたら、後悔したくないから頑張って告白すると思う。だってその人の事が本当に好きなら、そばで見ているだけで我慢するなんて悲しいよ……。それに、恋愛って双方向だと思うんだ。だから、私が告白したからって、男の子が私を選んでくれるのか、それともお友達を選ぶかなんで分からないと思う。あ、そもそも二人とも選ばないかもしれないし……」
それを聞いた仁美は、少し曇った表情をして確認した。
「そうですね、見ているだけなのはとても寂しいかもしれません。……でも告白したら、大好きな、大切なお友達との関係を壊すかもしれないのですよ……」
ほむらは、微笑みながら答えた。
「そうだよね……。でも、本当に仲がいい友達なら、きっといつか分かって貰えるかも……」
そこまで答えて、何だかすごく理想論を言っている気がして、ちょっと顔を真っ赤にしてうつむき加減で確認した。
「私、頭でっかちすぎるかな?本の読み過ぎかな?」
仁美は笑顔を戻して、
「いいのですよ、わたくしはその、今のほむらさんの素直な意見を聞きたかったのですから」
と答えた。ほむらは「そう、よかった」と答えつつ、少し照れてえへへと笑った。そして、
「でも、本当は。本当にそんな事になったら、告白する勇気なんて多分無いよ、私」
と、まだ赤みの残った顔で補足した。
「勇気、ですか」
仁美は、まるで自分に言い聞かせるように言った。ほむらはそれに同意しつつ、
「うん……。でも、仁美ちゃんのそのお話、心理テストか何かなの?」
と聞いた。仁美は
「……そうですね。心理テスト、なのかもしれません……」
とあやふやな答えをした。そしてほむらに残ったドーナッツを勧めた。
「あ、次を食べましょう。これもきっと美味しいですよ、抹茶バナナドーナッツ」
ほむらはちょっと心に引っかかりを感じつつ、
「……うん」
と答えた。
【続きは頒布版にて】
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見滝原市へ転入してきた暁美ほむら。親友となった美樹さやかと志築仁美と平和な学園生活を送っていた。先輩であり魔法少女の巴マミに、なぜ魔法少女であることを隠しているのかと詰め寄られ、自覚のないほむらは困惑しに街に飛び出してしまうが――。鹿目まどかによる世界改変後の世界で、魔法少女達の友情と希望を描いたシリーズ第二巻。 【今作品は合計一〇巻になる連作です。二作目の冒頭部分を公開します。連作である関係上、一作目の結末に対してネタバレになっていますのでご了承ください。】 続きは頒布物での公開のみになります。ご了承ください。 頒布物は二編各五冊ずつ、計一〇冊になります。 ☆サンシャインクリエイション58 に参加します。A1ホール F02b 「マドカミ町奇譚」 |
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