真・恋姫†無双〜絆創公〜 第十七話 【初見は衝撃的】 |
第十七話
「な、ななな何ですか!?」
「敵の襲撃かっ!!?」
「いえ…………あいつらは…………」
身構える客人の男性二人を、黒髪の美少女はうんざりした様子で制止する。
「ちょっとぅ〜、アタシ達を仲間外れにするなんて、酷いじゃないのぅ!!」
「ご主人様の御両親に挨拶をせねば、漢女が廃るというもの!! 是非とも儂らを頭に刻み込んでもらう!!」
筋骨隆々の気持ち悪…………もとい魅力的な二人の漢女達に、知人である少女達は面倒臭い気持ちを隠しきれない。
「ご主人様のご家族のみなさま〜!! はじめまして〜! ワタシが絶世の美女、貂蝉ちゃんとぅ〜!!」
「漢女道亜細亜方面前継承者、卑弥呼であ〜る!!」
「…………という事です」
うんざりした様子を見せているのは愛紗だけではない。スーツの男二人も同じであった。
「はー…………面倒な…………おい、アキラ。対応しろ」
「ハァ!!? イヤイヤイヤイヤ、何でですか!?」
「今まで任務遂行を遅れさせた責任を、これで帳消しにしてやるから」
「割に合わないっすよ!! 嫌ですって!!」
首を凄まじい速さで横に振りながら、抗議を続ける。
「それに…………あの二人は…………!」
「………………あっ、そうか!!」
上司の意図を察したのか、部下の男は慌てたように何かしらの支度を始める。
「ち、ちょっと僕、行ってきます!!」
「頼むぞ………………!」
「す、すいません!! 少し良いですか……?」
漢女二人に駆け寄って、男は恐る恐る話し掛けた。
その様子を伺いながら、少女達は内心で、あの漢女達はそう易々と引き下がらないだろうと考えていた。
北郷一刀関連に対して、異様な執着を見せるあの二人を、上手く手懐ける事は出来ないだろうと、経験から学んでいた。
そう考えている内に、二人はスーツ姿の男の後に付いていくように、大広間を出ていった。
「エエッ!!?」
あまりに大人しくなった二人を見送りながら、少女達は呆気にとられるしかなかった。
「す、凄い…………!」
「い、一体どうしたというの!?」
桃香と蓮華を始め、交渉していたスーツの男は、漢女に対してボソボソと話しかけていたために、周りの人間は内容が全く聞き取れなかった。
「どうやら上手くいったようだな…………あっ、大丈夫ですか皆さん!?」
安心したのも束の間、残ったもう一人のスーツの男は、北郷一家の様子を伺う。
「あ、あれが…………貂蝉、と、卑弥呼……だと……!?」
「あ、頭が痛くなってきた…………」
男性陣は既に現実逃避を始めていたようだ。
「かなり個性的な人達ね〜」
母親は何も気に留めていないのか、ニコニコと微笑んでいた。
そして、残る妹は……
「……………………」
三人が出て行った入り口の方を、ただジーッと見つめていた。
それを見た沙和と真桜は驚いていた。
「おーっ、佳乃ちゃんって意外と我慢強いんだねー!!」
「ウチはてっきり、泣き出してまうかと思っとったんやけど…………」
「……………………」
「……………………?」
二人の問いかけに無反応な少女に、違和感を覚えた凪が近付いた。
「…………佳乃様?」
名前を呼び掛けながら、少女の顔の前で軽く手を振ってみる。
「……………………」
無反応だった。
「…………た、大変だっ!! 目を開いたまま気を失っている!!」
「な、何やて!?」
「よ、佳乃ちゃーん!! しっかりしてなのー!!」
「俺に任せろっ!! 待ってろ!! 今すぐ治療を…………!!」
一難去ってまた一難、繊細すぎた少女の介抱に、また室内が慌ただしくなる。
それを眺めているスーツの男は、大きく溜め息を吐いた。
「ハァァァ…………結局こうなるのか…………」
眉間に皺を寄せて、うなだれている。
「しかし、あの二人は頼りになるだろう……何せ“専門分野”だからな…………」
その視線は、先程出て行った三人が話しているであろう、中庭へと向かっていた。
−続く−
説明 | ||
この二人、我々かなり好きです。キャラ的に。 | ||
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コメント | ||
まぁ〜戦力としては・・・ね;(スターダスト) | ||
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真・恋姫†無双 オリキャラ 貂蝉 卑弥呼 | ||
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