〜貴方の笑顔のために〜 Sub Episode まさか、呉の王様が!! |
一刀が目を覚ましたその後、一刀の体はだんだんと、回復していた。
華佗がいうには、もうどこにも異常はないらしい。
そして、一刀はその後、正式に呉に紹介された。
北郷一刀として。
雪蓮は一刀に正体を明かす必要はもうない、といったが、一刀がそれを断ったのだ。
一刀は、何かを受ける覚悟をもっていったつもりだったが、
一刀の予想は外れ、みんながあたたかく一刀のことを受け入れたのだった。
〜一刀視点〜
「一刀、それで、あなたの旅の答えは見つかったのかしら?」
王座の間に集まったみんなの前で、そう雪蓮は俺に尋ねる。
「・・、そう、だな。確かにもう答えは見つかった。」
確かに、答えは見つかった。いや、正式にいうのなら起きた後、気が付いた。
俺が雛里をたすけた直後、以前感じた歴史を変えるのにともなう痛みは
感じなくなかった。
そして冥琳を助けた後も、まったくその痛みを感じない。
つまりそれは、
俺は本当の意味で外史の人間になっているということ。
「そう、では、もう魏にもどるのかしら?」
俺の旅の目的はそう。自分の存在を確かめる目的であった。
でも、今はいろいろな人に出会い、様々な命に触れ、
目的が変わりつつあった。
「いや、まだ、俺にはやらなければならないことがあるんだ。」
「その、やらなければならないことって?」
「・・それは、まだ答えられない。」
「そう、ならば深く問い詰めたりはしないわ。
一刀のことだから、考えがあるのでしょう」
「ああ、ありがとう。雪蓮」
「じゃあ、堅苦しい話はこれでおわり!
みんなー!一刀をいわって今日はのむわよー!」
そう雪蓮はいきなり、ガッツポーズをしながら叫んだ。
雪蓮√〜呉の王様が・・・のわけがない!〜
これは、一刀が完全に回復するために呉にとどまっているときの物語である。
〜雪蓮視点〜
あーもう!
仕事だ・・
仕事が多すぎる・・・仕事が多すぎる・・
なんでだ。せっかく幸せがいっきに戻ってきたと思ったのに、
仕事が多すぎて、一刀で遊ぶ、ううん一刀と遊ぶ時間がない。
「冥琳、今日は休みでも・・」
私は隣にいる冥琳に上目目線でそうたずねる。
「はあ、雪蓮。今日はとはいうが、正式に仕事を始めてから
三日もたっていないだろうが」
一刀が目を覚ましてから、二日が過ぎ、この日は三日目だった。
一刀は動けるようにはなっていたが、もとのように回復するまで、
呉で過ごすことに決めたらしい。
「でもー・・」
「はあ、どうせ一刀で遊びたいんだろう?」
「一刀と、ね」
「はあ・・」
「ねー、お願い!いいでしょ?」
「・・まあ、いいだろう。私が倒れた後、私の分まで働いていたって
きいたしな。今日は一日いいぞ。」
「えっ!?いいの?やったー!!」
そういうことで、私は仕事場を抜け出して一刀の部屋へと走って行った。
「一刀―!いるー??」
私は一刀の部屋の前まで来るとそう、声をかけた。
「おお、雪蓮か。いるよ。どうぞ。」
返事を聞き、部屋に入ると一刀は一刀を救った刀を手に取りじっと眺めていた。
「一刀、その刀ってあの時の、だよね?」
「あ、ああ。」
「その刀は一刀のものなの?」
「いや、この刀は、俺の師、そして命の恩人がくれたものなんだ」
「それって、華琳のこと?」
「いや、確かに華琳もそのうちの一人だけど。ほら、華琳のもとを去った
後にあった人」
「へー、そうなんだ。」
「・・・」
「・・・」
「・・・?」
「・・・」
「雪蓮?大丈夫?さっきからそわそわしているけど。」
「えっ、あ、うん。」
あー、どうしよー。なんか考えすぎていたら恥ずかしくなっちゃったじゃない。
雪蓮落ち着くのよ・・
深呼吸、深呼吸。
ただ、こういえばいいだけじゃない。町に行こうって。
「あ、あのね。一刀。」
あー、でも、仕事は大丈夫なの?とか聞かれたらどうしよう。
一刀と一緒に町に行きたいからなんて恥ずかしくて言えないし。
一刀もそういうところは鈍そうだし。
「ん?なんだ?」
「その、ね」
あー、ますますいいにくくなってきたー。
「トイレか?」
「戸入れ?何それ?」
「あ、いや、なんでもない。」
〜一刀視点〜
危ない危ない。確か、華琳にも同じことをしてしまったことがある。
でも確かその時はトイレの説明をしてしまって、
ぼこぼこにされたの覚えています。
え?反省していますよ・・華琳さん。
えーっと、そうじゃなかったら、雪蓮の用事ってなにかな。
華琳の時は町に行こうといわれたけど。
「雪蓮、えーっと、町に行きたいのか?」
「えっ?あ、別にそういうことじゃ・・」
(あー、もうなにやっているのよ私。せっかく一刀が気づいてくれたのに・・)
うむむ・・これはますます難しくなってきた。
華琳のときは荷物持ちをしろだどうの言われて、荷物持ちをしたのを
覚えている。
ってっきり、今回もそうだと思ったんだが・・・
その時は華琳に王様がどんなに大変だったのか。と聞かされたっけ。
荷物持ちを頼むにしても、女には頼めないし、
男に頼むと変に周りから目を使われるし・・
でも、俺はいいのと聞いたら、
さすがに、犬と人間の区別くらいはつくでしょうよ、
とかいわれたし・・・
ああ、俺の青春、
まさに犬人生・・・とほほ。
はっ!まさか、そう、そうなのか。
いやでも・・・
「あのね、一刀・・」
「まさか、雪蓮・・」
「え?何?」
そう言って俺は雪蓮の顔をじっとみつめる。
(えっ!なんなのよ、一刀。そんなに見てきて)
「えっ?何か顔についてる?」
「いや、そうじゃなくて」
「え、?ちょっと、一刀、顔が近い・・よ」
(これって、男性から女性にせまるときの行為かも・・
でも、まだ、私たち知り合ったばかりだし・・
それに一刀には華琳もいるし・・
わー、どうしよう。
でもでも、華琳は一刀がここにいるってことを知らないわけだし。
そもそも一刀がこの世界に戻ってきていることもしらないわけだ。
つまり・・
ふふ、ふふふ)
「雪蓮・・」
「一刀・・・」
「雪蓮・・」
「かずと・・」
(ああ、私が乙女としてときめく時があったなんて。)
「まさか・・雪蓮って、ツンデレなのか?」
「つん?・・でれ?なにそれ、一刀」
「ツンデレとはな、雪蓮、男のロマンだ!」
「ろまん??」
「ちょっと、一刀、さっきから言っていることが意味が分からないのだけれど。」
(なによー、一刀。顔、近かったし。その、目もこっちを見ていたし、
せ、接吻だと思ったじゃないの!)
「ツンデレ。最近注目されるようになった。女性の男性を引き付ける
能力のひとつだ。敵対的な態度と、好意的な態度を両面もつ人物をそういうんだが」
(そんなことを、学者的に語られても意味がわからない!)
「え・・なにそれ。まったく、意味が分からないんだけど。」
「じゃ、雪蓮、手をつなごう」
(えええ・・・!なんでそういう展開になるのよ。)
「ま、まあ、一刀がそういうなら」
「ふっ、」
「なによ、一刀」
「ふっ、ふはははは」
「ちょっと、なんでそんな風に笑っているのよ。」
「雪蓮、やっぱり君は、ツンデレだったのか!」
「もー、さっきからわからないことばかり!」
「ごめん、気にしないでくれ。天の世界の男の習わしがついでてしまっただけだ。」
「もう、なんなのよ。一刀なんか知らない!」
そういって雪蓮は外へ出て行ってしまった。
「雪蓮!すまん、からかったことは謝る!で、用とはなんだったんだ?」
雪蓮は後ろから一刀のそんな言葉が聞こえてきたが、足早に彼の部屋から離れた。
(も、もう。一刀!どんだけ鈍いのよ!でも私はあきらめないんだからね!)
説明 | ||
一刀は、目覚めてからその後、体を回復するために呉でみを休めていた。これは、そんなときのちょっとした物語である。 | ||
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コメント | ||
一刀さん・・・ツンデレ属性を強引に装備したね!!(心は永遠の中学二年生) デーモン赤ペン様、そのうち本当に彼女がきそうで怖い・・・(白雷) 2828様、一刀にはきかなかったのだ。(白雷) nao様、 もともとが呉√ではないので、すこし変えてみました。(白雷) きたさん、ないですね〜(白雷) 不知火 観珪 様、 以外に幸せだったり(゜゜)(白雷) 本郷 刃 様、 いやー、今回の一刀君は緩んでるどころか完全にいっちゃってますね・・・(白雷) 簡単に女を引っ掛けやがって・・・夜道で鎌の餌食になっちゃえ!(デーモン赤ペン) 遊ぶつもりが遊ばれたw(2828) こういうサイドストーリーもいいですなぁ〜雪蓮はツンデレなのか?あまりツンとしてるイメージがなかったw(nao) ↓確かに2〜3本緩んでる、というかないのか!?(きたさん) 雪蓮さまの幸せ生活へはなかなか遠いですね……ww(神余 雛) 一刀の頭のネジがどこか緩んでいるような気がしてきたんですが・・・w(本郷 刃) |
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