仮面ライダー 打ち砕け! 暗黒魔術師の野望 6 |
誕生!暗黒魔術師
その頃、本郷猛を襲おうとして返り討ちにあったアニキ、チビ、デクの黄巾党の三人組は痛手を負いながらも、
アジトに帰っている最中であった。
兄貴
「くっ! あの男むちゃくちゃ強かったぜ・・ いててっ・・・!」
兄貴は本郷に殴られた腹を抑えながら、痛みを何とか堪えようとした。
チビ
「こっちは皮の鎧を着ているのに、まるで意味がありませんでしたね。」
デク
「僕達は剣を持っていたのに全く意味が無かったんだな・・・」
兄貴
「あの野郎。次あったらぶっ殺してやる! あの野郎に勝てるんだったら俺は悪魔に魂を売ってもいいぜ!」
その時、不気味な声が木の上から聞こえてきた。
??
「ほう? では貴方達の魂を買わせていただきましょうか?」
三人は突然声のした方向をみると木の枝に眼鏡をかけ、少し長めの髪、そして頭部に鷲に
蛇が絡みついた刺青を入れた青年がいた。
そしてその青年は木の上から飛び降り三人の前に立った。
兄貴
「な、何だ!? てめえはっ!?」
于吉
「我が名は于吉。貴方達が困っている様子を見まして失礼と思いましたが、あえて声を
掛けさせていただきました。」
チビ
「その于吉が何の様だよ!」
于吉
「力をあげましょうか?あの男に勝てる力をね・・・」
兄貴
「ああん? 力だぁっ? 何訳わかんねえ言ってんだ? まあいいや。こっちとら野郎にブッ飛ばされて機嫌が悪いんだ。命が惜しかったら金目の物を置いて行きなっ!」
チビ
「へへへ・・・・・俺達が黄巾党とも知らずに話しかけてくるなんて命知らずな奴だ」
デク
「飛んで火に入る夏の虫とはこの事なんだな」
兄貴
「よし、おまえら やっちまえ!」
二人
「おおっ!」
兄貴の合図で二人は剣を鞘から抜きその干吉に襲いかかろうとする。
その男が自分達よりも恐ろしい存在だとは知らずに・・・・・。
于吉
「やれやれっ・・・せっかく力を貸そうと思いましたのに・・・・まあこれだけ冷酷な
人間ならきっと素晴らしい怪人ができるでしょうね。」
チビ
「へっ!?」
デク
「か、怪人・・・?」
兄貴
「何いってんだテメエ?怪人っ?」
于吉が突然意味不明な事を言い出した事に動揺し3人は思わず動きを止めてしまう。
于吉
「そうです。怪人です。・・・・捕まえて下さい!」
于吉が誰かに向かって合図をしたその時、
ゲルショッカー戦闘員
「ギイーッ!」
ゲルショッカー戦闘員
「ギイーッ!」
何とこの時代にいるはずのないゲルショッカーの戦闘員達が次々と姿を現し、
あっという間に3人を取り囲んだ。
チビ
「な、何だよっ? お前ら」
3人は見た事もない服を着て、蝙蝠の様な赤い模様が入った青いマスクをした男達に驚愕し
た。
兄貴
「くそっ!やられてたまるか! やっちまえ!」
チビ、デク
「「お、おうっ!」」
3人は咄嗟に抵抗しようと男達に向かうも・・・・
ゲルショッカー戦闘員
「ギイッ!」
やはり数が多い戦闘員に敵うわけがなく、あっという間に捕まってしまう。
兄貴
「く、くそっ! 離せ!」
チビ
「離しやがれ!」
デク
「僕達をどこに連れていく気なんだな!?」
于吉
「やれやれ・・・少し静かにしてもらいましょうかね」
于吉が合図をすると、3人の戦闘員が黄巾党の3人を後頭部を殴り、
(ドカッ!)
兄貴、チビ、デク
「「「ぐえっ!」」」
気絶させてしまう。
数時間後、黄巾党の3人が目を覚ますと、自分達が寝台の様な場所に寝かされ
そして周りに、白装束を着て白いマスクをかぶった男達が自分達の周りを囲んでいる
のを見て、驚き思わず逃げようとしたが、両手両足が鎖で固定されており、逃げる事が
できなかった。
兄貴
「こ、ここはどこなんだっ! てめえら一体何者だっ!?」
チビ
「俺達に何をする気だよっ!」
デク
「僕達を離すんだなっ!」
3人が叫んだその時、どこからか不気味な声が聞こえてくる。
ゲルショッカー首領の声
「ハッハッハッ! ようこそ黄巾党の諸君。よくぞ我がゲルショッカーに来てくれた。」
兄貴
「げ、げるしょっかーだって!?」
3人は聞き覚えのある単語に驚愕する。そう自分達が襲おうとして返り討ちにした
男がいっていた言葉である。
兄貴
「こいつらがげる何とかっ!?」
チビ
「そのゲルショッカーが俺達に何をしようというんだよ!」
ゲルショッカー首領の声
「心配する事はない。別に危害を加えるわけではないのだ。君達は本郷猛を倒す為なら
悪魔に魂を売ってもいいといっていたそうではないか ならその倒す為の力を与えるだけだ」
兄貴
「本郷猛? あの野郎の名前か・・・ それと俺達を縛り付けるのに何の関係があるんだよ!」
于吉
「改造手術の際、貴方達が暴れないようにするためですよ」
扉らしき物が開いた時、ここに自分達を連れてきた男が姿を現した。
兄貴
「てめえ・・・改造手術だって・・・?」
于吉
「そうです。今から貴方達を二種類の動植物の能力を持った怪人に作り変えるんですよ。」
兄貴
「つ、つくりかえる!?」
于吉
「ええっ・・・・ここにある道具でね・・・・」
于吉は部屋にあった道具と移植用の動物の体の一部を三人にみせつける。
この光景を見た三人は自分達が何をされようとしているのか本能的に悟ったのか
震えだしてしまう。
チビ
「や、やめてくれ! そんな訳の分かんねえ手術なんか受けるきねえよ!」
于吉
「大丈夫ですよ・・・・痛みは感じませんから・・・・ふふふっ・・・」
于吉が不気味に笑いだすと、三人は背筋が凍る思いをしてしまう。
兄貴
「(こいつら、散々ひどい事をしてきた俺達よりもっとヤバい!)」
デク
「ひいいいいいいいいっ・・・・」
デク
「た、助けてなんだなっ・・・・」
于吉
「さあ改造手術開始!」
ゲルショッカー科学戦闘員
「ギィー!」
于吉が合図したのと同時にゲルショッカー科学戦闘員はメスを手に持ち、
三悪党に向ける。
兄貴
「た、助けてくれええええええっ!」
チビ
「や、やめてくれえええええええっ!」
デブ
「お、おかあちゃあああああああああああああんっ!」
必死の叫びもむなしく、彼らは骨は人口の骨、筋肉は人工筋肉、心臓は人工心臓に取り替
えられ、そしてそれぞれ動植物の一部を体に移植された。
3人
「ぎゃあああああああああああああああ!」
于吉の言うとおり、痛みはゲルショッカーの開発した特殊麻酔のおかげでなかったが、
自分達が人間ではない姿にどんどん変化していく事に耐えきれず、思わず悲鳴をあげてし
まう。
数時間後、3人の黄巾党の男達の改造手術は完了した。
そこには怪人に改造された3人がいたのだ。
三人のリーダー格であった兄貴はオオカミとクワガタの怪人に
チビは猿とウツボカズラの怪人に、そしてデクはクマとヤスデの能力を
持った怪人になっていたのだ。そして三人ともゲルショッカーのシンボルが
入ったベルトをしていた。
兄貴
「ウオオオオオン。こ、これが俺達?」
チビ
「キィーキキキ! いままでよりも気分がいい」
デク
「体の奥底から力がみなぎってくるんだな グオオオオオン」
三人は改造手術されたことで自分達に今までに無いような力があふれてくるのを
感じた。
その時、再びゲルショッカー首領の声が響き渡ってくる。
(ピイン・・・ピイン・・・ピイン・・ピイン)
ゲルショッカー首領の声
「貴様らをそれぞれクワガオオカミ、サルカズラン、クマヤスデと命名する。」
兄貴(以後、クワガオオカミ)
「それが俺達の新しい名前か? ウオオオオオン!」
チビ(以後、サルカズラン)
「感謝するぜ。これならあの野郎に仕返しできるぜ キィーキキキ!」
デク(以後、クマヤスデ)
「負ける気がしないんだな。 グオオオン!」
三人はゲルショッカーに感謝しはじめると
于吉が話しかけてきた。
于吉
「感謝して下さいよ。貴方達が怪人に生まれ変われたのは、首領に選ばれた事にあるんですから」
クワガオオカミ
「ああ分かっている」
于吉
「ではまずゲルショッカーのメンバーになったからには基本的に覚えなければ
ならない事があります。」
サルカズラン
「それは何だ?」
于吉
「それは首領に対する忠誠の儀式です。見ていて下さい。偉大なるゲルショッカーに栄光を!」
于吉が首領の声がするシンボルマークに忠誠の儀式を行うと、周りにいた戦闘員達も
つられて一斉に整列し首領に対する忠誠心を見せる。
ゲルショッカー戦闘員
「ギイー!」
全員手を挙げて首領の栄光を願った。
クマヤスデ
「こ、これをするんだな?」
于吉
「そうです。一度やってみますか?」
クワガオオカミ
「・・・・おもしれえ! やってやるぜ。やるぞお前ら」
サルカズラン、クマヤスデ
「おおっ!いいぜクワガ兄貴」
そして3体の怪人は前にでると忠誠の挨拶を行う。
三怪人
「「「偉大なるゲルショッカーに栄光を!」」」
すると戦闘員達が拍手を始めたと同時に首領の声が響き渡ってきた。
ゲルショッカー首領の声
「新しくゲルショッカーに入った君達に栄光あれ。我々は君達を歓迎する」
どうやら歓迎されているようであった。
そして首領は今度はこんな事を言い始めた。
ゲルショッカー首領の声
「では早速君達に頼みたい仕事がある。」
クワガオオカミ
「それは何だ?い、いや何でしょうか?首領」
ゲルショッカー首領の声
「今後ゲルショッカー三国時代支部は世界征服、そしてその為に必要な物を作る為、勢力を拡大しなければならない。君達の様な怪人を生み出す必要があるのだ」
サルカズラン
「それで・・・?」
ゲルショッカー首領の声
「以前君達が襲った街には優れた人間が大勢おる。まずはそいつらを捕獲し、ゲルショッカーの為に働く怪人に作り変えるのだ!」
クワガオオカミ
「そんな事か? いいぜ任せておけ! 弱い奴を捕まえるのは大得意だ」
クワガオオカミは戦闘員を連れて外に出ようとしたその時、干吉に呼び止められる。
于吉
「おっと一つ言い忘れた事がありました。」
サルカズラン
「何だよ?」
于吉
「我々ゲルショッカーには恐ろしい敵がいます。そいつの名は仮面ライダー。
今までに多くの怪人がそいつに倒されました。 気をつけて下さいねそいつは
手ごわいですから・・・」
クマヤスデ
「分かったんだな。」
そして三怪人はそのまま外に出ると、干吉に首領が話しかけてきた。
ゲルショッカー首領の声
「やつらは果たしてライダーに勝てると思うか?于吉よ」
于吉
「さあそれは奴らの実力次第でしょう。もし倒されたとしても
所詮はライダーの力を計測するための捨て駒。また新しい怪人を作れば
いいだけの話です。」
ゲルショッカー首領の声
「よろしい。・・・例の物ができるまでの時間は?」
于吉
「約数カ月ですね。その間ライダーの気を怪人でそらす必要があります。」
ゲルショッカー首領の声
「よろしい。例の物がライダーにばれぬ様気をつけるのだ。今日より
お前に「暗黒魔術師」の名を与える。その名に懸けて必ずライダーを倒すのだ。」
于吉(以後、暗黒魔術師)
「その名前。ありがたく頂戴いたします。その名に恥じぬよう必ずライダーを倒して見せましょう。」
こうして三国時代に恐るべきゲルショッカーの新幹部暗黒魔術師が誕生してしまった。
果たして彼はどんな罠をライダーに向けるのか? 一方その頃本郷達は桃香達が滞在して
いる町で食事をとっている最中であった。
説明 | ||
本郷が桃香達と接触したその頃、三人の盗賊達は 自分たちのアジトへと戻っている最中であった。 そしてその三人に邪悪な気配が近寄りつつあった。 |
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どっちも同じくらい恐ろしいと思います(T−REX) 白装束にゲルショッカー、本当に恐ろしいのはどちらやら。(BLACK) |
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