真・恋姫†無双 魏の三剣人(第九章)
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桂花「起きなさい、恩」

 

一刀「ん?何で昼寝の邪魔するかねえ」

 

木箱に凭れ掛かり(もたれかかり)寝ていた一刀に、桂花が声を掛ける

 

 

桂花「遊軍を作らないのが勝利の鉄則よ」

 

一刀「百戦百勝は、善の善なる者に非(あらざ)るなり。戦ってばっかりだと疲弊するぜ、荀ケ様?」

 

桂花「もうすぐ決戦なのよ。あんた判ってるんでしょうね?」

 

一刀「二十万の大群がいるって話だろう」

 

桂花「判ってるなら「でも」?」

 

一刀「問題はそのうち何万人が戦えるかだろう?」

 

桂花「???」

 

一刀「俺達はこの日の為に、相手の兵糧を焼き。拠点の地図を見つけ潰し。敵を疲弊させた。そんな連中が、二十万全員が普通に戦えると思うか?」

 

桂花「つまり戦えるのは二十万の中のほんの数万人で、残りはただの烏合の衆だと言うのね?」

 

一刀「今刹那に調べさせてるから、暫くはじっとしておけば良いよ。」

 

桂花「まったく、あんた見てると真面目なのかそうじゃないのか判らなくなるわ」

 

一刀「肩に力が入りすぎなんだよ皆。少し余分な力を抜くだけで、案外何とかなるのにな」

 

そんな事を話していると、刹那が戻ってくる

 

※ちなみに桂花が一刀の事を恩と呼ぶのは、やはり男だからである。実力は認めている

 

 

刹那「一刀様。戻りました」

 

一刀「ご苦労様刹那。で?」

 

刹那「一刀様の読みどうり、戦えるのは三万少しです」

 

一刀「判った。刹那、悪いが翼呼んで来てくれないか?」

 

刹那「翼ですか?」

 

一刀「ああ、頼む。後」

 

ナデナデ!

 

刹那「あ!////」

 

一刀「よく頑張ったな」

 

刹那「えへへ♪」

 

一刀に頭を撫でられた刹那は、上機嫌で翼を呼びに行った

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桂花「・・・」

 

一刀「何だよ?」

 

桂花「・・・色魔」

 

一刀「違うわ!!」

 

そう言い残し、桂花は本陣に戻る

 

 

----本陣----

 

 

翼「敵は二十万の大群です、うかつに動けば負けですね」

 

秋蘭「そうだな、さて如何するか」

 

刹那「翼」

 

翼「刹那。今まで何処にいたの?」

 

刹那「ちょっと偵察に、それより翼。ちょっと用事持ってきたんだけど」

 

翼「用事?もう、こっちは忙しくてそれ所じゃないんだけど」

 

刹那「一刀様が呼んでるんだけど」

 

翼「わっかりました♪」

 

刹那「早!?」

 

翼「ふはははは♪ふはははははは♪」

 

一刀の名前を出すや否や、翼は笑いながら本陣から出て行く

 

 

刹那「翼は何でも有りね」

 

華琳「刹那」

 

刹那「はい」

 

華琳「偵察に行っていたのでしょう。何を調べてきたの?」

 

桂花「敵の戦力数です」

 

春蘭「桂花、一刀は如何した?」

 

桂花「ほっといても大丈夫よ。あいつはあいつで働いてるから」

 

華琳「桂花、貴方何か知ってるの?」

 

桂花が一刀と話した内容を伝えると、華琳は笑みを浮かべる

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華琳「そう、大方翼を呼んだのは、戦術相談ね」

 

桂花「如何するんです?」

 

華琳「一刀の口から戦法を話してもらいましょう。桂花、私達の他には、何処の勢力が居たかしら?」

 

桂花「前に会った義勇軍の劉備。江東の虎の娘の孫策。河北の袁紹。後は、涼州の馬騰位が注意する勢力かと」

 

華琳「ふふ、良い顔ぞろいね。この後(のち)、この曹孟徳を楽しませてくれるのは誰かしらね?」

 

一刀「随分危なっかしい会話だな」

 

春蘭「おお、来たか!」

 

一刀「お待たせしました。曹操様」

 

華琳「勝率は?」

 

一刀「九割」

 

春蘭「何だ、十割じゃないのか」

 

一刀「春姉。絶対勝てるなんて言い切れる戦いなんてないんだ」

 

秋蘭「九割と言うのも、絶対的に無い話だがな」

 

一刀「まあ、それはこの作戦を聞いてからにして下さい。まず敵の後方にある砦には張角が居る。これはまず絶対です、問題はこの砦から敵を出すかです」

 

桂花「周りは高い崖で覆われているから無理なのは皆判ってるわよ」

 

一刀「この崖の上から、攻撃します」

 

桂花「はあ!?」

 

華琳「この崖から?」

 

一刀「可能です、刹那なら」

 

刹那「私ですか?」

 

一刀「ああ、刹那。お前の腕に掛かっている、頼んだぞ」

 

刹那「判りました。お任せください一刀様!」

 

桂花「ちょ、ちょっと待ちなさい!?この崖から攻撃って、どれだけ離れてると思ってるの!?」

 

一刀「問題ない。刹那も氣の使い手だぞ、孟徳なら判るよな?」

 

桂花が驚くのも無理の無い。砦は左右に崖があり、一刀はその一方の崖の上から攻撃を仕掛けて敵を外に出すという作戦である

 

 

華琳「まさか、刹那も貴方みたいにあんな物が打てるの?」

 

一刀「いや、流石に蒼龍波は打てないよ。でも、刹那は全距離から攻撃できる万能型。この距離からなら問題無い」

 

華琳「・・・判ったわ。やってみなさい」

 

一刀「ありがとう御座います」

 

華琳「もしうまくいったら、貴方が前に言っていた馬が欲しいという件。考えてあげるわ」

 

一刀「おや、それはまた。頑張らないとね」

 

春蘭「何だ一刀、馬が欲しかったのか?」

 

一刀「まあね、孟徳が自分専用の馬を持っていると聞いたからね。何か羨ましくなっちゃって」

 

秋蘭「成る程、所で一刀。敵を出した後如何するんだ?」

 

一刀「敵を囲みながら攻撃する。そしてその囲みを徐々に狭くしていく」

 

季衣「徐々に狭くしていく?」

 

一刀「そうだ、敵の行動範囲を奪っていき。敵の動きを封じていく」

 

桂花「敵は烏合の衆だものね」

 

一刀「そうだ。正解だ桂花」

 

ナデナデ!

 

桂花「ちょ!?////」

 

一刀「あっ、割りい!刹那や翼みたいに撫でちまった!?」

 

桂花「////」

 

華琳「桂花?」

 

一刀「もしかして、気に入った?」

 

桂花「べ、別に!?そんなんじゃにゃいわよ!?か、勘違いにゃいでよね!?////」

 

一刀「かみ過ぎだぞ」

 

桂花「う、五月蝿いわよ!?////」

 

華琳「続きを話してくれるかしら?#」

 

青筋を浮かべた華琳が、笑顔で話しかける

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一刀「ああ、敵の中には槍兵の奴が多かった。行動範囲を狭める事により、槍での行動が難しくなる。そうなった時敵は如何すると思う?」

 

春蘭「槍を捨てて剣で戦うだろうな」

 

秋蘭「あっ!」

 

一刀「気が付いた、秋姉?」

 

秋蘭「成る程、勝率が九割と言うのは本当みたいだな」

 

一刀「さて、張角は凪達に任せて。俺達は害虫駆除に入るか」

 

不敵な笑みを浮かべる一刀。その姿は死神と呼ぶに相応しかった

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説明
お久しぶりです、そしてお待たせしました。
いやーついつい時間が過ぎるのを早く感じてしまいます。さて始まりますよ
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コメント
JDAさん この桂花は、あるアニメのキャラを参考にしてます(ヒントは「つ」で始まる人です)(カイ)
本郷 刃さん 桂花は何とかデレさせました。 死神の名は伊達ではないですよ〜(カイ)
お久しぶりです。 今回も面白く見させてもらいました。 噛んでる桂花はかわいいっすねぇぇ〜WW(JDA)
微デレの桂花にゃん可愛いですw さぁて、死神様の計略が動き出す〜・・・(ニヤリ)(本郷 刃)
Folsさん 期待に答えて見せます(カイ)
前原さん ありがとう御座います(カイ)
wktkの予感。これからも楽しみにしております。(Fols)
ヒカリさん 魏の三剣人では、桂花萌を増やすつもりです(カイ)
更新乙です!」自分のペースで頑張って下さいw(前原 悠)
かみかみ桂花萌w(神木ヒカリ)
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