酒!恋姫無双~鬼の御子使い~ 2話
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島津SIDE

 

桔梗「おっお主いつからここに!」

 

島津「お主には璃々が〜のあたりからじゃな。」

 

紫苑「うそっ!全く気付かなかったわ・・・」

 

島津「まぁ、相当焦ってる様子じゃったからな、周りが見えなくても当然じゃな。」

 

納得がいったのか、次は警戒の目で見てくる。

 

桔梗「お主、どこの部隊のものじゃ?」

 

島津「別にどこにも所属していない、たまたま通りかかっただけじゃからのう。」

 

まぁ、嘘は言ってないじゃろう。

 

桔梗「ふむ、それでここまでなんのようじゃ?」

 

島津「なに、騒がしいから来てみただけよ。これはなんの戦だ?」

 

紫苑「反乱よ。敵将は劉焉、益州太守だけど強制的な徴兵に暴政、そして私の娘も人質に・・・」

 

島津「ん?あんたの娘ってもしかして璃々ちゃんかの?」

 

紫苑「!?璃々を知っているの!?どこ、どこにいるの?」

 

島津「落ち着け落ち着け、璃々ちゃんなら家に帰らせた。怪我もない。」

 

紫苑「良かった・・・璃々、良かった。」

 

島津「ぬおっと!?」

 

妙齢の女性は気が緩んでしまったのか気絶してしまう。

 

島津「将が気絶するとわ・・・・」

 

桔梗「すまんな・・・この黄忠にかわって礼を言おう。ありがとう。」

 

こう真正面で礼を言われると気恥かしんじゃがな・・・

 

島津「それよりも、戦の方だ・・・勝てるのか?」

 

そう聞くと桔梗と呼ばれていた妙齢の女性が悔しそうな顔をする。

 

桔梗「厳しい・・じゃろうな。兵力差は相手9万に対しこちらは3万、いくら烏合の衆相手とはいえ、数の暴力には逆えん。」

 

本当に悔しいのだろう、握り締める手からは血が出ている。

 

 

島津「そのくらいにしておけ・・・しかし、面白い戦だ。」

 

島津の言葉を聞いて、桔梗は不機嫌そうな顔をする。

 

桔梗「・・・なんじゃと?」

 

島津「まぁ、そう怒った顔をするな。面白いというのはこれに勝てればという意味だ。

   勝ち戦は愉しい。

   負け戦はもっと愉しい。

   負け戦を勝ち戦にするのは最高に愉しい。

   ま、博打だよ。

   

   どうだ、想像できるか?

   この兵力差で負けた劉焉の顔が。

   どうだ、聞こえないか?

   自分たちで家族を守った民たちの勝ち鬨が。

   どうだ、見えないか?

   そこの女性とあんたで酒でも飲みながら宴をしているのが。」

 

 

聞いていた桔梗は、その光景を浮かべ微笑んだ。

 

桔梗「あぁ、見える見えるぞ!

   呆けた顔をする劉焉も!

   民たちの勝ち鬨も!

   そして、紫苑と共に笑いながら酒を飲んでる姿も!」

 

桔梗が奮起するのをみて島津も微笑む。

 

島津「戦の勝ち負けは終わるまでわからぬものさ。

   どうだ、この博打乗るか?」

 

桔梗「乗るに決まっておろうが!」

 

即答した桔梗を見て微笑み、そして腰の瓢箪に手を伸ばす。

 

島津「なら、出陣前に一杯。」

 

桔梗「おっ良ではないか!儂にもくれ!」

 

これも即答とは相当酒好きだなあんた・・・

 

島津「盃なんてねえからな、このままだぞ?」

 

桔梗「承知している。」

 

ここまで堂々とされると気にした儂が女々しいみたいではないか・・・

 

瓢箪に口をつけ喉を鳴らしながら飲む。

 

島津「っぷはぁ・・・そらっ」

 

桔梗とやらに投げて渡す、なぜか口を付けた部分を凝視している。

 

島津「汚くなんかねぇーぞ!」

 

桔梗「わ、わかっとるわ!!」

 

その言葉を皮切りに一気に瓢箪を煽る。

 

島津「馬鹿!そんなことしたら!」

 

桔梗「げふっ!・・・ゴホッゴホッ!」

 

島津「あぁー言わんこっちゃないのう・・・」

 

桔梗は若干涙目で訴えてくる。

 

桔梗「これは飲んだことはないが・・・強すぎじゃろう!!!」

 

訴えてくるが・・・涙目で可愛いだけでした。

 

島津「味見せずに煽るからじゃろう・・・涙目で吠えても可愛いだけじゃぞ?」

 

桔梗「なっ!」

 

島津「まぁ、飲んだからにはお主と儂は家族みたいなもんじゃ。

   当然、先に飲んだ儂の方が格上じゃからな?

   そして、勝手に死ぬことは許さんからな!

   お主が死ぬときは儂が死んだあとか儂がお主を殺すときだけじゃ。」

 

桔梗「・・・」

 

島津「よし、儂は兵の鼓舞に行ってくるかの。

   黄忠とやらは安全な場所に寝かせておけ。」

 

桔梗「・・・承知。」

 

島津「うむ。」

 

島津(黄忠か・・・ということは、これからはもっと強い猛者に会うかもしれんな。

   これから先が楽しみでしょうがないが・・・・まずは目の前の博打に集中しようかの。)

 

 

 

桔梗SIDE

 

島津義弘と名乗った男が天幕を出て行った。

儂は力が一気に抜ける感じがしたが、あまり嫌な感じはしない。

顔は熱く、瓢箪に触れた唇もまた熱かった。

あの男が勝手に死ぬことを許さんと言ったとき胸がひときわ大きくはねた気がした。

まさか、この歳になってこのような感情になるとは思わなかったが

 

桔梗「・・・悪くない」

 

 

そう一人呟くと、紫苑を安全な場所移し、豪天砲を担ぐ。

そして、これから会うであろう人に向け言う。

 

桔梗「今行きますぞ!お館様!」

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今、目の前では多くの者たちが戦い、そして死んでいる。

老若男女問わず多くの民が劉焉軍に蹂躙されている。

 

島津「これは・・・まずいのう。」

 

兵の士気が低すぎる。いつ逃げ出してもおかしくない。

いや、もう既に逃げ出したいのだろう、しかし自分には守るべき者たちがいる・・・だからこそ、逃げることは許されずジリジリと押されていく。

 

ふとっ、視界に一人の女が写った。

女は力はあるのか、敵を棍棒のようなもので吹っ飛ばしてはいるが、殺した敵に足場を奪われ力を出しきれていない。そして、死体に躓き隙ができたところに5人の兵士が斬りかかる。

 

島津「ちっ!」

 

背中から槍の中で最も長い「御手杵」を抜刀し斬りかかる兵士の腕を切り落とし首を一突き。

それに反応する暇も与えず、残り4人を斬り伏せる。

 

そして、後ろで怯えている民たちに叫ぶ。

 

 

島津「女一人に戦いを任せて恥ずかしくないのか!

   自分たちの守りたいものを他人に任せていいのか?

   他人が守れるような大切なもんなら捨てちまえ!

   守りたいものがあるなら己自身が立ち向かえ!

   全軍抜刀!劉焉の腰抜けどもに斬りかかれ!

   一人でダメなら2人で当たれ!

   殺せなくてもいい!腕を切り落とせば剣は握れない!

   足を切り落とせば走れない!

   狙うは劉焉の首!これ一つだ!!」

 

 

民「オ・・・オオオオオオオオオオオオオォォォォオォオォ!」

 

 

民は奮起し、敵軍の武器を奪い攻勢に出る。

その士気に飲まれたのか劉焉軍の兵士は一人また一人と逃げ出していく。

 

??「お前だれだ?」

 

すると、さっき助けた女が聞いてくる・・・

 

島津「普通自分から名乗るだろう・・・島津義弘だ。ついさっきこの軍には入ったばかりじゃから、知らなくて当然じゃろ。」

 

??「う、うるさい!私は魏延だ!ま、まぁ助けてもらったことには感謝する。あ、ありがとう。」

 

島津「士気をあげるついでだ、気にするな。」

 

魏延「ついでかよ!」

 

桔梗「お、お館様ー!」

 

島津「え?・・・儂?」

 

魏延「・・・はっ?」

 

え?・・・お館様?いつなったんじゃそれ?

 

桔梗「お館様・・・良い鼓舞でしたぞ。

   おぉ!?耶もいたのか、気づかなかったわい。」

 

?耶「桔梗様!お館様ってどういうことです!?」

 

島津「それに関しては儂も気になるんじゃが・・」

 

桔梗「ひどい、お館様」・・・さっき契を結んだばかりなのに・・・」

 

?耶「はぁっ!?」

 

島津「ぶっ!・・・」

 

桔梗「あんなに激しかったのに(咳が」

 

?耶「なぁっ!?」

 

島津「」(口から魂的な何か・・・

 

そこで、魂的な何かが昇天する前にある考えに至る。

 

島津「ハッ・・・お主!あの時の酒の仕返しか?」

 

桔梗「くっくっく・・・さぁどうでしょうな?」

 

?耶「えっ?えっ?えっ?」

 

島津「魏延・・・多分お前が考えてるようなことはない。」

 

桔梗「お館様はつまらんのう・・・」

 

?耶「べ、別にまぐわいのことなんて!?」

 

どうしてそう墓穴を掘るんじゃこいつは・・・

 

島津「だれもまぐわいなんて言ってない。」

 

?耶「・・・あぅ」

 

桔梗「顔を真っ赤にして可愛いやつよのう。」

 

島津「お主の泣き顔もなかなかだったがな。」

 

桔梗「なっお館様!」

 

島津「顔を真っ赤にして可愛いやつよのう。」

 

今度はさっきの仕返しとばかりにからかう。

 

魏延も珍しいのか桔梗を凝視している。

 

桔梗「お・・・」

 

島津&?耶「お?」

 

桔梗「お館様のアホーーーーーーーー!」

 

そういって顔を赤くしたまま豪天砲を乱射して走り去ってしまった。

 

顔を見合わせた、どちらともなく爆笑し各自劉焉軍の迎撃に移った。

 

結果は言うまでもなく反乱軍の勝利。

しかし、戦後魏延と桔梗の鍛錬は厳しくなり、島津自身も大量に酒を買うはめになったのはまた別のお話。

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あとがき

 

2話終了しました!!

 

いやー島津の喋り方がムズイ!

 

「〜じゃ」や「〜のう」などはよく使われるんですが、やはり長文になるとこの口調は厳しいですね。

 

もしかしたら、途中で口調を帰るかもしれませんがご了承ください!

 

 

では、より多くの人に読んでもらえたら嬉しいです!

 

次回は益州から出ます!

 

お楽しみにーww

 

説明
前回の続き!
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コメント
東文若さん カッコイイと思っていただけたなら嬉しいです!(向日葵)
やっぱ、島津の旦那はカッケー!!(東文若)
kenさん そうですね、オロチもありだと思ったんですが戦国O双ですねw(向日葵)
劉邦さん誤字訂正ありがとうございます(向日葵)
モデルは戦〇無双の島津さんでしょうか?(ken)
誤字情報です。 「この兵力差で負けた劉焉と顔が」ではなく「この兵力差で負けた劉焉の顔が」では無いでしょうか?(劉邦柾棟)
コメントありがとうございます!(向日葵)
おもしろいです!更新頑張ってください(*´∀`*)(siasia)
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