第1話【小松、生命の危機!?】 |
小松の包丁を作った二代目メルク。その正体は何と女性。しかし、彼女はその事を嫌っていたのだ。けれど小松のお陰でその事を受け入れた。そして、初代メルクから正式に二代目と認められてから初めて作る包丁。その事が嬉しくて仕方なかった。しかし、それだけではない。彼女は自分の正体を知っても、変わらず励ましてくれた小松に、恋をしたのだ。それ以来、彼女の頭の中は小松の事で一杯なのだ。
メルク「・・・・・・」シュッシュッシュ
ポチコ「プギ〜」
メルク「あぁポチコ、もうそんな時間か。今日はこの辺にして風呂に入るか。」
メルクは、きりのいいところで本日の仕事を終えた。
メルク「ふ〜、さっぱりした。寝るか・・・」
温泉から帰ってきたメルクは、そのままベットに入った。
メルク「・・・小松シェフ。今頃どうしてるかな?」
毎日毎日考えるのは小松の事。今までは、包丁の事を考えていた。しかし、包丁の事が二の次になっていたのだ。
メルク「小松シェフ・・・小松シェフ!」
メルクは、小松の事を考えてしまうと毎日体が火照ってしまうのだ。
メルク「まただ・・・またやってしまった。」
そして、自ら納めてしまうのだった。そして翌朝・・・
メルク「さて、今日も頑張るか。その前に♪」
メルクは、毎朝仕事を始める前に必ずする事があった。それは、小松達と撮った写真を前に、一緒に食事をする事。小松の提案で、寂しいと思うので写真を撮りましょうと言ったのだ。その写真は、トリコと小松も持っているため、3人の大切な思い出だ。
メルク「さて、それじゃ!この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます!」
そう言って食事をしようとした時に、突然小松が写っている部分にヒビがはいったのだ。
メルク「なっ!?何で突然・・・小松シェフに何かあったんじゃ・・・」
一方TV局・・・
ティナ「それでは、以上グルメニュースでした。」
AD「OK!お疲れ様!!」
ティナ「お疲れ様。ふ〜疲れた。」
クルッポ「クルッポ〜♪」
ティナ「クルッポ、お疲れ♪さてと、それじゃお昼でも食べに行こうかな?」
そう言って局から出ようとした時に、ADが慌てて入ってきたのだ。
AD「ティナ!良かった、まだいたか!!」
ティナ「どうしたんですか!?そんなに慌てて?」
AD「お前確か四天王トリコ達と知り合いだったな!!」
ティナ「えぇ、そうですけど・・・」
AD「じゃあ、トリコのパートナーの小松シェフも知ってるな!!」
ティナ「知ってますけど??」
ADの慌てように、疑問を抱くティナ。その疑問はすぐに理解できた。
AD「落ち着いて聞け。その小松シェフが、意識不明の重体でIGOの病院へと運ばれた。そして、小松シェフの知り合いを呼ぶように、IGOの会長直々に言われた。で、お前も呼ばれたんだ。」
ティナ「小松・・・くんが・・・」
ティナはショックを隠せなかった。小松とは初めて会ったときから色々お世話になった人物。人類初のセンチュリースープを作る所を、独占取材をさせてくれた。それ以来、ティナは小松という人物を一人の男として見ていた。その彼が今意識不明の重体だと聞かされた。
AD「ここはいいから、早く行ってやれ!!屋上にIGOのヘリが来ているから!!」
ティナ「はい!!」
ティナは、すぐに屋上へと向かったのだった。
IGO病院
小松は集中治療室にいる。サニーやココ達によって、一命はとり止めた。しかし、未だに意識は回復していない。病室には、トリコやココ、サニーにテリー、マンサムやノッキングマスター次郎、美食人間国宝の節乃、リン、ユン、それにゼブラまでもがじっと小松の回復を祈っていた。
トリコ「小松・・・目を開けてくれ!!」
ゼブラ「おい小僧!!さっさと起きね〜か!!」
ユン「ユーン!ユユーン!!」
サニー「松・・・」
ココ「小松くん・・・」
マンサム「やれるだけの事はやった。サニーにココ、それにノッキングマスター次郎にも手伝ってもらって一命はとり止めた。後は、小僧自信との戦いだ。」
節乃「そうじゃな・・・」
それからしばらくして、ティナとメルクも到着した。メルクも来たことは誰もが驚いた。朝に小松シェフとトリコと撮った写真にひびが入って、嫌な予感がしていたら、丁度IGOの人に連れてこられたと言う理由を聞いたら皆は納得した。
メルク「小松シェフ・・・嘘・・・だろ?」
ティナ「そうよ・・・こんなてんこ盛りな展開は・・・いらないわ・・・」
二人の思い人に会えた。けど、今その人は喋らないし動かない。そして二人はトリコに向かってこう言い放った。
メルク「トリコ・・・お前は小松シェフを守ると言ったよな。なのに・・・何で・・・何でだよ!!」
ティナ「そうよ!小松くんを守るって言っといて、結果はこれ!!あんたの・・・あんたのパートナー何かにならなければ良かったのよ!!」
ティナがそう叫ぶと、リンから頬をおもいっきり叩かれたのだ。
リン「あんたに・・・あんたに何がわかんのさ!!一番辛いのはトリコだし!トリコが一番辛いに決まってるし!!」
メルク「お前に・・・お前にはわからないだろ!!自分が初めて認めてくれた相手を!!初めて自分が愛した人が、こうなってたら誰だって・・・誰だって辛いに決まってるだろ!!」
マンサム「止めんか!!お前達!!」
節乃「これ以上ここで騒ぐんじゃないぞ!!」
次郎「そうじゃな。どうしても叫ぶなら、ワシが黙らせてやろうか?」
ノッキングマスター次郎の一言でメルク達は黙った。
マンサム「しかし、あのニトロという生物はこのまま野放しには出来んな!」
節乃「ニトロの事は後にしな!今は小松君の回復が第一だよ!!」
ココ「もしかしたら・・・あの食べ物ならいけるかも知れない。」
トリコ「何だココ!何かいい案があるのか?」
ココ「あぁ、何十年に1度しか実らない、万ミョウガ。それを料理に加えれば、どんな病でもたちまち治すと言われている。」
トリコ「なら、そいつをすぐに取りに行こうぜ!!」
節乃「ちょいと待ちなさい!その食材はあたしゃも聞いたことがある。けど、その食材が生えてる場所はグルメ界。アンタ達には無理だよ。」
トリコ「けど節婆!その食材が無きゃ、小松の意識は戻らねえぞ!!」
次郎「じゃから、ワシ等が行ってくる。トリコ君達は、その食材をすんなり食せる食材を探してほしい。」
サニー「何かあったか?」
ゼブラ「あれはどうだ?メロウコーラ!!」
トリコ「お前病人に、あの炭酸を飲ませる気か?」
ココ「・・・センチュリースープ。」
リン「センチュリースープ!それなら小松くんも飲めそうだし!!」
ティナ「けど、センチュリースープは小松君しか作れないんじゃ・・・」
節乃「安心せい。あたしゃの所には未完成じゃがほぼ出来とるセンチュリースープがある。後は、このユンちゃんが協力してくれれば、出来るぞ。」
ユン「ユユーン!!」
マンサム「なら確実食材を速やかに捕獲せよ!!」
トリコ「よし!!待ってろ小松!!必ず助けるからな!!」
各自それぞれの食材を探しに向かった。病室には、セツノとユン、そしてメルクとティナとクルッポだけが残った。
節乃「さて、あたしゃはこれから食堂に戻ってセンチュリースープ作りに行くが、お前さん等はどうするんじゃ?」
メルク「俺は・・・ここに残って小松シェフを看病します。」
ティナ「私も残ります。クルッポ、悪いけどそのまま節乃さんと一緒に行って。」
クルッポ「クルッポ〜・・・」
節乃「それじゃ、小松くんの事を頼んだぞ。」
節乃は、ユンとクルッポを連れて自分の店に向かった。
節乃「あの二人、若いときのアタシにそっくりだよ。次郎ちゃんの事で心配したからの〜。小松くん・・・あの娘達を悲しませるんじゃないよ・・・」スタスタ
とうとう病室には、小松を除く二人だけとなった。室内は静かだ。電子音だけが響き言葉は発しない。
メルク「小松シェフ・・・目を覚ましてくれ・・・」
ティナ「小松くん・・・」
それからメルク達は、寝ずに小松の看病をした。
一方トリコ達は・・・
トリコ「クソッ!!コイツら邪魔しやがって!!」
ゼブラ「お前らチョーシのってんじゃね〜!!ボイスバズーカ!!!!」
ココ「ポイズンキャノン!!」
サニー「フライ返し!!」
トリコ「17連釘パンチ!!」
猛獣「グギャァァァ!!」ズシーン
ゼブラ「ようやくくたばったか。チョーシにのるからだ!!」ゼェゼェ
ココ「取り合えず・・・これで食材は揃った。」ハァハァ
トリコ「よっしゃ!!すぐに節婆の所に持っていこうぜ!!」
センチュリースープの食材を揃えたトリコ達は、食材を持って急いで節乃食堂に向かった。
トリコ「節婆!!」
節乃「そろそろお前さん達が来ると思っとったぞ。で、食材は集まったのかい??」
ココ「はい!これだけあれば足りるかと・・・」
節乃「よし・・・後は次郎ちゃんが万ミョウガを持ってきてくれればOKじゃ。」
次郎「呼んだかい??」
タイミングよく次郎が節乃食堂へと戻ってきた。後ろには、鉄平も一緒だった。
トリコ「鉄平!!」
鉄平「水くさいなトリコ。小松くんが大変なら、俺も呼んでくれればいいのに。酷いな〜。共にセンチュリースープやビックリアップルを獲得した仲間じゃない。確かに、俺は再生屋だし、ゼブラと会わせたくないのもわかるよ?それでも呼んで欲しかったな。小松くんも俺の大切な仲間何だし、ピンチの時には助けたいよ。でも・・・」
これ以上話が長くなりそうなので、カットさせて頂きます。ピンポンパンポン
トリコ「話が長い!!呼ばなかったのは悪かったけど・・・」
鉄平「まぁいいよ。それで、これから小松くんの所に行くんだね。」
サニー「あぁ!!早く松に食わせねぇと・・・」
節乃「出来たじょ!!これを小松くんに飲ませるんじゃ!!」
センチュリースープを持ってトリコ達は、再び小松の居る病室には戻った。そして・・・
トリコ「小松・・・飲んでくれ!頼む!!」
トリコはスプーンでセンチュリースープをすくうと、小松の口の中に流し込んだ。
節乃「・・・どうじゃ??」
ゼブラ「・・・!?もうじき小僧起きるぞ!!呼吸が変わりやがった!!」
ゼブラの言った通り、小松はゆっくりと目を覚ました。
小松「ここは・・・」
トリコ「小松・・・小松!心配かげやがって!!」
ココ「目を覚ましてくれて・・・本当に良かった。」
サニー「松〜!!」
ゼブラ「へっ!!」
節乃「うんうん、本当に良かったの。」
次郎「まだまだ酒の恩を返せてないからの。」ヒック
メルク「小松・・・シェフ・・・」ポロポロ
ティナ「ホントに・・・ホントに良かった。」ポロポロ
ユン「ユーン!ユユーン!!」
クルッポ「ポッポ!クルッポ〜!!」
皆小松が意識を取り戻した嬉しさに、喜ぶ者、泣く者、抱きつく者、微笑む者といた。しかし、次の小松の一言で、周りは驚きを隠せなかった。
小松「あの〜すみません。」
トリコ「ん?どうした小松??」
小松「失礼ですけど・・・皆さん・・・どちら様ですか??」
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