魔法少女リリカルなのは〜箒と拳の魔法使い〜 |
第8話
前回のあらすじ
イヴ変身
暴走
迷宮入り!?
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イヴが人型というか、人になれるようになって一週間がたった。あのオレに纏っていた真っ黒いやつは、考えている間に消えていた。結局の所迷宮入りになってしまった訳だ。 そんな事とは、裏腹にその後のイヴの行動がやばいってもんじゃなくオレは、かなり疲れが溜まった。イヴの行動がどう言うのかというと、まず朝になるとベッドに潜り込んでいて抱きつかれる。部屋の鍵をちゃんと掛けた筈なのになぜか毎日のようにいる。次に、口移しで食べさせようとする。これに関しては、どうもいえない。勿論、やめろと言っているのに関わらず毎日のようにして来る。しかし、オレもバカじゃない。ちゃんと対処法を使い逃れている。……ん、どういった対処法かって?あまり、聞かない方がいいと思うぞ。まあ、それは置いといて最後は風呂だ。と言っても最初にやったやつをどんどん改良してったら、簡単になったんだけどな。取りあえず感想は、疲れたということだ。
次に気になる事が出来た。あの夜イヴから食らったらと思われるアザがそのままということだ。最初は、その内治るだろうと、思ったけれど、2、3日経っても治らないというか痛みはないんだがアザだけが残っている訳だ。ちなみにこの事は誰にも話してない。
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「お〜い紫苑腹が減りすぎて死にそうだ飯を作ってくれ〜」
下から久しぶりに聞く声が飛んできた。
「わかった。待ってろよ」
オレは、ベッドの布団をちゃんと綺麗にし、そして、いらない毛布を出し、なぜかオレのベッドに眠っているオレの相棒を海苔巻きみたいにして天井から吊し、下に向かった。
「マ、マスター降ろして下さい勝手に部屋に入ったの反省しますからぁ〜〜」
そんな事を言うが
「その言葉は、結構聞いたぞ」
うっ、とイヴが言葉を詰まらせる。その間にオレは、一階に向かう。
この一週間の中でオレは、イヴの扱いが雑になってきたようだ。
「遅いぞ、紫苑早く飯作れ〜」
「わかったから待ってろ」
オレは、そう言うと台所に立つ。転生して台所が高くて、届かなかったが今は……
「なんだ、紫苑前見たにぴょんぴょん可愛い姿を見せてくれないのか?」
今のオレは、箒魔法を足場にして料理をしている。なぜかというと箒草を自由自在に使えるようにする訓練でもあるからだ。見えない状況、状態でも動かせるようにする事、他の事と同時に動かせるようにするためである。
「にしても、上手く使えるようになっているじゃないか紫苑」
「当たり前だ。宝の持ち腐れになるのは、嫌だからな。それに、毎日してれば慣れるもんだ。」
「そうか、ところで紫苑」
「なんだ?」
「イヴは、どこだ。お前が持ってるようではないが。」
「上だ。オレの部屋に吊しておいた。そろそろ降りてくるとは思うが……」
ドタドタ
「ほら、噂をすれば何とやらだ。」
「マスター酷いじゃないですか。私を吊すなんて…………ちっ」
「今、コイツ私を見て舌打ちしたよな。そうだよな。」
久しぶりの顔合わせいきなりの喧嘩はやめてほしい。
「ほら、二人共ご飯出来たがら並べるの手伝って。」
オレは、二人にそう言う。
「わかりました。マスター」
「了解だ。今は飯が最優先だ。」
二人は、オレが盛り付けたご飯や、おかずを持っていき並べる。そして、席について三人で
「「「いただきます。」」」
言い終わるのと同時にアイは、尋常ないぐらいの速度でご飯を食べ始めた。
「良かった。多めに作って」
「そうですね。にしてもこれは……」
「まあ、何ともいえない。」
そう、今のアイは、腹が減りすぎた猛獣に近い存在でもう殆ど食べ尽くしている。
「それより、マスター今日も美味しいですよ。」
「ありがとう。そういってもらえると嬉しいよ。後さ、イヴ今まで気にしなかったんだけどそのマスターっての」
「えっと嫌でしたか?」
イヴは、ちょっと不安そうな顔をしてオレに言う。
「いや、デバイスの時に言われるのは別に良いんだが、その姿で言われるのはちょっとな。だから、なるべくマスターじゃなく名前で呼んでほしいと思うんだ。」
「むむむ、そうですか。………よし、それでは、これからは名前で呼ばせていただきます。」
「後、その敬語も無くしてくれると良いんだが……」
「マスターそれは……っとシオンそれは、無理ですよ。流石にマス……シオンに敬語無しは、私は出来ませんよ。」
少し遠慮がちだがちゃんとオレの事を名前で呼んでくれた。
「わかった。でも、無くせるならなるべく使わないでくれよ。」
オレは、そういい微笑む。自分ではちょっと嬉しかったからだ名前を呼んでくれて。少し不安だったし、マスターと呼ばれ、主従関係のようで家族って感じじゃない。けど、名前を呼ばれて少しはその不安を解消できた。だから、
「ありがとう、イヴ」
「ふぇ、い、いきなりなんですか、シ、シオン」
そこにとうとう食事を終えたアイが
「紫苑おかわり」
の一言を。オレは、それに絶句だった。
「そんなに食べては、太ってしまいますよ。アイさん」
まさかのイヴがアイのことをアイさんといった。
「仕方なかろう。どこかの誰かさんが一週間も眠らせるパンチをしたんだから」
その言葉にオレは、うっと呟いた。
「それは、しょうがないと思いますよ。アナタの自業自得なのですから。後、そんなに食べては豚になりますよ。」
「ほう、お前はあれが正当防衛だとでもいうのか。後、それっぽっちしか食べないと成長しないぞペチャパイ」
「はい、だってアナタがシオンに対して厭らしい事をしてなった結果ですから。後、おかわりしないほうがいいのではないですか。豚は、豚ですがメス豚になりますよ。雌豚に」
「お前は、言っていけないことを連続でいってしまったな。」
「そうですか。それはそれは失礼しました。これからは、雌豚さんとお呼びさせていただいてもよろしいでしょうか。といえばいいですかね。」
「すまない紫苑。今回ばかりは、許してくれ。」
アイは、唐突にオレにそう言うと
「表へ出ろ。」
「いいでしょう。」
どうやら、本気の喧嘩に……いや、本当に死合いになりそうな雰囲気になってる。
「はあ、どうにでもなれ」
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些細なことから起こった喧嘩?場所については、先程アイが表へ出ろと言ったが実質は、本人が作った部屋の中なんだがな。オレもよく、というかほぼ毎日そこで修行している。アイとイヴの間に何やら火花が飛び散ってるような気がするんだが、まあいいや。それよりも
「お〜い二人共、喧嘩するなら今晩飯抜きな〜」
オレの言葉が聞こえていないようなので録音したテープを取りあえず置いて出かける。ちなみに録音の内容は、
「あまりにも、お前たちが喧嘩をするのでしばらく二人で暮らせば仲が良くなると思うので旅に出ます。ちなみに、捜さないでくれよ。じゃないと、戻ってこないからな。後、このテープは、自動で爆発します。」ドーーン!!
って最後のめっちゃいい具合で二人の攻撃による爆発音入ったな。んじゃ、支度しますか。
オレは、自分の部屋に戻った。そして、1日分の下着と服を持っていざ温泉へ。
ん?子供じゃひとりで行けないって?そんな問題オレにはないのだよ。
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温泉
「いらっしゃいませ。」
旅館に入ると、女将さんが挨拶して来た。
「えっと、さっき電話した小鳥遊紫苑です。」
勿論オレは、大人の姿でいる。ちなみに、服装はスーツだ。
「それでは、こちらに」
女将さんがそういって部屋に案内してくれるようなので詳しくは後程。
「こちらがお部屋になります。」
「ありがとうございます。」
そして、女将さんが出て行く。
「ふぅ〜この姿も結構持続できるようになったな。」
なぜ、大人の姿になれたかというと、拳魔法のおかげだ。拳魔法は、相手を100回殴ると、100コンボってなって、変身するんだ。大人の姿に。でも、ぶっちゃけ女顔だから、女にしか見えんのだ。それに髪も腰ぐらいにあってさ。強くなるのはいいけど自分の成長した姿がね。前世もこうだったけどさ。まあ、諦めてるからいいけど。それより、温泉旅館でよく着るあれに着替えて、
「さあ〜て今回の目的、温泉にでも入りましょうか。時間は、4時か……人が少ないといいんだけど……まあいいっか。」
タオルと下着それに紐もかな。勿論、紐は髪を結うためだぞ。
「〜〜〜〜〜♪」
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紫苑が温泉に入っている頃
「これで終わりか!?イヴ」
「いえいえ、まだまだこれからですよ!?それよりアイさん動きが鈍くなってますよ」
アイとイヴそう言いながら、ぶつかり合う。アイは、両手に黒い手袋を付け、イブは、暴走した時の魔法球を二つだけ、出して戦っている。
ガキィィン ガキィィン
拳と魔法球、イヴの魔法球は、鋼の塊となり、アイの黒い手袋は、絶対に『弾き飛ばす』という契約をしている。
「それにしても、その契約は、厄介ですね。」
「いやいや、お前のその魔法球程ではない」
何故ならイヴの出している二つの内一つは見えないのだから
「ちっ、後ろか!?」
アイがそう言うと不可視の魔法球が飛んでくる。
「アイさん、良く避けれますね。後、言葉遣い悪くなっていますよ。」
「生憎、此方の能力もフルに使っているからな。後、言葉遣いは、余計なお世話だ。」
「……なるほど、この空間の空気と契約しているんですか。」
「全く、お前には本当に驚かされる。ああ、その通りだ。この空間の空気と契約した。契約内容は……『相手の全ての把握』だ。具体的には、相手の攻撃の方向から武器、生命反応、魔力のおよその残量、身長、体重、スリーサイズその他色々だ。ちなみに、お前は上から「ちょ、待ちなさいよ!?」隙ありだ」
「なっ!!キャッ!?」
アイの巧妙な罠に引っかかったイヴは、アイの攻撃を直撃した。
「まあ、平気だろ?私は攻撃力自体皆無に等しいからな。でも」
「うぅーー」
「一瞬、触れさえすれば契約なんて、容易いものなのだよ。ふふふ」
「うぅーーうぅーうーう(私に何をしたのです)」
「ちなみに、契約内容は『うーとしかいえない』だ。」
その言葉を聞いた瞬間イヴは、どうしようもないアホだと思った。うーしかいえない他に何にもないのだからだ。
「どうだ、紫苑私の華麗なる契約内容は!?」
アイは、そう言い恐らくは其処に居たはずの紫苑の方を振り向く。
「あれぇ?」
「うー?(え?)」
二人共気付くのが遅くテープレコーダーが置いてあった。アイは、それを再生した。
『あまりにも、お前たちが喧嘩をするのでしばらく二人で暮らせば仲が良くなると思うので旅に出ます。ちなみに、捜さないでくれよ。じゃないと、戻ってこないからな。後、このテープは、自動で爆発します。ドーーン!!』
二人共、ひゃっ、と言い(一人はうっだが)耳を塞ぎ伏せた。勿論、爆発音は二人の攻撃による音がちょうど良く入ったものである。
何も起こっていないことに気付いた二人は、揃えて
「「紫苑(シオン)のばかぁぁぁ!?」」
と叫んだ。
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温泉旅館
温泉に到着し、入ってみると結構な広さの温泉があった。
ここでなら疲れがなくせそうだな。この一週間の間で予想以上の疲れがたまったからな……。でも、楽しいんだからいい思うんだが、流石にあの二人の仲を険悪から普通ぐらいまでになるようにしたい。じゃないと、オレが疲れる。
「はあ〜」
にしてもやっぱり温泉はいい、日本の遺産と言える。じっと、周りを見るとそんなに他の客がいないな。まあ、平日だからな〜。ん?
「……露天風呂」
ここは、やはり行くべきだろ。行かないと日本人として駄目な気がする。いざ、露天へ。
ひゅ〜〜
寒っ!?まあ、3月ぐらいでもまだ寒いことがあるだろ。ゆっくり、足か、温泉に入っている。
「はあ〜生き返る〜」
そんでもって、この露天風呂から見える景色は最高だ。山の緑が綺麗だ。それに、日が落ち掛けて、夕日が真っ赤になっている。
「今日はここに来て良かったな。」
十分に、温泉を堪能し、温泉を後にした。
自分の宿泊する部屋の前に、女将さんがいて
「小鳥遊様、お食事の用意ができましたのでお部屋にお持ちします。」
そういってるうちに食事がやってきた。部屋に入り、他の従業員さん達が準備をしてくれた。そして、旅館の人がいなくなり、食事を始める。とりあえずお腹の虫が鳴きそうになっていたので、それなりのスピードで食べ尽くしてしまった。
「ぷっはーうまかった。やっぱり、旅館の飯はこうでないと。」
そうして、時間は過ぎていった。
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