酒!恋姫無双~鬼の御子使い~ 3話
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戦も終わり民たちの宴も終わって、街が落ち着いて来たときの島津義弘の日常・・・

 

 

 

 

拠点 桔梗ルート

 

 

民1「御子使い様!これ食って下せぇ!」

 

民2「御子使い様!これ貰ってください!」

 

民チルドレン「みこつかいさま〜遊んでーー!」

 

化物「ぶるああああああああああ!」

 

 

最後はミテイナイミテイナイミテイナ。

 

さっきから街を一歩進むたびにこの調子では、いつまでたっても街を回れない。

 

しかし、優しい鬼を目指しているゆえに民を蔑ろに出来ずにいた。すると、

 

 

桔梗「ほれほれ、お館様が困っとるぞ。各自、仕事に戻れ。ほれ、子供も遊びに行ってこい。」

 

民チルドレン「はーい!」

 

桔梗が声をかけると今まであった集団はみんな仕事に戻った。

 

島津「いやー助かった。慕われるのは嬉しいがあれではのう。」

 

桔梗「仕方ありますまい、なんせお館様は乱世を鎮めるために舞い降りた御子使い様ですからな。」

 

そう、先日の戦で活躍しすぎたのか、益州の民たちは島津を御子使い様と呼び始めたのだ。

 

島津「そういうのは柄じゃないんじゃがのう・・・」

 

桔梗「よいではありませんか、そう思ってしまうほど戦でのお館様は勇ましかった。」

 

うむうむと頷きながら話す桔梗とあまり納得がいかない様子の島津・・・すると、

 

民「く、食い逃げだ〜!誰か捕まえてくれ〜!」

 

その声に顔を向けると、道を歩く人を突き飛ばしてこちらに向かってくる暴漢が一人。

体は大きく、一般人よりは大きい島津よりももう一回り大きい。

 

暴漢「どけ!邪魔するとぶっ殺すぞ!!!」

 

桔梗「お館様!おさがりください!」

 

やれやれ、もう少し平和に過ごせないのかのう・・・

 

島津「桔梗・・・子供の前で血なまぐさいことはよせ。」

 

桔梗「しかし!」

 

島津「儂がこんなのに遅れを取ると思うか?・・・黙って見とれば良い。」

 

そう言って、桔梗を脇に寄せ向かってくる暴漢の正面に立つ。

 

桔梗「・・・御意」

 

不承不承という感じで下がる桔梗に軽く笑いかけ、目の前の暴漢に集中する。

・・・桔梗の顔が赤くなった気がしたが怒りのせいじゃろ。

 

暴漢「ど、どけ〜!」

 

斬りかかってくる暴漢に、それを見て目を瞑る周りの人たち。

 

島津「やれやれ、殺す覚悟もないのに斬りかかるからそうなる。」

 

伸ばされた腕に右手を添えて、あとは相手の流れに任せて後方に投げ飛ばす。」

 

島津の元いた世界では柔術と呼ばれ健康作りでやっている者もいたが、島津自身もなんの因果かそれを習っていた。

 

島津「こんなところで使うことになるとはのう・・・」

 

ズドンという地響きが聞こえて目を向ければ、気絶したのか白目を剥いている暴漢。

 

民's「ウオォオオオオオオオオ!!!」

 

 

そのあとに沸き起こる歓声。

 

島津(・・・耳が痛くてかなわん)

 

そう思った島津はその場を離れようとするが・・・

 

店主「ありがとうございます!ありがとうございます!」

 

後ろを振り返ればこっちに頭を何度も下げながらお礼を言う店主。

 

島津(これは振り出しに戻ったんじゃなかろうか?」)

 

若干メタいことを思いながらも、その歓声が止むまでは終始笑顔だった島津。

 

そして、それを少し遠くで頬を赤らめながら見つめる桔梗がいた。

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紫苑ルート

 

戦が終わって数日した頃、なぜか儂は紫苑の家に招かれた。

 

家の前まで来てみると、外で璃々ちゃんがキョロキョロとしていた・・・・あ、目があった。

 

璃々「お兄ちゃーーーーーーーーーん!」

 

見つけた途端に全力疾走してくる璃々ちゃん・・・あ、転んだ。

 

島津「だ、大丈夫かの璃々ちゃんは・・・」

 

若干・・・すごく心配した島津は急いで駆け寄る。

幸い怪我はなく、直ぐに立ち上がり家を案内してくれる璃々ちゃんにホッとしつつ感謝する。

 

紫苑「璃々が連れてきてくれたのね、ありがとう。」

 

そう言って璃々ちゃんの頭を撫でる紫苑は優しい母親の顔をしていた。

 

紫苑「すいません、義弘さん。急に呼び出してしまいまして・・・」

 

心底申し訳なさそうにする紫苑を見て、苦笑する島津。

 

島津「気にするでない。儂もちょうど暇を持て余していたとこじゃったからのう。」

 

紫苑「ふふっ、そういうことにしておきますわ。」

 

璃々「しておくー。」

 

母親の真似をしているのか声をあげる璃々ちゃんに紫苑と顔を見合わせ笑う。

 

島津「・・・それで、儂が呼ばれた訳を聞こうかの。」

 

ひとしきり笑ったあと本題を切り出す。

 

紫苑「はい、実は・・・」

 

そこで一回区切る・・・璃々ちゃんはわしの膝の上で遊んでいる。

 

紫苑「私と璃々と一緒に買い物にいって欲しいのです。」

 

島津「・・・・・・は?」

 

至って真面目な顔で普通のことを言うから気の抜けた返事が出てしまった。

紫苑は悪戯の成功したような子供笑顔で笑っている・・・璃々ちゃん太ももの上で跳ねないで。

 

島津「紫苑・・・冗談なら儂は帰るが・・・」

 

紫苑「あら、至って真面目ですわ。」

 

真面目ならそのニヤニヤ顔やめんか・・・

 

島津「・・・わかったわかった、だからその意地悪い顔やめんか。」

 

紫苑「ふふ、お付き合い感謝致しますわ。」

 

意地悪い顔をやめ、いつもの柔らかい微笑みに変わる。

 

島津「うむ、そっちの笑顔のほうが似合うじゃろう。」

 

紫苑「っ!」

 

すると、急に顔を背ける紫苑・・・なにか、悪いこといったかのう。

 

疑問を浮かべる儂と、母親のことが気になったのか、太ももから降りて母の顔を覗き込む璃々ちゃん。

 

璃々「お母さん、お顔真っ赤だよー?熱でもあるの?」

 

島津「なんじゃ紫苑、熱があるなら別の日でもええじゃろうに。」

 

そう言うと、違います!となぜか説教をされる儂・・・・なんで?

 

紫苑「ふぅ・・・もういいです。買い物に行きましょう。」

 

璃々「いくー!」

 

島津「うむ。」

 

各自準備を整えて街に出る。

 

街は人で溢れていて、小さい璃々ちゃんは進みにくそうだ。

 

璃々「うぅ〜おかあさ〜ん」

 

さっきから人にぶつかっているせいか半泣きの璃々ちゃん。

 

紫苑「あらあら、どうしようかしら。」

 

ホントに困っているのか頬に手を当て考え込む紫苑。

 

島津「璃々ちゃん、儂が肩車してやろうか?

 

とりあえず案を出してみる・・・出しておいてなんだがこれは・・・

 

璃々「え!いいの!?お兄ちゃん、ありがとう!」

 

紫苑「しかし、それでは義弘さんが・・・」

 

喜ぶ璃々ちゃんと困惑気味の紫苑。

 

島津「気にするでない、儂が好きでやることじゃ。」

 

決して幼女趣味ではないがな!

 

それを聞いて、いつもの10倍くらいの柔らかい笑顔になる紫苑。

 

紫苑「ふふっ、ありがとうございます・・・・ご主人様」

 

 

最後の方に何か言った気がしたが・・・まぁ、気にすることでもないじゃろ。

 

そのあとの買い物も璃々ちゃんを肩車しながら3人仲良く並んで歩いた。

 

それを見た民から夫婦みたいでしたと聞いた桔梗が酒の肴に紫苑をからかっていたのを儂は知らなかった。

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?耶ルート

 

今、?耶と鍛練場で1対1の鍛錬をしているのだが・・・・

 

?耶「おりゃあっ!」

 

島津「重心が右に寄っておるぞ!こうして足をかければ・・・」

 

?耶「きゃっ!」

 

島津「ほれ、容易く転んでしまう。」

 

?耶「・・・」

 

転んで立ち上がるかと思えば座り込んでしまう?耶。

 

島津「ん?どうした、諦めたのか?」

 

?耶「っ!?」

 

その言葉を聞いた瞬間に立ち上がり鍛練場を飛び出していく?耶。

 

島津「・・・はぁ、年頃の娘はようわからん。」

 

そう言いつつも、?耶のあとを追う島津。

 

 

?耶は直ぐに見つかった・・・・川原で自棄酒って・・・

 

?耶の隣に腰を下ろし島津も腰の瓢箪にある酒を飲む。

?耶も気づいてはいるだろうが何も言わない。

 

島津「・・・」

?耶「・・・」

 

どちらが話すでもなく静かに時が流れていく。

 

ちょうど?耶の持っている酒が半分位になった頃。

 

?耶「なぁ、お館・・・」

 

島津「・・・なんじゃ?」

 

?耶が酔っているのか赤い顔で聞いてくる。

 

?耶「お館はどうして強くなるんだ?」

 

武士なら必ずぶつかるであろう疑問を今度は真面目な顔で聞いてくる・・・顔は赤いが。

 

島津「儂も最初の頃は民のため、国のためと必死に努力した。

   しかし、それも結局はじぶんのためじゃった。

   国のためと人殺しを正当化し、民のためと他国の民を殺した。

   その結果、周りからは鬼島津と呼ばれ尊敬と畏怖の対象にされた。

   そのことに後悔はないが、この国に来てから璃々ちゃんに優しい鬼と言われたとき馬鹿馬鹿し   いとは思えなかった。

   誰かの為に戦うことで儂が鬼と呼ばれるなら儂は優しい鬼を目指そうとな。

   そして、弱者が強者に虐げられるなら儂は沢山の博打をしてやろうではないか。

   そして、弱者も強者もない世界になったら酒でも飲みながら平和を謳歌したい。

   だから、一刻でも早く、ひとりでも多く救うために儂は強くなるんじゃよ。」

 

言ったあとにちとカッコつけすぎたかのうと思ったが、ホントのことなので気にしないことにした。

 

 

それを聞いていた?耶は、酔いがさめていないのか赤い顔で宣言する。

 

?耶「お館!この街を出るとき私も連れてってくれ!

   いや、来るなと言われても付いてく!

   お館が鬼と呼ばれるなら私だって呼ばれてみせる!

   優しくなくてもいい!でも、弱者を守れるような鬼に私はなりたい!」

 

その宣言を目を瞑りながら聞く。

 

島津「?耶、これを飲め。」

 

?耶「・・・承知」

 

自分の瓢箪を渡すとチビチビとだが確実に飲む?耶。

 

島津(まさか、この歳であれだけの覚悟を決めるとはのう・・・)

 

?耶「ぷはぁ・・・・うぅ、辛い。」

 

若干涙目で愚痴る?耶。

 

島津「くっくっく、この程度飲めんようでは儂の弟子はできんぞ?」

 

?耶「飲めるようになっt・・・え?弟子?」

 

後半の言葉に呆然とする?耶。

 

島津「明後日には出発する。挨拶は済ましておけよ愛弟子よ。」

 

?耶「まなっ!?・・・はい!お館!」

 

この日、一人の鬼とそれに付き従う子鬼が誕生した。

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出発当日

 

島津「世話になったの。」

 

桔梗「こちらこそ、感謝してもしきれませんぞお館様。」

 

紫苑「そうね、ごしゅ・・・義弘さん。」

 

璃々「お兄ちゃん!またねー!」

 

?耶「私には何もないのか・・・」

 

島津の手には民からもらった酒やら食料などが積まれているのに対し、?耶は璃々ちゃんからもらった肉まん一個・・・頑張るんじゃ!?耶!

 

桔梗「うるさいわ、馬鹿弟子が。」

 

フイッと顔を背ける桔梗・・・ははーん、これは。

 

島津「寂しいなら、そういえばよかろうに。」

 

桔梗「なっ!?」

 

紫苑「それに桔梗は羨ましいのよねー、お館様に付いていける?耶ちゃんが。」

 

桔梗「紫苑っ!?」

 

?耶「桔梗様・・・ぷっ」

 

桔梗「・・・死にたいようじゃな?耶。」

 

殺気を溢れさせる桔梗・・・周りの民引いておるぞ。

 

?耶「お館早く行こう!直ぐ行こう!今行こう!」

 

どうにも、湿っぽくはならんのうここは・・・嫌いじゃないがの。

 

島津「ほれ桔梗、それぐらいにせんか。」

 

桔梗「今生の別れでもあるまいに・・・そなたが戦好きで博打好きなら同じ陣営になることもあるじゃろう。」

 

桔梗「ふむ、そうですな・・・では、今はこれで我慢しておきますわい。」

 

そう言ってなんのことだ?と気にする間もなく視界が桔梗の整った顔で埋め尽くされる。

 

島津「うむっ!?」

 

桔梗「んっ・・・」

 

紫苑「あらあら・・・」

 

?耶「なっ!?」

 

周りが驚いている中、儂自身何が起きているのか整理が追いついていなかった。

 

ただ目の前に広がる香りは優しくて、目の前の女性は戦での勇ましい面影はなく一人の女だった。

 

島津&桔梗「・・・ぷはぁ」

 

どれだけの間繋がっていたのかわからないが、少なくても無意識に酸素を求めてしまうくらいにはつながっていたらしい。

 

島津「別れの挨拶にしてわ熱烈じゃのう。」

 

桔梗「お慕い申しておりますぞお館様。」

 

こっちの皮肉には答えず、真っ直ぐに見返してくる桔梗に気後れする。

 

島津「厄介な女に好かれたもんじゃのう・・・」

 

桔梗「そうですかな?これだけの美女を捕まえておいて不満ですかな?」

 

意地の悪い顔で聞いてくる桔梗に触れるだけの接吻をする。

 

桔梗「あっ・・・」

 

島津「・・・これ以上はダメだ・・・ここから離れられなくなる。」

 

そう言うと若干悔しそうな顔をする桔梗。

 

桔梗「・・・どうしても・・・行くのですか・・・」

 

島津「ああ、儂は大の戦好きで博打好きじゃからな。」

 

それを聞いて、軽く笑みをこぼす桔梗。

 

桔梗「そうでしたな・・・なら致し方ない。」

 

その言葉を最後に後ろに下がる桔梗。

 

儂と?耶も何も言わず馬に乗る。

 

島津「ああ・・・言い忘れておった、桔梗。」

 

そういうと後ろを向きながら立ち止まる桔梗。

 

島津「儂は惚れた女は絶対守ると決めておる・・・お主が困ったときは必ず傍にいると約束しよう。」

 

桔梗は震える声で答える。

 

桔梗「当たり前ですぞ・・・惚れた女を守れないようでは優しくなどなれませんからのう・・」

 

 

その言葉を聞いて、儂は馬を進め、桔梗は歩き出した。

 

ある程度離れたところで島津が声を張り上げた。

 

 

島津「桔梗ー!すまんが、儂は女好き故戻ってきた時には増えとるかもしれんが許してくれなー!」

 

 

その言葉は街中に響き渡り、街は笑いに包まれた。

 

紫苑「・・・ご主人様らしいわね。」

 

桔梗「告白して次には浮気宣言とは・・・はぁ」

 

クスクスと笑いながら答える紫苑と頭を抱えてはいるが笑みを浮かべる桔梗・・・そして、

 

 

桔梗「お館様のアホーーーーーーーー!愛しておるからなーーーーーーーーーー!。」

 

 

 

その言葉を聞いて笑顔を浮かべ馬のスピードをあげる島津と?耶・・・目指すは洛陽!

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃

 

紫苑「私にもチャンスがあるってことかしら?」

 

桔梗「・・・・はぁ」

 

 

桔梗!(,,゚Д゚) ガンガレ!

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コメント
コメントありがとうございます!(向日葵)
面白かったです、続きが楽しみです(ヒナたん)
次話を 楽しみにしてます。 (vesijapan)
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