魔法少女リリカルなのは DevilStrikerS ー最終決戦…vsムンドゥス 前編ー
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「ふん。役立たず共が……まあいい、所詮はただの道具だからな」

 

ムンドゥスは口調こそ変わらぬが、内心は少し焦っていた。

 

「(まさかダンテが生きていようとは…あの馬鹿者共め…ちゃんと始末したか確認しなかったな…!!)」

 

そんなムンドゥスをよそに、

 

「よう、ムンドゥス…貴様を殺しに来たぜ!!」

 

「ムンドゥス。借りは返させてもらうぞ」

 

バルダとギルバーがムンドゥスの前に現れた。

 

「…ほう、誰かと思えば…村を襲わせた時何も出来なかった小僧と、我に操られていた哀れな人形ではないか」

 

 

 

 

これから、最後の戦いが始まろうとしていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ………(流石に魔界の頂点に君臨するだけのことはあるってことか)」

 

対峙する両者…バルダは初めて対峙するムンドゥスの圧倒的な存在感と圧力に圧されそうであった…

 

「(だが…村の皆の、母さんの仇を取るためにも…負けるわけにはいかねえ!それだけじゃない。ここでやられたら…俺を養子に迎え入れてくれるなのはさんに申し訳が立たない!)」

 

 

 

 

――――トンッ――――

 

 

 

 

「!」

 

そんな時、ギルバーがバルダの肩を軽く叩いた。

 

「臆するなバルダ。悪魔との戦いは強い心…それさえあれば、いかにムンドゥスといえども、恐れるものは何もない」

 

ギルバーの力強い言葉に押され、

 

「……そうだな。そうだったな。悪い兄さん…助かったよ」

 

何とか立ち直ったバルダ。

 

「さあ、Partyの始まりだ!!」

 

「身の程知らずが…後悔するがいい!!」

 

そう言ってムンドゥスはマグマが辺りに流れる、地獄と見て過言ではない戦闘空間を作り出した。

 

「Ha!なかなかいいBattle fieldじゃねえか!!」

 

「勘違いするな…ここは、貴様等の墓場だ!」

 

そして、戦闘が開始された。

 

「カッ!!」

 

ムンドゥスが暗雲より流星を放ってきた。

 

「はあっ!!」

 

だがギルバーの次元斬によって全て真っ二つにされた。

 

「エアトリック」

 

そしてバルダがエアトリックでムンドゥスに近づいて、

 

「俺の奢りだ…たっぷり喰らいな!!」

 

 

 

 

ーーズダダダダダダン!!ーー

 

 

 

 

最大の魔力をソル&ルナに込め、ムンドゥスに解き放った。至近距離で受けたためダメージは大きく、

 

「グオオオ…!」

 

ムンドゥスは大きく怯んた。

 

「兄さん!」

 

「ああ!…いくぞ!ムンドゥス!!」

 

足下に魔法陣が現れ、居合いの構えをとる。

 

「真空…一閃!!」

 

 

 

 

――ズバアァッ!!――

 

 

 

 

その斬撃は、一瞬でムンドゥスの腕を切り落とし、まるで目の前の空間を真っ二つに斬ったかのような光景に見えた。

 

「グワアアアア!!」

 

腕を切り落とされた痛みに、悲鳴を上げるムンドゥス。だが二人の攻撃は続く。

 

「ディバイン…」

 

〈バスター!!〉

 

「幻影剣、フルバースト!」

 

しかし……

 

「小賢しいわ!!小童共が!!」

 

ムンドゥスは反撃のレーザーを放ってきた。

 

ムンドゥスの攻撃は凄まじく、バルダとギルバーの攻撃を相殺させただけでなく、その余波が二人を襲った。

 

「うわっ!」

 

「くっ!大丈夫か!バルダ!!」

 

「ああ!まだまだいけるぜ」

 

すると……

 

「オオオオオオ!!」

 

 

 

 

―――ズリュッ!―――

 

 

 

 

なんとギルバーが切り落としたムンドゥスの腕が復活したのだ。

 

「「なに!?/なんだと!?」」

 

思わぬ事に驚愕する二人。

 

「我の腕を切り落とした罪…貴様等、死して報いよ!!」

 

そう言って、ムンドゥスは雷を落とした。

 

「「アベンジャー!!/デモリッシュ!!」」

 

〈〈ワイドシールド!!〉〉

 

 

 

 

ーーーズガガガアアアン!!ーーー

 

 

 

 

ムンドゥスの攻撃を防ぐ二人だが、あまりの威力に苦悶の表情を浮かべる。

 

「くぅっ!なんつー威力なんだよ!ちくしょう!」

 

「ちっ、このままだとヤバいな…バルダ、ブラストやって離脱するぞ!」

 

「OK!そんじゃ、せーの!!」

 

「「ブラスト!!」」

 

 

 

 

――ドガアアアン!!――

 

 

 

 

そう言って二人はシールドを爆破させ、雷をなんとか回避した。

 

「ほう…かわしたか。だが我の攻撃はまだ終わってないぞ!!」

 

ムンドゥスは自分を護るように岩石のシールドを張ると、そこからまるで雨のごとく魔力弾を放った。

 

バルダはソル&ルナで、ギルバーは幻影剣、又はデモリッシュで魔力弾を破壊していく。それでも魔力弾は降り注ぐ…これでは埒があかないので、バルダ達は戦法を変えることにした。

 

「兄さん!俺が援護する!だからあの野郎の魔力弾を止めてきてくれ!」

 

「了解した。援護は任せたぞ!」

 

そしてギルバーはムンドゥスに突っ込んでいった。ムンドゥスは近付かせないように岩石や雷も飛ばす。

 

「鬱陶しい!ディバインバスター!!フルパワー!!」

 

だがバルダのディバインバスターによって吹き飛ばされた。

そんでもってギルバーはエアトリックで近づき、

 

「小賢しいシールドごと斬ってやる…絶刀!!」

 

 

 

 

ーーズバババババァッ!!ーー

 

 

 

 

更に範囲の広い次元斬で、全てのシールドを切り裂き、ムンドゥスにまでダメージを与えた。

すると偶然、ギルバーの次元斬がムンドゥスの胸元で光り輝く球に当たった。

 

「グオオオオォアアアァ!!!!」

 

そしたらムンドゥスは、さっきよりもかなりダメージを負った。その様子を見てギルバーは思った。

 

「(もしや、あの球体がムンドゥスのコアなのではないのか?)」

 

そう思うや否や、ムンドゥスのコアのような球体に幻影剣を放った。

 

「ッ!」

 

するとムンドゥスはシールドを張ってそれを防ぐ。

 

「(どうやらそのようだな…)」

 

ムンドゥスのその行動はギルバーの疑問を確信へと変える。

 

『バルダ…』

 

『ああ…わかってるよ。ムンドゥスのコアの事だろう?』

 

バルダも気づいていたらしい。

 

『なら、わかってるな。奴のコアに最大限の攻撃を当てるぞ』

 

『了解。派手にぶちかましてやるさ。だから…』

 

『ああ。バインドは任せろ…少々時間がかかるけどな』

 

『Dont't worry(心配すんな).時間稼ぎぐらい楽勝だぜ』

 

『よし。なら後は頼む』

 

そうして、作戦会議は終了した。

 

「さあて…Mission startだ。張り切っていくぜ!」

 

バルダはギルバーと入れ替わるように、ムンドゥスに突貫した。

 

 

 

 

ギルバーが立てた作戦は…ギルバーがバインドの準備ができるまでの間、バルダがムンドゥスを攪乱して、準備ができたらムンドゥスをバインドで身動きを封じ、二人の最大の攻撃でコアを破壊することであった。

 

とは言っても……

 

「くそっ!あんな攻撃、かわせるわけねえだろうが!!!」

 

ムンドゥスの嵐のような攻撃に悪態をつくバルダであった。

 

「(なら攻撃あるのみ!攻撃は最大の防御とも言うしな!…けどアイツの攻撃は絶対当たらないように気をつけよう)」

 

そう考えたバルダは、相手の攻撃をかわしつつ、こちらの攻撃を当てるヒット&アウェイ戦法に変更した。

かわせるやつはかわし、無理なのは撃ち落とし、そして隙あれば攻撃……

まるで蜂のように攻撃するバルダに、苛立つムンドゥス。

 

「ぐぅ…!おのれ!ちょこまかと!!」

 

「Ha!Ha!テメエのような野郎にはこのやり方がちょうどいいんだよ!!」

 

そう言うなり、大量の魔力弾をぶつける。

 

「ぬん!」

 

それに対し、ムンドゥスは魔力を纏わせた拳で魔力弾をなぎ倒し、バルダの下へと殺到する。

だがバルダは、トリックスターによるアクロバティックな動きで軽快にかわしていく。

 

「くそがぁっ!!これならかわせまい………!?」

 

ムンドゥスが何かアクションをしようとした瞬間……

 

 

 

 

ーーーガチン!!ーーー

 

 

 

 

ムンドゥスの動きが止まった。

 

「ヒュ〜ちょい、焦ったぜ」

 

「待たせたな。バルダ」

 

 

 

 

―――ギチチチ…―――

 

 

 

 

「ぐぅ!?体が動かぬ!!ギルバー!貴様の仕業か!!」

 

ギルバーの作戦道理、ムンドゥスをバインドで封じる事に成功した。

 

「これで心置きなくテメエを吹っ飛ばせるぜ」

 

「ムンドゥス。そのバインドはかなり魔力を入れてある…抵抗は無駄だ……だから」

 

バルダとギルバーは互いのデバイスを構え、

 

 

 

 

「「大人しく散れ!!」」

 

 

 

 

悪魔の引き金を引いた。

 

 

「「ハアアアアアア!!」」

 

バルダとギルバーから凄まじい量の魔力が溢れ出し、二人の様子に変化が表れた。

 

バルダは赤く、ギルバーは青い装甲のような体になっており、バルダの場合は背中から大きな翼が生えていて、そして二人は膨大な魔力を発していた…

 

「さあムンドゥス!お仕置きの時間だぜぇ!!」

 

「貴様がいかに頑丈でも…これは拙い状況だろう?観念するんだな、ムンドゥス」

 

まるでノイズがかかったような声の二人。

 

そして、悪魔の姿となったバルダとギルバーは、ムンドゥスに最大の攻撃を繰りだす。

 

「Hell tempest!!!!」

 

「飛燕、暴流刃!!」

 

バルダは剣先から超巨大な魔力弾を放ち、ギルバーは斬撃をまるで燕のごとく華麗に、かつ吹き荒れる暴風のように荒々しく飛ばした。

 

「グワアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

ムンドゥスは二人の攻撃をまともに受け、大爆発を起こした。

 

「よっしゃ!!直撃!!」

 

「思った以上に上手くいったな」

 

作戦が成功した事に喜ぶ二人。

 

「だが気を緩めるな…相手はムンドゥスだからな」

 

「ああ。アイツしぶといからな」

 

すると…大爆発の際に起こった煙がやみ、

 

「やってくれたな…貴様等…!!」

 

コアが罅だらけになりながらも、全く衰えない威圧感と殺気を放つムンドゥスの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

「Shit!結構本気でやったんだけどなー」

 

「それでも倒れないというのか…」

 

自分達の最大の技を受けて尚、立ち上がるムンドゥスに少し心が折れそうになるバルダとギルバー。

 

そんなバルダ達をよそに、ムンドゥスは無情にも自身の最大の攻撃を放とうとする。

 

「小物にしてはよくやったと褒めてやろう。だが、ここまでよ!!!」

 

 

 

 

――キュィィィィン!!――

 

 

 

 

「…なに!?」

 

「マジかよ…」

 

どんどん収束していく魔力。あまりの量の魔力に唖然とするバルダ達。

 

「死ね!!!!」

 

「「!!」」

 

ムンドゥスの叫び声により、ハッとするが、既に遅く……回避も、防御も間に合わなかった。

ムンドゥスの巨大砲撃をくらう直前、今までの生活が走馬灯のように甦る。

 

「(ああ…俺は死ぬんだな…六課のみんなや母さん…ヴィヴィオに約束したのにな…そして村のみんなと父さん母さんの仇をとりたかったな…………

みんなと、もう少し居たかったな…………)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おいおいお前達。こんな所で諦めんのか?』

 

 

 

 

―――ズドドドオオオオオン!!―――

 

 

 

 

「なに!?」

 

「「…え?」」

 

急遽聞こえた誰かの念話……その直後にムンドゥスの砲撃が当たるが、何かがおかしかった。

何故ならバルダ達には傷一つ無いからだ。

 

二人は瞑っていた目を開け、前を見ると……

 

「よう。久しぶりだな……バルダ、ギルバー」

 

死んだと思っていた、自分達の父親が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃ、久しぶりの一家団欒の時間を楽しむか」

 

そう言うなりダンテは結界を作り出した。

ダンテは、ムンドゥスが自身を結界に閉じ込めようとしたように、今度はこっちが結界に閉じこもることで、ムンドゥスからの攻撃を阻害していた。

 

「「…父さん」」

 

いきなり自分達の父親が現れた事に困惑するバルダとギルバー。

 

そんなバルダとギルバーをよそにダンテは怪訝そうに、

 

「どうした二人とも?惚けた顔をして」

 

と、聞いてくる。

すると……

 

 

 

 

 

―――ドガッ!―――

 

 

 

 

「ッ!」

 

ギルバーがダンテを殴りつけた。

 

「父さん」

 

「………」

 

「なんで…生きていることを知らせてくれなかったんだ」

 

ダンテを睨みつけるギルバー。

 

「どうして…バルダを連れて行ってあげなかったんだよ」

 

ギルバーはバルダを何故独りにして、置いていったことに怒っていた 。

 

「…兄さん」

 

バルダは急な展開と、怒っているギルバーに困惑している。

 

するとダンテはため息を吐き、こう説明した。

 

「連れて行かなかった事については謝る…だが理由があったんだ。まず、奴らが1番に狙っていたのは俺の命だから、バルダを一緒に連れて行けばバルダにも危険が及ぶ…だから時空管理局に保護して貰うことで、その危険を無くそうとしたんだ」

 

ダンテの説明に納得したのか、頷くギルバー。

 

そして次の質問に移行した。

 

「わかりました。じゃあ次です。父さんはどうやって生き残ったのですか?」

 

「それは簡単だ。まずドッペルゲンガーで分身を作っておいて…悪魔が考えもなしに攻撃してくるから、その際にクイックシルバーで奴らの動きを止めた後トリックアップで離脱して、分身と入れ替わる…そして奴らが俺を倒したと勘違いして去っていくのを待つって寸法だ」

 

ダンテが一通り説明し終わると、バルダとギルバーは意外そうに

 

「へぇーあの父さんが…」

 

「ああ。まさかまともな作戦を行っていたなんてな……」

 

と、言っていた。

 

「お前達…俺はいくら何でも魔力があまり無い状態であの大群の悪魔を相手にする程馬鹿じゃないぞ」

 

ダンテは息子達の冷たいコメントに哀しいと思いながらもたしなめた。

 

「まあ何がともあれ、よく頑張った。あのムンドゥスをあそこまで追い込むなんてな…俺も流石に驚いたぞ。お前達はもう立派な魔剣士だ。ん?魔導師でもあるから魔導剣士か?」

 

そして若年ながらもあの魔帝ムンドゥスに奮闘したことに嬉しく思うダンテ。

 

「「父さん…」」

 

「それと、悪かったな…辛い思いをさせて。お前達は幸せに暮らしてほしかった……俺の体に悪魔の血が流れていたせいでこの血を受け継ぎ、こんな戦いに巻き込んでしまった……すまなかった」

 

「「…………」」

 

突然の自分達の父親の謝罪に戸惑うバルダとギルバー。

だが二人はこう言った………

 

「それは違うよ…父さん」

 

「そうですよ父さん。俺達はあなたの子供に生まれたことに、何も後悔はしていない」

 

「しかし……」

 

バルダとギルバーの言葉に渋るダンテだが、二人はそのまま言葉を繋げる。

 

「確かに母さんや村のみんなが死んじゃったことは悲しいし、辛いけれど…俺達は、父さんみたいに強くなりたかったんだ。だからそんな事は言わないでよ」

 

「それに…俺達はあなたが目標なんですから、そんな冴えない顔は駄目ですよ」

 

バルダ達の言葉に胸を打たれるダンテ。

そして二人に晴れやかな笑みを浮かべる。

 

「ああ、そうだな。…まったく、最高の息子だよ…お前達は」

 

こうして、一つの家族が再会を果たしたのだった………

 

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四十話目です。
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