インセクトワールド つまるとこ虫の世界 |
この惑星には、人間がいる。食物連鎖のヒエラルキーの三角形を見た者はいるだろう。その図から外れた存在、又は頂点が人間だと、そう聞かされたことがある。
人間とは、世界からみて明らかに異端の生き物である。それは、皆々がわかるだろう。鉄などを組み合わせ、火や電気を生み出す動物がいるか? 他の生き物を管理する動物がいるか? 宇宙にまで行こうという動物はいるか? これほど同族で殺しあう動物はいるのか? これほど同族でそれぞれの意思がバラバラな動物がいるのだろうか?
金を使うのは人間だけである。こんな紙切れ、硬貨に人は何を見出したのか? 何故こんな物で物資を買う? いや、そもそも何故買うのだ? 他の動物で、『買う』という行為をする生き物はいるか? 動物は、取る、獲る、採る、捕る、摂る、『とる』ものだろう。人は、動物ではない? そもそも、動物と名付けたのは人だ。それよりも、文字を使うのは人間だけだ。おかしくないか?
人は、明らかに異端だ。
さて、そろそろ語るのも疲れた。この物語に入ろうか。
この惑星には、人間がいる。いや、正確に言うなら、人間に近しい生き物だ。だが彼らには、自分らの種族が、言葉として頭にあるわけではない。自分らは自分らだ。それが解っているからこそ、わざわざ自分らの種族を名付ける必要はない。そして、文字と言うのも、この惑星にはなかった。この惑星において、言葉は口で伝えるものである。
「なあ」
耳に聞こえる声がある。
「何だ?」
返事だけをする。顔は向けない。今、この・・・人間と言っておこう。この物語を読む我らに解るようにだ。この人物らは食料を運んでいた。鬱蒼と茂る、彼らと同じ以上の高さの草の間に出来ている道を掻い潜り抜けながら、だ。さらにこの間、雨が降ったので、足場はぬかるんでいつもより歩きづらいし運びづらい。その中でわざわざ振り返るのも疲れる。
「この道ってよ、この間、他の奴らが襲われたって所じゃねえか?」
そうだったか? 隆々と、自分らと比べる気も起きないくらいの木々の、枝先葉先でも隠しきれない、僅かに見える空を仰いで、思い出す。乱立する木々の間から木漏れ日が射し、濡れた枝葉と湿った空気。そこに通るひんやりと涼やかな風。我々などから見れば、神聖な、とでも言いたくなるような景色があったが、彼らには関係ないことだ。
「ちげえよ、それはこっちじゃねえよ」
それだけを返す。襲われた場所は知っているが、後は帰るだけで、気は抜かないが、あまり張っていても疲れるだけだ。それに、いくら注意しても来るときは来る。それだけ教えれば十分だ。
「そこ、あまり無駄口叩くなよ」
前の女性に注意される。彼女の言うとおり、必要以上に声を出せば、外敵に見つかる危険性が高くなる。素直に悪かったと口にした。そろそろ巣に着く。このまま何もないことを願いながら、歩いていく。
だが本当にこのまま何もないまま終わってしまっては我々がつまらない。そろそろ問題さんに登場してもらおうか。
羽音。羽音が聞こえる。この羽音は――
「おいおいおいおい・・・・・・」
今にも泣き出しそうな声で、震える奴もいる。解っている。外敵が来たのだ。
「走れえ!」
誰かが叫んだ。それを皮切りに、弾かれたように散らばった。列を乱し、各々が思い思いに巣への帰還を目指す。
走れ、走れ。喰われるぞ。走りながら、振り返った。彼らより何倍も大きいその姿が見える。
「やばい! テントウムシだ!」
この惑星で、天敵は『虫』である。この惑星の人は、小さい。或いは、虫が大きすぎると言えばいいか。或いはそのどちらともか。だが木々などの植物の大きさを比べて、人が小さいと言った方が、我々には捉え易いか。
この惑星は、弱肉強食である。
ただ、この惑星の人間は、食物連鎖に組み込まれる弱者であった。
あとがきなるもの
夢を、夢を見ていました。ってスクライド風に始めるのはどうでしょうかね?どうも、二郎刀です。どうも、から始まるあとがきって多いような気もしないでもないです。
ええ、夢を見ていたんですよ。見たんですよ夢を。この世界は虫が跋扈(ばっこ)していまして、人はその世界で頑張って生存していく、みたいな感じでした。夢の中では、鳥とかは見えなかったので、おそらくこの世界にはいないのでしょう。自分でも曖昧ですけど、そんなもんです夢ってのは。
おもしろかったのは、この世界の人は弱いんですよ。数はいますが、蟻ほど強くありません。蟻って昆虫の中ではかなり強い部類らしいですから。この世界の人は『虫』が来たら喰われないように逃げ惑うだけです。ピクミンじゃないのです。スターシップにトゥルーパーでもないのです。どんなに抗おうとしても、無理じゃねーってなります。あ、でも数に物を言わせて狩りをするとかさせても面白いかもですね、バッタとか。被害甚大になりますけど。
そうそう、この惑星の『人』は、この地球の人間ではありませんよ?同じ尺度で考えないでください。大変な事になっちゃいます。容姿が似ている程度にしてください。自分でも何を言ってるのかわからねーってなってきましたが、これは『夢』ですから。そういうモノなのです。深く考えると頭が変になってきます。今の作者の状態です。
これ一発もので続きはないんで、折角だから他に見た面白いシーンを書いておきましょう。
この惑星の人がですね、木を登ってたんですよ。登ってたと言っても両手両足を使ってではなくて、両足だけで登ってました。つうか歩いてました。普通に二足歩行でしたね。スパイダーマンもびっくりでしょうね。まあ夢ですから。常識じゃ計れませんですわ。
それで列を作って登っている最中に、頭の上をでかい虫が通りましてね。カメムシでした。「カメムシだー」って子供の誰かが言ってましたよ。自分は、でけー、って思ってました。足の付け根とかくっきりでしたもん。でも夢ですから、おぼろげにくっきりだったことは覚えてるって感じです。なので気持ち悪いとかは思いませんでしたね。
どうやらカメムシさんは襲ってこない虫でした。カメムシさんマジいい人って思いましたよ。虫ですけど。
その後場面変わって、木の中に作られた部屋で、誰か司令官みたいなお偉いさんっぽい人に、秘書っぽい女の人がなんか話してましたけど、その内容は覚えてないです。何の話だったんでしょうか?真面目な表情だったんで、そんなに面白そうな話ではないんでしょうけど。
こんな感じが、自分が今日見た夢の内容です。夢って続きが見れないのが難儀ですよね・・・
さてさて、こんなお話はどうでしたでしょうか?少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。
説明 | ||
今日夢ですげー面白い夢を見ましてね、映画風に。ダイジェストってことですね。それを書いてみました。 この惑星は地球ではなく……そうですね、映画『アバター』みたいな惑星をイメージしてください。あ、GCのゲーム『メトロイドプライム』でもいいかもです。 最初の語りは自己満足です。なんかちょっと知的に見えるでしょ?でもこういうのって後から矛盾の穴になるんでしょうね。まあ一発ものなんでいいですか。 |
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