大切な人 |
……どうしたものか。
今日はクリパ2日目、クラスの出し物のシフトが休憩になったので校内を見てみようとおもったのだが。
「渉たちとはシフトが合わなかったし、音姉は生徒会で忙しいだろうしなぁ……」
他の奴とも約束してないしなぁ。
まぁ、ちゃんと約束しておかなかったのが悪かったわけだし、仕方ないからひとりでぶらぶらしてみるしかないか。
そう思っていると、
「あっ、義之くんだ。こんなとこでひとりでどうしたの?」
さくらさんがやって来た。
「さくらさん、いや、これからクリパを見て回ろうかと思いまして。さくらさんはどうしたんですか?」
「にゃはは、ボクはお仕事かな。校内の見回り。……それよりも義之くんはこれから誰と回る予定なのかなぁ?」
「いや、ひとりで見て回ろうかと思っていた所ですけど」
さくらさんが少しビックリしたような顔をしていた。
「えぇっ、そうなの? 折角のクリパなのにさみしいねぇ。彼女とか一緒に回ってくれる子いないの?」
「……彼女なんていませんよ、残念ですけどね。もう午後ですから他の連中も捕まるかどうか」
さくらさんは少し考えた顔をしていたが、すぐ何かを思い付いた顔をして……
「ほら、義之くん、チョコバナナ。一緒に食べようよ」
あの後、俺は何故かさくらさんとクリパをまわっていた。
「さくらさん、仕事の方はいいんですか?」
「えっ? だから今は校内を見て回ってるんだよ。何か問題が起こってないかとか色々ね」
さくらさんはそういうとまた俺の手を握ってきた。
俺はずっとさくらさんと手を繋いで見て回っていた。
さくらさんは校内の見回りと言っているがこうしているとそんなこと関係なくクリパを楽しんでいるように見えた。
各クラスの催し物をみて笑ったり、あまり家に帰ってこれないさくらさんとたわいもない話をしていると、普段は見れない彼女の姿が見えてくるような気がした。
でもそんな中でたまに見せる何処か辛そうだったり悲しそうな顔が印象的だった。
「色々な可愛いアクセサリーが売ってるね」
俺とさくらさんはさくらさんの提案でビーズなどで作ったアクセサリーを売っているクラスに入った。
売っているものはまぁ、学生が作ったものなのでそれなりだが色々種類もあり好評のようだった。
さくらさんを見てみると、あるひとつのアクセサリーをじっと見ていた。
「すみません、これください」
「えっ、義之くん?」
「さくらさん、ずっとこれ見てましたよね? どうぞ」
さくらさんはすぐに笑って
「……ありがとう、大切にする。……あっ、そうだ。これください」
そういって俺がさっき買ったものとお揃いのものを買い俺に渡してきた。
「ほら、ボクからもプレゼントだよ。 つけてあげるね」
「はぁ、ありがとうございます。でもお揃いなんてちょっと恥ずかしいですね……」
「えっ? ボクは恥ずかしくないけど? あっ、もう次の仕事しなきゃいけないからもう行くね」
そういってさくらさんは行ってしまった。
そのときのさくらさんは何かを決めたような真剣な顔をしていた。
end
お読みいただきありがとうございました。
今日は今までのD.C.Uのssと違ってアイシアさんは未登場です。
たまにはこんな話も良いんじゃないかと思いました。
他にはタイトルからD.C.Ussも外しました。
あった方がいいですかね?
説明 | ||
何か思いっきり時期外してますし、題名も適当です。 ……内容? あるわけないじゃないですかorz |
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タグ | ||
D.C.U 桜内義之 芳乃さくら | ||
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