魔法少女リリカルなのはStrikerS〜二次創作〜 第30話 「偽り、ミッドチルダより」
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〜ミッドチルダ、地下〜

 

「・・・ネロ」

 

「ルーちゃん?」

 

薄暗い中、顔を上げて最初に見えたのは前に一度会ったこ とのある、紫色の長髪が特徴な可愛らしい少女だった

 

「なんで・・・こんなところに」

 

「・・・こっちのセリフ」

 

「こいつが・・・ルールーの言ってたネロってやつか」

 

ルーちゃんの後ろから、リィンさんほどの大きさの小さな 女の子が出てきた

 

でも、容姿はまったく違う

 

燃えるような赤い髪に、鋭い眼光

 

リィンさんとはまったく逆だ

 

「ルールーたちを助けてくれたことには感謝してる。けど ・・・」

 

その小さな女の子は、俺の背後を睨みつけた

 

背後の・・・フォワードたちを

 

「ダン兄!」

 

「ダンテさん!」

 

「なんであいつらは・・・あんたのことを『ダンテ』って 呼ぶんだ?」

 

「それは・・・えっと・・・」

 

どうしよう、弁解のしようがない

 

本当のことを言ったところで、俺は・・・こんな言い回し はしたくないけど『敵』の目の前、本調子でもなくボコボ コにされるのがオチだ

 

それに、相棒も置いてきた

 

腰にいつもの感触がない

 

「なぁ、どうなんだよ。お前もしかして管理局員なんじゃ ないのか?」

 

「アギト」

 

その鋭い視線は、今度は俺に向けられる

 

ルーちゃんがそれを抑えている

 

「・・・俺は」

 

「その人は違うわ!」

 

「ギン姉?」

 

本当のことを言おうと口を開いた直後、後ろからさっきの 女の人の声が聞こえた

 

「その人はここの整備士、一般人よ。管理局員ではないわ 。検索しても該当データなし。何なら見せてあげてもいい わよ」

 

空中に浮かぶスクリーンを操作しながらそうルーちゃんた ちに叫ぶ

 

「・・・本当か?」

 

「う、うん。あの人たちは俺のバイト先の食堂の常連なん だ」

 

嘘は言ってないはずだ

 

うん、嘘は言ってない

 

「そっか、見た感じ・・・嘘は言ってないな」

 

「うん、じゃあそろそ」

 

「だったら・・・ルールー。いいよな?」

 

「・・・(コク)」

 

アギトさんがルーちゃんに目配せしたのを合図に、ルーち ゃんが俺の手を握ってきた

 

これにはフォワードメンバーもたじろぐ

 

「ル、ルーちゃん?」

 

「ネロ、一緒にいこ?ドクターも会いたがってる」

 

「それだけじゃねぇ、『みんな』が会いたがってる。あた し自身も、あんたには興味があった」

 

「え・・・え?」

 

「ダン兄!」

 

後ろでスバルさんの声が聞こえる

 

ちょっと待ってよ俺も混乱してるんだから

 

「お前らには関係ないだろ!こいつは一般人で局員じゃな い!どうするかはこいつの自由だ!」

 

「くっ・・・!」

 

それはそうだけど・・でも

 

「それにレリックも確保できた!ここにはもう用はない! 」

 

でもレリックは・・・ん?

 

レリック?

 

『今回の任務はレリックの確保!それから・・・』

 

なんだかどこかで聞いたことがある響き・・・

 

『私もサポートします!だからダンテさんは・・・』

 

・・・そうだ!

 

リィンさんが言ってた、危ないものだって

 

見た感じ、ルーちゃんが持ってるそのゴツい銀色のケース

 

女の子がいつもそんなもの持ち歩いてるとはどうも考えに くい

 

「いこ・・・ネロ?」

 

ルーちゃんが俺の手を引いてどこかに行こうとする

 

だけど俺は・・・そこから一歩も動かなかった

 

「・・・ネロ?」

 

「・・・ルーちゃん」

 

その様子に何かを察したのか、アギトさんが俺を少し睨み つけ身構えた

 

「それ・・・危ないものなんだって。あの人たちに渡そう ?」

 

「何・・・言ってるの?ネロ」

 

「ルールーから離れろ!」

 

アギトさんが、右拳に炎をまとわせ俺に殴りかかってきた

 

とっさのことだったので、俺は尻餅をついてしまう

 

「やっぱり・・・そういう奴だったんだ!ルールーにいい 顔して近づいて・・・油断してる隙にこいつを奪うつもり だったんだろ!あいつらとなにも変わらないじゃないか! 」

 

「ち、違うよ!俺は」

 

「黙れぇぇぇ!」

 

アギトさんの手の上に巨大な火の玉が浮かぶ

 

「もう・・・ルールーに近づくなぁぁぁ!」

 

「アギトさ、ぐがぁ!」

 

手が振り下ろされたと思うと、その巨大な火の玉が俺に向 かって飛んできる

 

直撃して吹き飛ばされた俺は、スバルさんたちがいる方向 へ一直線に飛んでいった

 

ーーーーーーーーーー

 

「ぐはぁ!」

 

「ダン兄!くっ・・・!」

 

飛んできたダンテを追尾攻撃から守るため、腕を掴んで遮 蔽物の影に引っ張り込む

 

「あー・・・」

 

「だ、大丈夫!?」

 

「大丈夫大丈夫、だけど・・・ちょっと休ませてもらえる かな?体の調子が・・・」

 

ダンテの顔はうっすら赤く、熱が出ているのがよくわかる

 

目が半開きで見るからにつらそうだ

 

「それと・・・奪った」

 

ダンテの右手には、さっきまでルーテシアたちが持ってい た銀色のケースが握られていた

 

「さすがダン兄!」

 

「って・・・、安静にしてなくちゃダメじゃないですか! キャロ、お願いできる?」

 

「はい!」

 

キャロの下に魔法陣が浮かび、ダンテにヒーリングの魔法 をかける

 

ダンテの顔にも少し生気が戻ってきた

 

「ありがと・・・キャロちゃん。はぁ・・・」

 

「いえいえ!」

 

「やっぱり、私たちが出るしか・・・」

 

「待って!もうすぐでヴィータ副隊長たちと合流できる! それからのほうが勝算はあるわ!」

 

『いい判断だお前ら』

 

ティアナの言葉の後に、ヴィータの念話が飛んでくる

 

結構近くまで来ているようだ

 

『リィンもいるですよ!』

 

『もう少しで合流できる。お前ら、それまで持ちこたえろ 』

 

『『『『はい!』』』』

 

ーーーーーーーーーー

 

「アギト・・・行こう」

 

「でも・・・ルールー!」

 

「今は、一旦引く。体制を立て直してからじゃないと、こ の場は厳しい」

 

ルールーは悲しそうな表情を浮かべていた

 

悔しさが滲み出ているのがわかる

 

「・・・!何かくる!」

 

自分の真上、コンクリートを隔てた奥に何かが迫っている のを感じた

 

大きい魔力反応、これはあいつらの隊長クラスのものだろ う

 

「ルールー!マズい!」

 

「・・・!」

 

次の瞬間コンクリートが崩れ、辺りを切り裂くように氷の 世界が広がった

 

ーーーーーーーー

 

「うわぁ・・・」

 

「さすがヴィータ副隊長!」

 

「おっきい音出さないでー、頭に響くからぁー・・・」

 

うっすらと目を開け、音のしたほうを見てみる 、そこには赤いバリアジャケットを纏い、ドデカいハンマ ーを持ったヴィータさんと、白を基調としたバリアジャケ ットを纏っているリィンさんがいた

 

それと何だかわからない氷が一つ

 

「やりましたね!副隊長!」

 

フォワード陣と青髪のお姉さんがヴィータ副隊長たちの元 へと駆け寄る

 

だけど、何故かヴィータさんの表情が浮かない

 

リィンさんも同じく

 

「・・・逃がしたか」

 

「はいです・・・」

 

氷が崩れ、中が見えるようになったがそこには彼女たちの 姿はなかった

 

「そう遠くへは行ってねーはずだ。となると・・・上か」

 

ヴィータさんが上を見上げる、おそらく地上のことを意味 しているのだろう

 

このまま放っておいたら大変なことになる

 

「よしお前ら、行くぞ。日頃の訓練の成果、見せてもらう 」

 

『はい!』

 

ヴィータさんの号令にフォワード陣が元気よく返事を返し た

 

「よし、行く・・・って、なんでお前が居んだ!?」

 

「へ?」

 

ヴィータさんが俺を見てそう言った

 

そりゃそうか、風邪で休んでいるはずの奴がこんなところ にいたら驚くよなぁ

 

「違います、この方は整備士で・・・」

 

「整備士ぃ?」

 

「あー、ギン姉。ちょっとこっち」

 

首を傾げているヴィータさんを見たスバルさんは、ギン姉 と呼ばれた青い長髪のお姉さんを連れて隅っこに行くとひ そひそと何かを話して戻ってきた

 

「あなたがいつもスバルが言ってた・・・」

 

「え?」

 

「ってお前ら!こんなことしてる場合じゃねぇ!さっさと 行くぞ!」

 

ヴィータさんの号令にみんなが慌てた様子で準備する

 

「あ、ちょっと待ってキャロ」

 

「はい?」

 

ティアナさんがキャロちゃんを呼び止めてケースについて 何かを相談している

 

一体何をするつもりなんだろう?

 

ーーーーーーーーー

 

〜ミッドチルダ、地上〜

 

「はっ!」

 

拳から放たれた炎は確かにティアナを捉えた

 

だが、炎が消え去るとそこには何も残っていなかった

 

まるで最初からそこに何もなかったかのように

 

「ったく!うざったい幻影だ!くそっ!」

 

悪態をつくのもつかの間、魔力弾があちこちから飛んでく る

 

「・・・!」

 

ルーテシアも空中で魔力弾を迎撃、繰り返しだった

 

地上には召喚獣であるジライオウ

 

少しは安心できるが、それでも裁き切れはしない

 

「・・・ネロ」

 

彼の姿が頭に少しよぎった

 

『彼』はいったい何者なのだろうか?

 

奴らの仲間・・・だが戦闘慣れしている様子はない

 

不思議だ・・・そもそもさっきもそうだ

 

突然目の前に現れた

 

召喚ならまだしも、魔力反応がまったく感じられなかった

 

情報が少なすぎる

 

「・・・!」

 

ルーテシアがそんなことを考えていたときだった

 

ジライオウが突如鎖に縛られる

 

キャロの魔法が発動したのだ

 

「はぁ!」

 

それと同時に二つの拳が、ルーテシアたちに向かって迫っ てきていた

 

ーーーーーーーーーー

 

〜ミッドチルダ、高速道路のようなところ〜

 

激しい戦闘の末、ようやくルーちゃんたちを抑えることに 成功した

 

ルーちゃんとアギトさんはバインドで拘束され、質問にも 答えず立ちすくんでいる

 

一方俺はというと、高速道路の壁際に座り込みルーちゃん たちを見上げて座っていた

 

「だんまり決め込んだままか・・・まったく」

 

「まぁまぁヴィータさん、落ち着いて」

 

「お前は落ち着きすぎ・・・風邪だからしかたねぇか」

 

ヴィータさんがそわそわしている中、ルーちゃんがこっち を見ていることに気がついた

 

「・・・何かな?」

 

「風邪・・・?」

 

「まぁ・・・ね」

 

「・・・お大事に」

 

「あ、どうも・・・ご丁寧に」

 

黙ったままだったルーちゃんがやっと口を開いた

 

犯罪者みたいなことをルーちゃんたちはしてるけど本当は 、根っからの悪人じゃないのかもしれない

 

じゃないと、こんな言葉をかけてくれるはずがないんじゃ ないか・・・そう思った

 

「・・・私たちのことはいいけど」

 

ルーちゃんはいきなり、今度はみんなにハッキリと聞こえ る声で話し始めた

 

「大事なヘリは放っておいていいの?」

 

「!」

 

ヴィータさんがルーちゃんに詰め寄る

 

「お前・・・どういう意味だ!まさか・・・!」

 

「あなたはまた」

 

ルーちゃんが顔を上げてヴィータさんの目を見た

 

「守れないかもね」

 

ヴィータさんの目が大きく見開き、何かを悟っていた

 

「あの・・・いったいなにが」

 

俺がヴィータさんに尋ねようとしたその時、周りの空間が 歪んだ気がした

 

「くそっ!本日二度目っ!」

 

『ダンテさん!』

 

周りの建物は所々赤く染まり、黒いドロドロとした液体が 滴っていた

 

高速道路は先が崩れてなくなり、空は普段の何倍もの速さ で雲が流れていた

 

みんなの様子を見ると、フォワード陣は慌てふためき、ヴ ィータさんはどこかに一生懸命通信をとっていた

 

「なんとかしなきゃ」

 

俺は何か変わったものがないか周りを見渡した

 

体調的な意味で早く抜け出さないとマズい

 

「・・・なんだありゃ?」

 

あるビルの真上あたりに、絵が浮かんでいるのだ

 

よくよく見てみると、ヘリコプターの絵が描かれている

 

「意味わからな」

 

ベキベキベキ

 

そんな音が後ろから聞こえてきたので恐る恐る振り向いて みると、そこにはいつの間にかコンクリートの壁ができて おり

 

『No help』

 

と書かれていた

 

「・・・なんだそりゃ」

 

そして絵に目線を戻すと、遥か向こうから何かが絵に向か って迫ってきていた

 

「・・・電車?」

 

そう、上下逆さまになった赤い電車が絵に向かって猛スピ ードで迫ってきていたのだ

 

「っていうかこのままじゃ・・・」

 

このままの状態じゃ電車は絵に突っ込んでしまう

 

『ふざけるなぁ!』

 

後ろからヴィータさんの怒鳴り声が上がった

 

何かがおかしい

 

あの電車をそのままにしておいたらみんなが悲しむ気がす る

 

そう思った俺は、体を無理やり動かし鎌を使ってビルから ビルへと飛び移り、絵の近くまで来た

 

「うぉりゃぁぁ!」

 

そして絵のところまで飛び上がり、絵を踏みだいにして電 車が向かってくる方向へ飛んだ

 

次は・・・どうする?

 

どうすれば電車を止められる!?

 

そう思ってると、両腕がまるで岩石のように硬く変化した

 

斧のような禍々しさを感じる

 

「とりあえずこれで!」

 

俺は右腕に力を込めた

 

すると右腕に炎の渦のようなものが纏いだし力が湧いてく るのがわかるではないか

 

俺はその右腕を電車のヘッド目掛けて勢いよく突き出した

 

「せぇぇぇぃ!どうだ!」

 

物凄い音がしたと思うと、目の前で電車が止まっていた

 

後ろの貨車は慣性に耐えきれずグネグネと曲がり、連結部 分からバラバラになる

 

「よし、これでなんとか」

 

『ダンテくん!?』

 

声がしたほうを見てみると、そこにはバリアジャケットを 展開しているなのはさんの姿があった

 

・・・半透明だけど

 

「はい?」

 

『またそっちに・・・ってこれダンテくんがやったの!? 』

 

「え?はい!」

 

なのはさんは電車のほうを見ながらそう言ったので、たぶ ん現実の世界でも何かがあったのだろう

 

「とりあえずそのままねダンテくん!」

 

「は、はい!まかせてくだ」

 

ギロッ

 

・・・電車が俺を見ている

 

言葉通りの意味です

 

電車が俺を見ているんです

 

ヘッドライトの部分に目みたいなのがあって俺を見てるん です

 

まるで殺してやると言わんばかりに

 

「んぐっ!くくく・・・!」

 

それと同時に、電車はさっきよりも強い力で走りだそうと していた

 

今度は押さえ切れそうになかった

 

「くっ!」

 

『ダンテくん!離れて!』

 

「しかし!」

 

『早く!』

 

なのはさんに考えがあるのだろう、俺はその場離れた

 

というより、弾き飛ばされたのほうが正しいか

 

ヴィータさんたちがいる高速道路まで吹き飛ばされた

 

「うぉー!」

 

吹き飛ばされている最中電車がなのはさんの方へ向かって いるのが見えた

 

止まりそうな様子はない

 

「なのはさん!」

 

次の瞬間、電車がバラバラに砕け散った

 

まるで何かに撃ち抜かれたかのように

 

その後に残ったのは、デバイスを構えていたなのはさんの 姿と、ヘリコプターの絵だけだった

 

「な、何がどうなって・・・ぶへ!」

 

気を取られている隙に俺は地面へと叩きつけられた

 

幸いにも痛いだけで、どこかおかしくした様子はない

 

ほんとにどうなってんだろこの体

 

「ダンテさん!大丈夫ですか!?」

 

「うん・・・大丈夫、あれ?」

 

いつの間にか、周りの景色が元に戻っていた

 

俺は剣を支えにヨロヨロと起き上がった

 

「ダン兄!大丈夫!?」

 

「だ、大丈夫・・・だと思う。いつつ・・・あれ?ルーち ゃんとアギトさんは?」

 

「・・・逃げられた。仲間が来てそれで・・・」

 

「仕方ないわよ。あんな能力誰も予想できないもの」

 

「そっか・・・」

 

落ち込むメンバーをティアナさんが励ましていた

 

「そういえばヴィータさんは?」

 

「ヴィータ副隊長なら、あそこで報告してます。・・・そ ろそろ行ったほうがいいですね」

 

ティアナさんがキャロちゃんとアイコンタクトしていた

 

何かあるのだろうか?

 

「・・・ああ、今回はアタシの失態だ。レリックも・・・ 持ってかれちまった」

 

「あの〜、ヴィータ副隊長?」

 

「なんだ!報告中だぞ!」

 

「実はその・・・レリックの事なんですが・・・」

 

「・・・?」

 

ーーーーーーーーーー

 

「な、な、な・・・」

 

「・・・ということでありまして。ケースは奪われたんで すが・・・」

 

キャロが帽子をとると、頭の上に小さな花が咲いていた

 

「中身自体はその・・・こういう感じで・・・」

 

ティアナがその花に手をかざすと、クリスタルのような形 をしたレリックが現れた

 

ヴィータは目の前の出来事に苦笑いを浮かべていた

 

「キャロなら後衛ですし、敵との接触も少ないので、いざ というときのためにここに隠しておいたんです。だから奪 われたのはケースだけということなんですが・・・」

 

「は、ははは・・・」

 

「うわ〜・・・」

 

「あはは・・・」

 

ヴィータもリィンもフォワード陣もみんな苦笑いを浮かべ ていた

 

「ま、まぁこれに関しては結果オーライ・・・でいいのか ?」

 

「いいん・・・ですかね?」

 

ヴィータとリィンが顔を見合わせ、やはりお互いに苦笑い を浮かべていた

 

カラン!

 

とその時、何か鉄の塊のようなものが落ちる音がした

 

みんながその音がした方向を見ると、ダンテが手に持って いた剣を落とし、地面に膝をついているではないか

 

「ダン・・・兄?」

 

するとダンテは、そのまま前のめりに地面に倒れこんだ

 

「ダ、ダン兄!」

 

「お、おい!まったく無茶するから・・・!」

 

ダンテの意識は、そのまま途切れていった

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