ALO〜閃光の妖精姫〜 第6魔 妖精の国
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第6魔 妖精の国

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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アスナSide

 

眼を開くと森の中でした。

先程までの茅場との会話を思い出し、ここがALOの中であることに思い至った。

 

「ここが…、この世界に…キリトくんが…」

 

そういえば、容姿のプレゼントとアイテムの確認をと言われていたっけ?

わたしは近くを流れる小川を見つけ、そこで姿を確認してみた。

そこにはなんと!?

 

「わ、((わたし|・・・))!?」

 

髪の色は水色で耳は妖精らしく尖っているものの、紛れもなく現実世界のわたしの姿である。

腰には細めの直剣が掛けられている。

何故この姿である必要があるのか分からないけれど、茅場はキリトくんとわたしの為にこうさせたのかもしれない。

そしてアイテムの確認を行う為に左手でメニューを開き、操作する。

アイテムストレージを開くと文字化けしたアイテムがあったけれど、

それらを探っていく中で幾つかのアイテムを見つけた。

 

「『クロッシングライト』……」

 

SAOにおいて『ランベントライト』から引き継がれた愛剣がいまここにある。

そしてそれ以外にも大事な物があった。

 

「『セイクリッドゲイン』と『ダークネスペイン』、『アシュラ』に『ハテン』まで…」

 

あの世界でキリトくんと結婚していたから、彼の武器もわたしと同じストレージに入っていたのだと思う。

最後にそのアイテムにも気が付いた…それの名前は『MHCP001』、あの娘の心だ…。

わたしはすぐさまストレージを操作して雫形のアイテムを出現させた。

 

「お願い…!」

 

祈る想いでそれに触れると、突如として光が暴発した。

すると光の中に人の子供の姿が現れ始めた。

少しずつ光が納まっていくと、その娘は眼を開いた。

 

「……ぁ…」

 

「ユイ、ちゃん…っ!」

 

「っ……ママ!」

 

わたしに飛び付く愛娘のユイちゃんを抱きとめる。

 

「ママ、ママッ!」

 

「よかった、よかったよ…ユイちゃん…!」

 

涙を流しながら再会を喜ぶわたしとユイちゃん。また、この娘と一緒に居ることができる。

 

 

 

2人して泣いたものだから少し落ち着くのに時間が掛かったけれど、

わたしは小川に掛かる樹木に腰かけ、ユイちゃんはわたしの膝の上に座っている。

 

「でも、どうしてわたしやキリトくんの武器があるんだろう…?」

 

「? どういうことなんですか?」

 

「うん、実はね……」

 

わたしはここがSAOではないこと、まだ目覚めていないキリトくんのこと、ここにキリトくんが囚われていること、

茅場が協力してくれたことなどの要点を纏めてユイちゃんに話した。

すると彼女は何かを聞き取るかのように耳を澄ませる体勢を取った……少しして、

わたしに手に入れることの出来た情報を説明してくれた。

このALOはSAOのサーバーをコピーしたもので、その為にユイちゃんは姿を再現できるとのことらしい。

またカーディナル・システムが少し古いとのこと。

他にも色々あるらしいけれど、

わたしはキリトくんのようにゲームやそういったシステムには詳しくないので理解が追いつかなかった。

また、わたしとキリトくんの武器についてはユイちゃんが調べてみたところ、

何者かがデータを弄っているということで、おそらくは茅場の手助けだと思われる。

そしてもう1つ分かったことがある、それはある一定のスキルがSAOから引き継がれているということ。

《細剣》や《片手直剣》、《料理》に《裁縫》、他にも幾つかはマスター表示までされている。

HPやMPが低いのは別形式のものだからそうだ。

文字化けしているアイテムについては破損しているようなので、

エラー検出プログラムに引っ掛かるかもしれないからすぐに破棄した方が良いらしい。

わたしは文字化けしたアイテムを全て選択し、捨て………、

 

「う、うぅ〜……」

 

「ママ?」

 

られない…。これらは思い出のアイテムばかりだ、そんなにあっさりと捨てられるわけがないのだ。

だけど、そうしないと須郷に見つかってしまうかもしれない……苦悶した末に、アイテムを破棄した。

 

「はぁ〜…それで、スキルのことなんだけど…このままで大丈夫かなぁ?」

 

「はい、こちらは大丈夫だと思いますよ。GMが直接確認しなければ問題無しです」

 

「そっか…ふふ、これじゃあわたしもキリトくんと同じで『ビーター』だね」

 

「『βテスト』は受けていませんから『チーター』ですね」

 

「そうだね」

 

そんな会話をしていくわたしとユイちゃん。

そこでふと、ユイちゃんの在り様をどうしたらいいのか分からず、どういうものか彼女に聞いてみた。

 

「わたしはこの世界でプレイヤーをサポートする『ナビゲーション・ピクシー』というものに分類されるみたいです」

 

するとユイちゃんの体は先程と同じ光に包まれ、

気付けば身長10cm程の小さなユイちゃんが背中に2枚の翅を生やして立っていた。

 

「これがピクシーとしての姿みたいです」

 

「か……可愛い///♪」

 

「きゃ、ママ、くすぐったいです」

 

愛娘のあまりの可愛らしさに、わたしはそのまま抱き上げて頬擦りをする。

皆さん、どうです? この娘、わたしとキリトくんの娘なんですよ!

 

「そ、それよりもですよ、ママ。パパの居る場所というのは…」

 

「あ、うん…世界樹って呼ばれる場所みたいなんだけど…」

 

「ちょっと待ってくださいね………分かりました。ここから大体北東の方向で、リアル距離置換で50km程になります」

 

「そ、そんなに遠いんだ……でも、よくそんなことが分かったね」

 

「リファレンスと広域マップデータへのアクセスくらいならなんとか…」

 

「GM権限は使えませんが…」と自嘲気味に呟いたユイちゃん、

わたしは気にしたらダメと言って、彼女を人差し指で優しく撫でてあげた。

 

「ママ、茅場さんは何故ママをここに転送させたのですか?」

 

「それなんだけどね、あるプレイヤーの近くにって言ったの。

 もしかしたら、わたしの知り合いかもしれないんだけど…」

 

「そうですか……それでしたら、西の方にスイルベーンという街がありますから、そこに行ってみませんか?

 一番近い街みたいですし」

 

「賛成、行ってみよう」

 

ユイちゃんの提案を受けてわたしは立ち上がると、背中に水色の翅が出現した。

 

「これが翅なんだね……えっと、確か左手を立てて握るような形を作ればいいんだよね…」

 

チュートリアルを聞いていたお陰で初心者や慣れない人の為の補助コントローラがあることを思い出し、出現させた。

 

「ママ。手前に引くと上昇、押し倒すと下降、左右で旋回、ボタン押し込みで加速、離すと減速となっていますよ」

 

ユイちゃんのサポートを得て、わたしは少しずつ飛行を試して慣らしていく。

最初は手間取ったけれど、なんとか慣れていくことができた。

ただ、滞空制限があるので注意しないといけないらしいけど。

 

「それじゃあ行ってみよう〜」

 

「お〜です〜…っ、ママ、近くにプレイヤーがいます! 2人が10人に追われているみたいです!」

 

「っ、そういえばこのゲームはPK推奨だったわね…」

 

ユイちゃんからの報告を受けて、わたしはすぐさまメニューを操作し、クロッシングライトを腰に添えた。

 

「助けに行こう! ユイちゃん、先導お願い!」

 

「はいです!」

 

わたしとユイちゃんは追われているプレイヤーを助ける為に、飛行を開始した。

 

アスナSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

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後書きです。

 

ユイちゃん登場!

 

そして『クロッシングライト』に加えて、キリトの聖剣魔剣2振りの刀のオンパレードw

 

次回はアスナがALOでの初戦闘になります。

 

追われている2人のプレイヤーは・・・分かりますよねw

 

それでは次回で・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
第6魔です。
妖精の国にやってきたアスナ、この世界でどんな出会いがあるのか・・・。

どうぞ・・・。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
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コメント
hikozaru様へ 多分考えている通りだと思いますよ♪(本郷 刃)
2人ってもしかしてあの2人?(hikozaru)
みっきー様へ 実は現在ほのぼのを考えているところなのですよ!(本郷 刃)
神よ、お願いします神よ!番外編で是非ともユイちゃんも含めた一族(アスナ両親と和人両親の)ほのぼのを・・・ほのぼのを・・・!(みっきー24)
アサシン様へ そうですともwwwww(本郷 刃)
確かに♪wwwwwww(アサシン)
アサシン様へ 夫婦揃ってですけどねw(本郷 刃)
アスナさんの親バカ来たー♪(アサシン)
神薙様へ ある意味宿命なんですよ・・・。(本郷 刃)
クロス様へ 無茶しすぎです・・・(敬礼)(本郷 刃)
↓ムチャシヤガッテ…(神薙)
ユイちゃんキタ━(゚∀゚)━! さぁ、勇者(アスナ)よ!お姫様(キリト)を助けに行こう!! あ、ユイちゃんはこっちでお兄さんとあそ―――(アスナに切り裂かれキリトに肉塊にされました)クロス、ログアウト(死)(クロス)
仁吉様へ キリト、嫁が魔人と言われたくらいで剣を持つな!? ちょ、暴れるな!? はぁ、本当にユイちゃんが心の癒しですよ〜・・・。(本郷 刃)
バーサークヒーラーは三面六臂?キリトの魔剣五本(?)とアスナの一本で魔人化しそう。汚ベイロンが一瞬にしてサイコロ状に!!生ゴミをゴミ箱にシューートッ!!超エキサイティング!!毎度見てもユイちゃんが可愛い。汚物(みなまで言うな)で染まった心が癒される。(仁吉)
サイト様へ 現在隣でキリトさんが録画していただいた映像を鑑賞しています・・・あ〜あ〜、顔がニヤけちゃってw(本郷 刃)
<◎><◎>カッ ●Rec・・・ちょっとキリトさんにこれ届けてくる!高度制限があるが、ふっ気にすることは無いキリアスの為ならシステムを超えるくらいやってみせるさw(サイト)
不知火 観珪様へ まぁまぁ、本作のアスナは目の前で夫がやられるというショッキングなものを見せられましたから。ユイちゃん、かわいいですからね(ほんわか)(本郷 刃)
どうでもいいことだけどさ、アスナ……茅場さんには「さん」をつけろやーっ!← っふ、無我の境地に到達したボクはユイちゃんを見ても、prpr衝動はおきな……おき……おきるよー! かわいいんだもん!(神余 雛)
神薙様へ 本作でレコンがロリコンに成るか否かは自分次第・・・(ニヤリ) 切り分けられたパーツでしたら、さっきキリトがここに持ってきたんで送りますね。(本郷 刃)
Kyogo2012様へ ホント鬼ですねw 追われている2人がどういう状況かは次回で。(本郷 刃)
原作しか見れて無かったんですが、レコン君はロリコンというよりもただ単純にナビピクシーを珍しがっていただけって感じがしましたね…あ、生首だけっていう姿ですいませんが、誰かキリトさんに切り分けられちゃった俺の胴体と四肢知りませんか?(神薙)
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。鬼だな。茅場も・・・。まぁ、レコンのロリコン疑惑はそのままだと思うけど・・・・。それはともかくとして、これから出会う二人は、リーファとルナリオっぽい気がするけど、ルナリオなら逃げずに闘って勝ちそうな気がするけど・・・・。かげむねさんはポクポクチン。ナムー(Kyogo2012)
kaito様へ はいはい、キリトさん止めてあげてください。ロリコン疑惑が掛かっているのはレコンの方なんですから・・・って、レコンを探しにいくんじゃありません!(本郷 刃)
魅沙祈様へ 可愛いですよね〜♪ 下種郷終わりますねwww kaito様の言う通り、カゲムネさんですね。(本郷 刃)
セルア様へ かわいいですね、ほのぼのしますw(本郷 刃)
↓カゲムネさんであってます、あっ待ってキリトさん!俺は別にロリコンではないよ!?逆にロリコンだと思うのはレコンだと思うよ!?だって原作でもあんな反応してたからさだから俺はロリコンじゃないよ!?ちょっ・・・・まっ・・・(kaito)
ユイちゃん可愛い〜〜〜♪さらに、クロッシングライトとキリトの聖剣魔剣&刀…下種郷終わったなwwwさて、あの二人を追ってるのってカゲムネさんでしたっけ?(魅沙祈)
ユイちゃ〜ん!かわいいっ!(セルア)
神薙様へ 一応ALOになってからは感情の測定が出来なくなったユイちゃんですが・・・負の感情には相も変わらず敏感だそうですよ。キリトさんの研ぎ作業が終わったようですね・・・。(本郷 刃)
kaito様へ 可愛いは正義、その通りですね!(本郷 刃)
↓オイバカやめろ!ユイちゃんは元から感情を測定する事が可能なんだぞ!?そんな邪な事を考えていたらキリトさんによって四肢と頭が胴体からおさらばする事になっちまうぞ!(神薙)
YESロリータ!!NOタッチ!!だ!別に俺はロリコンではないがあえて言おう、可愛いは正義だ!!(kaito)
遼東半島様へ 勇者ですね、ユイちゃんにそんな感想を抱けるなんてw あの・・・キリトさん、何故に後ろで剣を研いでいるのですか?(本郷 刃)
ユッ!ユイちゃんキャワイーーーーーー!ペロペロペロペロ、おや、誰か来たようだ・・・あ!キr(遼東半島)
神薙様へ 2人からすれば移動中に鉢合わせたのですが、追っている連中は狙っていたのです。(本郷 刃)
追われているっていうよりも移動中に鉢合わせたっていうイメージが湧いたのはどうしてでしょうね?(笑)(神薙)
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