魔法少女リリカルなのは 退屈嫌いの転生者の介入録
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「…」

 

フェイトとシグナムとの模擬戦があった翌日の学校

 

朝のHRも始まる前の学校のとある教室にて一人の少年が机に突っ伏していた

 

「く、クロ?大丈夫?」

 

心配そうに話しかけて来たのはフェイト

 

何があったか知る一人である

 

「放って置きなさい、そいつの自業自得なんだから」

 

と呆れたような声でアリサ

 

自業自得?あれが?

 

確かにアースラの訓練室壊すし隔壁ぶち破ったのも俺だ。能力を全部話さなかったのだって俺だ

 

…………だからってあれは無いと思う

 

シグナムとの模擬戦の後にリンディさんに悪鬼羅刹ですら怯える笑顔で朝の6時まで説教をくらった

 

おかげで寝不足だ

 

今にも眠れる自信がある

 

そんなフラフラな状態なのだが寝るわけにもいかないので何となくで聞こえてきた話に耳を傾けてみた

 

「今日転校生が来たらしいよ?」

 

「アクセルロッド君がついこの前来たのにまた?」

 

「今度は男女二人だって」

 

「仲良くなれるかな?」

 

などなど

 

転校生ねぇ……

 

………何故だろうか

 

そんなことあるわけのないはずなのに"あいつ"を感知するセンサーに反応がある

 

俺の前世を退屈+面倒な事にした人の一人である"あいつ"の

 

あいつは俺に色々な仕事やら何やらを回してきた

 

おかげでどんどん出来ない事が無くなっていき

 

俺が死ぬ直前に至る

 

だからと言って別にあいつの事が嫌いな訳じゃない

 

むしろ好きと言ってもいい

 

じゃなきゃ妻の一人になんぞしねぇって

 

ん?妻の一人って何だって?

 

………ハーレムというのか?それを建築してたんだよ

 

で、俺には複数人妻が居てその中の筆頭といっても過言じゃないのがあいつだった

 

あいつは俺が複数人の妻を持つことを許容させるために世界の法律を全て変えた

 

そして法を変えた後あいつは俺に本気で好意を持った奴は基本的に俺のハーレムに入れようとしてた

 

おかげでネットサーフィンをやった時に

 

"リアル一級フラグ建築士ktkr"

 

"ハーレム王ワロタ"

 

など俺の写真と共にそんなコメントが残されていたのを覚えている

 

他人事だからと好き勝手に…とどれほど思ったか

 

………翌日にそのサイトを覗きに行ったら何故か閉鎖されていたのは今でも謎である

 

そんな事を考えているとHR前の鐘が鳴り鬼断先生が入ってきた

 

「はーい♪皆さん♪HRを始めますよ♪」

 

………\(^ω^)/

 

すまん、あまりの恐怖におかしくなった

 

だが見て欲しい、周りの全員顔が真っ青だ

 

なのはやフェイトなんて半泣きだぞ

 

鬼断先生の機嫌の判断基準は至って簡単

 

表情と声のミスマッチだ

 

機嫌が良い時は無表情かつ棒読みな声

 

…が

 

機嫌が悪い時は怖い顔と猫なで声というやつになる

 

あくまで噂なのだが機嫌の悪い鬼断先生に喧嘩をしかけた不良グループが居たらしい

 

………その全員が翌日以降誰もが好青年だと思う様な状態になったらしい

 

何があったか、それを知るのはその本人達だけ

 

ただ機嫌の悪い鬼断先生は危険という共通見解がこの学校の中で持たれるきっかけになった

 

そんな鬼断先生の機嫌は鬼断先生と会った日が他の誰より少ない俺でもわかる

 

はっきり言おう

 

今日の鬼断先生の機嫌は過去最悪だ!

 

口は三日月(しかも喋ってるのに変化なし)

 

口の辺りまで影が入り、更には目が光を放っている

 

そして辺りに鬼断先生に怯えた死霊が渦巻く真っ黒なオーラ(そのオーラの影響で死霊がはっきり見える)

 

決定打と言える幼稚園児位の子を宥める時に言いそうな程の優しい声

 

おい誰だ!鬼断先生の機嫌をこんなにした奴!

 

クラスの全員の意見が一つになった

 

「じゃあ、転校生さん入ってきてね♪」

 

未だに続けるどころか更に悪化する鬼断先生の機嫌

 

……もはやクラスの半数が泣き、少数が失神、残ったのが半泣きとポーカーフェイスを貫いている俺

 

あのアリサでさえも半泣きなのだ、それで察してくれ

 

他の4人?……号泣してるよ…

 

「「失礼します」」

 

む?どこかで聞いたことがある気が……

 

そう思っていると

 

この年相応に美形な二人が入ってきた

 

「マジかよ」

 

思わずそう言ってしまったのは間違いではないはず

 

「十文字 朔哉(じゅうもんじ さくや)です、皆さんよろしくお願いします」

 

と爽やかに名乗る我が前世の親友と

 

「アイリス・((F|フィノ))・ディアシス。以上」

 

と嫌そうに言う例の"あいつ"こと我が妻

 

なるほどね!あいつらか!

 

理解した

 

面倒事が嫌いな鬼断先生なら嫌がる二人だ

 

なんせこの二人非常に仲が悪いのだ

 

しかも

 

「相変わらず愛想のない事だ、まだゴミの方が愛想がある」

 

「愛想を振り撒き過ぎて反吐が出るわ。いえ、其れが仕事なのだから仕方が無いわよね客寄せパンダさん?」

 

とすぐに罵倒しあう

 

……頼むから黙ってくれ

 

鬼断先生に怯えながらそう願う俺であった

説明
13話 転!校!生!
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