劇場版(仮)真・恋姫†無双-The prince of darkness- |
成都 場外の池のほとり
前大戦の最終決戦となった地で、覇王と云われた少女と天の御使いと云われた青年の別れの地に、元魏の重鎮が集まっていた。
元、というのは大戦によって国家は統一され、晋という国が出来たからである。
しかし、大戦が終わって2年しか経っていないために元々いた国を元々いた面々で引き続き支配するのがいいだろうというのが、三国会議での決定なのである。
なので今現在晋では大戦勝利国の魏と、それに属するという形をとった蜀呉が内部で3つに別れている。
蜀の陣営も呉の陣営も、各々より良い国を作るために切磋琢磨している最中だが、魏の面々はこの場所にいた。
夏侯惇、夏侯淵、荀ケ、許緒、典韋、程c、郭嘉と――
魏の主だった面子が揃っていた。
張三姉妹は『大陸制覇!ぎゃらくてぃからいぶつあぁ』のため不在、北郷隊の3人は北で不穏な動きがあるとのことで出張に行っていた。
「姉者、花を・・・」
「わかっている」
赤いチャイナドレスを着ている女性、夏侯惇こと春蘭は妹の秋蘭に促され、1つの石の前に花を置いた。
その石は墓標。
「北郷が逝ってから2年か・・・早かったな」
花を置いた春蘭がひとりごちる。
その発言を追うように補足する言葉を、桂花が言った。
「華琳様もね・・・」
時間帯は昼。
森に囲まれているために太陽は見えなかったが、木漏れ日と木々の間から見える青空が彼女らを歓迎しているようにも見えた。
同時刻 大陸北 北平
かつて公孫賛が治めていた幽州の地に、北郷隊の3人は来ていた。
戦争も終わってから2年も経ち、平和への道のりを歩き始めたと思われた大陸も、ここだけは違っていた。
「な、なんやこれ!」
「真桜!とにかく逃げてくる市民の保護が最優先だ!」
「兵をもっと回すのー!」
北平城は炎上し、ところどころ爆発も起こっている。
市内はまさに阿鼻叫喚な図であった。
一直線に城に向かう凪に伝令の兵が近づく。
「伝令!西より正体不明の敵が近づいてきています!!」
「何!敵だと!?」
敵。そんな単語をまさかこの時代に聞くのかと凪は驚き、久しぶりの本物の戦の空気を感じた。
「真桜に伝令!兵を半分割いて西に偃月陣を敷いて未確認の敵に対処!街に近づけるな!」
「ハッ!!」
「・・・一体何故今更、敵など・・・」
北平西
北の冷涼な見通しのいい平原で1つの黒い影が日に照らされて縦横無尽に舞っていた。
「いたぞ!ここを通すな!!」
「うわああああぁぁぁ!」
「ばか!逃げるな!!」
影は猛スピードで北平城へ向かっていく。
「悪いが、通るぞ」
影のようなマントを羽織り黒い仮面を被ったその男は、兵士達の網を潜り抜けて城の方へ殺到した。
「あれか!兵を下げて、弓矢で狙うんや!」
真桜の指示通り、弓矢で男を狙う兵士達。
しかし、弓矢で狙うには男の動きは速すぎた。
(時間が無い・・・早く奴らをおさえなければ)
北平城内
ローブのような物を被り、顔が見えない人影がある1室に数人集まっていた。
「長(おさ)、奴が来たようです」
長と呼ばれた、他の人間が灰色のローブなのに対して1人だけ白のローブの人間が答える。
「慌てるな、所詮奴とて人の身。我らには追いつかん」
声から男だと解る長と呼ばれた人間。
彼の足下には今はもう動かない北平太守と、その近衛の兵士だったものがあった。
「遅すぎる復讐よ・・・行くぞ」
その言葉を最後に、彼らは闇に消えていった。
北平西
男は急に足を止めた。
「な、なんや?急に棒立ちやないか」
今までで、兵士に死人は出ていない。
そのことが真桜には少し疑問に思えた。
(敵じゃないんか・・・?)
すると男は方向を変え、もと来た西へと消えていった。
「き、消えた・・・・・・」
北の寒風が、真桜の体をブルルと冷やした。
そして2週間が過ぎる――
説明 | ||
これはよくある魏アフターというやつですが、ちょっと一口にハッピーではないです。 一刀は消えた後、2年後の世界が舞台となっております。 そして彼は存在します。 しかし、そこに華琳様はいません。 一刀が追い求めるものとは一体・・・ |
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コメント | ||
劇場版ナデシコとはなんという俺得!続き期待してます(asayake) | ||
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北郷一刀 真・恋姫†無双 | ||
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