IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者?
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episode116 白き一角獣と黒獅子の名を受け継ぐ者

 

 

 

 

「・・・・」

 

隼人はゆっくりと目を開けて驚く。

 

そこはまるで異世界と言えるもので、六角形の床が一面に広がっており、中には欠けている所もあった。空も至る各所でゆっくりと点滅している。

 

「ここは・・・」

 

ゆっくりと周囲を見渡す。

 

(まるで『EXVS』のラスボスのステージみたいだな。いや、さっきのやつが『エクストリームガンダム』ならこのステージと言うのも不自然じゃないが・・・いや、そもそも何であれがここに・・・)

 

と、考えていると――――

 

 

 

「ん?」

 

隼人が横を見ると、そこには見覚えのある機体が居た。

 

その姿はバンシィと瓜二つであったが、両腕にはビームトンファーが無く、代わりに二段重ねになったギアを持ち、腕の側面にカバーが付けられていた。

 

(こいつは・・・)

 

それは以前IS学園のある人工島内で遭遇したバンシィと瓜二つのバンシィであった。

 

(なんでこいつがここに・・・)

 

訳が分からず首を傾げる。

 

 

 

 

 

「お前とまた会うとはな」

 

するとバンシィは驚いたように振り向いてきた。

 

「しかし、なぜお前がここに?」

 

「あ、う・・・」

 

するとなぜかバンシィは声を漏らすだけで答えなかった。

 

(何だ?以前と様子が違うな?)

 

前は少し敵対心があったが、なぜかそれが無い。

 

「そ、それより、どうしてあんたが白き一角獣に?」

 

「ユニコーンの事か。色々と訳があってな。今はバンシィの代わりに使用している」

 

「そ、そうなんだ」

 

 

(何か妙な感覚だな。何だろうな・・・まるで妹を相手にしているような感覚だ・・・)

 

 

 

 

 

 

「驚いたものだな」

 

「「っ!」」

 

すると前から声がしてとっさに声のする方向を見る。

 

「白き一角獣と黒獅子の眷属が同時に相手か。まぁ、問題は無いがな」

 

そこには先ほどの機体が浮かんでいた。

 

「イクス!!」

 

バンシィはとっさに身構えた。

 

「やつを知っているのか?」

 

「色々と因縁があるの。会った回数は少ないけど」

 

「そうか」

 

 

 

「しかし、まさか黒獅子の操者が白き一角獣に乗っていたとはな。まぁ、手間が省ける物だがな」

 

「・・・何者だ」

 

「私の名は『イクス』。お前たちからすれば私は異世界の者だな」

 

「異世界・・・だと」

 

隼人は理解ができなかった。

 

(どういう事だ?)

 

 

 

 

「さて、ここでまとめて始末する。目的を果たすためにな」

 

するとイクスは白い光を纏い、頭部を180度回転させて別の頭部を見せるとマスクを上に上げた。

 

「っ!」

 

 

 

そしてフィールドに巨大な物が降り立った。

 

「こいつは・・・」

 

「でかい!?」

 

隼人とバンシィの操縦者はそれを見て驚く。

 

 

銀色に輝くボディーを持ち、各所の縁に金色のラインを持って機体の各所に黄緑に輝くパーツがあった。右腕には巨大なランスを持ち、背中には翼を持っていた。最も特徴的なのがまるでケンタロウスのように人型の上半身を持ち、下半身に馬のように前足と後ろ足を持っていた。その巨大さも二人のISの二倍以上はあった。

 

「機動神話形態・・・『ミスティックフェイズ』・・・私が持つ最強の力だ」

 

(まんま元と同じだな・・・。だが、厄介なやつを・・・)

 

 

イクスは前足だけを上げると、地面を踏みつけて右腕のランスを前に突き出して突進してきた。

 

二人はとっさに左右に散ってかわす。

 

隼人は右手にビームマグナムをバックパックから抜き放って高出力ビームを放つが、見た目によらず素早い動きでイクスはかわして後ろを向くとランスを弓に変形させた。

 

「喰らうがいい!」

 

イクスはエネルギー状の弓を引き絞ってビームの矢を複数放ってきた。

 

隼人は横に飛んでかわすと、バンシィが一気に接近した。

 

 

「リボルバーキャノン!!」

 

右腕のギアを回転させて勢いよく突き出したが、イクスはその場をジャンプしてかわす。

 

「ちっ!見た目によらず素早い!!」

 

バンシィは火花を散らしながら着地すると方向転換する。

 

隼人はビームマグナムを放つもイクスは不規則に動いてかわす。

 

(こいつ・・・今までの敵とは違う!?)

 

本能的に危険信号が隼人の脳裏を刺激する。

 

 

するとイクスは背中の翼を大きく広げた。

 

「フェザーファンネルミサイル!!」

 

翼から多数の羽を模したミサイルが射出された。

 

隼人とバンシィは飛んでくるミサイルをかわしていく。

 

隼人は頭部バルカンを放ってミサイルを撃ち落し、ビームマグナムを放って残りを撃ち落して、直後に左手にマガジンを展開してマグナムに装填する。

 

「はあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

バンシィは右腕のカバーをずらして下にあるリボルバー式の弾倉の中のカートリッジをリロードしてカバーを閉じ、拳にエネルギーを纏う。

 

「リボルバーシュート!!」

 

右腕を突き出して拳からエネルギー弾を放つが、イクスは弓をランスに変形させて振るうとエネルギー弾を弾く。

 

そのままランスを前に向けてビームバルカンを放つも、二人はビームの雨の中をかわしていく。

 

「終焉を受け入れろ」

 

するとイクスの周囲に風が起こる。

 

「くっ・・・!」

 

「何をする気!?」

 

 

 

 

 

「ミストラルソウル!!砕け散るがいい!!」

 

そしてランスを上に突き上げて緑色の竜巻を起こして隼人とバンシィを巻き込んだ。

 

「ぐぅ!」

 

「ああぁぁぁぁぁ!!」

 

二人はそのまま吹き飛ばされて床から出てきた柱に叩きつけられて床に落ちる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うぐ・・・」

 

「何て・・・威力だ・・・」

 

隼人とバンシィは震えながらも立ち上がる。

 

「これで終わりか?」

 

イクスはランスを振るうと、ゆっくりと近付いてくる。

 

「存外あっけないものだな」

 

 

「くっ・・・!」

 

 

 

 

(何て強さだ。ISの技術で作れるものじゃないぞ・・・)

 

イクスの強さに隼人は身震いする。

 

(いや、それ以前にISよりも強力な技術が使われているんじゃないのか?だが、現代科学でここまでの技術を作り出すなど・・・)

 

隼人は息を呑む。

 

(だが、俺はこんな所で諦めたくはないんでな)

 

隼人はすぐに気持ちを切り替える。

 

(こんな所で死んでたまるか!)

 

 

 

「・・・・」

 

「・・・?」

 

隣に居るバンシィを見ると、どこか恐れているのを感じた。

 

(無理も無いな。あんな敵を相手にして恐れるのは当然だ。まぁ俺もそうだがな)

 

 

 

「何を恐れている」

 

「っ!」

 

隼人はバンシィに声を掛ける。

 

「お前はこんな所で諦めるのか」

 

「あ、諦めるたって・・・あんたは怖くないの!?」

 

「そりゃ怖いさ。あそこまで強いやつとやり合うのは初めてだからな。それにこのユニコーンだってまだ使ったばかりだ。動きずらさもあって少し不安だ」

 

「だったら・・・!」

 

「だが、だからと言ってな、俺はこんな所で立ち止まるわけには行かないんだ」

 

「・・・・」

 

「俺の帰りを待っている人が居る。必ず生きて帰らないと行けないんだ」

 

「・・・・」

 

「お前だって、ここで死ぬわけにはいかないんだろ」

 

「それは・・・そうだけど」

 

「なら、諦めるな」

 

「っ!」

 

「諦めたらそこで終わりだ。お前はここで終わって良いのか?」

 

「・・・・」

 

「最後まで諦めるな」

 

「・・・・」

 

するとバンシィからさっきまでの恐怖感が無くなった。

 

 

 

「諦めないよ。私にだってまだやることがあるんだから!!」

 

「それでいい」

 

二人はイクスを睨む。

 

「まだ闘争心が残っているか。大した物だ」

 

「諦めの悪いのが性分なのでな」

 

「奇遇だね。私もそういう性分なの」

 

「ふん。だが、そんなもので私に勝てる勝算など・・・無い!」

 

イクスはランスを二人に向けると四方向に展開して強力なビームを放ったが、二人は左右に飛んでかわす。

 

「行くぞ!」

 

「はい!」

 

するとユニコーンとバンシィから赤と金の光が漏れて装甲が展開して行き、角が縦に割れて展開した。

 

 

「こけおどしが!!」

 

イクスは背中の翼よりフェザーファンネルミサイルを二人に飛ばすが、隼人は頭部バルカンを放ってミサイルを撃ち落す。

 

「それは・・・どうかな!」

 

バンシィはミサイルの弾幕を掻い潜って一気に飛び出してイクスの懐に入る。

 

「なにっ!?」

 

その直後にバンシィは左腕のナックルのギアを回転させて勢いよく突き出してイクスの胸部にぶつけて衝撃を放つ。

 

「ぐっ!」

 

イクスはとっさにフェザーファンネルミサイルを放つが、バンシィは高速で移動してかわして行く。

 

 

 

《エクサランスカノン・・・スタンバイ!》

 

と、隼人は右腕にエクサランスカノン展開してイクスに向ける。

 

「っ!」

 

イクスはとっさに振り向いてランスを変形させて弓を隼人に向ける。

 

「させるかぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

バンシィは右腕のナックルのカートリッジを残る全てをリロードした。

 

「ウェポン・・・ブレイカァァァァァァァァッ!!!」

 

勢いよく右腕を突き出してイクスの右腕の弓に拳を叩き付けて破壊した。

 

「おのれっ!」

 

イクスはとっさに左腕を突き出すが、バンシィは左腕を突き出して拳をぶつけ合った。

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

バンシィはスラスター全開でイクスを押していく。

 

「ば、馬鹿な!?この私が押されているだと!?」

 

 

 

「リボルバァァァァァァァァ!!」

 

そして左腕のナックルのカートリッジを四発リロードした。

 

「スティングッ!!!」

 

左腕より強力な衝撃波がミスティックフェイズの左腕を駆け抜けて腕を粉々に粉砕した。

 

「ぐぅ!?」

 

イクスは苦し紛れにとっさに後ろに跳ぶ。

 

 

 

「もらった!」

 

すると隼人がエネルギーを充填したエクサランスカノンのトリガーを引いて膨大なビームを放ってミスティックフェイズの後ろ足を撃ち抜いた。

 

「っ!?」

 

イクスはそのまま後ろに傾いて倒れ込み、動きを止める。

 

「どうだイクス!これが私たちの力だ!」

 

「・・・・」

 

 

 

 

「くっ!調子に乗るな・・・!」

 

イクスは背中の翼を広げて少し宙に浮く。

 

「まだだ・・・まだ、終わりではない!」

 

すると翼から虹色の光が出てきた。

 

「っ!?」

 

「これは・・・!?」

 

 

 

「さぁ!我が絶望の翼にひれ伏すがいい!!」

 

そしてイクスの背中に虹色に輝く蝶の翼が現れ、イクス自身も光り輝く。

 

 

 

 

(月光蝶・・・やっぱりあったか)

 

その強さを知っているから隼人は息を呑む。

 

 

「往生際が悪いわね、全く!!」

 

「違いないな」

 

二人はイクスの威圧感に臆することなく闘志を向ける。

 

 

「・・・そういえば、お前の名前を聞いてなかったな」

 

「え?」

 

「お前・・・なんて言う名だ?」

 

「え、えぇと・・・」

 

 

 

 

「軽口を叩いている暇があると思ったか!!」

 

イクスは二人に向かって飛んで来た。

 

「くっ!」

 

「まずっ!」

 

隼人とバンシィはとっさに左右に飛んでかわすが、翼にぶつかって弾き飛ばされた。

 

「ぐぅ!」

 

隼人は翼にぶつかって思いっきり吹き飛ばされる。

 

「――――!!」

 

そしてバランスを崩した隼人をとっさにバンシィが腕を掴んで助ける。

 

 

 

 

「す、すまない」

 

「お礼は後!」

 

バンシィは向かってくるイクスの翼の攻撃範囲から逃れる。

 

「だが、何て威力だ・・・」

 

「・・・・」

 

見ればユニコーンのエクサランスカノンは光の翼によって切り裂かれており、ネクストの左肩表面が切り裂かれていた。

 

「このままじゃ・・・」

 

 

 

「いや、むしろチャンスだ」

 

「えぇ!?」

 

隼人のまさかの一言にバンシィの操縦者は驚く。

 

「何でこんな状況がチャンスって!?」

 

 

 

「あれだけの威力だ。向こうは相当エネルギーを消耗する」

 

「あっ、そうか」

 

あれだけの膨大なエネルギーを放っている以上いずれ限界が来る。

 

「この攻撃を耐えれば、チャンスは来る」

 

「でも、来なかったら?」

 

「その時はその時だ。言わば賭けだ」

 

「賭け・・・」

 

「分の悪い賭けは嫌いじゃない性分だ。チャンスは必ず来る」

 

「凄く不安なんだけど・・・。ってか、どれだけ性分があるの?」

 

バンシィの操縦者は呆れた。

 

 

 

 

 

 

「避けても無駄だ!私を倒すことなどできんのだ!」

 

イクスが二人に向かってきて、とっさに上に向かって飛んでかわした。

 

 

 

 

「行くぞ!」

 

「はい!」

 

するとユニコーンとバンシィのサイコフレームの光が半透明の緑色に輝き、二方向に分かれる。

 

隼人は左腕にシールドを展開し、それに『アームドアーマーDE』と呼ばれるシールドとビームキャノン、推進器を搭載した複合兵装を展開して装着した。

 

バンシィは右腕のナックルのカバーを開けて空になった弾倉を排出して新しい弾倉を装填した。

 

「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

イクスは二人に向かって飛んで来た。

 

 

 

「くらえ!!これが私の限界突破!!」

 

バンシィはイクスの前に立ちはだかると右腕のナックルのカートリッジをオールリロードして大量の火花を散らしながら物凄い勢いでギアを回転させて高出力高密度のエネルギーを纏う。

 

「ストライクブレイカー!!エヴォリューション!!」

 

右腕を引き寄せてスラスターを全開にして飛び出す。

 

「くたばるがいい!!」

 

イクスはそのまま右腕をスバルに向けて勢いよく突き出した。

 

 

「メテオ・ブレイカァァァァァァァァァッ!!!」

 

バンシィは物凄い勢いでエネルギーを纏った右腕を突き出してイクスの拳と激しく衝突した。

 

「ぐぅっ!」

 

その直後に腕が砕けそうな激痛が走るが、構わずにスラスターを更に噴射した。

 

「っ!!・・・貫けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」

 

そして強力な衝撃波を放って、ミスティックフェイズの右腕を完膚までに粉砕した。

 

「ば、馬鹿なぁぁぁぁ!?」

 

 

 

「これで!!」

 

バンシィがイクスとすれ違うと、直後に隼人が後ろからアームドアーマーDEを展開してビームキャノンを展開した。

 

「終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

隼人は後部の推進器を噴射して勢いよく突き出してイクスの胴体に叩き付けてゼロ距離で最大出力のビームを放った。

 

「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

アームドアーマーDEが爆散して隼人がイクスとすれ違うと、イクスは断末魔を上げてそのまま地面に墜落した。

 

「っ!」

 

すると光が放たれて辺り一面を覆った。

 

 

その瞬間隼人は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

それからしばらくして、ティアは協力者達を見送った。

 

「ゼロも無事のようですね」

 

「そうだね」

 

するとジェスタを纏ったロストがティアと合流し、地面に倒れるユニコーンを見る。

 

「隼人は気を失っているみたいだね」

 

「そうですね」

 

 

「それで、君はこれからどうするの?」

 

「ゼロをお守りするのが私の使命。ですから、付いていきます」

 

「ありがとう。少なくともこっちとしては助かるよ」

 

そうしてティアはユニコーンを抱えてロストと共にその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!


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タグ
ユニコーン バンシィ ガンダム インフィニット・ストラトス IS 

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