機嫌が最悪な鬼断先生の一時間目の授業が終わった後

「少しいいかしら？」

とアイリスに話しかけられる

「僕もいいかな？」

と朔哉の奴も割り込んできた

朔哉に対して苛ついた表情を一瞬向けるが再度俺の方を向く

「OKOK、んじゃ屋上行こうか」

そう言って二人を屋上に促す

二人は黙って屋上に向かう俺についてくる

「で？何か用か十文字、ディアシス？」

と他人行儀に苗字を呼ぶ

若干顔も変わってるし名前だって……名乗ってねえな

と考えていると

「……！？」

いきなりアイリスにキスされた

逃げられないように頭をガッチリと掴まれている

どうにか脱出を！と思考を巡らせるが

「れるっ……」

こ…こいつ！舌入れてきやがった！

学校だぞ！？誰に見られるかわからないんだぞ！？

そんな事を考えている間もアイリスの舌が俺の口の中を動き続ける

鼻に入ってくるは甘い匂い

そして思わず意識が持っていかれそうなほどに気持ちのいい口づけ

……とまぁ若干ヤバイ感じになりかけてるが、やられっぱなしと言うのはいかんせん男のプライドが許さない

「……んむっ！？」

と俺の行動に驚きを示す

何をしたかって？簡単だ

逆にこっちが舌を入れて口の中を舐め尽くす

アイリスの弱点は知り尽くしている

歯茎を、舌を、内頬を舐めながらギュッと抱きしめる

こいつはそういう事をやりたがる割に弱点が多過ぎる

弱点しかないんじゃないか？と思うほどだ

で、だ。とどめとばかりに

ギュッと抱きしめている片腕を離し、手を握ってやる

俗に言う恋人繋ぎで

するとあら不思議

「…………」

うっとりした顔になり、ぺたりという擬音が似合うような状態で座り込んだ

「(羨ましい……が邪魔者は死んだ)相変わらずキスが上手いねクロ」

と話しかけられる

「……いつから気づいたんだ？俺って顔とか変わってると思うんだが……」

と聞くと

「そこの淫売は知らないが、僕が君のことがわからないと思うのかい？」

と即答された

「……はっ！？……だ、誰が淫売よ…」

うっとりした状態から帰ってきたようで朔哉の言葉に返答する

座り込んだ体勢かつ全く覇気のない声で

「(ちっ……流石に復活するのは早いか)自分の状態を見てから言え、……無様だな」

鼻で笑うかのように言い捨てる朔哉

「くぅ！」

その表情を見て悔しそうにするアイリス

「あ〜、でだ。何でお前らここに居るんだ？」

「「さぁ？」」

さぁって……

「でも知らない男性が手違いで殺したとか転生させるとか言っていたね」

あのオッサンか…手違い多いぞ

「そう言えば貴方に特典のデメリットは幾つか消してあると伝えて欲しいとも言われたわね」

デメリットとな？

そんなものあったのか……

「そう言えばお前らの貰った特典って？」

気になった

転生とやらをさせるのだからこいつらも俺と同じく特典を持っているはず

「私は【遊戯王】のモンスター全ての召喚能力と【コミュ-黒い竜と優しい王国-】のアバターを全ての召喚能力、おまけで【Fate/StayNight】のアーチャーの能力。後の三つは貴方と同じ世界に来る為に使ったらしいわ」

どういう能力なのかよく解らん

けど恐らく支援型なんだろうな

「僕は【新機動戦記ガンダムW Endless Waltz】のガンダムヘビーアームズの装備、【機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY】のアームドベース オーキス、そして尽きることのない弾薬。あとの三つはこの女と同じだ」

名前から察するにかなりの重武装なんじゃないか？

「俺は【カミカゼ☆エクスプローラー!】、【SoranicaEle】、【Stellar☆Theater】、【GEAR戦士電童 】の能力全部だな」

と言うと二人がドン引きした

何故だ？

「な…何て言う正当オリ主な程のチートっぷり……」

と朔哉が

「……原作キャラが惚れるのかしら……なら此方の法も変えないとね。クロのハーレムを作るために………」

何か小声でブツブツ言うアイリス

法を変えるとか聞こえたんだが……

………気のせいだと思おう

「ちなみにこっちでの俺の名前はクロヴィ・ユリエラ・ディーフェンベーカー・ロロット・オミ・ドゥ・ラ・パトリエール・アデレード・アルバート・アクセルロッドらしい」

「「長いし呼び方は大して変えなくて良さそうだからクロで」」

と即答された