刀と 〜2
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「すいません、ここはどこでしょう?」

その子はこちらを見て言う。

 

「どこって?」

俺は動揺していた。

刀を抜いたら、女が出てきた?

そんなことありえない。

しかし、刀は鞘だけが残っていて、刀身のほうがなくなっている。

 

 

「おばあちゃんはどこですか?」

その子は赤い着物を着て、髪の毛を小さく一つに結んでいた。

円らな瞳が愛らしい。

しかし今にも泣きそうに見つめてくる。

 

俺は恐る恐る聞いた。

「おまえは誰だ?もしくはなんだ?」

 

その子はびくっと肩を震わすと、うっすらと目に涙を浮かべる。

泣かしてしまった。

 

「すまん、驚かせたなら謝る。」

驚いたのはこちらだが。

その子の視線まで腰をおろして言う。

「俺はお前が思っているほど怖くない。」

自分で言って嘘くさいと思った。

俺は確かに悪人顔をしているからだ。

「えーっと、あなたは誰でしょうか?」

 

その子は恐る恐る、必死で泣くのをこらえるように、俺の手の中にあった鞘を指差して言った

「私はその中に入っていた刀ですが、何であなたが私を抜いたのですか?」

 

「は?」

 

「ひいっ、スイマセンすいません。」

その子は泣きながら謝る。

俺はどんだけ怖い顔をしてるんだ。

 

「もしかして、おばあちゃんって師匠、ってえーっと、香織さんのことか?」

頬をかく。

名前では言い慣れていない。

 

その子は「はい、」と頷く。

 

「そして刀って言うのは?」

額に手を当てる。

嫌な予感がひしひしとする。

あの師匠めふざけるな。

 

「私はその鞘に入っていた刀です。さくらって呼んでください。」

 

あー

やっぱり?

 

「俺は相良流人だ。」

とりあえず考えることを放棄した。

説明
http://www.tinami.com/view/53826の続きです。と言っても、別にここからでも読めます。

五分小説です。
読んでやってください。
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コメント
多分、小さい子なら泣くぐらいです。この先どうしましょう…(彬 )
考えるの放棄したくなりますよね。それにしてもどんな悪人顔なんだろうか。一回見てみたいな。(華詩)
タグ
五分小説 刀と オリジナル 紅桜  師匠=おばあちゃん 

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