真・恋姫†無双〜不信の御遣い〜 第二十七話
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「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

 

ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

跳躍してきたその『暴力』に、僕の体はなんとか回避しようとする。

 

その振り上げられた前の右足が、僕の頭を精密機械のような正確さで撃ち抜こうとする。

 

「ちょっ……!?」

 

ギリギリ横に跳んで回避する。

 

ズン、という音がして今僕が立っていた所を見ると、その馬の前の右足が、地面にめり込んでいた。

 

「おいおい、冗談だろ……」

 

思わず呟いてしまう。

 

地面にめり込むとかどういう力だよ。

 

「ウゥ……」

 

不機嫌そうに僕のことを睨みつけてくる。

 

やめてくれ。

 

そんな目で僕を見ないで欲しいんだけど。

 

視線だけで、半端じゃないほどの禍々しさを感じる。

 

 

 

「ウゥ……、ウガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

 

ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 

 

天地が割れんばかりの咆哮。

 

一気に間合いを詰めて、僕を殺そうとする。

 

今度は左腕で僕に攻撃してきた。その腕を振り上げる。

 

避けられそうにないと判断した僕は武器を構え、防御体制をとる。

 

「バギィィィィィィン!!!」

 

どう考えても防いだ音ではない気がするが、僕は防いだ。

 

筈だった。

 

「うお!?」

 

あまりの力にグンと体が持ち上がる。

 

そこで、隙を、見せてしまった。

 

「アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

 

ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

右腕が、がら空きの、僕の、腹のあたりに、炸裂した。

 

「っが……!?」

 

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目の前で繰り広げられた現実に、俺は呼吸を忘れてしまっていた。

 

的盧の右腕が高順に炸裂して吹き飛ばされた時、となりで見ている恋も今にも飛び出していきそうな

 

様子だった。

 

なんて奴だ、的盧。

 

俺も知識だけは知っている。

 

劉備玄徳を支え続けた愛馬であり、不幸を呼ぶ馬として有名である。

 

それがなぜ、天水の騎馬の中に混ざっているのだろう。

 

だが、今はそんな事を考えている場合じゃない。

 

俺は隣の詠に向けて言う。

 

「おい、詠!!!

 

的盧を何とかしてくれ。このままじゃ高順が……」

 

詠はこのくらいは想定範囲内、とでもいうように言う。

 

「ダメよ。ボクは、アイツをまだ把握しきれてない

 

それに、的盧は鎖を解かれたら最後。その対象を叩き潰すまで、手を緩めることはない」

 

「……だけど、このままじゃ高順が……」

 

恋が詠に抗議する。

 

「恋の言う通りや。今は何とかして、高順を助けな」

 

霞も参戦する。

 

「詠ちゃん。いい加減にしないと私も怒るよ。どうして、そんなに高順さんを敵視するの?

 

説明して」

 

月も、珍しく詠を批判する。

 

それでも詠は、頑なに首を振らない。

 

「アイツ、まだ戦うみたいね。懲りないこと。

 

動かないフリをしておけば見逃してくれるかもしれないのに」

 

詠が驚くべき事実を口にする。

 

俺達が高順の方を見ると。

 

「「「「え?」」」」

 

そこには、ゲホッと血を吐きながらも、立ち上がる、高順がいた。

 

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目が霞む。

 

頭がクラクラする。

 

体中がギシギシいっている。

 

何本か折れたな、骨。

 

せっかく包帯巻いてもらったのに、意味ないじゃん。

 

さて、どうするかな。

 

普通なら、すぐ諦めるんだろう。

 

あんな化物を手懐けるのは無理だと、死んだふりでもして誤魔化せばいい話だ。

 

しかし、僕はこの凶馬を手懐けなくては認めてもらえない。主に賈?ちゃんに。

 

それは困る。

 

僕は、死ぬために。

 

この時代に来たのだから。

 

まぁ、この暴れ馬に殺してもらうのも悪くはないな。

 

そう思い、ゲホッと咳をする。

 

血が口から飛び出る。明らかに危機的状況だ。

 

これで、生還できたら奇跡だね。

 

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あ、でも。

 

そこで僕は、恋ちゃんとの約束を思い出す。

 

 

 

「……何があっても、必ず、恋の所に帰ってきて……」

 

 

 

無茶苦茶言うなぁ、本当に。

 

この状況と、僕の体の損害具合を見れば、それが限りなく難しいのは分かるだろうに。

 

しかもそれが、自ら『死』を望む人間である僕なら尚更だ。

 

でも。

 

 

 

「全く、何であんなこと言っちゃたんだか」

 

 

 

僕は、その言葉を言った恋ちゃんにこんな言葉を返した。

 

 

 

「努力は、してみる」

 

 

 

ハァ……。

 

何言ってんだろうね、僕は。

 

そんなことを言ったからって、どうにかなるわけじゃなし。

 

死ぬ時には死ぬ。

 

それが人間だ。

 

そして僕は、常に死を望んでいる。

 

今この場で死んでもいい。

 

努力したからって、この状況からあの凶馬を手懐けるのは、かなり難しい。

 

報われない努力なら、しなくていい。

 

僕はそう、考える。

 

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裏切られるって、分かってる。

 

いつか、必ず。

 

董卓ちゃんだって。

 

賈?ちゃんだって。

 

霞さんだって。

 

華雄さんだって。

 

一刀君だって。

 

 

 

もちろん、恋ちゃんだって。

 

 

 

僕を、裏切るだろう。

 

僕だって、彼女達を裏切るだろう。

 

いつか、必ず。

 

人間は、どんな形であれ、ほかの人間を裏切る生き物だ。

 

例外など、ない。

 

まぁ、無理だろうけど。

 

……………………………でも。

 

こんな僕だけど、嘘はついても、約束は守りたいと思うから。

 

 

 

「さて、やるか」

 

 

 

死にたいけど。

 

生きたくないけど。

 

信じたくないけど。

 

裏切られたくないけど。

 

 

 

僕は、僕と同じ傷を負った、彼女との約束は、破りたくないと、思った。

 

 

 

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遅れた・・・・・・。

 

遅れに遅れた・・・・・・。

 

二週間って・・・・・・。

 

ゴメンなさい、本当に・・・・・・。

説明
第二十七話です。
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コメント
ご都合主義ですね〜・・・まぁ〜二次創作では仕方が無い(ということにしておこう)。(スターダスト)
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