Pの記憶/IとSの世界 二話 ごめんなさい |
その日の放課後。
大きな袋を持った操が向かったのはセシリアの部屋だった。
インターホンを鳴らすと一人の赤毛の少女が出てきた。
「どうしたんですか?」
「ちょっとセシリアさんに用がありまして…。」
「わかりました〜。
セシリアちゃ〜ん。」
「は〜い。
今行きますわ。」
すると、部屋の中から寝間着姿のセシリアが現れる。
「あ、亜餌砂鬼さん…。」
操は、セシリアを見るなり頭を下げる。
「本当にあの時、殺すなんて言ってしまって申し訳ありませんでした!」
「え、その、いいんですのよ。」
その言葉を聞き操は頭を上げる。
「もしよければ友達の『レストランAGITΩ』って店からメロンが届いたんで切ってきたんだけど食べる?」
操は袋からパックされたメロンを取り出し、セシリアに差し出す。
「有り難く頂きますわ。」
差し出されたのをセシリアは受けとる。
「じゃあ、これで。」
操は走ってその場から立ち去る。
「…。」
部屋に戻ったセシリアは、袋の中にあるタッパーの中に入ったメロンを一口食べる。
「…甘い。」
「何食べてるの?」
「メロンですの。
一口食べます?」
「じゃあ、一口だけ。」
そう言って、赤毛の少女も一口食べる。
「おいしぃ!」
「それじゃあ、寝ますわよ。」
部屋の明かりを消し、ベッドに横になる。
この日、セシリアに少しだけ気を許せる男性が一人出来た。
帰りの廊下を走っていた操は、曲がり角で一人の少女とぶつかった。
「あ、ゴメン!」
「い、いや、私も悪かった。」
ぶつかったのは、篠ノ之箒だった。
「え〜と、篠ノ之さんだよね。」
「あぁ、そうだが。」
「一夏と相部屋なんだろ。
部屋となりだから、よろしく〜。」
と、となりの部屋を指さしながら操は笑いながら言う。
「あ、あぁ。」
「じゃあね!!!」
そう言いながら、操は部屋に入る。
この日、篠ノ之箒に苦手な男性が一人できた。
説明 | ||
これは、最後の物語。 | ||
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