司馬日記外伝 誰得?冥得!
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すーはー、と扉の前で息を整える。

大丈夫緊張してない。頭の中でもう一度シミュレーション。うん、大丈夫。

「夏候淵が呉の特産の『ろーしょん』をなぜ持っていたのか不思議に思わなかったのか?所謂等価交換というものだ、この立場になると下から突っつかれるばかりで誰かを振りまわすと言う事が中々無いのでね、良い気晴らしだ」

そんな彼女の言葉を思い出しながら彼女の私室の扉を開ける。

 

「ただいま、冥琳」

「遅いではないですか、兄さん」

「ああ、ごめんごめん」

…すいません、違和感パねぇっす。

 

「まったく。兄さんはこの周家の長男なのですから、もう少し自覚を持って頂かなくては困ります」

「ははは、そうだね」

いつもの臙脂色の服に似た割りと正統なチャイナドレスだけど当然に胸元はぱっつんぱっつんだ、これはこれでエロい。

しかし妹が冥琳。冥琳が妹。こんな妹がいたらたまらん、性的にじゃなくて兄の威厳的に。ただひょっとしたら十代の頃の冥琳ってこんな感じだったんじゃないかとふと思わせるものがある。

 

「早く今日の分の宿題をやって、そうしたら昼食にしましょう」

「うん」

って冥琳の出してくる宿題ってこれ本物の決裁書類じゃんよ!

「冥琳、これ…」

「難しいところは私が教えてあげますから、兄さん自身でもよく考えて決裁するか意見をつけて差し戻して下さいね」

 

どうして美女の笑顔って迫力あるんだろう?にしてもこのプレイ中に仕事持ち込んできたのは冥琳さん貴女が初めてです。

「それではこちらの案件から始めますよ。寿春ー建業線の建設は水路が使えない時期の代替交通手段として、って兄さん一体どこを見ているんですか」

「…ごめんごめん、冥琳があんまり魅力的でさ」

机の上に組んだ腕の上に、これ見よがしにどたぷーんと乗せられたスイカを見せつけられて見るなというのも酷じゃないか、って言うか冥琳はこのポーズ普段絶対やんないくせに!雪蓮と祭はわざと、穏は素でやるけど!冥琳これわざとだよね!?

 

「まあ兄さんったらいやらしい、妹の!私の胸をそのようにじろじろと眺めるなんて!学問に集中して下さい」

「…………はい」

隠す振りしてむしろ溢れさせるとはあざとい、さすが冥琳あざといっていうかそのニヤニヤ振りから察するに御満足らしい。くやしいでもつい見ちゃう!

 

「こちらは米の二期作試行の為、休耕田を…」

「うんうん」

「造船の技術開発にかかる費用が…」

「むむむむ」

「地方出先機関の組織改正で…」

「ふむふむ」

「…で以上ですが、どう思いますか?」

「うん、すごく揉みたい」

 

「……!」

べしっと頭を叩かれました。

「ぷっ…ぷふっ、馬鹿だな、あ、いえ馬鹿ですね兄さんは!あははははは!あっはははははは!」

もう素で笑ってはります、このお姉さん。いや…うん、俺も余りにも思い通り過ぎかもしれないけどね?

 

「ちょろい!ちょろ過ぎですよ兄さん、貴方の頭の中にはそれしかないんですか、あははははは!」

「いやそれは反則でしょ、冥琳に目の前でそんなことされたら真面目に仕事してたって見ちゃうってば…いやでも良かったよ」

「何がですか?」

思わず本音が出てしまう。

「冥琳が楽しそうで。いつも忙しそうで眉間に皺寄せてる冥琳よく見てたから、有難うって思ってたけど申し訳ないなぁとも思っててさ。大笑いしてる冥琳は可愛いよ。なんか俺も嬉しくなる」

「………は…」

笑顔のまま止まった冥琳に、兄さん風(のつもりだったんだよ俺なりに)でなく素で喋ってしまったことにはっと気がついた。…けどひょっとして遅かった?

 

「あの…冥琳?」

「ふふふ……」

含み笑いを漏らしながら、向かいの席を立って俺の隣に座って来た。

 

「また上手い事を言うじゃないですか、兄さん?」

呼び名こそ兄さんとか言ってるけど口調はいつもの冥琳のもの。

「いや大笑いの冥琳って久々だなぁって、うん、真面目な顔は綺麗って感じなんだけど笑ってると可愛いよね」

「またそんなことばかり…そうぺらぺらと口説き文句が出て来るのはこの口か?この口か!」

「ひたたたた!」

言いながら口を抓る冥琳の笑顔は少女のようだと重ねて思う。それなのに、

 

「この口か」

そう言って抓る指を離して唇を重てくる彼女には途方も無く女を感じて、雄の本能をこれでもかと刺激される。

彼女の背を撫でるように抱き寄せると俺の膝の上に乗り上がった。互いに次第に強く抱きしめ合い、舌を深く、何度も絡め合いながら彼女の艶やかな黒髪を愛おしさのままに何度も撫でる。

名残惜しげな唾液の橋が途切れると、蠱惑的な笑みと共に情欲に濡れた唇を焦らすようにゆっくりと開いた。

「……兄さん」

「何?冥琳」

「貴方が孫家に婿に行く前に、私が女を教えてあげますね。駄目な兄さんのために」

「うん。冥琳に教えて貰いたいね」

 

彼女の腰と膝の裏を抱えて立ち上がる。

「ふふふ…わたしの指導は厳しいですよ?」

「望むところ過ぎる」

そう言って二人でくすくすと笑い合いながら寝台へ向かうと、彼女は首筋に口づけを一つくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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某執務室 (山のように積まれた没原稿に囲まれて)

「駄目ね、いくら書きなおしても納得いく脚本にならないわ…せっかく幼馴染で生徒会長の同級生っていう設定を稟に譲ってもらったのに…。誰か私の琳得のネタ出しをするやつはいるか!なんてね…はぁ…」

 

王様の苦悩は深い。割と駄目な方向に。

説明
遅くなりましたが冥琳です、短めです。華琳も冥琳も難産で…助けてめーりん!
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コメント
誰得って?俺得だよ。めーりん可愛いすぐる! 華琳さんはいっそのこと違う設定でいったら?華琳さんが生徒会長で一刀が教師っていうのは?(kuorumu)
華琳さんはどう来るのか今から楽しみです。爆死するかどうかは別として。(ミドリガメ)
俺得冥琳ありがとうございます!!!華琳のネタか…時期的に近いし卒業ネタも使って後輩からモテモテな一刀に第2ボタンをもらうとかどうだろう?「アラ?まだボタンがあったなんて意外ね?てっきり凪にでもあげたかと思ってたけど?」「いや、コレは華琳にあげるって決めてたからな」とか(悠なるかな)
ちょろい一刀か……『チョロかず』と命名してみる。やったね、チョロ達さん! 一刀とお揃いだよw (メガネオオカミ)
これは斬新な設定 だけどこんな妹居たら辛すぎるw(呂兵衛)
「生徒会等々の激務で倒れたと聞いて会長を心配し保健室にやって来た一刀だったが、ベッドで一刀の名を呟きながら自慰にふける華琳を目撃」・・・どっかで見た事あるなコレ。それとめーりん可愛いよめーりん(牛乳魔人)
設定かぁ……華琳会長と一刀副会長が放課後の生徒会室で校内不純異性交遊についての書類作り…とか?(ロンリー浪人)
望むところ過ぎる ←これに笑ったww それにしても、たしかに冥琳さまが妹だったら、兄の威厳なんて無いも同然……(神余 雛)
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冥琳 司馬日記 恋姫†無双 

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