IS x アギト 目覚める魂 51: ラストバトル 中編 |
避難していた生徒達は、その爆発の凄まじさに思わず歩みを止めてしまう。
「グズグズするな!迅速に移動しろ!」
だがそれも千冬が飛ばした檄によって再び進み始める。専用機持ち達は他に取り残された物がいないかどうかを確認したり、逃遅れた生徒達の道を作る為に瓦礫をどかしたり等の作業であちこち飛び回っていた。
「これで全員の筈・・・・よね?」
「だと、良いのだが。一夏達は、無事なのだろうか?」
箒は暗い表情で下唇を噛む。
「あの二人は強い。私達が想像しているよりも遥かにな。あいつらはそう簡単にくたばりはせんだろう。ISですら倒せなかった相手を己の肉体のみを駆使して倒しているのだからな。」
だが、ラウラは強気にそう言い切った。
「キャアアアアアアアアアアーーーーーーー!!!」
避難した生徒達が向かった方向から悲鳴が聞こえた。急いで戻ると、そこにはシャルロット、セシリア、そして鈴音が倒れていた。ISも((維持限界|リミットダウン))を起こしているのか、ISスーツのままだ。そして、生徒達の前に立ちはだかっていたのは、アンノウン。地のエルだった。
『邪魔だ、消えろ。』
手から発生した熱砂を浴びせ、駆けつけたラウラと箒もリミットダウンでISが強制解除された。
「何なのよ、あれ・・・・!?」
「熱砂だ・・・・!砂嵐を直に浴びた様な物だ、シールドエネルギー等一瞬で削られる・・・・」
『他愛も無い。』
右手に持った先太りの長剣を振り上げ、止めを刺そうとした時。
ドシュゥン!
だが、その一撃を阻んだのは、一つの銃声。
「全く・・・・世話のかかるガキ共だ。」
気怠い声でGM?01スコーピオンで肩をトントンと叩きながら近付いて来たのは、G-3を纏った一条だった。
「コイツも食らっとけ。」
GG-02サラマンダーのアタッチメントを銃身に装着し、グレネードを地のエルの左肩にぶち込んだ。再び銃身を外し、頭を狙ってGM-01のマガジンを空にした。
『アギトですらない人間如きにこれ程までの力が・・・・』
「人間様を嘗めるなよ?足掻けば、結構怖いんだぜ?」
マガジンを差し込み、GG-02を再び発砲したが、地のエルの剣が弾頭を真っ二つに断ち割った。
「ウゥォオオオオオオオオオォォオォオーーーーーーー!!」
更に背後からエクシードギルスがギルススティンガーとクローで地のエルを地面に引き摺り倒した。
「借りは返させてもらうぞ。」
低く唸り、ギルススティンガーで地のエルの両手を縛り、デモンズファングクラッシャーで右肩に深々と噛み付いた。あまりの痛みに剣を取り落としてしまうが、両手の熱砂によって吹き飛ばされ、瓦礫の海に叩き付けられた。
「ハァァアアアーーーーーー!!!」
だが、そこへアギト・グランドフォームが全速力で飛ぶマシントルネイダー・スライダーフォームからの飛び蹴り、ライダーブレイクを放った。五十トンの破壊力を持つその蹴りは、地のエルを捉える。
『ヌゥォォォオオオオオオオオオオーーーー!!!』
あまりの勢いで数十メートル吹き飛ばされた地のエルはダメージ回復の為に光球に変化し、逃走した。
「アギト・・・・!一夏、なのか?」
「残念ながら違う。」
エクシードギルスはクローを引っ込め、元のギルスに戻った。どこからとも無く愛車のギルスレイダーが走って来て、それに飛び乗る。
「一条、俺達はあの屋上に向かう。こいつらを連れてG-5の連中と合流してくれ。」
「了解。」
ジャキン!
だが、二人に銃口を向ける者がいた。学園に一夏と秋斗が戻って来たら再び捕獲する為に張り込んでいた北条美鈴と水城透だった。
「止まれ。」
「バイクから下りてこちらに来て下さい。」
ヴゥォォオオオオンンン!!!
だが、もう一台のバイクが宙を舞って二人の前に停まり、その搭乗者は二人の銃を弾いた。
「アギトが、もう一人!?」
そう、その搭乗者は、木野が変身したアナザーアギトと相棒のマシン、ダークホッパーだった。二人を指差し、頭を横に振る。
「時間は少ない。生き残りたければ速やかにこの島から退避しろ。死にたければ残れ。俺はどちらだろうと構わん。」
一条は二人に生徒達が再び向かい始めた方向を指し示し、GM-01のスライドを引いた。
「お前らがいても邪魔になるだけだ。死なないうちにさっさと消えた方が身の為だぜ。」
二人は渋々踵を返して生徒達の後を追った。
「さてと、これで邪魔者はいなくなりましたね。」
「とりあえずは、な。」
「津上、織斑達は?」
「あの屋上です。」
「急ぐぞ。」
ガードチェイサーを引っ張り出して来たG-3もアギト達と一緒にIS学園校舎の屋上に急行した。
「うはあ・・・・・・今のは、ヤバい、かも?」
「流石にな・・・・俺も、アギトの力が中途半端なままだ。上手い事戦えねえ。奴さんはやる気満々らしいが。」
ギガントの爆発によって起こった爆風は、空中浮遊していた水のエルを除くアギト二人を策まで吹き飛ばし、更にその策を突き破って地上に転落させた。
『滅びよ。』
「何でさ?俺達は別に好きでアギトになった訳じゃない。勝手になっちまっただけだ。だが、お前らみたいな人間の進化の価値も分からない様な間抜けをぶっ飛ばせるなら、別に構いはしないがな。」
秋斗はボロボロになったジャケットを脱ぎ捨てた。総髪に結わえていた髪も所々焦げており、髪紐が焼き切れてざんばらになっていた。
「同感・・・・そっちの勝手な都合で殺されちゃたまらないな。つー訳で、倒させてもらうぞ。そして、お前の主のカミサマモドキを、ぶん殴る。」
一夏もジャケットを通り越してシャツも焦げて所々穴が開き、最早着れる状態で無くなった只のボロい布切れになってしまっている。それを力任せに引き千切り、傷だらけの上半身が露わになった。
「秋斗君、無事でしたか。」
「木野さん!?」
「俺達もいるぜ。」
「お待たせしました。」
「遅れて済まない。」
「ただいま参上、なんちゃって。」
木野を筆頭に、一条、氷川、芦原、そして翔一が現れた。怪しまれない為だろうか、アギト達は変身は解いたままだ。
「さてと、全員揃った所で、やりますか。」
翔一と秋斗はそれぞれポーズを取ってオルタリングを出現させた。唯一の相違点は翔一のオルタリングにドラゴンズネイルと言う装飾が付いた状態だと言う事だ。中心部も紫色になっている。
「「変身!!」」
力強く叫び、両腰のスイッチを思い切り叩いた。光の中から現れたのは、展開した状態の赤いクロスホーンに黄色い複眼、スマートな銀色の体を持つアギト・シャイニングフォームと、両腕の色がそれぞれ赤と青になったアギト・トリニティーフォームの二体だ。
「俺達も行くぞ。死ぬなよ?」
「はい。」
「私もご一緒しよう。」
葦原と一夏も同じポーズを取って腹部にメタファクターを呼び出し、それぞれエクシードギルスとギルス・アイアンブリッツフォームに、木野は限り無くアンノウンに似た姿を持つアギトの突然変異、アナザーアギトに変身した。
「役者は揃った。後は幕引きだな。ド派手にやるか?」
「はい。」
『来るか。面白い。』
降り立った水のエルの隣に別の光球が現れた。衣の装飾が新たに増えた地のエルだ。その後ろにも、それなりの数のアンノウンが集結し始める。
『あのお方は、もうすぐ来る。その時が、貴様らの最後だ。』
「俺達は、そう簡単には倒せない!」
「分かり切った事を言うな、津上。」
エクシードギルスがアギト・シャイニングフォームに冷静なツッコミを入れた。それぞれの武器を構え、静寂が訪れ・・・・・・人間と『闇』の使徒達の戦いが、再び始まった。
説明 | ||
お待たせしました。ようやく投降にこぎ着けられる程の長さに仕上げる事が出来ました。中間で色々忙しくて申し訳ありません。最後まで読んで頂ければ幸いです。ではどうぞ。 | ||
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コメント | ||
はい、揃いました。ちなみにオリジナルガイアメモリとドライバーの絵を(手書きで下手ですが)近い内に投稿しようと思います。(i-pod男) 新旧アギトがついに揃ったか><(yosiaki) |
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