IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode122 上の方の者
それからして隼人達は近くの島に到着して休んでいた。
「しかし、俄かには信じ難いです」
「まぁそうだろうな」
「・・・・」
「・・・・」
そこには隼人、シノンはもちろん、実体化したユニコーンの意思とバンシィの意思がいた。
隼人はシノンにバンシィとユニコーンについて説明したのだが、シノンは怪訝そうな表情をしていた。
当然だ。ISの意思が実体化するなど前例が無い以前にありえない現象だ。信じられないのは無理も無い。
「ISの意思が実体化など、理論的以前にありうる現象なのでしょうか?」
「さぁな。今までそんな例は無いから、何とも言えんな。まぁ現に目の前でそれが居るんだ。信じるしかないだろ」
「・・・・」
その通りなのでシノンは何も言えない。
(しかし、実体化に伴ってユニコーンとバンシィに変化があるとはな)
(そうだね。私の場合は第二形態移行した姿と言った所だね)
(私のは隼人の持っていたバンシィを元に変化したって所だね)
隼人はユニコーンとバンシィにプライベートチャンネルのようにこっそりと話していた。
(そういやバンシィにあったブラスタービットがユニコーンに移ったのか?)
(ううん。元々はユニコーンにあったものなんだけど、バンシィに残っていたデータから作られたんだよ)
(なるほど。じゃぁバンシィの武器は?)
(あれは君の記憶から作った新しく形成した武器)
(そうか)
(バンシィは『OVA版』から『小説版』の姿に変化しているんだな。『バンシィ・ノルン』の変化に伴う外見の変化なのか?)
今度は内心で考えていた。
(しかも二体の外見が意思のモデルの姿が少し反映されているんだよなぁ。武装も似たようなものになっているし)
バンシィとユニコーンの外見を思い出して「うーん」と静かに唸る。
「それで、ゼロ。これからどうするのですか?」
「どうも何も、今日はここで一泊だ。明日にはIS学園に着くだろう」
「バインドに見つからなければ、でしょ?」
「まぁな」
「しかし私を含めてバンシィとユニコーンを連れて行っても大丈夫なのですか?」
「そこなんだよな問題は。どう説明するか」
「そうだよね」
「そこは隼人君に任せるよ」
「ひでぇ。ちょっとは一緒に考える気は無いのかよ」
「はぁ」とため息を付いた。
その頃―――――
「トルネードがやられたようですね」
暗い空間の中で、薄い青の機体が言う。
「所詮口だけの輩と言う事だ」
と、黒とパープルの機体が言う。
「やつは我ら『ジェネレーションズ』の中で一番最弱だ。とんだ面汚しだ」
と、長い爪を持つ一つ目の赤い機体二体を従える金の仮面のようなバイザーを持つ赤い機体が言う。
「・・・・」
「・・・・」
そんな中で青い機体と赤と白を持つ似た形状を持つ機体は何も言わない。
「『ハルファス』『フェニックス』、お前達は特に言う事は無いのか」
と、ハルファスに似た形状を持つ黒とパープルの機体が言う。
「特に無いよ。また一人と消えたんだから」
「同意見」
「ふん。相変わらずお前達は優しいのだな」
「・・・・」
「やつを倒したのは例の人間もどきか」
と、王座と思われる場所に一体の白い機体が座っていた。
「そう思われます、我が王」
薄青の機体が言う。
「うむ」
「その人間もどきが更に力を増したと思われます」
「例の力か」
「トルネードもやつの力を増すための生贄になっただけか。所詮やつはその程度という事だ」
「『クイーン』・・・さすがにそれは言いすぎだぞ」
「だが事実であろう、『ハルファスベーゼ』」
「・・・・」
「逆に面白くなってきたんじゃねぇか」
と、他の機体とは少し雰囲気の違う機体が言う。
「『マスターフェニックス』・・・そんな事を言う状況では・・・」
「強い相手ほど血が滾るってもんだろ」
「あなたと言う方は本当に・・・」
薄青の機体は頭に手を当てる。
「相変わらず戦いを望むのだな」
「戦いこそが俺の全てだ」
「・・・・」
「まぁそう焦る事も無かろう、皆の者」
ざわつき出す皆に白い機体が止める。
「ですが、あの者は神々が送り出した尖兵です。どんな強大な力を秘めているのか分からないのですよ」
「どのような力を持っていようが、我『バルバトス』の前に勝てる者など居らんのだ」
と、白い機体ことバルバトスは頭の上の一つ目を左右に動かす。
「・・・・」
「確かにそうだな。我が王の力を持ってすれば敵う相手など存在せん」
マスターフェニックスが薄青の機体に言う。
「それが結果論とは限りません。絶対と言う保証は存在しません」
「そうだな。神々でも絶対と言う力はあっても、絶対と言う保障は無いのだからな」
「それより、例のGの力を持った人間共を捕らえたのだな?」
「えぇ。トルネードとハルファスベーゼが共に行き、『レギナ』とあなたの『ミラージュ』を引き連れて」
「しかし良かったのですか?たったこれしきの事で我が王のミラージュを投入するなど」
と、フェニックスが白い機体に問う。
「今回はテストを兼ねての戦闘だ。特別に許可した」
「なるほど」
「役に立てばよいのですがね。その下等な人間共が」
クイーンは二体居る内の一体の頭に手を置く。
「その点であれば心配ないでしょう。我らの力を宿したGの力を持った人間は貴重な存在です。心を操れば我らの大きな戦力となるでしょう」
クイーンに薄青の機体が説明する。
「後は偶然捕らえた人間の中に居た『特異点』の力に相応の力を加えれるか取り替える事をすれば十分な働きを見せるでしょう」
「それは何よりだ。ではすぐに作業に取り掛かれ、『フェニックスゼロ』」
「了解」
そうしてフェニックスゼロと呼ばれる薄青の機体はその空間より出る。
「まさかあの中に『特異点』が居たとはな」
「あぁ。噂には聞いていたが、本当に実在していたのか」
「あの人間もどきとデットコピーもそれに該当するのだろ」
「確証は無いですが、確かです」
「そうか。他の者はそれぞれの役目を果たせ。計画の遂行のためにな」
『ハッ!』
そうしてバルバトス以外がその空間より出た。
「・・・・」
バルバトスは玉座より立ち上がると、その空間を出て別の空間に出る。
そこは中央に薄き緑に輝くコアが床に埋め込まれており、コアより空間全体にライン状の光がディテールに沿って走る空間であった。
「・・・・」
バルバトスはそのコアの上に浮かぶと両肩のパーツを背中に回して孔雀の羽のように広げる。
(見せてもらおうか、黒獅子よ。貴様の力とやらを)
すると羽よりエネルギーが発生してコアに送ると、周囲の半透明の試験管のようなものにエネルギーが充填されて中で何かが形成されて行った。
そうして夜が明けた時に隼人達は島から跳び経って海上を飛んでいた。
「そろそろIS学園に着きますね」
「そうか。しかし長かったな」
警戒の為に武装を展開していた隼人は前の方を見る。
「今思い出せば色々とあったな」
「そうだね」
「確かに」
と、後ろを飛んでいたユニコーンとバンシィが言う。
「みんな元気にしているかな」
「きっとそうだといいね」
「あぁ」
「でも何だか妙な感覚だ。ここまで何も起こってないというのに」
「今まで何かあったからそう思うんじゃないの?」
「どうだろうな。まぁ確かにその通りなんだが・・・」
隼人はどうも歯切れが悪い。
「何か引っ掛かるのですか、ゼロ」
「よくは分からん。だが、何か妙なんだ」
「・・・・」
そうしてしばらく低空飛行して行くと薄っすらとIS学園がある人工島が見えてきた。
「IS学園・・・」
「ようやくですね」
「そうだな・・・・・・?」
喜びを覚える隼人だったが、直後に違和感を覚えた。
「どうしたのですか?」
「・・・・」
隼人はモニターを拡大する。
「っ!?」
そこで隼人は目を見開いて驚く。
「あれは・・・」
「・・・・」
同時に拡大して見ていたバンシィとユニコーンは気付いていた。
ここからでは分からないが、拡大して見ればIS学園の上空が黒くなっていた。
「まさか!」
隼人は左腕のアームドアーマーDEを装着したシールドを展開したアームドアーマーXCにマウントして後部の推進器を展開して一気に飛び出す。
「ゼロ・・・!」
シノンもスラスターを更に噴射して飛び出した。
「・・・・」
「ある意味隼人君の直感は当たっていたね」
慌てた様子を見せていた隼人を二人は見ていた。
「そうだね」
「これも力を発動させた副次効果なのかな」
「・・・・」
ユニコーンとバンシィもスラスターを噴射させて飛び出した。
見ればIS学園のある人工島の至る所が抉れており、各所より黒煙が上がっていたのだ・・・
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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