超次元の外れ者・リメイク(9)
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「心、再び欠けて」

インターセンター・1番街・ワーカー宅

ユウザ

「遅いなー・・・・・」

今日は僕の誕生日、そして同時に、家族が帰ってこなくなった日でもある。

ユウザ

「・・・・・・・・」

・・・・・だめだ・・・どうしても思い出してしまう・・・・・

あの頃と同じだ・・・・両親が帰ってこなかったあの時を・・・教会役員が来たあの時を・・・・

けれども今日は違う。((義父|とう))さんは帰って来てくれる。去年もそうだった・・・忙しかったのに来てくれた・・・・・

「遅くなってすまない・・・・誕生日おめでとう」と言って、玄関でプレゼントをもらった・・・・

ユウザ

「・・・・ふふっ・・・・」

その事を思い出すと、自然と笑顔になった。

だから今日も来る・・・きっと来る・・・・そう思い、帰ってくる事を信じてとにかく待った。そして・・・・

 

ピンポーン・・・・

 

呼び鈴が鳴った。ドアの前で誰かが待っている・・・・義父さんだ!帰って来たんだ!

そう思い、僕はドアの前に元気良く駆け込む。

去年のように、「遅れてすまない、誕生日おめでとう」と言い、プレゼントを渡して、食事をとって、ケーキで祝って・・・・

そんな思い出を胸にふくらませながら、ドアを開けたその先には・・・・・

ユウザ

「おかえ・・・・・・」

「・・・・・・」

義父さんの友人で、仕事の時の義父さんの右腕でもある。竜人の源さんだった。

可笑しい・・・・誕生日のお祝いに来てくれたのだろうか・・・・なら何故義父さんはいないんだ?

ユウザ

「あの・・・・・義父さんは・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・ッ」

何も言わない、何も答えない、あるのは重い沈黙だけだった。

その時・・・・・あの時義父さんが、何故投剣を100本買って用意していた事を思い出した。

源さんの暗く重い沈黙と、あの時の義父さんの行動・・・・・そこから、ある事がよぎった・・・・

ユウザ

「あ・・・・・・あっ・・・・・あああ・・・・・・・」

信じられなかった。まだ想定の域を出ていないからだ。重傷で入院しているだけで、生きているのかもしれないからだ。

ユウザ

(そうだ!死んでない!まだ決まったわけじゃない!!約束したんだ!どこか遊びに行こうって!だからッ・・・!だからッッ!!!)

「うっ・・・・ううううう・・・・・・・・」

源さんが泣くのをこらえている・・・・涙を流している・・・・その右手には・・・・義父さんの投剣が握られていた・・・・・・

ユウザ

「あっ・・・・ああああっ・・・・ああああああああ」

ぼろぼろと目から涙が流れた。想定が確信に変わった・・・・・義父さんは・・・・リンク・ワーカーは死んだのだ。

ユウザ

「あ・・・・あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

そして僕は狂ったように泣き喚いた。源さんも泣き崩れた。

10歳の誕生日・・・・・僕の心は、両親が死んだ事を知った時よりも大きく欠けてしまった・・・・・

義父さんの最期のプレゼントは・・・・・義父さんが設計、愛用していた、この国特産の投剣だった・・・・・

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コメント
コメント、ありがとうございます。これが始まりと言うか、何と言うか…次回をお楽しみに!(ヒノ)
byZ のおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!おとうさーーーーーーーーーーーーーうんんんんんんん!!!!!!!!!( Z ハデス)
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