魔法少女リリカルなのは〜原作介入する気は無かったのに〜 第五十二話 何とか帰ってこれました
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 「…それじゃあ、色々とお世話になりました」

 

 神様から『神様版ジュ〇ンジが終了した』との連絡が届いた翌日。

 今朝、朝食を摂ってすぐに神様から『地球にある海鳴の臨海公園に転移するよ』との連絡がきた。既に人払いの魔法も使ってくれているらしい。

 …よく思い出してみるとあのゲームってゴールした瞬間、『起こった現実が全て無かった事になっている』のを思い出した。

 俺もそんな風になるのか尋ねてみたところ…

 

 『そこまでジュ〇ンジを再現してはいないよ。君がこの星に来た事はちゃんとフローリアン姉妹も憶えているし、ゲームの命令実行時…今回で言うと君が次元震によって飛ばされた事も無かったことになるって訳じゃない』

 

 それを聞いて少し安心した自分がいた。

 せっかく友達になれたアミタ、キリエに忘れられるのは寂しいし。

 ていうかゲームが終わった時点で『俺が次元震に巻き込まれた現場に戻って、今日までの出来事が無かった事になっていない事』が実際のジュ〇ンジと違うという事の証明だな。確認するまでもなかったか。

 

 「こちらこそありがとう。君には本当に助けられたよ」

 

 お礼を言うグランツさん。彼の傍らにはアミタとキリエもいる。

 

 「二人共、勇紀君にお礼と挨拶をしなさい」

 

 グランツさんに促され、一歩前に出る二人。

 

 「その…勇紀さん。私に色々師事して頂きありがとうございました」

 

 「師事っていっても基礎トレーニングさせただけだからお礼を言われる程の事じゃないさ。家事については逆にしっかり教えたつもりだけどな。それより無茶だけはするなよ?」

 

 「はい!!気合と根性でこれからも頑張っていきます」

 

 …ホントに大丈夫かな?

 

 「…約束、ちゃんと守ってよね」

 

 「分かってる。いつかまた会いに来るさ」

 

 キリエの言葉にもしっかりと頷いて返事する。

 そこで神様が俺の眼前に巨大な魔法陣を展開してくれる。三人には俺が魔法陣を展開した様に見せるため、俺がポーズをとっているが。

 

 「《…神様。ちょっといいですか?》」

 

 「《何だい?》」

 

 「《俺に言ってくれた『願いを叶えてくれる件』ですが、今叶えてもらっていいですか?》」

 

 「《いいけど、何か思い浮かんだのかい?》」

 

 「《ええ。俺の願いですけど『グランツさんが不治の病にかからず、ずっと健康体でいられる』様にしてくれませんか?》」

 

 「《ふむ。その願いを叶えるのは確かに可能だけど本当にいいのかい?チート能力とかじゃなくて?》」

 

 神様…ホントにチートに拘るなあ。けど俺には今の能力だけで充分だし。

 

 「《いりません。グランツさんの事気に入りましたから。俺の勝手な我が儘ですけどこの人を死なせたくないんです》」

 

 「《……本当に優しいね君は。分かった、その願いを聞き届けよう》」

 

 そのまま神様はグランツさんが不治の病にかからない様に彼の運命を変えてくれる。

 しばらく待つと『運命を変えたよ』との連絡が入った。

 

 「《じゃあ次は君を地球に帰す番だ。魔法陣の中に入りたまえ》」

 

 言われるがままに魔法陣の中央に立つと魔法陣の輝きがより一層増す。

 ……お別れの時だ。

 

 「「勇紀さん!!(勇紀!!)」」

 

 二人が大きな声を上げる。

 

 「今度会う時までにもっと料理を上手に作れる様練習しておきます!!だからその時は食べてくれますか!?」

 

 「私は少しでも強くなって勇紀と手合わせしたい。その時は受けてくれる!?」

 

 俺は二人の方をしっかりと見たまま

 

 「楽しみにしてるよ。絶対にまた会おう!」(ニコッ)

 

 手を大きく振りながら俺は転移する。

 

 「《…あっ、転移先の座標少し間違えた》」

 

 最後に神様がとんでもない事を念話で呟いたのを聞きながら………。

 

 

 

 〜〜グランツ視点〜〜

 

 勇紀君の足場に現れていた模様がより一層輝きを増し、光が収まった時、彼の姿は地面の模様と共に消えていた。

 どうやら彼は帰ったみたいだね。

 彼と出会った10日間、実に有意義で楽しい時間だった。

 私にとっても実の息子が出来たみたいで。

 私はポケットから数枚の折り畳まれた用紙を取り出して中を見る。

 勇紀君が自分の能力を使って調べてくれた『死蝕』を除去するのに必要な材料と調合の配分、そして製作の手順が記載されていた用紙と、彼が設計した浄水法の使用、メンテナンスの手順と故障した際に必要な備品が載った用紙だった。

 これは彼が今朝、朝食の際に私に渡してくれた。

 …まったく。ここまでエルトリアのためにやってくれるなんて感謝してもし切れないじゃないか。

 

 「私も次、彼に会う時には何かしらの形で恩を返さないとな」

 

 空を見上げ、言葉にする。

 

 「勇紀…さん…グスッ…」

 

 「……………………」

 

 アミタは彼の名を呼んですすり泣き、キリエも声は出さないものの、目元には涙が溜まっている。

 

 「二人共、勇紀君はきちんと約束してくれた。『また会おう』ってね」

 

 「「……………………」」

 

 「アミタもキリエも次に会う時には成長した自分を見て貰うのだろう?」

 

 「「……………………」」

 

 コクッと同時に二人は頷く。

 

 「ならもう泣き止んでしっかりと前を向きなさい。成長していないと彼に呆れられるか笑われるよ」

 

 「「はい!」」

 

 返事をする二人の頭を優しく撫でる。

 泣き止んだ二人の瞳には強い意志が宿っているのが見て取れる。

 

 「そうだ。泣いてるヒマは無いぞ!彼の知り合いには女の子が多いらしいからね。勇紀君を取られるかもしれないし」

 

 ビキッ

 

 ん?何か空気に罅が入った様な気が…

 

 「「………博士」」

 

 「ヒイッ!?」

 

 頭を撫でている二人からとんでもない威圧感が放たれている。私は思わず悲鳴を上げてしまった。

 

 「「博士はどうしてそんな事を知っているんですか?」」

 

 二人の言葉が綺麗に重なる。

 

 「か、彼に研究の手伝いをしてもらっている最中聞いたんだよ。彼の世界の事や彼の家族・友達など彼が答えられる範囲でだが。そ、それで彼が上げた名前で女の子っぽい名前が多かったので聞いてみたらやっぱり女の子だったと…ひいいいぃぃぃっっっ!!?」

 

 ゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

 し、心臓が止まりそうだよ。

 

 「「もしかして…その子達も勇紀さん(勇紀)の事を?」」

 

 「そ、そこまでは分からないけど彼の性格やら何やらを考えると惚れていても………ひいいいいいいいぃぃぃぃぃぃっっっっっっ!!!!!!?」

 

 「「ふ…ふっふっふ。これは次に勇紀さん(勇紀)と会った時に色々聞かないといけませんね(いけないわね)」」

 

 凄まじい迫力で喋る娘達を見て

 

 「(すまない勇紀君。私は余計な事をしたかもしれない。私達と二度と会わない方が君の命を守る事になるだろう。本当にすまない…)」

 

 心の中で元の世界に帰ったであろう男の子にひたすら謝るのだった………。

 

 

 

 〜〜グランツ視点終了〜〜

 

 パアアアアアッ

 魔法陣と共に俺は転移してきた。

 目の前の光景は変わっており、グランツさん、アミタ、キリエの姿は無い。

 転移には成功した様だな。ただ…

 

 「(神様〜〜〜!!!!)」

 

 俺は心の中で思いきり叫んでいた。

 あの人、転移する直前にとんでもない事呟いたよ!!

 『座標間違えた』って。

 まさかまた地球でも無いミッドでもない別世界に来たんじゃないだろうなオイ。

 

 「(とりあえず神様を殴りに行こう。この人生を全うしたら絶対に殴りに行こう)」

 

 俺は固く誓い

 

 「ダイダロス。周囲に生命反応は?」

 

 ダイダロスに探知してもらう。

 軽く見渡すと何処かの森の中なのか木々や草むらしか見当たらない。空は明るく、太陽が見える事からエルトリア同様に午前中、もしくは午後という事だな。…太陽の位置からするにここが地球なら午前10時前後ってところか。

 

 「………うん、感じる。生命反応はあるよ…っていうか一つの反応が近付いて来てる!?」

 

 ダイダロスの言葉に俺は周囲を警戒する。

 同時にガサガサと草むらが揺れ、((何か|・・))が姿を現した。

 最初は警戒していた俺だが草むらから出てきた((何か|・・))は…人間だった。

 出てきたのは一人の大人の女性。薄い茶色の髪をポニーテールにしながら、くせ毛というか触角というか…ピンとした細長い前髪の毛が目立つ。

 服装は白いセーターに青いジーパンというラフな格好。

 その人を見て俺は固まり『何でこの人がここに!?』と思った。

 相手の女性も俺を見て驚愕の表情を浮かべ、固まっている。おそらく俺と同じ事を思っているのかもしれない。

 しばらくは固まっていたが

 

 「「フィ…(ゆ…)」」

 

 俺とその女性は同時に口を開き

 

 「「フィー姉!?(勇紀!?)」」

 

 お互いに大声で叫ぶ。

 そう…目の前に現れたのは俺の姉的存在の一人でゆうひ姉さん同様、クリステラソングスクール卒業生の世界的歌手、ゆうひ姉さんと同様でここ2〜3年は会っていなかった『フィアッセ・クリステラ』その人だった。

 

 「な、なな、何でフィー姉がここに!?」

 

 「そ、それはコッチの台詞だよ!!何で勇紀がここにいるの!?ここはクリステラソングスクールの裏庭だよ!?」

 

 「ナンデスト!!?」

 

 思わず声が裏返ったまま聞き返してしまった。

 クリステラソングスクールって事はここはイギリス!?

 臨海公園に転移する筈だったのにクリステラソングスクールの裏庭ってマジか!?

 

 「(同じ地球に戻ってこれたのは良かったけど、神様!!アンタうっかりミスし過ぎだよ!!)」

 

 内心で神様に憤怒する。

 

 「でも何で勇紀がここに?そんな連絡パパやママからも聞いてないし…」(ブツブツ)

 

 フィー姉は何やら俯いてブツブツと言ってるが

 

 「ハッ!?」

 

 突然顔を上げたかと思うとコッチを見る。

 

 「???」

 

 『何だろう?』と思っていると

 

 「勇紀!!ひょっとして私を驚かせるために皆にも内緒で会いに来たの!?」

 

 何だか勘違いしたままフィー姉は瞳をキラキラ輝かせ、俺に問うてくる。

 

 「い、いや…違「嬉しい〜〜〜〜っ!!」…わぶっ!?」

 

 目にも止まらぬ速さで俺に近付き、そのまま俺を抱きしめるフィー姉。

 ゆうひ姉さんに勝らぬとも劣らぬ大きさの胸に顔をうずめられ俺は息が出来なくなってしまう。

 ……ゆうひ姉さんの時と同じ様な状況だなコレ。

 

 「勇紀も私に会えなくて寂しくなったから会いに来たんだよね!?お姉ちゃんもそうだよ!!勇紀に会えなくて凄く寂しかったんだよ!!」

 

 違うから!!会いたくてここに来た訳じゃないから!!

 言葉にしたくても出来ず、ジタバタ暴れてもフィー姉は俺を離そうとしてくれない。

 

 「ゴメンねゴメンね!寂しい思いをさせて!でも大丈夫、お姉ちゃんが勇紀の側にいるからもう寂しい思いさせないからね!」

 

 「ムーーーーーッッ!!」

 

 だから違うっての!!

 ゆうひ姉さんの時みたいにこのまま息を吸えずに意識が落ちるのかと思いきや、フィー姉は俺を放してくれた。

 

 「プハーーーーーッッ!!!」

 

 空気の有り難さが身に染みる。

 俺が息を吸ったり吐いたりするのをフィー姉は見ている。

 俺は『むう〜』と唸って睨んでみるが

 

 「そ…そんなに熱の籠もった視線で見つめられたら…は、恥ずかしいよ////」

 

 何を勘違いしているのか世界の歌姫様は頬を赤く染め、身体をクネクネさせている。

 

 「(ハア〜…)とりあえずフィー姉。確認するけどここはイギリスでクリステラソングスクールの敷地内でいいんだよね?」

 

 「えっ?うん、そうだよ〜。ここはクリステラソングスクールの裏庭で向こうには校舎があるよ。良かったら案内しようか?」

 

 「…お願いして良い?」

 

 「いーよいーよ。じゃあ行こう♪」

 

 俺はフィー姉と手を繋ぎ(繋いできたのはフィー姉からだが)、校舎へ案内してもらうのだった………。

 

 

 

 〜〜???視点〜〜

 

 私が管理局を退職し、もう2年が過ぎたか…。

 …あの闇の書事件から2年。

 故郷であるイギリスに隠遁してからも((彼女|・・))への支援は続けさせてもらっている。

 彼女が一人前になったら真実を告げるつもりではある。私が彼女の『両親の知人』と偽って彼女に近付き、闇の書を彼女もろとも永久封印しようとしていた事を…。

 クライドの息子であるクロノを始め、彼女の周りにいる者には

 

 『いつか私が真実を自らの口で伝える。だから彼女には黙っていてほしい』

 

 と頭を下げ、願った。

 だが彼女は頭が良く、精神年齢も同年代の子達の中では高い方だろう。

 私が言わずともおそらく真実に気付いているかもしれない。『ならばもう言う必要は無いだろう』と甘い囁きが時に脳裏を掠める。

 だがそれは決して許される事ではない。

 私は自らの口で言わなければならないのだ。

 それが私に課せられた『罰』でもあるのだから。

 

 「………ふう」

 

 今日も彼女の生活の支援手続きをしつつ、私は一息入れる。

 この程度で疲れるとは…私も年をとったものだ。

 傍らの机に置いてあった紅茶を口に付けた瞬間…

 

 「っ!!?」

 

 巨大な魔力を突如感知した。

 何だこれは!?

 私はその魔力に驚き、椅子から慌てて立ち上がった。椅子が『ガタン』と音を立てて床に倒れるがそんな事を気にしている場合ではなかった。

 

 「「父様!!」」

 

 私の元へ駆けてくるのは二匹の猫。私の使い魔だ。

 使い魔達もこの魔力に気付いたのだろう。

 

 「感じましたか?」

 

 「凄まじい魔力です」

 

 「うむ」

 

 私もここまでの魔力を感知した事は無い。これ程の巨大な魔力が何故イギリスで突如発生したのかは知らないが放置する訳にはいかんだろう。

 

 「アリア、ロッテ。すぐに現地で調査を頼む。それと可能なら魔力の元である対象に接触、危険だと判断したなら無理をせずに監視を」

 

 「「分かりました父様」」

 

 二匹の使い魔、アリアとロッテは人型に姿を変えるとすぐさま現地へ向かっていった。

 厄介な事件の前触れでなければ良いのだが………。

 

 

 

 〜〜???視点終了〜〜

 

 俺は現在クリステラソングスクールの校長室にお邪魔している。

 校長室にあるテーブルを挟んで二脚のソファーがあり、片方にはこの学校の現校長でありフィー姉のお母さんである『ティオレ・クリステラ』さん、そしてティオレさんの秘書兼このスクールの教頭でもある『イリア・ライソン』さん。その二人の対面側に俺とフィー姉は座っている訳だが…

 

 「〜〜♪〜〜♪」

 

 俺を自分の膝の上に座らせ、抱きしめながらソファーに腰を下ろしているフィー姉は鼻歌まで歌い、ご満悦の様子。

 ティオレさんはニコニコ笑顔、イリアさんは呆れ顔をしている。

 このままお互い何も喋らないと時間の無駄なので俺が口を開く。

 

 「…とりあえずお久しぶりですティオレさん、イリアさん」

 

 フィー姉や父さん繋がりでこの二人とは当然顔見知りだ。

 

 「ええ、本当に久しぶりね」

 

 「何故貴方がここに?私は何も聞いていないのだけど…。それに小学校はどうしたんです?」

 

 イリアさんの疑問ももっともだよね。

 

 「そんなの決まってるよイリア。勇紀は私と一緒に暮らすためにイギリスに来てくれたんだよ!小学校なんてどうでも良い事なの」

 

 「違うからね!?」

 

 満面の笑顔で力強く答えるフィー姉の言葉に振り返って突っ込んでおく。

 さっきは『自分に会いに来てくれたんだね』とか言ってたのに、この短時間で何がどうなってそんな理由に変化したのか…。

 相変わらずなブラコンお姉様だ。

 2〜3年前と全く変わっていないフィー姉である事を喜ぶべきか悲しむべきか。

 …いや、溺愛ぶりは更に上がっているな確実に。

 

 「…全く貴方は。勇紀君の事になると暴走するんですから」

 

 眉間に皺をよせながら『ハア〜』と溜め息を吐き、やれやれといった感じのイリアさん。

 

 「暴走じゃないよイリア。勇紀に対する愛情が溢れ出るだけだよ♪」

 

 その溢れ出る愛情とやらを少しは抑えてくれませんかね?

 

 「ならその愛情とやらを少しは抑えなさい」

 

 おお!?俺が今思った事をイリアさんはそのまま言ってくれた。

 

 「何言ってるのイリア!?そんなことしたら私、もう二度と歌えなくなっちゃうよ!!」

 

 「え!?そこまで影響すんの!?」

 

 思わず聞いてしまった。

 

 「当たり前だよ!」

 

 しかも即答で返された。

 

 「あらあら、フィアッセが歌えなくなるのは困るわねえ」

 

 未だにニコニコ笑顔で俺達の会話を聞いていたティオレさんが口を開く。

 今更だがティオレさんは『とらハ3』の原作開始時点では既に自分の死期を悟っている状態だった。だが、目の前にいるティオレさんは超が付く程の健康体。本人曰く

 

 『孫をこの手で抱くまでは死ねないわね〜♪』

 

 との事らしい。

 しかしフィー姉はブラコンだし…。結婚出来るのか弟的存在である俺は不安だよ。

 

 「……もういいです。今のフィアッセには何言っても無駄の様に感じますから。…勇紀君」

 

 「はい?」

 

 「最初の質問に戻りますがどうしてイギリスに?しかも何故スクールの裏庭にいたのかも疑問です。父親であるミスター・長谷川か母親のミス・長谷川に連れてこられたのですか?」

 

 「いえ、父さんや母さんはいませんよ。俺一人だけです」

 

 その答えにイリアさんは眉を顰める。

 けど嘘は言ってないんだよ。

 

 「一人だけ?尚更疑問に思いますね」

 

 訝しむイリアさん。

 …どうしよう。正直に答えたら済むんだけど

 

 「勇紀。貴方がここにいる理由は訳があってしゃべれないのかしら?」

 

 今までニコニコしていたティオレさんが真面目な表情になり、俺に問う。

 

 「出来れば詮索しないで頂ければありがたいんですけど…」

 

 「むっ!勇紀、お姉ちゃんに隠し事は駄目だよ?正直に全部言いなさい」

 

 後ろから俺の両頬を引っ張る。ただそんなに強い力で引っ張られてはいないので痛くは無い。

 ていうかフィー姉よ。俺にだって人に言えない事はあるんですよ?それを『言え』とか…。

 

 「流石にそれは出来ませんよ」

 

 ですよねー。

 イリアさんの言う事はもっともだし。

 ここにいる人達は父さんの規格外の戦闘力とかを知っているので案外俺が『魔法使えるんです』とか言っても納得してくれそうな気はするが。

 …どうしようか。

 

 「「「ジーーー………」」」

 

 二人の視線が正面から、すぐ背後から一人の視線が俺に集まる。フィー姉は引っ張っていた両頬を解放してくれる。

 

 「も、黙秘権を行使します…」

 

 ムニ〜

 

 「駄目!正直に言いなさい」

 

 再び頬を引っ張られる…が、やはり優しく引っ張るので痛くは無い。

 それからは

 

 『フィー姉が優しく頬を引っ張り、少ししたら放してくれる』→『ティオレさんかイリアさんに問われる』→『俺、黙秘』→『再び頬を…』

 

 という無限ループに陥っている。

 このままじゃ埒が明かないよなあ。

 

 「勇紀。貴方が秘密にしている事はここにいる者以外には絶対に話さないと約束しましょう。ですから話してもらえないかしら?」

 

 もう何度目かのティオレさんの台詞を聞き、俺は折れる事にした。

 これ以上、状況が変化する事なさそうだし、早く俺は日本に帰りたい。

 

 「…ハア〜、分かりましたよ話します。けど今から言う事は決して嘘でも作り話でもないし、誰にも言わないで下さいよ?」

 

 「「「ええ(分かりました)」」」

 

 俺の言葉に3人は返事してくれるので俺は話し始める。

 といっても話すのは魔法を使える事と、現在管理局で働いてる事ぐらい。

 流石に転生者云々の事は言うつもりは無い。

 

 「……てな訳で帰る先の座標設定を(神様が)間違えたので俺はスクールの裏庭にいたんです」

 

 俺はエルトリアから帰ってきた事まで話す。

 

 「ま、魔法…それに異世界ですか…」

 

 「…流石泰造の息子。貴方も規格外の範囲に入るのね」

 

 「つまり勇紀は好きで好きで仕方のない私を守るために自分を鍛えてるんだね♪お姉ちゃんは嬉しいな//」

 

 「フィー姉ちゃんと話聞いてた!?」

 

 イリアさんは口元をヒクつかせ、ティオレさんは俺を父さんの同類と判断。で、俺を膝の上に乗せているフィー姉は自分の都合の良い様に自己解釈している。世界の歌姫の頭の中が本当に心配だ。

 

 「…ハッ!?という事は貴方は正規の手順を踏んでここに来たという訳ではないのね?ならパスポートなんかは…」

 

 「……あははー………無いです」

 

 イリアさんの指摘に苦笑いで答える。

 今の俺は完全に入国管理法違反の真っ最中だな。

 

 「で、でも心配ご無用!今度はちゃんと転移魔法で家に帰りますから!」

 

 「えっ!?お姉ちゃんと一緒に住むんだから帰る必要無いでしょ?」

 

 うん。アンタは少し黙ってようか。

 

 「ていうか俺が話せる事はもう話しましたから家に帰っていいでしょうか?」

 

 「そうねえ…。私としてはもう貴方がここにいる理由を聞けたから特に聞く事は無いし…」

 

 「私もですね」

 

 ティオレさん、イリアさんは頷く。

 

 「勇紀。今帰っても日本は夜だよ?子供一人で出歩くなんて危ないよ?」

 

 確かに日本とイギリスの時差は9時間程ある。今、イギリスは午前11時前。なら9時間程時間が進んでる日本は夜の8時前ってところだな。

 

 「大丈夫だよフィー姉。さっきも言ったけど俺魔法使えるし、普通に魔法使わなくても戦えるぐらいには鍛えてるから」

 

 それに転移先はアースラにする予定だ。

 まだ臨海公園に人払いの魔法の効果が残っているのか分からないし。

 かと言って家の前に直接転移してご近所の方々に見られたら大変。

 自分の部屋に転移するのもいいけど、このままだと土足で部屋に入る事になるので床が汚れてしまう。

 それに俺がいなかった間の事を確認しておきたいのもあるし、シュテル達が訓練校から帰って来るのも夜の8時過ぎだった筈だからアースラに行けば会える可能性もある。アイツ等がミッドに行くのはアースラ経由だし。

 

 「でも…」

 

 「心配してくれるのは有り難いけどさ。不法入国したままの俺がいるのはマズイし」

 

 俺が帰るのに不満そうなフィー姉。

 

 「フィアッセ、勇紀君の言う事はもっともです。貴方の我が儘で彼を縛り付けるつもりですか?」

 

 「うん」

 

 「え!?そこ頷くの!!?」

 

 イリアさんの問いに迷う事無く頷くフィー姉。俺は思わず振り返って聞いてしまう。

 

 「…貴女は本当に」

 

 イリアさんは額に手を当てて『ハア〜』と溜め息を一つ。

 

 「とにかく、勇紀君は日本に帰ってもらいます」

 

 「そんな!?」

 

 いや、イリアさんの言う事が正しいんだからそんな絶望的な表情を浮かべないで下さい。

 その後、フィー姉を説得し、俺が帰れる様になるのに15分程時間を費やした………。

 

 

 

 フィー姉、ティオレさん、イリアさんにちゃんとお別れの挨拶を済ませた俺。

 『見送ってくれる』と言ってくれたが『魔法に巻き込んでしまうかもしれないから』と言って丁重にお断りしておいた。

 で、再び裏庭に戻ってきた……のだが

 

 「(((見られてるなあ|・・・・・・・)))」

 

 さっきから視線を感じる。

 視線は二つ程。どうしようか?

 警戒心っぽいのは感じるけど敵意は今の所無い。

 無視するのが一番かもしれないけど転移魔法を展開しようとした瞬間に攻撃されないとも限らないし。

 ていうか相手の方からも魔力を感じるから多分魔導師と考えていいだろう。

 

 「…………いい加減出てきたらどうですか?」

 

 一旦転移魔法の準備を中断し、コッチから声を掛けて相手の出方を窺う事にした。

 するといきなり結界を張られ、相手も姿を現す。

 やっぱ二人だ……というかこの二人かよ。

 相手は隠居した提督さんの使い魔…リーゼ姉妹だった。

 …魔導師じゃなくて使い魔だったか。

 

 「アンタがさっき、巨大な魔力を発生させた張本人みたいだね。何が目的?」

 

 髪の短い方…リーゼロッテが俺を警戒しながらも尋ねてくる。多分俺がこの世界に転移した直後の事を言ってるんだろうな。

 すぐ側にいるもう一人…リーゼアリアも魔力を溜め、コチラの行動に即対応出来る様に準備している。

 …念のため、『((天目反射|サードアイ))』を発動させとくか。

 

 「目的も何も自分の家に帰ろうとしてるだけなんですけど…」

 

 「家に…ねえ。コチラとしては正体不明・目的不明のアンタの言葉を鵜呑みには出来ないんだけど?」

 

 正体不明…なら局員の証明IDでも見せたら信用してくれるかな?

 俺は自分のIDを見せ

 

 「時空管理局地上本部の陸士108部隊所属、長谷川勇紀三等陸士です。次元震に巻き込まれ、他世界に飛ばされていましたが何とかコッチの世界に戻って来れたばかりです。ただ帰り際の座標設定を(神様が)少しミスってしまい、ここに転移してしまったんです」

 

 そう自己紹介し、バリアジャケットを解除して陸士隊の制服を見せる。

 …あ、メッチャ驚いてる。

 

 「「か、管理局の魔導師!?」」

 

 「はい。時空管理局をご存じですか?もし知らない様なら説明させていただきますが?貴方達も魔力を持っているみたいですがここは管理外世界と言われている場所なので…」

 

 IDと俺を何度も交互に見るリーゼ姉妹。そんな姉妹にあえて聞いてみる。

 

 「知ってるも何もあたし達の父様は元管理局員であたし達は父様の使い魔さ」

 

 「…このIDの発行日を見ると管理局に入ってまだ2ヶ月も経ってないみたいだね」

 

 リーゼアリアの問いに俺は頷く。

 

 「出身地は……日本の海鳴ぃっ!?」

 

 「海鳴市をご存じですか?」

 

 「…あの街では色々と関わる事が多かったからねえ」

 

 「そうですか。…俺の身元はそれで証明したつもりですけど信じて貰えましたか?」

 

 「…一応、海鳴に居る知り合いの魔導師に連絡してもいいかい?」

 

 知り合い…まあクロノ辺りだろうな。

 

 「どうぞ」

 

 「分かった。ちょっと待っといて《アリア、アンタは父様に連絡を》」

 

 「《了解》」

 

 そう言ってリーゼロッテは連絡を取り始める。

 …やがて眼前に現れたディスプレイには見覚えのある黒髪の執務官殿の姿が映っていた………。

 

 

 

 〜〜クロノ視点〜〜

 

 「今日も彼が発見されたという報告は無い…か」

 

 「…うん」

 

 僕はアースラの管制室でエイミィと二人、彼の行方に関する連絡を待っていた。

 が、やはり進展は無い。

 

 「いい加減何か情報を掴みたいところだ…このままだと彼女達が参ってしまう」

 

 僕は一つの映像を見る。訓練室を映している映像だ。そこには訓練校から帰ってきたばかりのシュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリの4人がシュテル&ユーリとレヴィ&ディアーチェに分かれて模擬戦をしている様が映っていた。

 ここ数日…と言っても3日ほど前からか。

 シュテル達は訓練校から帰ってくると家に帰る前に模擬戦を行っている。

 レヴィ曰くでは『身体を動かしていないと嫌な事を想像してしまうから』だそうで他の3人も言葉にはしないもののレヴィと同じ思いなのだろう。

 気持ちは分かる。しかし…

 

 「訓練校での勉強を終えて、疲労が溜まっている上での模擬戦…このままだとシュテルちゃん達…」

 

 「ああ、なのはの二の舞になる」

 

 なのはも身体に溜まった極度の負担のせいで重傷を負った。

 僕達は彼女達に何度も注意を促したが、やはり模擬戦を止めようとはしない。

 かと言って訓練室を使用不可にでもしようものなら、僕達の目の届かないどこかの無人世界で同じ事をするだろう。

 なら訓練室という目の届く範囲でしてもらった方がまだマシだ。((最悪の事態|・・・・・))が起きた場合、すぐに対応出来るから。

 

 「今の彼女達の無茶を止められるとしたら勇紀だけか」

 

 僕が拳をグッと握りしめ、シュテル達を止められない自分を情けなく思うと

 

 『おーい、クロスケー』

 

 久しい顔、僕の師匠の一人であるロッテが突然通信を繋いできた。

 

 「ロッテ!?…いきなりどうしたんだ?」

 

 まさかグレアム元提督に何かあったのか?

 …いや、もしそうならロッテがこんな冷静な訳無いか。

 

 「ちょっと聞きたい事があってさ。アンタ、管理局員で海鳴市出身の『長谷川勇紀』って魔導師知ってる?』

 

 「「っ!!?」」

 

 僕とエイミィはロッテから発せられた言葉を聞いて驚かずにはいられなかった。

 

 『その驚き方…どうやら知ってるみたいだねえ』

 

 「た、確かに知ってるがどうしてロッテが彼の事を!?君やアリアは『砕け得ぬ闇事件』以降、管理局にはもう関わらずグレアム元提督と隠遁してる筈だ」

 

 その彼女がどうして勇紀の事を!?

 

 『どうしても何もその『長谷川勇紀』本人があたし達のすぐ側にいるからだよ」

 

 「「なっ!!?」」

 

 再びエイミィと共に声を上げて驚く僕をよそに一人の少年が映る。

 その少年は行方不明になっている長谷川勇紀本人だった。

 

 『ういーッス、クロノ。それにエイミィさんも十日ぶり』

 

 片手を上げて気軽に挨拶してくる彼。

 

 「な、なな、何故君がロッテといるんだ!?いや、いつ帰ってきたんだ!!?」

 

 『その辺の事は今から((アースラ|そっち))行ってから説明するわ。訓練室に転移させて貰うから』

 

 そう言って画面の向こうの彼は転移の準備をし始める。

 

 「…って、待て!!今、訓練室は…」

 

 最後まで僕が言う前に彼の姿が消える。

 急いで訓練室の映像に視線を移すと対角線上にいたシュテルとディアーチェが砲撃を放ち、その中央に転移した勇紀が現れた。直後…

 

 ドオオオオオオンンンンッッッッ

 

 二つの砲撃がぶつかり、勇紀の姿は巻き起こった煙に隠れてしまう。

 ………大丈夫なのか?

 

 

 

 〜〜クロノ視点終了〜〜

 

 転移してきた瞬間、俺に迫る二つの砲撃。魔力光から撃ったのがシュテルとディアーチェだと理解する。

 いつも通りの俺なら突然の出来事に身体が硬直し、そのまま直撃を受けていただろう。

 だが俺の身体は((俺の意志とは別に攻撃に反応し、咄嗟に回避行動を取っていた|・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・))。

 …良かった。『((天目反射|サードアイ))』解除し忘れてたんだけど、結果として砲撃食らわずに済んだので本当に良かった。

 

 『((天目反射|サードアイ))』

 

 俺のレアスキルの一つで自分に危険が迫ると無意識に身体が反応し、避ける能力。『Hyper→Highspeed→Genius』原作では本人の意思とは関係なく発動してしまうため、スキンシップが取れないが俺は能力の起動、解除を自分の意思で出来るので問題は無い。『自分に向かってくる危険』にしか反応せず、自分から危険に向かってしまった場合には効果が発動しない。攻撃の手数や速度に関係なく避けることができるため、あらゆる攻撃者にとって天敵ともいえる究極の回避能力。

 

 「あっぶねえ。直撃食らったら医務室直行だったな」

 

 「「「「え?」」」」

 

 俺はそのまま煙の中から飛び出し、訓練室の床に足をつける。

 シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリの4人はそんな俺を見て固まり、呆然としている。

 

 「まさか模擬戦やってるとは思わなかった。…てか訓練室なんだからやってる可能性はあるわな」

 

 『反省反省』と呑気に言い、飛んでいる4人を見上げる。

 固まっていた4人だが、最初に硬直が解けたのはレヴィ。

 一直線に俺の元まで飛んできて

 

 「ユウーーーーーッッ!!!」

 

 俺に抱き着いてきたので俺は正面からレヴィを受け止める。

 

 「ユウだよね!?本当の本当にユウなんだよね!!?」

 

 「ああ、幽霊でも幻でもない本物の俺だぞ」

 

 「無事だったんだ。良かった…良かったよぅ…グスッ…」

 

 そのまま俺の胸に顔をうずめて泣きだすレヴィの頭を俺は優しく撫でながらあやす。

 他の3人も俺の側に降り立つ。

 皆、目元には涙を溜めている。

 

 「ユウキ、やっと…やっと帰ってきてくれたんですね」

 

 「全く、心配掛けさせおって…」

 

 「もう、私達の前からいきなり消えないで下さい」

 

 「シュテル、ディアーチェ、ユーリ。自分の意思で消えた訳じゃなかったけど心配掛けて本当に済まなかったな」

 

 レヴィの頭を撫でたまま、顔を3人に向けて謝る。

 それからレヴィが泣き止んだところで

 

 『勇紀、次元震に巻き込まれてから今日に至るまで君の身に起きていた事を聞きたい。申し訳ないがブリーフィングルームに来てもらえるか?』

 

 ディスプレイに映ったクロノからこれまでの経緯を聞きたいと言われたので俺は了承する。

 そのまま4人を連れて訓練室から出ようとするが出口の前で4人の方へ振り返り

 

 「シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリ」

 

 4人の名前を呼ぶ。

 シュテル達は『何だろう?』と俺の方を見るが

 

 「本当に心配掛けてゴメン。それと……ただいま!」

 

 もう一度謝り、帰ってきた際4人に言いたかった一言を口にする。

 その言葉を聞いたシュテル達は

 

 「「「「おかえりなさい!」」」」

 

 笑顔で俺の帰還を迎え入れてくれた………。

 

-2ページ-

 〜〜おまけ〜〜

 

 「…で、そのまま彼は帰ったのかね?」

 

 「「は、はい…ゴメンなさい父様」」

 

 「ロッテ、アリア。謝る必要は無い。事件の前触れでも何でもなくて良かったと私は思っているのだ」

 

 アリアから念話で連絡を受け取った後、転移魔法で日本に帰ったらしい魔力の元である少年が管理局員でクロノの知り合いだと言う事を聞いた。

 

 「それで、彼に関する事は?」

 

 「一応、クロノには聞きました。なのは達に引けを取らない魔導師で複数のレアスキルを所有してるとの事です」

 

 「あと、マテリアル達と共に暮らしているとか」

 

 「マテリアル?それは確か…」

 

 「『闇の欠片事件』でその姿を見せ、レティ提督に頼まれて任務を行っている最中に起きた『砕け得ぬ闇事件』にも関わっていたなのはやフェイト、そしてあの子と同じ姿をした…闇の書の残滓が生み出した構成素体です」

 

 「それに『砕け得ぬ闇』事件の際にその姿を見せた『砕け得ぬ闇』も彼と暮らしていると聞きます。彼女達は皆、平行世界からきたこの世界本来の存在ではなく、また彼のレアスキルによって人間になったとか…」

 

 「そうか…」

 

 アリア、ロッテの説明を聞き私は椅子に腰を下ろす。

 こうやって聞く限り、彼と共に暮らしているという子達は一切危険な事は無い様だ。

 長谷川勇紀という少年も次元犯罪者の類でなくて私は本当にホッとしている。

 

 「二人共、ご苦労だった。今日はゆっくり休みなさい」

 

 「「はい」」

 

 一礼した後、二人は猫の姿に戻りそのまま部屋を出る。

 私もそのままゆっくりと目を瞑り、睡魔に身を委ねていった………。

 

説明
神様の手違いで死んでしまい、リリカルなのはの世界に転生した主人公。原作介入をする気は無く、平穏な毎日を過ごしていたがある日、家の前で倒れているマテリアル&ユーリを発見する。彼女達を助けた主人公は家族として四人を迎え入れ一緒に過ごすようになった。それから一年以上が過ぎ小学五年生になった主人公。マテリアル&ユーリも学校に通い始め「これからも家族全員で平和に過ごせますように」と願っていた矢先に原作キャラ達と関わり始め、主人公も望まないのに原作に関わっていく…。
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コメント
これはリーゼ姉妹にもフラグ立つ予兆かな?もしそうなら楽しそうなんですがwww(海平?)
ものっそ今更だけどミスだと長谷川ママ独身(内妻さん)か結婚経験者(出産後離婚)にしか思え無いんだけど。(道産子国士)
誤字報告です。「た、確かに知ってるがどうしてロッテが彼の事を!?君やアリアは『砕け得ぬ事件』以降、管理局にはもう関わらずグレアム元提督と隠遁してる筈だ」の中で「『砕け得ぬ闇事件』以降」だと思うのですが・・・(俊)
今までが今までなので、リーゼ姉妹にフラグが立つきっかけにしか見えない。この先出番はあるだろうか。(chocolate)
こんな風にフィアッセさんと会うことになるとは予想外。もう神様は狙っているとしか思えない。(chocolate)
・・・今回のイギリスでの出会いが切っ掛けでリーゼ姉妹が勇紀の使い魔(兼ハーレム加入)になったら面白そうなんですけどね。(俊)
今回の次元震の件に関しての対価の願いとしてグランツの不治の病を無くして貰ったけど、帰還の為の転送先の座標ミスの対価は無いのだろうか?個人的には座標ミスにも対価が欲しいですね。(俊)
フィアッセのブラコンっぷりが凄いですね。この調子だとシュテル達と出会ったらどんな事になるやら。アミタとキリエの二人も勇紀の周りの女性陣の存在を知った事で将来確実に修羅場が待ってますね。(俊)
あの神様、時々態とやってるんじゃね?って思うことが多々ある(頭翅(トーマ))
ついに フィアッセさん 登場! ありがとう, カルピスウォーターさん! / 彼らはこの方法のように再会するの予想していなかった...だけでなく、彼女の'超'ブラコンも.(deltago)
私はこの"大戦"が来るのを待つことができない! 面白くなってきています. [主人公には申し訳ございませんけれども] (deltago)
これで後の修羅場が盛り上がりそうです。(Fols)
これは将来「私は勇紀のもの大戦」勃発の予感w(tenryu)
おーアリア達が出てくるとは・・・そしてついに帰還、さてさて次の話がどうなるのか楽しみだな(匿名希望)
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