真・恋姫無双 幼き命を護る者 第3話
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第3話 はじめての戦いと粥

 

「おい、兄ちゃん!いいものもってるじゃねえか!」

清々しい雰囲気をぶち壊すドスの利いた声の主は

ボロボロの衣服を身にまとった男だった。

その後ろには10人ぐらいの同じような格好の男たちがいる。

 

「誰だ、あんたらは?」

一応聞いてみる事にした。

 

「そんな事はどうでもいい。

命が惜しければ身ぐるみ全部置いていけ!」

やはり賊のようだ…。

この集落を襲ったやつらだろうか?

そんな事を考えているとリーダーらしきその男が仲間と話しはじめた。

 

「しかし、お前の言うとおり戻ってきて正解だったぜ。

まさかこんなカモがまだ残っていたなんてな!」

 

「いやぁ、列の一番後ろにいたから偶然見つけたんですよ。

見るからに高そうな服を着た優男が集落に入っていくのを。」

やはりこいつらが集落を襲った犯人らしい。

どうやら集落に入るところを目撃されていたようだ。

それで仲間を引き連れて戻って来たってところか…。

 

「見つけたのは俺ですから分け前は弾んでくださいよ?」

 

「おう、もちろんだぜ!コイツから巻き上げたらな。」

話が終ったらしく再び俺に剣を向け脅してくる。

 

「おら、さっさとしろ!」

 

「………。」

俺は黙って黄龍閃棍を構えて、胸に抱えた子どもを見る。

 

(さっさと終わらせてメシにするか。)

 

「おいおい、コイツ俺達とやる気だぜ。」

それを聞いた賊達から笑い声があがる。

 

「笑わせるぜ!てめぇ1人でこの人数に適うと思って『ベキ』え?」

言い終わる前にリーダー手から剣が落ちた。

なぜなら俺の黄龍閃棍の一撃で腕の骨を砕いたからだ。

 

「うぎゃ〜〜〜!」

リーダーは痛さのあまり大声で叫び声をあげる。

 

「ア、アニキの手が!」

 

「コイツやべぇぞ!」

賊達はかなり動揺しているようだ。

2〜3歩退き様子を伺おうとするがそこにリーダーの檄が飛ぶ。

 

「お前達怯むな!相手は一人だぞ!囲んで数で押せばいいんだ!」

腕を折られたのにしっかり仲間に指示を出すとは意外と根性があるようだ。

 

「う、うおおおおお!」

 

「おりゃあああああ!」

 

「てやああああああ!」

檄を聞き残りの賊が集団で俺を囲み一斉に襲いかかってくる。

 

「発想は悪くないし、その根性も認める。でも!」

俺は黄龍閃棍を頭上で風車のように回転させ

周囲の賊達を一撃で叩き伏せる。でも狙うのは片腕にする。

とりあえず武器を持てない状態にしておこうと思ったからだ。

棍棒は剣に比べると圧倒的にリーチが長い。

故に使いこなせれば敵に近付かれること無く倒せる。

 

「うう………。」

 

「痛えよ〜〜。」

 

「何なんだよコイツ。」

 

「………。」

賊達が様々な反応を示す中リーダーの男だけが黙って俺を見つめていた。

この後の自分の運命を予感しているかのように…。

とりあえず全員が戦えない状態になった事を確認してから

近くの民家にあった荒縄を使い賊達を縛り上げる。

 

「さて、ここでお前達を殺すのは簡単だ!

しかし俺にも色々事情があってな、俺のいくつかの質問に答えてもらいたい。

その答え次第では俺はお前達を殺さない事を約束しよう!」

 

「は?」

賊達は突然の話にポカンとしている。それはリーダーも同じようだ。

さっきまで自分達を殺すと思っていた男にこのような事を

言われたら誰だって反応に困るだろう。

 

「と、その前に腹も減ったし、とりあえず飯にするか?」

 

「………。」

話の内容に困惑しているのか、警戒しているのか賊達は黙ったままだ。

 

「とりあえずそのまま待ってろよ!

逃げようとしたらどうなるかわかるよな?」

縛り上げているので逃げられはしないと思うが一応脅しておく。

 

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「お待たせ!」

俺は家々から集めた米を使い粥を作った。

若干気が咎めたが非常事態だし仕方が無いと割り切った。

 

「ほら、お前達も食え!」

そう言って小さい器に粥を入れて渡してやる。

とりあえず手だけは縄を解いてやった。

先ほどの戦闘で片腕を痛めた奴が殆どなので食べにくいかもしれない。

初めは毒でも入っているんじゃないかと疑っていたようだが

俺が食べている姿を見て賊達も黙って食べ始めた。

ちなみに子どもには俺達の分とは別に

より柔らかく炊いた粥を食わせてみた。

満足したのか子どもは俺達が食べ終わる頃には寝息を立て始めた。

 

「それじゃあ、話を聞こうか…。」

 

「わかった。」

仲間達が食べ終わった事を確認し俺は賊達に向き合った。

腹が満たされたのかさっきのような殺伐とした雰囲気は無い。

俺も思い切って質問する事にした。

 

「なら最初の質問だが、ここはどこだ?」

 

「は?」

俺の質問の内容にまたもや賊達がポカンとしているが俺は話を続けた。

 

「実は俺は遠方からの旅の途中なのだが、道を完全に見失ってしまってな…。

当てもなく歩いていたらお前達と遭遇したんだ。」

道に迷っているのは本当だが、流石に未来から来ましたというのは

怪しまれるから適当に誤魔化すことにした。

 

「お前そんなに強いのに意外とドジなんだな…。まあいい、ここは荊州の襄陽だよ。」

 

「荊州の襄陽…。」

名前ぐらいは聞いた事はあるがどんな歴史を辿ったかまでは覚えていない。

中国の中央に位置し、三国志時代も重要な地域として扱われていた事は覚えている。

 

「治めているのは誰なんだ?」

 

「確か袁術だ、襄陽以外にも江陵も治めているはずだ。」

袁術といえば悪政で民を苦しめ、最後は曹操や劉備に滅ぼされた人物か。

 

「袁術の評判はどうなんだ?」

 

「酷いって物じゃないぜ!前任から袁術に変わってからだいたい3年、

言い出す事の殆どが役人達を優遇するような話ばかり。いつも俺達は苦しい

思いをしているんだ!あんな子どもに何ができるってんだよ!」

やはり袁術の評判は良くないようだ。しかし袁術が『子ども』と言うのが

引っ掛かる…。俺が知っている三国志と違う部分があるのだろうか?

それを確かめるためにも一度袁術に会ってみるべきかもしれない…。

 

「なるほど……。ならここからはお前達に関する質問だ。」

そう言った瞬間リーダーの顔が少し強張る。

 

「お前達、他に仲間はいるのか?」

 

「それは………。」

聞かれた賊達の視線が泳いでいる。

 

「その様子を見るといるようだな…。

なら次の質問だが仲間内で一番偉い人間はどこにいるんだ?」

 

「ここにはいない。」

さっきの俺の様子を見てごまかしは効かないと思ったのか素直に答える。

やはりこの地域一帯の情報を得るために接触してみるべきか?

 

「よし、俺の質問はこれで全部終わりだ。

先に結論を言っておくと俺はお前達を殺す気はない!」

それを聞いて賊達から安堵のため息が漏れる。俺は言葉を続ける。

 

「ただし、1つ条件がある。」

 

「?」

 

「俺をお前達の大将に会わせろ!」

 

 

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あとがき

 

とりあえず初戦闘&地域判明回でした。

戦闘描写が駄文過ぎて情けないです…。

でもコメントを見ているとやる気が出てきます!

次回は主人公のプロフィールを紹介しようと思います。

転生時のステータスとかを紹介します。

駄文かもしれませんが今後とも応援よろしくお願いします!

あと、絶対返信させて頂くのでドンドンコメントして下さい!

 

 

 

 

説明
恋姫無双のオリジナル主人公&転生モノです。2月は1回しか投稿できずにすいませんでした…。駄文だとは思いますが、誤字脱字・文脈のアドバイス・展開の要望などをぜひどうぞ!誹謗中傷は勘弁して下さい…。
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コメント
↓将軍さん ありがとうございます! 近い内に「名付け回」を作るのでその時まで待ってて下さい!(ken)
主人公が保護した赤ちゃんが原作キャラなのかオリキャラなのか次の話に期待です!(将軍)
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