魔法少女リリカルなのは 四天王始めました
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転移してきた場所は…………どお見てもRPGとかによく出てくるラスボスのいるステージなんですけど…とりあえず、此処は何処なんだ?

 

「リゼット此処は何処なの?明らかにラスボスの本拠地みたいな此処は?」

 

「時の庭園よ」

 

無印編のラストステージじゃないですか!何でこんなところに?

 

「既に複数の転生者が時の庭園に乗り込んでいるわ。とりあえずは乗り込んでいる転生者を探しましょう、どうせ私達が此処に来たのに気づいたのもいるだろうし」

 

「まっ、そうだね。誰かしら気づいてるでしょ」

俺はリゼットの後に続き、歩き出す。

 

それにしても本当にラスボスの本拠地に相応しい場所だな時の庭園。それにコレってどれくらい費用がかかったんだ?個人で所有するには広すぎだろ此処は……。

 

ギイャアアアアアアアアアアッッ!!

 

「えっ!?何?今の悲鳴は…… 」

 

「分からない……とりあえず急ごう!」

 

俺はリゼットを抱き抱えると悲鳴が聞こえてきた方向に駆け出す。

 

数秒もしない内に大きな扉が存在しただろう場所にたどり着く。扉が存在しただろと言う理由は未だに其処から土煙が上がっているからだ。

 

此処で一旦立ち止まり、リゼットを床に下ろす。瓦礫となった扉の下からは少年と思わしき人物が四肢を全て無くした状態で見つかった。

 

扉の奥に視線を向けると赤、青、白、灰色などの光が見える。多分あの光は魔力光だろう。

 

視線だけをリゼットと交わし音を立てないように部屋の中に侵入し進んでいく。途中、一際大きな炸裂音と共に眩い閃光が放たれると今まで見えていた魔力光が全く見えなくなった。

 

俺は小声でリゼットに話しかける。

 

「俺が先に行って様子を見てくる」

 

「分かった……見つからないようにね」

 

リゼットの言葉に俺は頷いて足音を立てないようにより奥に進んでいく。そして、広間に出るとそこには…………。

 

金髪幼女を人質に取ったナイフを持った中年男性と地面に這いつくばっている二人の少年と一人の少女と杖を支えに立ち「アリシアァァッ!」と叫ぶ女性の姿が見えた。

 

多分、杖を支えに立っている女性がプレシア。人質に取られているのがアリシアと……。

 

「どう?状況は」

 

「見ての通り」

 

リゼットに広間の様子を見せる。

 

「なるほどね……アイオン、次元跳躍術式起動ど同時に砲撃形態に移行」

 

アイオンが砲撃用形態の杖に変わる。そして、

 

「プロミネンス」

 

深紅の閃光が放たれた。

 

その閃光は中年男性の顔面の真横から頭を消し炭にした。ナイフを落とし、体が仰向けに倒れる。

 

そして、頭の無くなった中年男性の姿を見て、ヒッ、と悲鳴を上げて金髪幼女がその場で腰を抜かし、地面に座り込んだ。

 

「行くわよ、レイン」

 

リゼットがデバイスの形態を錫杖に戻す。

 

「どっちに?」

 

彼女らの前に現れるのか、それとも地球に戻るのか?

 

「勿論、彼女達の前よ」

前者のようだ。既に進み出したリゼットの後を追い広間の中に入る。

 

這いつくばっていた、少年少女達がデバイスを支えに起き上がる。

 

「あ、あなた達は?」

 

起き上がった少女が唖然とした様子で話しかけてくるが、それを無視してプレシアの方に向かう。

 

「……アリシアを助けてくれたことには礼を言うわ。それで何の用かしら?」

 

「貴女にデバイスを作って欲しいの……それも、転移魔法にだけ特化したのを」

 

「何故、私なのかしら?デバイスであれば私以外にも技術者は沢山いるでしょ」

 

まあ、確かにそうなのだが……。

 

「それは……この子が使うからよ」

 

リゼットに引っ張られ、プレシアの前に立つ。

 

「どういうこと?」

 

疑問の声を上げるプレシアにリゼットが言う。

 

「この子の力に殆どのデバイスが耐えられないの」

 

「本当に?」

 

信じられないと言った様子のプレシア。

 

その証拠を見せるために中年男性のデバイスに魔力を流し込む。そして、ボンッ、と煙を上げてデバイスが壊れた。

 

「……本当だったのね」

 

唖然とするプレシアにアリシアを連れた三人の少年少女が近づく。そして、ある程度距離が近くなった所でアリシアがプレシアに飛びついた。

「ママー!」

 

「アリシア……良かったわ無事で」

 

アリシアを抱き締めながら笑みを浮かべるプレシア。

 

親子二人だけの空間が形成される。それを、壊すのも無粋なので三人の少年少女達の方に視線を向ける。

 

「あの……助けてくれてありがとうございます」

 

少女が礼を言うが、少年二人は何も言わず此方を睨み付ける。

 

「気にしないで」

 

「………………」

 

リゼットは返事をするが俺は返事をせずに無言で佇む。

 

「おい!仮面野郎何とかいったらどうだ!?」

 

返事をしない俺に一人の少年が突っかかってきた。めんどくさいな……そんなことを思いながらも一応答える。

 

「助けたのは彼女だ……俺じゃない」

 

それだけ言って俺は再び黙る。

 

 

 

 

 

 

 

ギスギスとした雰囲気の中で待つこと数分。プレシアがアリシアに説教され始めた。

 

その光景を眺めていると、先ほど突っかかってきた少年とは別の少年が話しかけてきた。

 

「あなた方は何が目的で此処に来たんですか?」

 

「……俺は彼女に付いて来た、ただそれだけだ」

 

それだけ言い、視線をリゼットの方に向ける。

 

リゼットは俺に突っかかってきた少年にしつこく話しかけられており、かなりイライラとしている。

そのストレス発散による被害が俺に来ないことを祈る。

 

「離れてくれない?鬱陶しいんだけど」

 

リゼットの声には殺気が篭っており、割りと近くにいた少女がその場から少し離れる。

 

「ハハハ、恥ずかしがんなって」

 

あくまでもリゼットに近く少年にリゼットがキレた。

「……消えなさい」

 

「え……?」

少年が闇に包まれこの場から消え去った。

 

「帰りましょ……」

 

リゼットはそう言うと俺の手を掴み転移した。

 

 

 

 

家に転移すると、リゼットはデバイスを待機常態にするとソファーに身を投げ出した。

 

「久々にイライラしたわ……お陰で何でアリシアが生きているのか訊きそびれたじゃない!!」

 

リゼットは不機嫌であることを隠しもせずに足をバタバタとさせている。

 

まあ、確かにアリシアが生きている理由を訊きそびれたが……十中八九あの場にいた転生者の誰かの仕業だろう。

 

「あ〜、イライラしてるのは分かったから、足をバタバタとさせないで……埃が舞うから」

 

俺は足をバタバタとさせているのを止めるように言うが彼女は、

 

「え〜、じゃあ、この苛立ちはどこで発散すればいいのよ!?」

 

と不満を述べる。そう言われても困るんだが。

 

「…………はぁ」

 

「むぅ〜〜何なのよ!その溜め息は!」

 

だってねぇ……駄々っ子を宥めるのってどうすれば良いのか分からないんだよ……仕方がないじゃないか……。

 

「返事しなさいよ〜〜」

 

今度はソファーか起き上がり、俺の肩を掴んでガクガクと揺さぶる。

暫くは、リゼットのストレス発散のために黙って成すがままにガクガクと揺さぶられてたが、流石に鬱陶しくなってきた。

 

「ええい!鬱陶しい!」

 

俺は尾のい骨の部分から三本の尻尾を生やし、各々をリゼットの胴体、右手、左手に巻き付けて空中に固定する。

 

「え?ちょっと……何するのよ!」

 

文句を言うリゼットを無視して俺は本棚から適当に分厚い本を選ぶと椅子に座り、耳栓をつけて本を読み始める。

 

 

 

 

トントン、と肩を叩かれたので耳栓を外してから、後ろを向くとレオンがいた。どうやら、肩を叩いたのはレオンだったようだ。

 

「……レイン、リゼットがグッタリしてるから降ろしてくれない?」

 

リゼットを見ると本当にグッタリしてきたのでレオンの言う通りリゼットを降ろす。

 

「……ありがとう、レオン。……助かったわ」

 

リゼットはグッタリとしながらもレオンに礼を言うと、俺を、キッ、と睨む。

 

「……よくもやってくれたわね、レイン。覚えてなさい」

 

グッタリとしながら言うので迫力と言うものがまるで感じられない。

 

「自業自得でしょ。……まあ、その時には返り討ちにして上げるよ」

 

そんな、俺とリゼットのやり取りを困った様子で見ていたレオンにいつの間にか帰ってきていたシアが声をかける。

 

「何があったんだ?」

 

シアの問いにレオンは苦笑いしながら答えた。

「ちょっとね……色々あったんだよ」

 

レオンの返事に?を浮かべながら首を傾げるシアはグッタリとしたリゼットを見た後に俺を見ると納得した様子で頷いた。

 

「まあいいわ……」

 

リゼットは気を取り直す様にそう言ってから話し出す。

 

「今度の連休は温泉に行くから、これから買い物に行くわよ♪」

 

 

 

説明
無印編 5話 ラスボスの城は実在した!
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コメント
普通なら必要ありませんが、今回は人質がいたので誤射が無いように次元跳躍による砲撃をしました。(バロール)
同じ次元世界にいる相手に次元跳躍魔法使う必要あるんですか?(夜の魔王)
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