真・恋姫無双〜白き牙を持つ者〜 #76
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〜 第76話 †黄天の世から英雄達の飛翔・蜀† 〜

 

 

 

孫策(そんさく)の所から劉備の待つ陣へと歩いていく

陣の入り口に着くと、そこに立ってる兵の人に用件を伝えた

 

 

「暫くお待ち下さい、ただいま確認してまいりますので」

 

 

そこでは兵士同士が和気藹々と陣の片づけをしている所だった

とりあえず黄巾の乱は終わったからな・・・

さて、こいつらはどれだけの褒章をもらえることやら

そんなことを思いながら、中の様子をチラチラ見ていると

一人の少女が、この陣営には似つかわしくないほどに一人でポツンと座っていた

つまらなさそうに、ご飯を食べていた

そこに、兵士が戻ってきた

 

 

「確認ができました。奥へと進んだら劉備様の天幕がありますので

 そちらでお待ちしているとのことです、お進みください」

 

「そうか、ありがとう」

 

 

お礼を言って、真っ直ぐ劉備の場所には向かわずに

その少女が一人で食事をとっている場所へと足を向けた

 

 

「張飛(ちょうひ)ちゃん・・・だったかな?一人なのかい?」

 

「うん?初めて見る仮面のおっちゃんなのだ。鈴々(りんりん)に何か用なのか?」

 

「用ってほどじゃないけど、他の人達はどうしたんだ?」

 

「皆、片付けとかで忙しいから鈴々は邪魔しちゃうから一人でいるのだ」

 

「そうか、それじゃ一つ俺の頼みを聞いてくれないか?」

 

「知らないおっちゃんだけど、悪い奴じゃないみたいだから鈴々に任せるのだ」

 

「一応まだおっちゃん年じゃないんだけどね、悪いけど劉備殿の所まで案内お願いしていいかい?」

 

「おう!なのだ」

 

 

食事を終えた張飛が先導して歩く

俺はその後ろをゆっくりと歩く

 

 

「そういえばおっちゃんから不思議だけどお兄ちゃんと同じ匂いするのだ」

 

「天の御使い様と同じだなんて恐れ多いな」

 

「でも、おっちゃんの方がお兄ちゃんより遥かに強い気配するから戦ってみたいのだ」

 

「俺は見掛け倒しかもしれないよ?」

 

「鈴々の本能がそういってるから間違いないのだ!」

 

「そうか、それじゃいつか戦うときがあればお願いするよ」

 

「絶対なのだ!」

 

 

屈託無く笑うその姿は、年相応の少女の顔だった

これが戦場では鬼神だのと言われるんだからなー・・・

話しながら歩くとすぐに劉備の天幕の前に着いた

 

 

「ここなのだ!」

 

「ありがとう、助かったよ・・・これをあげよう」

 

 

案内をしてくれた張飛に棒付の飴ちゃんをあげた

ペロペロとなめるやつではなくちゅっぱするほうだ

 

 

「お兄ちゃんがくれたのと違うやつなのだ、ありがとうなのだ」

 

 

そういって張飛はどっかに走り去っていった

 

 

さて・・・どんな会話になるやら

 

 

「厳白虎(げんはくこ)だ、中に入ってもよろしいか?」

 

「はぁ〜い、どうぞ入って下さい」

 

 

劉備の返事が聞こえたので中に入った

 

 

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「待ってましたよ白(はく)さん」

 

 

笑顔で出迎えてくれた劉備に

その横で目を閉じ会釈だけする関羽(かんう)

俺の仮面を見て苦い顔を一瞬だけ見せた北郷(ほんごう)

 

 

「すまないな、思ったよりも来るのが遅くなってしまって」

 

「いいえ、こっちこそ無理を言ったんですから気にしないでください」

 

「そういってもらえると助かるよ」

 

「それじゃ紹介しますね、こちらが私達のご主人様の北郷一刀(ほんごうかずと)様

 こっちの可愛い子が義妹の関羽です」

 

「性は北郷、名前は一刀で真名は無いからしいていうなら一刀が真名になるよろしく」

 

「性は関 名は羽 字は雲長(うんちょう)です、義姉上が昔お世話になったそうで」

 

「性は厳 名は白虎だ。御使い殿とお会いできて光栄です

 関羽殿、その美髪公としての名はよく聞いております」

 

 

関羽と握手をして、北郷と握手をした所で雑談を始める

公孫賛(こうそんさん)の事など他愛も無い話をだ

そして、会話も終わり立ち上がり

お互い握手をする時に

 

 

「劉備殿、昔からの夢は変わらないか?」

 

「はい!皆が笑って暮らせる国を創りたいです!」

 

「それが理想で叶える事ができないと分かってても?」

 

 

その言葉に俯いてしまうが、顔を上げて決意の篭った目で

 

 

「それでも私は理想に近づく為に諦めません!!」

 

「うん、良い顔つきになったね。その気持ちを忘れずに劉備殿は劉備殿のままで居てくれ」

 

「はいっ!私辛くても悲しくてもご主人様と・・・いいえ

 私と一緒に着いて来てくれる皆と一緒に乗り越えていきます!」

 

 

固い握手を交わし、俺はひとまず安心する

甘言だけを言ってた弱い劉備は少しずつ王として目覚めつつあるなと

 

 

次に関羽と握手を交わす

 

 

「貴殿とは一度、手合わせ願いたいものだな」

 

「張飛殿にも言われましたが、自分は見掛け倒しですよ」

 

「よく言う・・・私が何度も殺気を放ったのに軽く流したお方の癖に」

 

「さて・・・私は鈍感なので気づかなかっただけですよ」

 

「ふふふ、そういうことにしておきましょう」

 

 

お互い笑いあって終わる

 

最後北郷に歩み寄り

 

 

「君は、この国を本当に救う気持ちはあるかい?」

 

「え?」

 

「日本という未来から来た君にこの国を救う覚悟はあるのかい?」

 

「なんで・・・俺のことを!?」

 

 

北郷が俺に掴みかかるが、それでも俺は動じずに話を続ける

 

 

「君がどこから来たかは俺にとってはどうでもいいことだ

 今はそれより、俺の質問に答えてもらおうか」

 

「俺は・・・桃香(とうか)、劉備の夢を叶えたい

 その為にならいくらでも神輿でも何でもやってやる

 それが俺がこの世界に来た理由だと思うから・・・」

 

「それが今の覚悟・・・か

 (一刀・・・もっと大きな漢になれよ)」

 

「今、なんて?もしかしてあんたも未来からき・・・」

 

「御使い殿、俺は天下三分の計をやる

 いつか出会うであろう臥龍(がりゅう)と鳳雛(ほうすう)によろしく頼むよ

 では、またいつか会おう。天からきた我が従兄弟であったものよ」

 

「え?それってどういう!?」

 

 

北郷が何かを言い終わる前に俺は天幕を出て走り去った

 

 

曹操の陣の前で司馬懿(しばい)ととう艾(がい)と合流をして

俺はまた流浪の旅に出た

 

 

合流した時に司馬懿が一言ポツリといった

 

 

「【あの二人】死んでしまうよ」

 

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あとがきっぽいもの〜

 

 

これで魏・呉・蜀の3つが終わりです

次は元々予定してたある事件なのですが、時期をみると

反董卓(とうたく)連合の後らしいので難しい所・・・

それと自分の所の北郷はアンチとかじゃなくて素直に成長させるようにしてみました

どこまで成長するかは不明ですが、それなりにする予定ですっ

次回の更新はなるべく早めに予定しておりますが

また余談でも挟みながらのんびりとやっていきたいと思います

 

稚拙で遅い更新になっていますが、次回もよろしくお願いしますm(_ _)m

説明
この物語はオリ主メインの外史です
視点は基本オリ主となっています
その他にご都合主義・チート・独自ルートで書いています
苦手な人はご遠慮ください
大丈夫な人は駄文にお付き合いください

毎回の閲覧・支援・コメント感謝感謝です!
ラストの蜀編です!
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コメント
クラスター・ジャドウさん>劉備の陣で言ったのは、たまたまだと思ってください。ただそういう発想で間違いはないですっ(tokkey)
司馬懿が呟いた「【あの二人】死んでしまうよ」の意味だが、わざわざ劉備の陣で言った所からすると、一人はあわわ軍師こと雛里じゃないかと思うのだが…。史実の鳳統は、落鳳破で戦死してるからなぁ…。(クラスター・ジャドウ)
ヒトヤ犬さん>誰とは言えませんがっそういう感じの発想で間違いないですっ(tokkey)
アルヤさん>いつも、そういってもらいありがとうございますっ(tokkey)
不知火観珪さん>訂正しました、ご指摘ありがとうございますっ まぁ20後半は見る人が見ればおっちゃん・・・それじゃお姉さん方は・・・(返事が無いただの熟女スキーのようだ)(tokkey)
「【あの二人】死んでしまうよ」・・・・・・・・華雄と祭さんか!?(親善大使ヒトヤ犬)
司馬懿の最後の一言がどういうことなのか、続きを楽しみにしております。(アルヤ)
諸葛亮は臥龍かと…… とりま、おっちゃん言われた白くん、マジドンマイっす(神余 雛)
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