デジモンクロスウォーズ 絆の将と魔道の戦士 |
ある時、キサキはホーリーエンジェモン、エンジェウーモン、パロットモン、そしてリィンフォースUを連れてある場所へ向かっていた。
「もっとスピードでないの?パロットモン?!」
「これで精一杯、私はアクィラモンじゃない。」
キサキがパロットモンに言うと、パロットモンはこう言いかえした。
「ですけど急ぎましょう!」
しかしリィンフォースはパロットモンの背中でこう言った。
どういう理由で、キサキが少数のデジモンを連れて、大急ぎで空を飛んでいるかと言うと、話は少し前に遡る。
「うーん?何なんでしょう?」
皆で集まって朝食を摂っている時、突然クワットロがこう言ったのだ、
「何が?」
と、隣に座って食事していたディエチが訊くと、
「何か忘れてる気がするんですよ。」
クワットロはこう言って、首をかしげた。
「確か今日何かあった気がするんですよ。」
「誰かの誕生日とか?」
と、ノーヴェが訊くと、
「そうじゃなくて。」
と、クワットロは言った、
「予約品の受取日とか?」
と、セッテが言うと、
「それも違います。」
と、クワットロは言った。
「そういえばドゥーエは?姐さんもいないけど?」
と、キサキが訊いた時である、
「ああー!!そうだった!!」
と、クワットロは叫んだ。
「今日は決行日だったんだ!!」
従来の予定でいけば、今日はドゥーエが最高評議会やレジアスの始末を行う日だったのだ。
「でも大丈夫ですよね。エリカ姉さまが行ってると思いますし。」
と、クワットロが言った。実は昨晩、彼女が出かけるところをクワットロが見つけたのだ。理由を聞いたところ、「管理局に野暮用」と言っていたのだ。
「いや、むしろより拙いことになったかも。」
キサキはこう言うと、
「それ、いつの話?」
と、訊いた。クワットロが、丁度三時間前だと聞くと、
「よしすぐ行こう!!今ならまだ間に合う!!はず。」
キサキはこう叫んで、部屋から出て行こうとした。
「ちょっと待って、行くってどこに?」
はやてが訊くと、
「管理局地上本部!!」
キサキはこう答えた、
「現世の竜王、憎しみの炎で地上の指導者焼き尽くす、ってやつか?」
と、クラウドが訊くと、
「どういう事だ?」
と、タイキが訊きかえした。
「ああ、あの時の事しっかり覚えてるんだよ。」
クラウドは説明した。エリカはクローン培養で生まれた戦闘機人で、元々のエリカは、皮肉な事に戦闘機人の機動実験の際の事故で死亡している事と、エリカは少なからず大元の自分が死ぬ結果となった、戦闘機人事故をもみ消した管理局を恨んでいると、
「確かに、問題だな。」
と、タイキが言うと、
「っていう事は!ウーノ姉もドラゴンになれるんすか?!!」
すると、ウェンディが目を輝かして訊いてきた。
「ま、まあ、クローンの情報として伝わっていれば、出来ない事は無いと思うぜ。」
クラウドがこう言うと、
「ああ、やっぱカッコイイのかな?」
ウェンディは空想の世界に入り浸り始めた。それはともかく、
「しかしどうするんですか?今から出てインペリアルドラモンの速度で飛んで管理局の地上本部には四十分、その後沢山の職員の中から潜入に優れた能力を持つドゥーエ姉さまを探し出すだけでなく、運が悪いとゼストさん達の相手をしないといけないんですよ。竜形態になっても五分じゃ終わらせられないのでは。」
クワットロがこう言うと、キサキは、
「そういえば。」
と言って黙ってしまった。すると、
「それなら、リィンが行くですよ。」
リィンが名乗りを上げた、
「私がユニゾンすれば一分くらいは時間を延ばせるですよ。」
リィンが言うと、
「では私も行きましょう。」
続いてシグナムも言った、しかし、
「いや、今回は少数で行くよ、たぶん今日あたり誰かが訪ねてくるだろうし。」
と、キサキは言った。
「パロットモン、ホーリーエンジェモン、エンジェウーモン以外のデジモンは、タイキのクロスローダーに残して行く。」
「となると、キサキ、リィン、デジモン三体で行くんやな。」
はやては心配そうだった。もしも敵と出くわしたら、と考えたのだろう。しかし、
「いざって時は「ヘブンズゲート」で逃げますから。」
と、言った。
そして、すぐさまパロットモンに乗って飛び出したのだ。
管理局地上本部への途上、キサキはある物を見ていた。それはボールペンである、
「何なんですか?それ?」
リィンが訊くと、
「前の地上本部襲撃の前に、エリカ姐さんが俺に渡したんだよ。ボールペンくらいは持ち歩けって。」
キサキは、ただのボールペンだと思えない、と言った。
「そんな事より、あれを見て下さい!」
リィンに言われた方向を見ると、融合騎を連れた大男が地上本部へ向けて飛んでいた。
「ゼストか?!ゼストの事か!!」
キサキは意味不明な一言を言うと、パロットモンの上から飛び降りた。
「はい止まれ!!武器をそこらへんに置いて投降しろ!!でいいの?」
キサキはゼストとアギトの前に立つと、こう言った後、続いて降りてきたリィンに訊いた、
「キサキか、やはりそちらに付いたのか。」
ゼストがこう言うと、
「まあ成り行きで、そちらは相変わらず十数年前の事を?」
キサキはこう答え、ゼストに訊きかえした。
「ただ友人に会いに行くだけだ。退いてもらおう。」
ゼストはこう言って、キサキに槍の切っ先を向けた、
(あれが旦那が認めた男。見た目は女みたいで弱そうだけど、立ち振る舞いに一切の隙がねえ)
アギトはゼストの隣でこう思った。
「退かないのなら無理やり通るまでだ!騎士として推して参る!!」
アギトはこう宣言すると、ゼストと一体化した。結果、ゼストの髪は金色となり、槍には炎が纏われ始めた。
「騎士とかそうじゃないとか!こだわるから戦いになるんでしょう!!」
リィンはこう言うと、キサキと一体化した。結果、キサキの紫髪は輝く白金色になり、かつての「リィンフォース」を思わせる姿になった。
(ともかく、竜形態はギリギリのキメ時で一回使うぞ)
キサキがリィンに念話で方針を伝えると、ゼストは目にも止まらぬ速度で突進した。
「な、早!!!」
キサキは驚いて魔法盾を展開したが、すべて切り払われてしまった。すると、突然キサキの持っていたボールペンが飛び出すと、
「竜王陛下に危機発生、緊急迎撃に移ります。」
古代ベルカの言葉でこう言って、大振りな剣に変化しゼストの槍を受け止めた。
(あのボールペンはインテリジェントデヴァイスだったんですね)
リィンがキサキの中でこう考えると、
「以外にヘボいな、この剣。」
キサキはまじまじと剣を見ながら言った。
「うるせえ!!」
すると、剣の鍔の部分の丸い鏡のような部分の顔が現れ、口を開いてこう言った、
「テメェが次の竜王かよ。まだ子供じゃねえか。」
標準語でキサキにこう言うと、
「剣の分際で生意気ですね。」
キサキはこう返した。
「はっ!生意気は貴様の方だ。」
剣の「グレートカリバーン」は言うと、
「俺を使う以上、ビシビシ鍛えなおしてやるから覚悟しておけ!!」
と、言った。
「はいはい、じゃあ早速お願いします。」
キサキはこう答え、剣を構えた。初めての剣術ではあるが、何とかやってみようと考えている。
そしてそのころ、聖王のゆりかごでは「オファニモン・フォールダウンモード」がゆりかご上に出てきたタイキ達と向かい合っていた。
「ごきげんよう工藤タイキ様。そして機動六課の皆様と他数名。我が主に何か御用ですか?」
オファニモンは空の上から皆を見て言った。
(他数名って?)
ナンバーズの皆はこう思っていたが、
「そういうそちらはどうした?ただ偶然出くわしたわけじゃないだろ。」
と、タイキが訊くと、
「ええ、向かう敵あらば止めろとは言われて来ました。痛い思いをさせるつもりはありません。お構え下さい。」
オファニモンはこう言って、黒い炎を纏った巨大な鎌をかまえた。
「フレイムヘルサイズ!!」
そして、途轍もない大きさの斬撃を発射した、
「うおお!!危ねえ!!」
皆は間一髪で回避した、
「デモンズクリスタル!!」
休む間も無く、黒い水晶を大量に投げつけた。
「このままじゃやられるぞ!!」
と、ヴィータが叫ぶと、
「シャウトモン、超進化!!」
「ブイモン、超進化!!」
「テリアモン、超進化!!」
タイキ、ヴィヴィオ、アインハルトはそれぞれクロスローダーを掲げた、
「オメガシャウトモン!!」
「マグナモン!!」
「ゴルドラピットモン!!」
それぞれのデジモンが進化したところで、
「グレイモン、メイルバードラモン、デジクロス!!」
グレイモンとメイルバードラモンをデジクロスさせて、メタルグレイモンにすると、
「メタルグレイモン、超進化!!ジークグレイモン!!」
メタルグレイモンは自身の力を限界まで高め、自力で進化した。かつての機動六課隊舎襲撃の折、彼の夢の中に現れた竜王エイリーンの与えた力である。
「ヘヴィメタルバルカン!!」
「プラズマシュート!!」
「ラピットファイヤー!!」
「ジークフレイム!!」
進化した四デジモンは、それぞれの得意技を放った、
「中々いい攻撃ですね、ですが。」
オファニモンがこう言った時である。オファニモンは攻撃に包まれた、
「よっしゃあ!!一撃だぜ!!」
オメガシャウトモンがこう叫んだ時である、
「クリスタルコーディネーター!!変わり身の術!!」
と、オファニモンの声がした。見ると、攻撃が当たったのは、オファニモンの形をした黒水晶だった。
「ええ!?いつの間に!?」
「奴はどこに?!!」
皆が驚いていると、
「ここだ!!」
オファニモンは蛹から出てくる虫のように、オファニモンの水晶像の背中を破って出てきた。
「変わってねえじゃん!!!!!」
(あれ、こんなのどっかで見たような?)
皆は、叫ぶと同時に、こう思った。
「隙あり!!デモンズクリスタル!!」
その中で、オファニモンは大量の水晶を投げつけた。完全に油断していた皆はかわすことが出来ないと感じ、防御の態勢を取ったが、
「せぇーの!!!」
メデューサモンの髪の毛に攻撃を阻んでもらい、一撃も通らなかった。蛇のように動かせる彼女の髪は、通常の鉄糸の数十倍は頑丈なので、ある程度の威力の攻撃であれば、受け止める事が出来る。
「な、ななな?」
オファニモンはメデューサモンを見て絶句した、そして、
「あなたはまさか?!伝説の”イカ娘”?!!!」
と、叫んだ。
「誰がイカ娘でゲソ!!せめて乙女妖怪と言いなさい!!」
メデューサモンは、”うっかり”こう叫んでしまった、
「ゲソって何さ?」
皆が一様にメデューサモンを見た時、メデューサモンは、しまった、と言いたげな表情になった。
「再び隙あり!!フレイムヘルサイズ!!」
オファニモンは隙を見逃さず、大きな鎌から斬撃を発射した、
「クリスタルレヴォリューション!!」
しかし、クラウドが発生させた水晶の壁に阻まれ、攻撃は通らなかった。
「分かったろ!奴は隙に付けこむ戦いをしてくる、速攻で片付けろ!!」
クラウドがこう言うと、
「オメガシャウトモン!ジークグレイモン!スーパークロス!!」
タイキはオメガシャウトモンとジークグレイモンをデジクロスさせた。
「シャウトモンDX!!」
ジークグレイモンの武装を中心に、頭部と右手がオメガシャウトモンで構成されたデジモンになると、
「ブレイブビートロックダブルクロス!!」
強烈な業火を纏って突撃した、
「えーと、ここは。」
オファニモンはこう言って、
「クリスタルコーディネーター、チンロンモン!!」
水晶を使って、最強と称される竜型デジモン「チンロンモン」を思わせる竜の像を一瞬で形成すると、投げつけた。
シャウトモンDXと水晶の像は激突するも、シャウトモンDXの方がパワーは上だったので、水晶を押し返し始めた。しかし、オファニモンは投げつけた水晶の上を高速で走り抜けると、シャウトモンDXを回転で叩き落とした。
「縦回転、フレイムヘルサイズ!!」
そして、水晶から飛び出した勢いを利用し、強烈な縦回転でゆりかごに突撃を始めた。丁度、ランニングマシーンで転んだ時にひっくり返る力を利用したのだ。皆は一様に飛び道具で止めようとしたが、クラウドは、
「まて!攻撃するな、よけいに回転の威力が上がるぞ!!」
と、叫んで。
「グランドラクモン・ヒューマン形態、スライドエヴォリューション!!グランドラクモン・ビースト形態!!」
人間体のクラウドから、四本足の強靭な下半身としなやかな上半身を持つ魔王型デジモンに変わった。
「クリスタルブレード!!」
グランドラクモンは水晶で剣を作ると、オファニモンにぶつけて攻撃をそらした。
「畜生、いつもなら真っ二つなのに、長い事人間だったから勘が戻らねえ。」
グランドラクモンは罅だらけになった剣を見て言った。
カットマン
「カットマンと。」
モニタモンズ
「モニタモンズの。」
全員
「デジモン紹介のコーナ―。」
カットマン
「今回のテーマはアンキロモン。アンキロモンは鎧竜型デジモン。必殺技は相手を尻尾のハンマーで殴る「テイルハンマー」その巨体で敵を押しつぶす「メガトンプレス」だ。」
モニタモンA
「とても固い皮膚の上に、硬くて鋭い棘を持っていますな。」
モニタモンB
「高い攻撃力と危険な見た目と違い、基本は大人しいデジモンですな。」
モニタモンC
「うっかり踏まないように気を付けるのですな。」
全員
「それじゃあまたね。」
次回予告
機動六課連合VSオファニモンの戦いに、キサキとグランドラクモンも参戦する。
グランドラクモンの実力、そしてキサキが目指す竜王とは、
次回「竜王キサキ」
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第二十六話 邂逅、オファニモン フォールダウンモード | ||
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