萌壊前夜 (ほうかいぜんや)
説明
『 とにかく朝になる前にそこから立ち去るんだ。巻き込まれたら……死ぬぜ? 』

【ツキヒカリソウ】
深遠な森になるほど樹木が陽光を覆い
暗く湿った木々の根元は菌類やコケ類、シダ植物の世界である。

しかしある樹海の一部には一風変わった繁茂と枯死のサイクルが存在する。
青空を覆い隠した巨木の枝下で、ツキヒカリソウはゆっくりと自らの胞子を振りまき萌芽の時を待つ。

やがて十数年の後、満月の夜
ツキヒカリソウは来るべき朝を迎える事に歓喜するごとく光り輝くのだ。
その翌朝、太陽の光が差し込んだ瞬間彼らは攻撃的で爆発的な萌芽を見せる。
その一帯を支配していた巨木は一掃され、
再び生存競争の勝利者となるチャンスが等しく全ての木々に与えられるのだ。

<萌壊>(ほうかい) と呼ばれるその現象に巻き込まれたら無事ではいられないだろう。
不幸にも樹海の中で光り輝くツキヒカリソウを見つけてしまった場合は……
危険を冒してでも夜の内にその場から立ち去るべきだ。

もしなぎ倒される木々と共に、森の養分となりたいのなら話は別だが。

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コメント
綿毛みたいな植物に不気味で奇妙な魅力を感じる。(Millan)
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