司馬日記26 |
8月28日
帰宅後自室で財政書を読んでいると、士載が士季と姜維を引き連れて訪ねて来た。
何事かと聞くと暫く顔を赤らめていたが一刀様に御情けを賜ったと言い、また一刀様の仙薬の効果覿面であったようで言葉も滑らかであった。
吃音の快癒と合わせて祝いの言葉を返すと、脇にいた士季が隠していたのか酒瓶を見せ、折角なのでお祝いをしてやって頂けませんかと言い出した。何も私の部屋でなくてもとも思ったが、一刀様からの直々の御指名で預かった士載の事であるので付き合うこととした。
士季が士載を煽ってその時の事を語らすによると三人がかりで御情けを賜ったらしい、また初めてであるにも拘らず多少の痛みはあったが女の喜びを授けて下さったと言う、流石は一刀様だ。その後は士季と姜維とで代わる代わるお尽くしし、二周したところで一刀様が士載らの体をお気遣い頂いたらしくもう十分と言われた。しかし(誰が言ったのか?)まだまだ一刀様御自身は御満足でない筈であるので、御心遣いには深く感謝したが御遠慮は無用ですと申し上げて全員全力で御奉仕を続けたところ、やはり御遠慮なさっていたようで何度も雄雄しくなられていたが何回目頃かにいつしか眠られてしまった。しかし(どうやってか?)事前に予想していた合計量と比べると半分以下のはずであった為これで終わってよいものか三人で相談した末、眠ったままでも御奉仕によって雄渾になられる一刀様に更にお尽くしし、完全に涸れた事を確認して皆で一刀様に寄り添って寝たという。
…回数が非常に多いように思われ、初めてでそこまでしなくともと私が言うと、士載と姜維がそうでしょうか、でも前のお話ではと戸惑った様子でいたが士季は『いや士載と伯約がどうしてもって言うので』と何故かまたにやにやと笑っていた。
…私は閨房の記憶があやふやだが、そんなにもしていただろうか…?
8月29日
夕方に子丹お嬢様に珍しく関羽殿が面会に来た。会議室で暫く打ち合わせると帰ってゆかれたが、どのような用件だったのか御嬢様に伺ったところ、
「なんか昨日士載ちゃん達が搾り取りすぎちゃったみたいなんですって。夕べから今日劉備様と関羽さんが一刀様と一緒だったんだけど、劉備様が薄くて残念そうにしてて姜維さんに聞いて分かったみたい。でも初めてなのになんでそこまでしたのかしらねぇ…若い子は底無しって言うけど、あの子達そこまで好き者だったのかしら…?」
と首を傾げていた。
士載達の行動は謎だが、やはりあの回数は普通でない事が分かって少しほっとした。
8月31日
張任殿、太史慈殿、?徳殿といきつけの店で夕食を兼ねて飲んだ、頃合を見て張任殿が話された話は以下のようなものであった。
ある晩御嬢様(劉璋殿)の元へ旦那様(一刀様)が来られ、御嬢様からは警備は不要であるので自室へ帰るようにと言われていたが自主的に室外で警備をしていたところ、室内より御嬢様の普段とは異なる声が聞こえた。退室を命じられていた為隠れて中の様子を伺ってみると二人は寝台で裸で抱き合っており、御嬢様は苦悶のようでそうともつかぬ声を上げていた。旦那様は御嬢様を優しく扱う御立派な方だと思っていたが御嬢様に危害を加えているようであれば踏み込んで止めようと思ったが、最後は静かになり二人で何事かお話されながら幸せそうに眠られたので御納得ずくの行為だったのだと解釈し立ち去った。
「そこで、あの時御嬢様と旦那様が何をされていたのかを教えて欲しいのです」
大真面目にそう語る張任殿に頭を抱えてしまった、頭と顔に血が上るのが分かったが酔いのせいばかりではないだろう。
助けを求めるべく太史慈殿と?徳殿の方を見ると二人とも不思議そうな顔をしており、それを見た瞬間にいつか詠様が仰っていた『お子ちゃまの悩み』云々と今思えば『後は宜しく』と言わんばかりであった子敬の笑顔が頭の中で繋がった、つまりは彼女らはそちら方面の知識が致命的に欠けているということなのだろう。
いっそ逃げてしまいたいとも思ったが張任殿は旧蜀随一の人材、太史慈殿は孫策殿が一線を退いた今甘寧殿と並ぶ主力中の主力、?徳殿も錦馬超と並ぶ涼州屈指の人材と聞いている、門前払いのような取り扱いは魏の利益にも一刀様の御為にもならない。
困った挙句、それは夫婦の間で行う儀式のようなものである、危害を加えるようなものではないので安心してよく、覗き見のような真似は劉璋殿も御望みでないと思うので止めて頂きたいと説明すると、張任殿は訝しげに首を捻っていたが一応は納得したようだった。
今日を切欠に張任殿、太史慈殿、?徳殿と懇意になる事が出来た、ただ若干私の事は買い被られてしまっている様だ。
…とは言え、最低限の性教育くらいは各々地元でやっておいて頂きたいものだ。
9月2日
蜀や呉、他の部局とも相談し、管理職で寄付を募って店員がすべて女性である行きつけの酒楼の個室席年間予約権を共同購入した。いっそ庁内食堂の一部を間仕切ってという案もあったが防音の都合もありそういう話をするには一応職場をでてからにしたいという意見が多かった為だ。
9月3日
後宮の全面新築移転計画が予算化され、予算及び工程管理を任されることとなった。
基本計画書において給湯・浴室設備の充実、防音仕様及び安全管理の強化、個々の個性の尊重がうたわれている。現在の後宮は慢性的に不足している事務諸室として転用される計画だ。
機能ごとに部会が設立されそれぞれ仕様の検討は既に進んでいるらしく、特に公達様が部長を担当されている部会は物凄い量の資料が作成されていた。
9月5日
休暇だが残務の為出勤していたところ、同じく出勤されていた詠様と御嬢様がにやにやして職場に来られ、ちょっと来なさいと言われ一刀様のお部屋に連れていかれた。
お部屋に入ってみると一刀様と月様がにこにことしており、何事かと思っていると詠様が
「仲達、月はねぇ『ばば抜き』で一刀が持っている札なら何回やっても完璧に当てるのよ、凄いでしょ!それを楓(御嬢様の真名だ)に言ったら多分仲達も出来るって言うのよ、ちょっとやって見なさいよ」
と言われた。
『ばば抜き』とは何なのか知らなかった為教えて頂き、一刀様が十枚の札を持ち『ばば』がどれかを当てるようにと御指示された為この札ですと当てて見せたところ、真顔になられた月様がもう二回同様にやって見せるようにと御指示された為今二度当ててみせた。
驚かれた一刀様がどうやって当ててるのかと言われた為、一刀様の目と指先の動き、呼吸の御様子から推定しております、一刀様が『ばば』を一回でも見て下さったらおよそ当てられると思いますと申し上げた。
詠様が札持ってるのが一刀以外でも当てられるのと重ねて聞かれたが、何故か他の人ではそこまで細かい動きが見えず、集中すれば見えるかもしれないが非常に疲れる為当たっても一回くらいでしょうと答えると、月様が私と同じですねと言われていたが何故か瞳が笑っていないような気がした。
一刀様が「この二人には俺の考えてる事ひょっとして全部筒抜けなの…?」と呟かれたが、詠様が「いや…肝心な事はろくすっぽ伝わってないし、どっちもほんのちょっと妨害してやるだけで全く(心を)読めなくなるから心配する事無いんじゃない、ねえ月?」と仰り、御嬢様はそれに頷き月様は何故か頬を赤く染められていた。
9月7日
後宮移転計画の各部会から要求仕様がまとめられた、非常に仕事が速く各職員の熱意が感じられる。
各国王寝室、各国共用寝室は特に違和感が無いが、執務空間や合同塾の教室は別に設けているのに会議室(大・小)、執務室(小)、教室(大・小)は何の為に必要なのだろうか?
また特別室(三)は壁と天井が全面鏡張り、同(四)は一面が鏡張りで鏡面の反対側に小部屋が設けられているがこれも理由が分からない。また同(六)では粗い石面仕上げの床・壁に格子状の間仕切りとまるで牢のような仕上げの上に用途の分からない金具が多数取り付ける不可思議な計画となっている。
さらに高台に露天風呂と広大な庭も計画されている上、備品として寝台や家具・用途のいまいちよく分からない大量の小物類も計上されており予算は大幅に足りない見通しとなった。
詠様にご相談したところ、なんとも言えない笑顔をされて
「うん、それぞれやりたい奴に自腹切らせるから大丈夫よ。…あんたの上司もきっとたんまり出してくれるわよ」
と仰り、部屋・場所毎の予算明細を作成提出するよう指示された。
9月9日
また張任殿に誘われ、太史慈殿、?徳殿と共に飲んだ。亞莎、凪とお茶などをするのも落ち着くが、彼女らもまた純朴な風があり心を洗われる様で一緒にいて心地よい。
そう思っていたのだが、「先日の話の続きなのですが、先日張任殿が仰っていた劉璋殿と一刀様がしていた事は気持ち良い事なのでしょうか」
と太史慈殿に切り出され又しても困ってしまった。太史慈殿曰く、孫策様にその話をしたところ非常に気持ち良い事である、なぜならば自分と一刀は深く愛し合っているからだと言っていた。ただ、通りがかった孫権様にそのようなはしたない話はしないようにと(主に孫策様が)注意されてしまったという。
張任殿は密かに覗いてしまった事なので御嬢様(劉璋殿)に聞くわけにもいかず、自分は甘寧殿、?徳殿は馬超殿にそれぞれ聞いてみたがいずれも碌に取り合わず逃げられてしまったという。自国の同僚であれば好悪はさておき取り合いもしないとは冷淡なとは思ったが、
『およそ孫策様のお言葉の通りであるが、軽々にするべき事でもない』
と答えると、なおも『貴女の場合はどうであったのか、そんなに気持ちの良いものなのだろうか』と聞かれ、経験の浅い私では御参考にならないと思われるので御容赦頂きたいと答えても
「他の誰に聞いても答えて頂けず、仲達殿だけが頼りなのです」と真摯な表情で問い詰められてしまっては是非も無い。酒を瓶ごと呷り、思うところを自分なりに極力冷静に述べたはずだが良く覚えていない、翌朝妹の叔達に聞くと閉店まで飲んでおり自力で帰れる状況に無く張任殿らが私を送ってくれたらしい。
夕べの様子では?徳殿達は姉様を物凄く尊敬されているようですけど、一体何をしたのですかと叔達に聞かれたが思い当たる節が無い。
友人を減らさぬよう、たまにの事とは言え深酒で前後不覚になって周囲に迷惑を掛けるのは控えよう。
説明 | ||
その後の、とある文官の日記です。 | ||
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コメント | ||
張任達がこの世界ではめずらしいくらい純粋で驚く。色事を知った後どうなるかわからんけどね。しかし月が怖いよう…。(ミドリガメ) むしろ最初に公達さんとかを持ってこない分優しいのかも…いややっぱチョロ達さんじゃ無理だろwwww(悠なるかな) 仲達さん可愛いなぁ それにしたって本当に純粋なんだな、張任達はw(Alice.Magic) 想像以上に張任達が『お子ちゃま』だったw もっとも、この外史では絶滅危惧種並みに貴重な人達なのも間違いないけどwww(メガネオオカミ) 月vs仲達 これは荒れるな(戦慄(呂兵衛) チョロ達さんが尊敬されてることに違和感がwwwwww(アルヤ) 仲達さんかわゆいなぁ(*´ω`*)(くらげ) 正直チョロ達さんと月、すごいとしか言いようがないなw一刀の動き一つ一つ見てババ当てる(一刀限定)とかwww(GANGAN) 月ちゃんと仲達さんの戦争が始まるかと思た…… それにしても、情操教育を仲達さんに任せるのはどうなんだろうかww(神余 雛) |
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