その時

ゲルショッカー首領の声

「いい加減にせぬか貴様ら！」

首領が二人に対し、怒鳴りだすと二人は構えるのを止め

首領の声がするレリーフを見つめる。

死神博士&地獄大使

「しゅ、首領！？」

ゲルショッカー首領の声

「貴様らは組織を指揮する立場だという事を忘れたのか！　その事を

忘れ、仲間同士でいがみ合うことなどあってはならんことだ！　これ以上

いがみ合うなら、ゲルショッカーの調和を乱す存在として貴様らには消えて

もらうぞ！」

地獄大使&死神博士

『は、はあ・・・申し訳ございません・・・』

首領の怒声で二人はいがみ合うのを止め大人しくなる。

そして

ゲルショッカー首領の声

「地獄大使っ！」

地獄大使

「な、何でしょう！？」

ゲルショッカー首領の声

「死神博士のいう事にも一理ある。　暗黒魔術師の忠告を聞かなかった貴様は

せっかちすぎるのだ！　いい加減、己の非を認めよ！」

地獄大使

「そ、そんな首領まで私の事をせっかち者だというのですか！？」

ゲルショッカー首領

「黙れ・・・・今から貴様には今回の計画から外れてもらう。自室に戻り

少しは反省しろ！」

地獄大使

「わ、分かりました・・・・」

地獄大使はそういうと司令室を後にして、自室まで戻っていった。

そして暗黒魔術師は地獄大使が出たのを確認すると

その場にいた死神とブラック、左慈、アリイモラにこう言い出す。

暗黒魔術師

「で、では改めまして・・・・今回作戦に失敗し、益州を戦力を

倍増させる結果になりましたが、太平要術に袁紹の怨嗟の声を吸収

させる事には成功しました」

死神博士

「何っ？　本当か！？」

暗黒魔術師

「はい・・皆さんこれを見て下さい」

暗黒魔術師は懐から太平要術の書を取り出すと、それを死神、ブラック

左慈に見せた。

ブラック将軍

「こ、これは・・・何と禍々しいんだ」

左慈元放

「ああ・・・ここまででかい怨嗟の声は俺達も見たことがねえぜ」

暗黒魔術師

「ええ・・また首領に献上するあれの完成に近づきました

そして・・・我が偉大なる王の復活も近いです」

ブラック将軍

「偉大なる王？・・・ああ貴様が言っていた首領に献上するあれと同時に

蘇らせるかつて我らを闇の世界から呼び戻してくれたあのお方のことか？」

暗黒魔術師

「その通り・・・・あのお方さえ蘇れば、この世界を怪人軍団の

世界にする事も可能なのです」

左慈元放

「そして俺様達の次元を繋ぐ力で怪人軍団を本郷の世界に送り込めば

あっという間にあの世界はゲルショッカーの物だぜ！」

ブラック将軍

「それは素晴らしいな」

暗黒魔術師

「ではブラック将軍、死神博士　貴方達にゾル大佐とは別の指示を出します」

死神博士

「何だ？」

暗黒魔術師

「今から戦闘員を連れて出陣し、益州を攻めるために出陣し警備が手薄になっている袁紹、

袁術の城を襲撃して下さい」

死神博士

「何のために？」

左慈元放

「実はな・・・俺様達が放ったスパイの情報であのお方の精神体を呼び寄せる石

を袁紹、袁術が半分ずつ持っている事が分かったんだ」

暗黒魔術師

「貴方達にはそれを奪いに行って欲しいのです」

ブラック将軍

「城を守っている兵士達が抵抗してきた場合は・・・・？」

暗黒魔術師

「聞くまでもありません・・・・ゲルショッカーの邪魔をする物は

死！　あるのみです　ハハハハっ！」

暗黒魔術師は司令室に響き渡る様な声で笑い出した。

その頃袁紹、袁術軍を撃退した後、益州の者達は新たに仲間になった

恋達にこの戦が起こった経緯を説明していた。

音々音

「何ですとっ！　ならあの袁紹のアホ目は白蓮殿に化けたそのゾルとやらに騙

されてこんな戦を仕掛けたというのですか！？」

恋

「恋達・・・・全然知らなかった・・・」

どうやら彼女達は麗羽達が顔に怪我を負っていたのは公孫賛に怪我を

負わされたからだと聞かされていたようだ。

翠

「ご主人様達の敵に騙されて、益州に攻め入りをしたのか？　本物と偽物の

区別ができないなんて袁紹は救いようのない馬鹿だな」

蒲公英

「だよね〜♪」

一文字隼人

「翠・・・蒲公英・・そういうんじゃない・・・・ゾル大佐の変装術は完璧だ

情けないことだが最初、奴が俺達の親友滝に変装して俺に近づいてきたとき、

偽物だなんて全く気づかなかったんだ」

愛紗

「えっ！？　では何故一文字様はその滝殿が偽物だって気づく事が出来た

んですか！？」

星

「それほど完璧なら偽物だと気づくのは困難なのでは？」

一文字隼人

「ああ・・・奴が滝に変装して、俺に近づいてきたとき俺は全く奴がゾルだって事に

気づかなかった・・・・だが本物の滝が俺にこっそり連絡してきて『そこにいる俺は

偽物だ　気をつけろ　お前を殺そうとしているぞ』といったんだ　滝からの警告がな

ければ、俺はゾルに抹殺されていたかもしれない」

朱里

「身内ですら気づかないなんて・・・ゾルって人、本当に恐ろしい人です」

本郷猛

「俺は奴の変装術を見たわけではないが、それほどまでに変装が完璧なら

どうやって袁紹の誤解を解く？」

一文字隼人

「一番簡単な方法は偽白蓮を袁紹達、そして白蓮の元に引きづり出すことだ

そして奴の変装をひっぺかし、袁紹達にゾルが真犯人だと分からせるしかない」

鈴々

「でもそれには袁紹達を鈴々達の元に呼んで真実を分からせる必要があるのだ」

本郷猛

「だが、それは無理な相談だ。　俺は彼女達に説得を試みたが彼女達は偽白蓮

への怒りで冷静な判断ができない状態だった　もし袁紹達を呼び出すことがで

きても怒りの余り白蓮を殺そうとするかもしれない　危険すぎる」

白蓮

「そ、そんな・・・・」

その場には腕に包帯を巻いた白蓮もいた。

安静にしていた事で容態が少し落ち着き、華佗から軍議に参加する許可

がおりたため、この場にいた。

白蓮

「そんなに奴らは怒り狂ってるのか？　どうすればいいんだ・・・

どうすれば私の無実を証明できる・・・」

白蓮は本郷から袁紹達の説得は困難だと聞き、頭を抱える。

今の彼女は早く冤罪を晴らし、袁紹達と和解したいと考えていたが

その方法が大変困難ではもうどうしようもないのか。

そんな時、頭を抱える白蓮を桃香が後ろから優しく抱きしめる。

桃香

「大丈夫だよ白蓮ちゃん・・・・皆がいるから・・・」

白蓮

「と、桃香・・・・」

白蓮に桃香の優しさが伝わったのか、落ち着きだした。

そして愛紗はこう言い出す。

愛紗

「確かに危険ですが、袁紹達を呼ぶいがいに方法がありません」

愛紗がそう言い、一同が頭を抱えていたとき朱里、雛里がこう言い出す。

朱里、雛里

「「あ、あの〜・・・・」」

本郷猛

「どうした二人とも？」

朱里

「それなら私達に一つ策があります」

白蓮

「な、何っ！？　それはホントか！？　それはどんな策だ！」

白蓮は思わず、二人の元に寄った。

雛里

「いってもいいんですか？」

白蓮

「かまわん！　あいつらの誤解を解く為なら、私はなんだってする！」

朱里

「そう・・・なら白蓮さん　袁紹さん達宛にある文を書いていただけませ

んか・・」

白蓮

「ある文？・・・それは一体・・・」

雛里

「それはですね・・・・」

雛里が説明するとその場にいた者全員が驚く。

白蓮

「え、ええっ！？　そんな文を私が書くのか！？」

翠

「そんな事をしたら火に油を注ぐだけじゃないのか！？」

朱里

「皆さん落ち着いて下さい　これはある策を用いるために必要な

物なんです　その為には白蓮さん本人が書いた文が必要なんです」

本郷猛

「朱里・・・一体どんな策だ？」

本郷が朱里に聞くと朱里は皆に説明しだした。

その説明を聞いた者は驚き、中にはその策に

一文字隼人

「なるほど・・・・・・それなら奴をおびき出せるな」

愛紗

「いささか気が引けるが、今回ばかりは仕方ないな」

翠

「しょうがないな・・・・白蓮の無実を証明するためにアタシらも

手を貸すよ」

白蓮

「ああ・・・・頼む・・・」

雛里

「問題は誰がこの役を引き受けるかです・・・・」

一文字隼人

「それなら俺に任せろ」

朱里

「い、一文字様がするんですか！？」

一文字隼人

「ああっ・・・何もしていない白蓮を嵌め、あげく何の非もない袁紹達を

傷つけ利用したゾルだけは絶対許せないからな」

朱里

「分かりました・・・この役を頼みます」

一文字隼人

「ああっ！任せろ！」

雛里

「では次の役ですが・・・」

桃香

「はいはいはいっ〜！　それなら私が引き受けるよ〜♪」

愛紗

「と、桃香様・・・・・ふざけている場合では」

愛紗は呆れた顔で桃香を見るが

桃香

「ふざけていないよ・・・だってあの子の胸に一番近いのは私だけだもん」

桃香にとっては冗談でなかったのだが・・・・

朱里

「確かにそうですね・・・・（はわわ・・・・私だって胸がもっとあれば・

・・・）」

雛里

「・・・・・・・（・・・あわわ・・・おっぱいもげろ・・・）」

胸の大きさに悩む二大軍師の嫉妬を買ってしまうが桃香はそれに気づかなかった。

しかし二人も今は胸を気にしている場合ではないと分かっていたからか

とりあえず、次の役を決めることにした。

朱里

「では次の役は・・・・」

蒲公英

「は〜い！　それ蒲公英がやりま〜す♪」

翠

「おい蒲公英　遊びじゃないんだぞ」

蒲公英

「だっておもしろそうだも〜ん♪」

翠

「しょうがないな・・・」

朱里

「では蒲公英ちゃんにやってもらいましょう　早速今夜にも

作戦を実行します！」

本郷猛

「だが・・・その前に・・・・一文字・・・気づいているか？」

一文字隼人

「ああ・・・・」

桃香

「えっ！？　どうされたんですか二人とも？」

桃香は二人の様子がおかしくなった事に気づき、二人に近寄ろうとするが

本郷猛

「そこだっ！」

（ピッ！）

何と本郷が桃香の後ろに目掛けて短剣を投げ、そして壁に深く刺さった。

桃香

「ひゃっ！？」

（ペタンッ！）

桃香は突然の事に驚き尻餅をついた。

愛紗

「ご、ご主人様！？　いきなり何を！」

翠

「何を考えているんだよご主人様！」

その場にいた物は本郷のした行動の意味が理解出来なかったが

本郷猛

「あの壁を見てみろ！」

星

「一体壁がどうされたと・・・・えっ！？」

一同は短剣が刺さった壁を見ると、何とそこから血があふれ出し