進化した日【詩】
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「進化した日」

 

 

 

僕はいらない子だ。

 

 

 

ねえ、君。

 

時間という概念に進化があるとしたなら、

生の終わりは突然変異なんだろう?

 

僕はそう信じているんだ。

 

でも怒った顔をしないで。

僕は死に憧れるほど熱心に生きていないんだよ。

 

 

人は命を保つために生き続ける。

 

正しいかは不明だけど、この理由は悪くない。

 

ただ、その行為を終えたとき、僕はいったい何になるんだろう。

 

それが不思議なんだ。

 

 

目は僕には必要で、

耳は僕には必要で、

手は僕には必要で、

 

どこにもいらないものなんてない。

 

でも、やがてその日はやってくる。

 

 

進化した日。

肉の衣を脱ぎ捨て僕は僕と対面する。

 

僕は最後に残ったその僕に必要だよ、と

言ってあげられるのだろうか。

 

 

僕は空に耳を傾ける。

浮かんでいる雲は早すぎて、色彩の変化は早すぎて。

空が騒がしいお喋りをしているように感じるよ。

僕が寂しいからなのかな。

 

きっと皆はそこに行く。

 

青い空、赤い空、黒い空。

どんな存在だって、適応できる場所が用意されている。

僕の中の最後に残った進化した一滴。

招待状はきっとくる。

 

だから。

いらない子だなんて不安がることないんだよ。

 

 

突然変異をした僕が毒虫に変わってしまっても。

僕は空と混ざるんだ。

説明
「僕はいらない子だ」
詩です。
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コメント
コメントありがとうございます!気に入っていただけてとても嬉しいです。もともと話すことが苦手なので、自分の思いを言葉に変換するのは難しいのですが楽しい作業でもあります。(ヒマワリ)
余韻を感じさせる文章に魅せられ、考えさせられてしまいました。「空が騒がしいお喋り〜」という部分の言葉が美しすぎて、すごい気に入ってしまいました。言葉が大切に扱われていて、羨ましいくらいです(暦道創(コヨミミライ))
タグ
  希望 絶望 突然変異 進化した日 

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