IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 別れーSeparationー |
千冬たちはマドカが消えたと思われるところへと掛け走っていた。空色は夕焼け色に染まっている中を千冬は息を荒くしながら走っていた。
そのとき千冬の目に木の根元にもたれかかっているマドカの姿があった。
「マドカ!」
千冬はマドカの元へと駆け寄り、まどかを抱える。
「マドカ、しっかりしろ!」
「・・・・・・ち・・・・千冬・・・・・・お姉ちゃん・・・・・・・」
「なんであんな無茶をしたんだ。どうして!」
「あの姿をした私を倒したかった。あの頃の私と決別したかった。」
「でもあいつとお前は違う!」
「うんうん、あれは私の闇を映し出したもの。私自身だよ。」
そこへ一夏が茂みをかき分けてくる。
「一夏・・・・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・」
「マドカ・・・・・・」
「おねがい・・・・・・・・・・があるの・・・・・・・・・」
マドカのお願いに一夏は疑問を持つ。
「写真を・・・・・・・・・・撮って・・・・・・・・・・・・」
「えっ!?」
「おね・・・・・・・・・が・・・・・・・い・・・・・・・・・・もう・・・・・・・・時間が・・・・・・・・・・ない・・・・・・・・から・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・わかった。」
一夏はカメラを取り出しマドカにレンズを向ける。マドカは精一杯の笑顔を出す。
カシャッ
シャッターを切る音が響き渡る。
「あ・・・・・・・・・り・・・・・・が・・・と・・・・・・・・う・・・・・。千冬・・・・お姉ちゃん・・・・・わたし・・・・・・お姉ちゃんに・・・・・・会えて・・・・・良かっ・・・・・・・・・た。」
「え?」
「初めて・・・・・・・・会った・・・・・・・時から・・・・・・・私の・・・・・・時間は・・・・・・・動き・・・・・・・だした・・・・・・止まってた・・・・・私の・・・・・・・中の・・・・・・・時間が・・・・・・・・・・動き出した。」
「マドカ・・・・・・だが私は・・・・・」
「一夏お兄ちゃんを・・・・・・・・・・助けた後で・・・・・私のことも・・・・・・探してくれた。それだけでも・・・・・・・・・・嬉しかった。」
マドカは瞳から涙を流す。そしてマドカの身体が徐々に光りだし始めた。
「マドカ!」
「千冬お姉ちゃん・・・・・・・・・・・もう・・・・・・・・お別れだね。」
「何を言っているんだ!これからじゃないか!」
まどかは首を横に振る。
「私は・・・・・・・・・・・・光になるわ。・・・・・・・・・最後に一言だけ・・・・・」
「なんだ?」
「私・・・・・・・・・・・・・・
お姉ちゃんに・・・・・・・・
お兄ちゃんに・・・・・・・・・
会えて・・・・・・・
嬉しかったよ。」
そう言った途端、まどかの身体が光だし、光の粒となって消えた。千冬は光の粒を掴むかのように握るが、光はつかめなかった。
その場にいたものは皆、涙を流した。
あまりにも短すぎた。
あまりにも遅すぎた。
やっと、家族になれるはずの者と再会したのに。
千冬は涙を流しながら叫んだ。
だがその声は空の彼方へと消えていった。
説明 | ||
メフィストツヴァイと戦うためメフィストとなり消えたマドカを探している千冬たち。マドカを発見するが・・・・・・・・・・ | ||
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