IS《インフィニット・ストラトス》駆け抜ける光 コラボ小説第二弾 第十話 凄まじい戦いの後は乙女の… |
紗耶「へへっ、待たせたな一夏ちゃん!」
一夏(異)「今回は紗耶先輩の方が相手ですか。やっぱり紗英先輩に戦わすのは嫌ですか?」
紗耶「それもそうだけどさ、オレが一夏ちゃんと戦いたかっただけ!」
対話が終わって三十分後、戻って来た紗耶はすぐさま模擬戦を始めようと急かしてくるのだ。子供のように瞳をキラキラさせて迫るその姿を唖然とする一同だが、当の一夏は何も気にせず了承してアリーナに向かった。
紗耶「ツインドライヴって言ったっけ? 動力源が二つ付いてて出力が二乗の力が生まれるんだろ? 唯でさえ高性能なガンダムタイプがもっと強くなるなんて! しかもそれと戦えるって思ったらゾクゾクしちゃうね!」
一夏(異)「なるほど……俺もそのガンダム――Ξガンダムがどれ程のものか見させていただきます!」
一夏はGNソードXを構え、紗耶もビームサーベルを構えお互いが接近し、鍔迫り合いが始まる。GNソードXは直剣で半透明のクリアグリーンで形成されている。GN粒子を纏わせずとも驚異的な切断力を誇り、またGNソードビットを装着することでバスターソード、バスターライフルに強化も可能となっている。
紗耶「いいねぇ! この感じ、ワクワクするっ」
紗耶は渾身の力でGNソードXを弾き返し、すぐさまファンネルミサイルで追撃を謀る。一夏もGNソードビットでそれらを迎撃しようとするが、ミサイル達は上手くそれらを避けて、一夏を直接狙ってくる。
一夏「くそっ、なんて動きしやがる!」
GNソードXをライフルモードにしてミサイルを迎撃しようにも、ミサイル自体が意志を持っているかのように動く。まるで獲物をジワジワと追い詰めるような獣の動きだ。それでも一夏は冷静に対処し、接近して来たミサイルを避けた後に破壊していく。
紗耶「ははっ、ファンネルミサイルの操作がいつもより楽だぜ! でもこれだけじゃあ詰まらない!」
紗耶はビームサーベルを抜きもう一度一夏に接近戦を挑むが、一夏はGNソードXにソードビットを装備してバスターソードで紗耶を迎え撃とうとする。鍔迫り合いになるが、圧倒的スピードで勢いに乗った紗耶のビームサーベルはバスターソードと同等の力を出していた。
一夏「ミサイルも厄介だが、そのスピードの方が脅威になるか! でも俺だってやられるだけで終わらない!」
紗耶「じゃあトランザムでくるか!?」
一夏「そうさせてもらう! トランザム!」
その叫び声と共にクアンタは全身が赤く染まり、紗耶を弾き飛ばす。クアンタのその姿を見て紗耶は笑みを隠せない。自分よりも強い人間と戦える喜びと、自分との差がそのくらいあるのかという期待にテンションが上がる。
紗耶「さぁ、もっと楽しい戦いにしようじゃん!」
紗耶は舞いあがっているのか、真っ直ぐ突っ込んで接近戦に持ち込もうとするが一夏は瞬時に紗耶の背後に回り込み、GNソードビットとGNソードXの斬撃でかなりのダメージを負わせる。
紗耶「くそ! こいつ!」
振り向きざまにビームサーベルで切りつけようにも一夏の姿はなく、今度は横から紗耶に回し蹴りを喰わらしアリーナの壁に叩きつける。一夏は壁にめり込んでいる紗耶の首元にGNソードXの剣先に構える。
一夏「勝負、ありましたよ」
紗耶「……ははっ! まだ終わってないぜ。周りを見てみ?」
紗耶の言葉と同時に一夏のハイパーセンサーが警告を出した。どうも周りにファンネルミサイルが展開しているようだ。
一夏「吹っ飛ばされてる間に展開させたのか!? 気付けなかったとは……でもミサイルが俺に命中するよりも俺が先輩の首を掻っ切る方が早いですよ?」
紗耶「そうだな。オレの負けだ。さすがだぜ、一夏ちゃん!」
一夏は紗耶から離れるとファンネルミサイル達が紗耶の中に戻っていった。ファンネルミサイル自体の弾数は結構なもので、百発はあるという。
一夏「Ξガンダムを使い始めてまだ日が浅いのに、使いこなせてるんじゃないですか?」
紗耶「さぁな。でも迷いが吹っ切れたからな。思いっきり動けたよ」
紗英と紗耶はお互いにお互いを守ると決心し、紗耶の存在を受け入れてもらったことで自信をつけることができた。もう一人ではないのだから。
鈴「二人とも、激し過ぎる戦いだったわね。ガンダムの性能も高いけどそれを使いこなしてる二人も凄すぎよ!」
ラウラ「やはりガンダムタイプのISは性能が桁違いだな……もし各国の技術者が見れば絶対に混乱を招くことになるか……」
対話も模擬戦も無事に終わり、安堵の溜息を吐くメンバーたち。異世界同士のガンダムを見て何を思うか?
ロックオン「そっちの世界のガンダムってオールレンジ武装が多くないかしら? ZZに至っては太陽炉なしであそこまでの火力を出せるのは無理よ」
マドカ「それにZZやHI-νは感情を力にしてるしな。もしかしたらΞもその内、そんな単一仕様能力が使えるんじゃないか?」
紗英「どうだろう〜? 今のこの状態でも申し分ないけどね♪」
ちなみに紗耶は久々にテンションが上がり、表に出るのは疲れたといい紗英に変わっている。紗耶も表に出ることはできるが、長い時間は無理だと言う。
一夏(元)「でも、そっちの異世界組のガンダムも凄いよな。大火力、圧倒的な射撃、機動、しかもISのコアとも対話が出来るなんて……こっちじゃありえないぜ」
セシリア「やはりガンダムというのは異常ですわ。でも私たちも負けていられませんわね!」
ラウラ「だが、クレアのランスロットも運動性だけならガンダムより上じゃないのか? 常人にあんな動きはできんぞ」
クレア「あ、ありがとうございます。でもまだランスロットの力を発揮できてないんでもっと強くならないと……!」
千冬「話すのはいいが、ここを使える時間は限られているんだ。どこか別の場所にしてほしいんだが」
千冬のその一声で一同は一旦の談話を中断する。しかし、この模擬戦が原因でこの世界にあるイレギュラーが現れるのはまだ先の話である。従来のISを超え、ガンダムと同等かそれ以上の存在が生まれるその日まで――。
シャルロット(異)「えへへ♪ こうやってみんなで話すのはいいかもね」
箒「そうかもしれないが、部屋一室に十一人の女子は狭く感じるな……」
セシリア「そうですわね。でも集まって話すのも悪くありませんわ」
寮の空き部屋を使い集まったこの世界と異世界の女子、紗英を除く十人が集まっている。生徒が使っている部屋より少し広いが十人も入れば狭くも感じるだろう。まぁ、そこは我慢だ!
鈴音「そう言えば、紗英ちゃんは?」
クレア「そうですね……一体どうしたんでしょうか?」
エリス「紗英ちゃんなら生徒会長に会いに行ったよ。恋人に報告することがあるんだろうねぇ〜」
マドカ「……坂本先輩と楯無会長は付き合っているのか?」
エリス「けっこう有名な話だよ♪ 私も腕組んで歩いてる姿何度も見たことあるし、紗英ちゃんにも確認とったから間違いないよ」
唖然とする一同。シャルロット(元)やクレアに関してはリンゴみたいに顔を赤くして俯いている。そんな中、ロックオンとシャルロット(異) だけは笑っていた。だってこの二人は恋人のするあれをけっこうやってるのである。もちろん、恋人と言うわけではないが……。
ロックオン「いいんじゃないかしら? 好きな人に異性、同性は関係ないわ」
シャルロット(異)「そうそう♪ 私とロックオンなんて、あんなこともしたしこんなこともしたし……いっぱいしたよね♪」
そう言いながらシャルロット(異)は顔を赤くしながらもテンションを上げて悶える。どうもこのシャルロットは隠すと言うことを知らないらしい……。今に起こったことではないけど。
シャルロット(元)「もう! そ、そういうことって言っちゃダメだよ!」
シャルロット(異)「なんで? だって隠す必要なんて必要ないもん!」
シャルロット(元)「女の子がそんなこと言ったら、は、はしたないんだよ! 何回言わせるのさ!」
ロックオン「はいはい。二人ともそこまで!」
なんや、かんや言う二人にロックオンが手を叩き、その場を強制的に終わらせた。二人のシャルロットはロックオンの声で一度冷静になるが、それがいけなかった。一人のシャルロットが突然叫びだして部屋を出ていったのだ。どちらかのシャルロットかは想像にお任せする。
ラウラ「おい! シャルロット!」
ラウラは片方のシャルロットを追いかけ出ていってしまった。それを唖然としてみていた一同。気まずい雰囲気になってしまった。
クレア「……あんな恥ずかしいことを自分で言ってると思ったら分かる気がします。訊いてるこっちが恥ずかしかったです///」
箒「普段のシャルロットからは想像できないような言葉が……いや、聞かなかったことにしよう」
鈴音「まぁ異世界の自分でもがあんなこといってたら、本人はイヤなのは当然よねー……あぁ恐ろし」
シャルロット「えへへ〜♪ でも反応が可愛かったなぁ?」
恐るべし異世界のシャルロット……! このテンションは一生治らないんだろうな。
セシリア「まぁシャルロットさんのことは気の毒ですが、一体何をお話しましょうか?」
……さりげなくシャルロットを見捨てているような言い方だが本人は無意識である。その疑問をロックオンが答えた。
ロックオン「女子だけで話すと言えば恋バナ以外に何があるのかしら?」
箒「薄々そんな感じはしていたが、苦手なんだよ」
マドカ「それは同感だ。特に気になる異性とか、いないしな……」
女子と言えどこういう風に苦手な女子もいる。特にお堅い二人はそうだろう。でも好きな人間もいる。
シャルロット(異)「やっぱり恋バナだよね〜。しよしよ♪」
鈴音「いつものメンバーより人数も多いしいいじゃない」
セシリア「ちょっと恥ずかしいですが、良いですわね」
後はもうお互いに好きな人のことを言いまくるだけだ。火のついた少女たちの会話を止めれる者はいない……。
ロックオン「もうあたしは一夏といろいろヤったわよ? 早く貴女達も早く想いを伝えることね♪」
鈴音「んなっ! アンタ凄いわね……。でもアンタのとこの一夏ってえらいクールだよね?」
シャルロット(異)「でも可愛いとこがあるんだよ♪ 私も混ざってヤったことあるしね♪」
箒「な、なんて破廉恥な!」
マドカ「確かに箒の言う通りだな……節度を持て……」
片方は一夏の事を話し、もう片方のグループは――
クレア「私……光輝さんのこと好きなんです!」
ラウラ「なんだと!? だからあんなに嫁の部屋に行ってたのか!」
エリス「まぁ私は知ってたけどね〜」
セシリア「なんで仰ってくれなかったのかしら?」
エリス「だってその方が面白くなりそうじゃん♪ クレアちゃんも大胆でね、光輝くんに――」
クレア「きゃああああ! エリスさん言ったらダメですよぉ〜!」
もちろん光輝のことである。異世界とはいえ、ライバルが出来たことにエリス以外は警戒しているがエリスはこの状況を楽しんでいる。その余裕が何処から出るのだろうか……。
そんな騒がしい部屋に入って来た二人が居た。楯無に会いに行った紗英と先ほど逃げ出したシャルロット(元)であった。シャルロット(元)は顔を赤くしているが、紗英に関してはなんかすっきりした表情である。何があったのだろうか?
ロックオン「あら、シャルロットに生徒会長の彼女さんの紗英先輩ではないですか♪ 事は終わりましたか?」
紗英「もちろん♪ と言っても前戯しかしてないけどね。それでも楯無ちゃん可愛かったから満足だけどね♪」
どうも事が終わった紗英は逃げ出したシャルロット(元)と出会い、この部屋に来たと言う。その話をシャルロット(元)は部屋に来るまで聞いていたらしく、それで赤いらしい。
シャルロット(異)「へぇ〜一度、会長を苛めて見るのもありかもね」
マドカ「お前はいい加減にそういう考えを捨てろ……」
鈴音「先輩も結構オープンな人なのね……意外だわ」
こんな感じの会話が数時間も続き、終わった後に二人のシャルロットはある部屋に行ったことや、紗英も楯無の所に行き事をしたのはまた別の話である……。
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今年初の投稿がこんな時期になってしまいました! この小説の悩みがあったのですが、ある程度まで吹っ切れたんでまた更新頑張って行こうと思います! |
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