マジ恋への転生者
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〜5月某日:京都内某所〜

 

 

 

三人称Side・始

 

 

 

名所『決闘の地』は観光客でごった返していた。

 

 

燕「ね?ばり?、強?く?、生きていく?んだ?」

 

 

松永燕はステップしながら目的の場所に向かう

 

 

燕「1日、いっしょく?、なっトウ!トウッ!」

 

久信「燕ちゃ?ん、キてる?」

 

燕「準備オーケーよん、おとん」

 

久信「相手は早く戦いたくて仕方ないみたいだよ」

 

 

久信の言葉を聞くと燕は対戦相手をみる。相手は筋肉質なアメリカ人だ

 

 

ゲイル「ハッハー!カモーン!」

 

久信「カラカル・ゲイル……表世界の全米格闘王者だけど、平蜘蛛は使わないでね、燕ちゃん」

 

燕「はいはい」

 

 

燕は軽いステップで中央へ向かう

 

 

燕「お待たせ、じゃあ始めようか」

 

鯉「それでは、九鬼家従者部隊序列42番、桐山鯉。この対決、見届けさせて頂きます松永様」

 

久信「ああ、しっかり見て、報告してくれ」

 

ゲイル「ゲーイツ!私の勝率ハ?」

 

ゲイツ「99.9999%だヨ。兄さん」

 

 

カラカル兄弟は兄のゲイルが攻撃、弟が相手をコンピュータで分析するというスタイルで、無敗を続けていた

 

 

ゲイツ「……でも、妙なんだ。松永といえば、武器が有名だろ」

 

ゲイル「YES。槍とか薙刀とかが相手と思いましたが」

 

ゲイツ「彼女は、素手なんだよね。あまりに華奢じゃないか」

 

ゲイル「HEY、ツバーメ。ワタシは素手ですが、遠慮無くウェポンを使っていいんですよ」

 

燕「お気遣いどうもです。でも私は素手でいいんで」

 

ゲイツ「さらに、着ている服。それで戦えるのか?」

 

燕「ふふ、今度転入する所の、制服なんですけどね。女子学生が戦うって感じほど……」

 

久信「観客の反応いいからね!ザッツエンターテイメント」

 

ゲイル「兄さん、90%の確率で舐められてるよ」

 

ゲイツ「OH……ファァァァァーッッック!!」

 

 

激昂し、ゲイルは燕に向かって突進してきた。

 

 

燕「よろしくお願いしまーす」

 

 

燕はゲイルの拳をひらりと避けると、

 

 

燕「はあぁぁっ!!」

 

 

ゲイルの顔を蹴り上げた。蹴り上げられたゲイルが、地面に崩れ落ちる

 

 

ゲイル「馬…鹿、な…ジーザス」

 

燕「いやぁ強いね、手加減出来なかったよ?」

 

ゲイツ「! 手加減…収集してきたデータと、実際の戦闘力とでは違いがあったか」

 

鯉「(9…と言ったところか)松永燕様…貴方の勝利です。おめでとうございます」

 

客1「いよっ、サムライガール!」

 

燕「どもども」

 

客2「全米と欧州王者のゲイルを倒すなんて!お見事ブシドー!」

 

燕「おひねりなんかも受け付けておりまーす」

 

客3「決闘なんてええモン見たわ!松永の名…覚えたで!」

 

久信「いいぞいいぞ、我が家名、再び高まったぞ」

 

燕「次はいよいよあそこかぁ。ん??、学校生活面白そう」

 

久信「本来僕達まだ行かない予定だったけどね……好機をもらったんだ。なら行こう、神奈川へ…川神へ!」

 

 

その様子を遠方より見ている影が三つ

 

 

『全く、あの二人は。あれほど“どんな相手でも油断するな”と教えたのに。唯でさえ燕姉は強いんだから』

 

川獺「あのカラカル兄弟、氣を知ってるみてぇだな。一応は氣で身体強化してやがった」

 

『そりゃあそうだろ。なんたって私が教えたんだから』

 

人鳥「お、教えたのですか?」

 

『ああ、中学のころ世界中を旅して――――まあ旅と言っても武者修行だが――――な。その時各国で氣を教えた武術家の一人さ』

 

川獺「成程。なら松永の試合も終わったし、刀集めに戻りますか」

 

『そうだな』

 

 

フッと消える三人

 

 

燕「?」

 

 

視線を感じ、先ほどまで三人が居た方を向く燕

 

 

久信「うん?如何したんだい?燕ちゃん」

 

燕「(さっきまで誰か居たような)ううん。何でもない」

 

 

その会話を聞いた桐山は

 

 

鯉「(流石松永と言った所か。あの三人に気が付くとは)」

 

 

と感心していた

 

 

三人称Side:了

 

 

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〜6月8日〜

 

 

 

大和Side:始

 

 

始まりは学園長の一言だった。

福岡の天神館の一行が修学旅行で川神に来るということで、学校ぐるみでの決闘を申し込んできた。1年、3年と来て戦歴は1勝1敗と互角。あとは俺達2年の結果となる

 

 

英雄「今は、クラス同士で対立している場合ではないぞ!1年達の敗北を見ていたであろう。天神館を、バラバラに戦って勝てる相手だと侮るなよ!学舎の名を高めるか!辱めるか!選べ、お前達!」

 

 

2−Sの九鬼英雄の演説により2年全体の士気は向上し、団結力が強まっていった

 

 

冬馬「というわけで作戦会議、というわけですが」

 

「天神館の戦力は団結力だからな。無闇に行くのは無謀だ」

 

冬馬「注意すべきは上位の10人……『西方十勇士』ですね」

 

 

西方十勇士。天神館の2年の精鋭で作られたエリート達。取り分けこの学年は『キセキの世代』と呼ばれる程、実力者が多いらしい

 

 

「確か、去年まで四天王と七武将だったっけ」

 

冬馬「ええ。確か抜けた方は十勇士全員を相手取れる化物らしいですからね。その点を考えると幸運と言えます」

 

 

と、その時

 

 

小雪「ウェーイ、大和〜トーマ〜」

 

 

ユキがこっちに来た

 

 

「ゆ、ユキ!?」

 

 

何で前線に居るはずのユキがここに!?

 

 

冬馬「おやおや、どうしたのです?ユキ」

 

 

冬馬が聞く

 

 

小雪「んっとね〜、メイから電話があって“勇士の一人が大将のところ来るだろうから護衛行け”って言われたの」

 

冬馬「メイからですか?」

 

小雪「うん」

 

英雄「我が友冬馬よ、どうやら迷彩は来るようだ」

 

「え?メイが来るのか?」

 

 

九鬼に聞くと

 

 

英雄「うむ。今しがたヒュームから連絡があった」

 

小雪「それと、昨日のやつも見てたみたいだよ?」

 

 

マジかよ

 

 

大和Side:了

 

 

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『全く、やはり武蔵の一族は自意識過剰・自信過剰だな。普通大将が単騎突撃するかね』

 

 

バタバタバタバタ!

 

 

『ところで義経』

 

義経「何だ?メイさん」

 

 

私は隣に座っている義経に

 

 

バタバタバタバタ!

 

 

んで、さっきからこのうるさい音はヘリのプロペラの音だ

何で私がここにいるのか…自分でもわからん

 

 

『何で私とふぶきがここにいる?』

 

ふぶき「すっごーい!高ーい!」

 

義経「ん?いや、義経だけが行く予定だったのだが…その…ヒュームさんがな…」

 

 

あんの不良執事!!!また面倒事を!!

 

 

義経「す、すまない。連れてこなかったほうが良かったか?」

 

『あ、いや!気にするな義経!お前が悪いわけじゃないよ。悪いのはあの不良執事だ! それにまあ、ふぶきも喜んでるからいいけどな」

 

 

くっ、義経の泣き顔を見るとどうしても子犬が思い浮かんでしまうのは私だけか!?

 

 

 

※そんなことはない。取敢えずクローン組は同じことを思うだろう

 

 

 

義経「っ!あれは!」

 

『ん?どうした?って、おいおい、三郎の奴…覚醒してるよ』

 

義経「助けねば!」

 

 

バッ

 

 

『っておい!?義経!……飛び降りていったよ』

 

 

私を置いて義経はヘリから飛び降りて行った

 

 

『しょうがない、私も行くか…まったく。ふぶき、行くよ』

 

ふぶき「どこに?」

 

『下にだよ。義経が行っちゃったし』

 

ふぶき「わかった!」

 

『よし、じゃあ行くか。 多分戻れないと思うので、先に帰っててください』

 

 

私も義経に続き、ふぶきを抱えて下へと降りていく。その途中で見えたが、義経が覚醒した石田に向かって走っていた

 

 

義経「源義経…推参!」

 

 

ザシュン!

 

 

三郎「ぐああああ!」

 

 

一瞬で三郎を斬る義経

 

 

三郎「ぐ……はっ、その名前…お前も…俺や島と同じように、武士の血を引く人間か…」

 

 

三郎の問いかけに義経が答える。

 

義経「違う。義経は武士道プランで生まれた者…血を受け継ぐものにあらず…そのものだ」

 

三郎「……?それにしても理不尽なまでの強さ…惚れ…る…」

 

 

ドサッ

 

 

三郎、完全に気を失ったな。覚醒が解けていやがるし

 

 

義経「義経は、同じ学舎の友として、お前を助太刀した」

 

 

義経と大和が話しているのが聞こえる

 

 

大和「うん…助かった、ありが…!?」

 

 

直江の言葉が止まり、上を見ていた。そこには天神館の生徒が安心しきっている義経に斬りかかる

 

 

だが

 

 

『私達がいるんだ、やらせるかよ!ふぶき!君に決めた!ってか』

 

ふぶき「わーい!」

 

 

私は空中でふぶきを投げる。ふぶきは楽しそうな笑顔を浮かべながら天神館の生徒に向かって両足を突き出して飛んで行く

 

 

天神生「ぐはっ!?」

 

 

ドサッ!

 

 

生徒は気を失った

 

 

『ふう、間に合ったか。ダメだろ義経。油断したら』

 

 

ポカン!

 

 

軽く拳骨で叩く

 

 

義経「あいた!す、すまない///恥ずかしい限りだ」

 

 

俺に叩かれた頭を押さえる義経

 

 

『大和も大和だ、軍師が単騎突撃すな』

 

 

ゴン!

 

 

大和「あだ! 強さが違うぞメイ!」

 

『ドアホ、武蔵小杉と同じようなことした罰だ』

 

大和「うぐ。 それはそうと、その二人は誰なんだ?」

 

 

大和が義経とふぶきを指さしながら聞く

 

 

『無理もない。義経は今日から2−Sに、ふぶきは1−Sに編入されたんだ。だから、お前が知っているはずがないな』

 

 

私の話を聞いた大和は少し、というか目を光らせたのが分かった

 

 

大和「……Sクラスなのか」

 

義経「そうだ。Sは実力最優先の、選抜クラスだそうだな」

 

『義経は少し緊張してんだよな?』

 

 

俺がからかうように言うと少し顔を赤くする義経

 

 

義経「うむ。しかし、弁慶が、義経はやれば出来る子、というので頑張ろうかとメイさんもサポートすると言ってくれているしな!」

 

大和「そ、そうか」

 

義経「しかし、いくら大将を潰すためとはいえ、軍師が単独行動するのは危険だと思うぞ。せめて、護身術とか覚えておかなければ」

 

 

義経が大和のした行動について注意をすると、少し落ち込んでいる大和

 

 

大和「ああ…一気に倒すチャンスだと思ったけど…甘く見ていた…助けられちゃ世話ないね。一応護身術はメイに教わってたんだけど(冬馬はクラスも違ってあまり練習の時間取れないし、ルー先生なら大丈夫かな?)」

 

義経「…気持ちは分かる。義経も時々やるからな」

 

『それで弁慶達に心配かける義経ちゃんであったのさ』

 

義経「め、メイさん!///」

 

 

義経がジェスチャーで「そんなことは言わないでくれ!」と言ってきているが無視しちゃおう

 

 

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そんなやり取りをしているとカズが右近を倒した所だった。相も変わらず初対面の相手にもオジサン扱いされていた。今度何か送ってあげよう、惨めに見えてきた

 

 

義経はそれを見ていたので、川神に近づき、感心しているのか話している

 

 

一子「あはは、どうもどうも」

 

 

苦笑いカズ

 

 

義経「これぐらい感心した!」

 

 

義経が手をバッ、と横に広げている。変なところが子供っぽいよな

 

 

一子「…えーと、ところでどなた?」

 

 

カズは最もな意見を言う。

 

『その話は後だカズ…ともかく、これで勝ったな』

 

義経「うん。敵将はすべて倒した。勝ち鬨を高らかにあげよう」

 

 

義経がカズを見ている。

 

 

一子「ツル兄!? ってえ、あ、アタシが…勝ち鬨!?」

 

義経「君にはその権利がある。最後の将を…島を倒したんだ。義経が保障しよう」

 

 

義経がそういうと

 

 

一子「いやははは、て、照れるけど…それじゃあ」

 

 

息を大きく吸い、カズは大声で勝ち鬨を上げた

 

 

一子「敵将!全て討ち取ったわ――――!!!」

 

川神生1「勝ち鬨をあげろ――――!!!!!」

 

川神生2「俺達、東の勝ちだ――――!!!!!!」

 

 

カズが声高らかに勝利宣言した。それが聞こえたのか、各地から怒号が聞こえる

 

 

そこへ

 

 

英雄「フハハハハハ! 皆の者、大義であった!!」

 

 

英雄が現れた

 

 

大和「おい九鬼英雄。なんなんだ彼女は。2-Sだそうだが」

 

英雄「武士道プランの申し子か。予定よりも早く投入されたな。それに我が友メイも居るのか」

 

義経「義経も武士だ。戦と聞いては武士の血が騒いで黙っていられない」

 

『私はあの不良執事のせいだけどな』

 

 

やれやれだな

 

 

冬馬「貴方が義経のクローン…しかしまさか女性だとは」

 

義経「義経は義経だ。性別は気にするな」

 

『だな。こいつはからかうと面白いぞ?』

 

義経「め、メイさん!///」

 

 

腕を横に振る義経。フ、そんなだから私や弁慶にからかわれるのだ

 

 

冬馬「ええ、私もどちらでも構いません」

 

『「お前は違う意味で言っているな」』

 

 

と大和の声が重なった

 

 

大和「それにしても何だ武士道プランって…?」

 

 

大和は義経や英雄の話にあった武士道プランについてを聞く

 

 

英雄「明日の朝、テレビを見よ。それが一番てっとり早いわ!」

 

 

確かに一々、話すよりもまとめてわかるテレビのほうがいいよな

 

 

義経「これから、よろしく頼む」

 

 

ぺこりと頭を下げる義経

 

 

大和「どうも、こちらこそよろしく」

 

義経「これから、よろしく頼む」

 

 

ぺこりともう一度頭を下げる義経

 

 

義経「大事なので義経は2回言ってみた。では、さらば」

 

 

そう言って義経はこの場を去ろうとするが

 

 

ガシッ!

 

 

義経「な、何をするんだメイさん!」

 

 

私は義経の腕を掴んだ。髪で

 

 

『アホ。お前、道わからないだろ』

 

 

そう言いながら俺は義経を抱き上げる。まあ、俗に言うお姫様抱っこだ

 

 

義経「んな!?///め、メイさん!これは恥ずかしいぞ///」

 

『こうでもしないとお前、道に迷うだろうが。ふぶきー!もう行くぞ−!』

 

 

カズと追いかけっこをしていたふぶきに声をかける

 

 

ふぶき「わかった!」

 

 

そう言って頭の上に飛び乗ってくるふぶき

 

 

『じゃあ英雄また後で。あと大和!明日寮に戻るから!』

 

 

私は英雄にそう言ってこの場から消えるように去っていくのであった

 

 

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〜交流戦の翌日〜

 

 

ここ、川神市にある川神学園の全校生徒がグラウンドに出てきて整列していた

 

 

鉄心「皆も今朝の騒ぎで知っているじゃろう、武士道プラン」

 

 

学長であり川神院の総代である、川神鉄心の口から直々に生徒たちに説明する

 

 

鉄心「この川神学園に、転入生が7人入ることになったぞい」

 

 

ざわ…ざわ…

 

 

学長の話を聞き、皆がざわめき始める

 

 

鉄心「武士道プランについての説明は、新聞でも見るんじゃ。重要なのは学友が増えるという事。仲良くするんじゃ」

 

 

片目を開き、生徒たちに言う

 

 

徹しな「…競い相手としても最高級じゃぞい、なにせ英雄」

 

 

学長の話を聞き、何人かは考え事をしているようだ

 

 

「武士道プランの申し子達は、全部で4人じゃ。2人は関係者。残りの1人は無関係の者じゃ。まず無関係の者。1−Sに入るぞぃ」

 

 

学長の言葉に1−Sの生徒――――主に武蔵小杉――――は楽しみにしているようだ

 

 

“使えそうなら部下にしよう”とか言ってるけどよ、お前じゃ勝てんよ?

 

 

鉄心「では((敦賀|・・))・I・ふぶき、来ませい!」

 

 

敦賀の名に反応する生徒達。前例が有るため、一部を除いた生徒たちは空を見上げる

 

 

すると

 

 

ズボッ

 

 

地面から白髪の二人が飛び出してきた

 

 

『残念、今回は地面からでした』

 

 

生徒全員が度肝を抜かれた

 

 

鉄心「ふむ、ついでじゃ。復学した敦賀迷彩。ともに挨拶せい」

 

『お久しぶり、敦賀迷彩だ』

 

ふぶき「その((義妹|いもうと))の敦賀・I・ふぶきだよ!よろしく!」

 

 

鉄心「次に3年生、3-Sに1人入るぞぃ」

 

 

学長の言葉に3-Sのクラスのメンバーはワクワクしている様子だ

 

 

鉄心「それでは葉桜清楚、挨拶せい」

 

 

学長の声と共に、一人の少女が壇上の前に出てきた。そのままゆっくり壇上へ上がる姿に、学園のほぼすべての男子生徒達の目を奪う

 

 

少女はマイクの前に立つと、挨拶を始めるのであった

 

 

清楚「こんにちは、初めまして。葉桜清楚です。皆さんとお会いするのを楽しみにしてました。これから、よろしくお願いします」

 

 

まさに文学少女を体現したかのような清楚な雰囲気は、その場にいる全員を沸き立たせるにさせるには十分だった。

 

 

福本「が、学長、質問がありまーす!」

 

鉄心「全校の前で大胆な奴じゃのう。言うてみぃ」

 

福本「是非、3サイズと彼氏の有無を……!」

 

梅子「全校の前でこの俗物がーっ!」

 

 

バシーン!!ドサッ!

 

 

小島先生の制裁を受けて、変態は倒れる

 

 

鉄心「アホかい!…まぁ、確かに3サイズは気になるが」

 

 

アンタもかい!

 

 

ルー「総代、真面目にやってくださイ!」

 

鉄心「おお、すまんすまん。ついのぅ。葉桜清楚、という英雄の名を皆聞いたことなかろう」

 

清楚「それについては私から説明します。実は私は、他の3人と違いまして、誰のクローンだか自分自身ですら教えてもらっていないんです。葉桜清楚というのはイメージで付けた名前です。25歳ぐらいになったら教えて貰えるそうです。それまでは学問に打ち込みなさいと言われています。私は本読むのが趣味なんです……だから清少納言あたりのクローンがいいな、と思っています」

 

 

清楚さんの説明が終わると、男子達はその姿に見惚れているのがわかった

 

 

さて、清楚さんの紹介が終わると次は2年の生徒の紹介。クラスはもちろんS組。檀に上がったのは義経と弁慶

 

 

弁慶「こんにちは。一応、弁慶らしいです。よろしく」

 

川神生1「結婚してくれーーーーー!!!」

 

川神生2「死に様を知ったときから愛してましたーーー!!」

 

 

アホどもが叫ぶ。てか、うるさい。その一方で壇上の義経は緊張した様子で、清楚さんと弁慶とふぶきが励ましていた

 

 

義経「……よし!源義経だ。性別は気にしないでくれ。義経は、武士道プラン関わる人間として恥じない振る舞いをしていこうと思う。よろしく頼む!」

 

 

義経の挨拶に男子達が声援が沸く。もう性別は関係ないようだ。壇上では義経がうまく自己紹介出来たことに喜んでおり、それを弁慶が宥めていた。……思ったんだが、本当に義経の従者が弁慶なのだろうか?前から思ってたけど、なんか逆な気がする……それは置いといて、次は与一の紹介だ。ここに居ないんだけどな

 

 

鉄心「2-S、那須与一!いでませい!」

 

 

鉄爺の声に全員は期待の眼差しで与一の登場を待つ。……しかし、本人が現れる気配は一向に無かった

 

 

鉄心「照れているのかのぅ。よーいーち!」

 

真与「与一さーん!怖がらなくても大丈夫ですよー!」

 

 

学長と委員長が呼ぶが、与一は一向に現れる気配は無い。その様子を見た周りはざわめきだした

 

 

義経「あわわ…与一は何をしているんだ…皆との和が…」

 

弁慶「あとでアルゼンチンバックブリーカーだな…」

 

 

どうやら本当にサボリらしい。というか弁慶、それやったら本当に生きてないから……

 

 

鉄心「メイよ、何処に居るか分かるか?」

 

『ん〜?屋上。何なら私が引きずり出そうか?』

 

鉄心「うむ、たのむ」

 

『OK』

 

 

力ずくの許可が出たので少し本気出すことにした

 

 

 

一方与一は屋上で

 

 

与一「ハッ、アホらしい。やってられるか」

 

 

一人黄昏ていた

 

 

するとそこに

 

 

ドガァァァァァァァァァァン!

 

 

何かが飛来し、爆音が起こった

 

 

与一「な、なんだ!?組織の襲撃か!?」

 

 

厨二病的返しをした

 

 

 

 

『そんな返しができるってことはまだまだ余裕なんだよな?与一』

 

 

そう私が言うと青ざめて上を向く

 

 

与一「あ、兄貴!?」

 

 

月歩で空中に上がり、上から氣を具現化して投げつけたのだ。もちろん眼帯と眼鏡を外して

 

 

『さて、まだまだ行くよ☆』

 

 

次々と氣を武器に具現化し、投げつける

 

 

偃月刀・薙刀・戟・大剣・太刀・奉天画戟・清龍偃月刀・飛龍偃月刀・矛・刀時々苦無

 

 

気が付くと与一は角に追い詰められていた。気絶寸前で

 

 

『ふむ、そろそろやめておくか』

 

 

そう言って指先から氣の糸を出して与一にくっ付け、眼帯と眼鏡を着けて下に降りる

 

 

鉄心「ち、ちとやりすぎとちゃうかのぅ(汗)」

 

『いいんだよ、分かっててやったんだろうし。なあ、弁慶?』

 

弁慶「そうだねぇ、何度も受けてるのに未だに懲りないんだよねぇ。んくんく、はー美味しい」

 

 

その時、弁慶は腰に下げていたひょうたんから川神水を飲んでいた

 

 

クリス「おおーーい!ひょうたんが気になっていたが後ろで弁慶が飲んでるぞーーーー!!」

 

『弁慶、我慢できなかったのか?』

 

弁慶「申し訳も」

 

義経「こ、これは…皆も知っている川神水で、酒ではない」

 

クリス「なんだ、そうか……って、川神水なら飲んでいいわけでもないぞ!」

 

一子「なんか理由でもあるんじゃない?」

 

弁慶「えぇ……私とある病気でして、こうして時々飲まないと、手か震えるんです」

 

 

“それってアル中だよな”と誰かが呟いた。同意するが言っても無駄だ

 

 

武蔵「でも特別優遇すぎますよ」

 

鉄心「それについては成績が4位以下なら退学でかまわんと念書を貰っておる。4位以下ならサヨナラじゃ」

 

心「3位以内じゃと?Sクラスで随分となめたことしてくれるのう」

 

マルギッテ「まったくです。引きずり落としてあげます」

 

準「確かに弁慶に勝ったって響きはカッコイイよな」

 

巨人「(おっ、さっそく競争に火がついたか。後は仲良くしてくれれば万々歳だ。頼むからおじさんの仕事増やさないでくれよ…)」

 

義経「不快感を与えたかもしれないが義経は仲良くやっていきたい。よろしく頼む」

 

 

義経は深々と頭を下げ、弁慶はシュタッと手を上げ、与一は適当にお辞儀(首を縦に動かしただけ)した

 

 

鉄心「さて次はプランの関係者じゃ。両名とも1-Sクラスじゃ」

 

 

その時、生徒の一部にどよめきが走った。見てみると、後ろの方から何人ものスーツを着た大人達が二列で行進してきた。檀の近くまでくると、お互いの肩に両手を置き体を前にした。丁度、組体操の態勢だ

 

 

その上を1人の少女が歩いてくる。と言っても、ねぇ……あれって……

 

 

紋白「我、顕現である」

 

 

……………なんで紋が

 

 

英雄「フハハ、何を隠そう我の妹である!」

 

心「わかっとるわー!それ以外になにがあると言うんじゃ!!」

 

マルギッテ「九鬼が二人…カオスすぎる」

 

準「見た瞬間に心が震えた!…圧倒的カリスマ!」

 

心「まあお主はそうじゃろうな」

 

準「自分が恋に落ちる瞬間を認識してしまった」

 

 

紋白「我の名は、九鬼紋白。紋様と呼ぶがいい!我は武士道プランの受け皿になっている川神学園を進化先に決めたのだ!そっちの方が護衛どもの数が分散せんからな。我は退屈を良しとせぬ。一度きりの人生、互いに楽しくやろうではないか!フハハハハーーーーーー!!!」

 

 

そう言って紋……様は笑った。……うん、やっぱり兄妹だな。そしてもう一人は恐らく、従者部隊の誰か……って

 

 

『げ……』

 

 

あの金髪の髭の生えた爺さんは……

 

 

ヒューム「新しく1-Sに入る事になりました。ヒューム・ヘルシングです。皆さんよろしく」

 

 

……悪夢だ。よりにもよってヒュームさんとか……

 

 

百代「……あれがヒューム・ヘルシングか」

 

弓子「知っているで候?」

 

百代「強いなんてもんじゃないぞ。九鬼家従者部隊零番だ。だが想像しているよりは強くは…お年かな」

 

 

そのときその会話を聞いていたヒュームは百代の後ろを取るため移動した。速すぎるため壇上から消えたように見えただろう

 

 

ヒューム「ふむ、((打撃屋|ストライカー))としての筋力が足りないぞ…川神百代」

 

百代「なっ!?いつの間に後ろに!?」

 

ヒューム「ふん、大体わかった。お前もまだまだ赤子よ」

 

 

そう言ってヒュームさんは百代の背後から消えると、

 

 

ヒュン!

 

 

パシッ!ビュン!

 

 

『……!』

 

 

今度は私の背後に現れて蹴りを放ってきた。それを捌くと連続で蹴りを放ってきたので右足のアンクルを外して蹴りの応酬をする。そしてヒュームさんの顔の直前で蹴りを止めた

 

 

ヒューム「フ……安心したぞ。腕は鈍っていないようだな」

 

『そいつはどうも。あと不意打ち止めてくれません?』

 

 

壇上にはクラウディオさんがいた

 

 

クラウディオ「私は九鬼家従者部隊序列3番、クラウディオ・ネエロと申します。少し補足させていただきます。私ども九鬼家従者部隊は紋様の護衛と武士道プラン成功のためちょくちょく学園に立ち寄りますがどうか仲良くしていただきたい」

 

英雄「さすが紋。堂々としたものではないか」

 

 

クラウディオさんの補足説明が終わりこの場は解散となった

 

 

さてこれからどうなるやら

 

 

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第十三話
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